3監督が描く劇場アニメの未来とは?『ひるね姫』『東のエデン』神山健治氏×『この世界の片隅に』片渕須直氏×『BLAME!』瀬下寛之氏が語る
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左から、角川グループホールディングス代表取締役専務・井上伸一郎氏、片渕須直監督、神山健治監督、瀬下寛之監督
『東のエデン』『精霊の守り人』『攻殻機動隊S.A.C.』などの神山健治監督の劇場アニメ『ひるね姫~知らないワタシの物語~』が2017年3月18日(土)に公開される。公開に先立って、10月29日に東京・神楽座で開催された文化庁が主催する『第13回文化庁映画週間』内のトークイベント『劇場アニメ最前線~君は映画を信じるか』に、神山監督と、劇場アニメ『この世界の片隅に』の片渕須直監督、『BLAME!』の瀬下寛之監督、イベントモデレーターの角川グループホールディングス代表取締役専務・井上伸一郎氏が登壇した。
3人の監督は、まず映画との出会いについてを語った。実家が映画館で、2歳の時に見た映画がきっかけだったことを片渕監督が明かすと、神山監督は小学生の時に一人で何度も映画館に通い、映画を作りたいと思ったのが中学生の時だったと語る。そして、瀬下監督は名画座での映画体験がきっかけになったことを明かした。
これから公開となる『この世界の片隅に』、『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』、『ひるね姫』、『BLAME!』の予告編上映のあとには、それぞれの監督が作品の制作について語っている。日常の再現に腐心することは共通していても、手描きと3DCGではその手法は全く異なるようで、神山監督は「同じトンネル掘りでも、逆から掘っていくような違い」と表現している。
神山監督は「これまで(『009 RE:CYBORG』『東のエデン』『攻殻機動隊S.A.C.』など)頼まれもしないのに何度も救ってきました(笑)。『009 RE:CYBORG』制作中に3.11が起き、こういった世界観を作ることに不安を覚えるようになりました」と振り返り、「その後もいろんな企画を検討してきましたが、やはり僕に期待されるのは世界を救う話。そんな時、『自分の娘に向けて作品を作ってみては?』という提案で、極めて個人的な思いで作品を作るのもいいかと考え、『ひるね姫』の企画に至りました。本作は僕にとって今までにない挑戦です。最近、アニメを見るお客さんのニーズが変わってきていることを感じており、日常に近いものをアニメで見たいという欲求が生まれていると思います。そのニーズにあうものを模索しながら作品を作っています」と最新作についてコメントしている。
監督・脚本:神山健治『東のエデン』『精霊の守り人』『攻殻機動隊S.A.C.』
出演:高畑充希
音楽:下村陽子「キングダム ハーツ」
キャラクター原案:森川聡子『猫の恩返し』
作画監督:佐々木敦子『東のエデン』
演出:堀元宣、河野利幸、黄瀬和哉
ハーツデザイン:コヤマシゲト『ベイマックス』
クリーチャーデザイン:クリストフ・フェレラ
色彩設計:片山由美子
美術監督:鮫島潔、日野香諸里
3D監督:塚本倫基
撮影監督:田中宏侍
音響監督:はたしょう二
◆制作:シグナル・エムディ ◆配給:ワーナー・ブラザース映画 ©2017 ひるね姫製作委員会
公式サイト:http://www.hirunehime.jp