TK from 凛として時雨、限定500人に魅せた新曲の数々 シークレットライブのオフィシャルレポートが到着
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TK from 凛として時雨 撮影=河本悠貴
『Signal to Secret Noise Show』
2016.10.27 渋谷 duo MUSIC EXCHANGE
TK from 凛として時雨が10月27日、渋谷 duo MUSIC EXCHANGEにてシークレットライブ『Signal to Secret Noise Show』を開催した。
9月にリリースした2ndシングル「Signal」とニュー・アルバム『white noise』の購入者の中から、500名を招待して行われたこの日のライブ。新作『white noise』をお披露目するというレアな機会でもあり、平日の夜にも関わらず会場を埋めつくした観客は、静かな熱気のなかでTKの登場を待った。
TK from 凛として時雨 撮影=河本悠貴
ほの暗いステージに5人のメンバーが現れる。ギター・ボーカルのTKを筆頭に、ベース、ヴァイオリン、キーボード、ドラムという編成で、今後行われるツアーもこの布陣で行うという。ライブは『white noise』の幕開けを飾る「Signal」からスタート。どっしりとしたリズムでスケール感のあるメロディを紡ぐバラード調の曲で、TKのハイトーン・ボイスにヴァイオリンの優美な音が寄り添う。どこか感情を抑えたような歌パートとは対照的に、ギター・ソロでは残響音をたっぷり含んだエモーショナルな演奏を披露し、恍惚とした空気がフロアを満たしていく。
次の「Wonder Palette」は、美しい記憶の色を集めたパレットがモチーフの楽曲。すべての色を手に入れたとき、“色鮮やかな 黒の孤独”が表れた――という静かな絶望を歌うTKの声が、驚くほど生々しく聞こえる。囁くようなせつなげな声色から、透明感のあるファルセット、腹に力をこめた張りのある高音まで、さまざまな歌い方を交え、聴き手の感情を揺さぶってくる。歌だけではなく、繊細なギターと力強いリズム隊もまた、いつになく情感豊かな音を奏でている。そこから伝わってくるのは、寂しさや哀しみといった痛みをともなう感情だ。それも湿っぽい気分ではなく、人跡の絶えた荒野で乾いた風に吹かれているような、圧倒的な孤独感。多くの観客が体を揺らすことも忘れ、TKが歌う喪失の物語に引き込まれていた。
TK from 凛として時雨 撮影=河本悠貴
新作『white noise』を聴いて、音の質感が変わったと感じていたが、「dead end complex」の構成には意表を突かれた。この曲でTKはエレキからアコースティック・ギターに持ち替え、ベーシストのTOKIEもアップライト・ベースにチェンジ。TOKIEは指弾きと弓弾きを組み合わせ、なんと曲の途中でエレキ・ベースに持ち替えるという早業を繰り出す。当然ながら楽曲の雰囲気は前半と後半でガラッと変わり、1曲の中で風景がどんどん移り変わっていく。単純な音の足し引きだけではなく、変化に富んだ音の組み合わせが斬新な響きを生み出していたわけだ。
TK from 凛として時雨 撮影=河本悠貴
TKは新作『white noise』で新たなモードに入った。そう実感したのは、「unravel」と「Fantastic Magic」という2ndアルバムの収録曲が披露された終盤だった。隙間を埋めるように音を重ね、分厚い音の壁で聴き手を圧倒するこの2曲から伝わってくるのは、フラストレーションや焦燥感といった感情。これまでTK from 凛として時雨の作品は、確かにこうしたアプローチが主軸だった。一方で、新作『white noise』の楽曲は、ピアノやヴァイオリンの透き通った音が際立つサウンドから、寂しさや哀しみといった感情がダイレクトに伝わってくる。これほど直接的に内面を表現する曲がTKから生まれるとは思ってもいなかったが、その音が伝えるヒリヒリとした感覚は同じ。どちらもTKらしく、緊張と興奮を生み出す唯一無二のサウンドだ。
TK from 凛として時雨 撮影=河本悠貴
本編ラストは、新作から「white out」。ギター、ベース、ヴァイオリンの音色が官能的に絡み合い、ずっしり重いドラムがボトムを支える。そしてアンコールでは、新作の中でもっとも攻撃的な「Showcase Reflection」、凛として時雨の楽曲のセルフカバー「Shandy」を披露。ピアノのクラシカルな音色から始まる「Shandy」は、凛として時雨の楽曲の中では異彩を放っていたが、これもまたTKの持っているひとつの資質を示す曲だったのだと今ならわかる。
TK from 凛として時雨は今後、新作『white noise』を引っ提げて11月より全国ツアー『TK from 凛として時雨 Tour 2016 “Signal to Noise”』を開催。今回のシークレット・ライブで演奏されなかった新曲もまだ残っている。これまでの作品とは明らかに色合いの違う『white noise』の楽曲は、ライブ定番曲と合わさったとき、どんな存在感を放つのだろう。ツアーで確かめる日が今から待ち遠しい。
レポート・文=廿楽玲子 撮影=河本悠貴
TK from 凛として時雨 撮影=河本悠貴
OPEN 17:30 / START 18:00 Info. キョードー北陸 025-245-5100
全立見 ¥4,860-(税込)
11月5日(土) 北海道|ペニーレーン24
OPEN 17:30 / START 18:00 Info. SMASH EAST 011-261-5569
全立見 ¥4,860-(税込/ドリンク代別)
11月11日(金) 宮城|仙台Rensa
OPEN 18:15 / START 19:00 Info. ノースロードミュージック 022-256-1000
全立見 ¥4,860-(税込/ドリンク代別)
11月18日(金) 福岡|DRUM LOGOS
OPEN 18:15 / START 19:00 Info. キョードー西日本 092-714-0159
全立見 ¥4,860-(税込/ドリンク代別)
11月19日(土) 広島|広島CLUB QUATTRO
OPEN 17:15 / START 18:00 Info. CANDY PROMOTION 082-249-8334
全立見 ¥4,860-(税込/ドリンク代別)
11月22日(火) 大阪|NHK大阪ホール
OPEN 18:15 / START 19:00 Info. 清水音泉 06-6357-3666
全席指定 ¥5,400-(税込)
11月23日(水・祝) 愛知|Zepp Nagoya
OPEN 17:00 / START 18:00 Info. JAIL HOUSE 052-936-6041
1F立見 ¥4,860-(税込/ドリンク代別)/2F指定席 ¥5,400-(税込/ドリンク代別)
11月27日(日) 東京|NHKホール
OPEN 17:00 / START 18:00 Info. HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999
全席指定 ¥5,400-(税込)