オーディション応募は 〆切前日! 蒼井翔太ら所属の株式会社S、期待の新人“天野七瑠” 独占&初インタビュー
天野七瑠
株式会社Sといえば、代表の佐藤ひろ美を筆頭に、Faylan(旧芸名:飛蘭)、新田恵海、蒼井翔太と、ヒットメーカーを擁する人気事務所だ。昨年末6年ぶりに開催された新人オーディションで栄えある特別賞を受賞し、新人声優として所属となったのが、天野七瑠(あまの・なる)。果たして、どんな青年なのか……。取材を願い出ると、現れたのは、緊張しながらも一生懸命語ってくれる、物腰柔らかな好青年だった。そして光栄にも、これが彼のインタビューデビュー! シンデレラボーイに輝くまでには、意外な苦労もあり……。これからの活躍に期待をこめながら、そのひたむきな素顔を、ぜひ知ってください!
――すでに1年前のことになるかと思いますが、新人オーディション合格、おめでとうございます。
ありがとうございます!
――天野さんがどんな方か、気になっている読者も多いと思います。まず、声優をめざしたきっかけは?
小さい頃、両親が共働きで、弟と2人で家にいることが多かったんです。それで母が、こどもだけじゃさびしいだろうからって、アニメのDVDをいっぱい借りてきてくれて……それで、アニメが大好きになりました。本当に小さいとき……4、5歳くらいですね。
しばらくして、EDロールのキャラ名の横に、名前が書いてあるのに気付いて。「このなまえ、なに?」って母にたずねたら、「それは声優さん。キャラクターに声をあてる仕事があるんだよ」と教えてくれたんです。それが声優というお仕事を初めて知ったきっかけだったと思います。そこから、声優になる方法は分からないながらも、ずっとなりたいなと思っていて。
――それからずっと、声優をめざしてきた。
他の職業に目移りした時期もありましたけど、根はブレなかったですね。ずっと「声優になりたい」と思い続けて、高校生で演劇部に入ったり、放送部で活動をしたりして。大学進学と同時に、地元の熊本から上京して声優の養成所で勉強をはじめました。
――ご両親からの反対はありませんでしたか?
されました(笑)。高校3年生の冬、受験の間際になって、「やっぱり、養成所に行きたい」って両親に打ち明けたら、大激怒されました。何度か話し合って、「大学と両立するなら」ということで許してもらったんです。東京で、昼間は大学、夜は週3日養成所という生活を2年続けました。
――忙しい日々でしたね。
そうですね。声優に重きを置いて、演技の勉強をつい優先してしまうけど、大学で課題やレポートがたくさん出る。周りの人たちに助けてもらって、なんとか乗り切りました。
――友達に恵まれたんですね。それから?
養成所を出たあと、そのままそちらの事務所の所属になり、一応デビューはできたんですが、そこから重ねてチャンスをつかんでいけなくて……。「名前だけの声優でいいのか、本当にこれでいいのか」って、先の人生が不安になってしまい“声優の仕事をやりたい” という思いがありながらも、事務所をやめてしまったんです。
――そうだったんですね。
ずっと、あの時やめたことを後悔していましたけど、今はようやく、「一度挫折したからこそ、改めて、本当にやりたいと思えた」「あのときの経験も無駄じゃなかった」と思えるようになりました。
――よかったです。でも、そう思えるまでの間には、苦労があったのでは?
改めて声優を志してからいろいろなオーディションを受けて、いいところまではいくけれど落ちて、の繰り返しでした。それが続いて、「ずっと挑戦していたいけど、この先を考えたら、どうしよう?」と悩みましたね。それで、「次のオーディションを最後にしよう」と決めたんです。最後だから、悔いの残らないように本当に入りたい事務所のオーディションだけ受けよう、その応募があるまで待とう、と。
もともとSは、ずっと入りたい事務所でした。でも、長年オーディションを開いていないことを知っていたので、あきらめていたんです。そのとき、ふと「やっぱりSに入りたいなあ」と、久しぶりにHPを見に行ったら、第2回のオーディションがあると知って「これしかない! これに懸けよう! ダメならあきらめよう!!」と思ったんです。それが、応募締め切りの前日。申込みが、当日消印でよかったです(笑)。そうじゃなかったら、間に合いませんでした。
――まさに、運命!
書類選考を通過して、2次審査までいろいろ研究しました。Sに所属されている方々のことを勉強して、「こういう人が好まれるのかな?」「どう見せたらアピールできるのかな?」と考えたり。見た目を含め、研究しました。
――見た目は、どんなふうに研究したんですか?
僕は高めの声なので、それでワイルド系の服装だったらギャップがありすぎかなと思って(笑)。声に合う、ふんわり系の髪型や服をチョイスして研究しました。
――今日の衣装も、さわやかだけど、ちょっとかわいらしい感じですよね。普段は、どんなファッションが好きなんですか?
キライなファッションはないんです。ジャンルこだわらず色んな服を着てみたいです!
――これからイベントなどで、いろいろな衣装が着られるのでは?
楽しみですね。変わった衣装が着てみたいです!(笑) 色んな着こなしが出来るように、これからも研究していきます!!
――そんな願望が(笑)。2次選考はいかがでしたか?
アガりまくってしまいました! 今まで感じたことがないくらい、ガッチガチに硬直して、噛みまくりでした。セリフのほかにも、歌唱審査で1コーラス歌ったんですが、何を歌ったか覚えていないくらい。今まで受けたオーディションのなかで、一番ダメでしたね……。絶対受からない、と意気消沈しました。
――ところが、2次審査も合格だった。
最終審査のメール通知が来たとき、ランニング中だったんです。でも、人目もはばからず、「やったあぁ~~~!!」って、叫んでました(笑)。
インタビュー中の様子
――まさか、受かると思っていなかった。
あとで理由を聞いたら、「声が変わってるのがよかった」そうです。声だけは印象を残そうと思ってこだわっていたので、それがよかったのかもしれません。
――最終審査も、さぞ緊張したのでは?
それが、2次ほど緊張しなかったんです。お客さんも、審査員もいっぱいいる国際フォーラムという大舞台だけど、だからこそ客観的になれて。「やるしかない」と自分を追い込むことができました。硬直もしなかったし、「やりきろう!」と自分を鼓舞しました。
――審査は、どんな内容だったんですか?
自己PRと、あとは選択した部門によって、歌と演技のどちらかを選ぶんですけど、僕は演技しか見せるものがないので……。「高校生の男女、弓道場にいる男子生徒と、陰から見守る女子生徒」という設定のお芝居で、自分では、相手の思いや距離感などを考えながら演じることができたと思いました。
――そして、合格発表に……!
自分の名前が呼ばれるなんて、まったく思ってなかったんです。他の人の名前が呼ばれて、「ダメだったか」と、後ろで拍手しているというネガティブなビジョンしか思い描いてなくて。合格するためにいるのに、おかしな話なんですけど(笑)。だから自分の名前を呼ばれたとき、真っ白になって一瞬遅れて、「……ハイ」と。信じられませんでした。
――実家にご報告は?
その日はフワフワしていたので、翌日に連絡しました。次の日の朝、起きて、「そういえば、合格したんだ」とやっと実感がわいて、ボロボロ泣きました。母に報告したら、「心配してた」と、泣きながら喜んでくれて……弟とは一緒に住んでいて、男兄弟なので普段は大して会話もないんですけど、「おめでとう」とケーキを買ってきてくれたんです!
――なんだか、私までうれしくなってきました。そして、最初のお仕事が、『ひらがな男子ごじゅうおん(仮)』のイノシシ役となるわけですが。
『ひらがな男子ごじゅうおん(仮)』は、日本テレビさんの「アイキャラ」という番組で作られた架空のゲームなんです。架空のゲームなのにオープニングムービーを作ることになって、そこで声優として起用されました。ひらがなを擬人化したコンテンツなんですけど、僕だけ、ひらがな役じゃないんです。イノシシは、梶裕貴さん演じる『あ』の肩にいつも乗っているマスコットキャラで、いつも『あ』に食べられそうになって、わちゃわちゃとコミカルなやりとりがあるので、そこを表現できたらいいなと思って演じました。
その『ひらがな男子ごじゅうおん(仮)』がなんと本当にゲームアプリになることが決まって! 収録はこれからですが、キャラになりきってのぞみたいです!
――イノシシ役にちなんで、ご自身を動物にたとえるなら、何ですか?
イヌですね。誰かに手綱を引いてほしいタイプと言いますか(笑)。それに、友達からよく、「捨てられた子犬みたいで、助けたくなる」って言われるんですよ。
――だから、大学のときもいろいろな友達がたすけてくれたのかもしれませんね。それから、11月19日(土)『モテ福祭り! イヤッッホォォォオオォォオウ!ふぇす』というイベントの出演も決定しています。
『モテ福』というテレビ埼玉さんの番組が「日々につかれた女性たちを癒す温泉宿」というコンセプトなんです。僕は、その温泉宿で働く2代目パンケーキの妖精『トシキ』を演じさせていただいてます。ナルシストで、銀髪のビジュアル系、という設定なんですが……。はじめは「え、これ着るんですか!?」という衣装にビックリしました(笑)。でも今や、「これじゃなきゃイヤだ!」というくらい気に入っていて、演じるのが本当に楽しいです。
普段の収録も、出演者の皆さんのアドリブが本当に面白くて。僕も、アドリブの力をみがいて、おもしろいことを言えるようになりたいです。でもまずは、トシキくんの勘違い発言を、皆さんにいじってもらえたらうれしいですね。そんな様子をぜひイベントでもお見せできたらと思うので、ぜひ応援にきてください!
――楽しみですね。あこがれの声優さんを教えてください。
代永翼さんです。高校2年のときに初めて代永さんの声を耳にして、男の人とはわからなくてビックリしました。そのあと別のキャラクターで、「カッコいいな」って思ってクレジットを見たら、それも代永さんで。同じ方だと気づかなかったことで、「まさにプロ!」と、感動しました。
僕は昔、高い声がコンプレックスで。自分の声を好きになれなかったんです。でも代永さんのお芝居に感動してから、「自分の声も武器になりえる。アイデンティティになるんだ」と気づくことができて、自分の声を好きになれたんです。……本当に感謝していますし、尊敬しています。
――代永さんには、お会いしました?
『モテ福』で共演させていただきました! 掛け合いするのが、おそれ多かったです。そのとき、昔からあこがれていることをお伝えしたら、「そう言ってくれる子がいるなんて、うれしいな。がんばってね」とおっしゃってくださって……感動しました!
笑顔が眩しすぎる
――よかったですね。これまでで一番好きなアニメは?
ダントツで、『テニスの王子様』です。主人公の越前リョーマくんがカッコよすぎるので! 負かした相手に「まだまだだね」と言ってしまうクールさ。ほとんど負けたことがないのに、もっと強くなりたいと陰で努力するところ。あこがれます。
――自分自身を、リョーマくんに重ねる部分はあったりしますか。
僕にクールさはないし、どちらかといえば「まだまだだね」って言われちゃうほうなんです(笑)。自分にないからこそ求めてしまうんでしょうね。あんなふうに、カッコよくなりたい願望というか。
――これから声優として、カッコいいセリフもたくさん言うことになりそうですが。
楽しみです。自分じゃないものになれるのが声優のやりがいでもありますから、突き詰めていきたいですね!
――今後、やってみたい役は?
なんでもやってみたいです。イケメンから、すっごくかわいい男の子、おじいちゃん、人間じゃないモノまで……。なんでも挑戦したいし、なんでもこなせる声優になりたいです。
――そのために今、どんな努力をしていますか?
好きなキャラを選んでいると似通ってしまうので、たとえば『ジャンプ』や『マガジン』や小説を適当に開いて、そのページの全キャラを演じる練習をしています。
――なるほど。小説で、好きな作品は?
東野圭吾さんの『流星の絆』が一番好きです。悲しい出来事を通して成長していく兄弟の切なさを描いた作品です。その人間模様を声に出して演じると、感じたままに表現することの難しさを痛感しますね。切なさを出し切れないというか……だからこそ、演技は面白いなと思います。
――漫画もお好きですか?
はい。少女漫画も好きで、なかでも『君に届け』が大好きなんです。読むと、誰かにまっすぐ気持ちを伝えたくなる作品です。主人公の爽子と風早の恋愛は、心から応援したくなります。序盤のふたりのすれ違いは、もどかしいけど、もうちょっと見ていたい気持ちにもなりますね。
――お話を聞いていて、読みたくなってきました。本や漫画以外で、趣味というと?
体が動かすのが好きです。特にテニス。もともと『テニスの王子様』が好きで、リョーマくんになりたくて始めたんですけど(笑)。僕に向いていたみたいで、身体がスムーズに動きをマスターしてくれて。突き詰めたら一番の趣味になりました。今も休日に友達とテニスコートに集まって楽しんだりしています。
それから最近は、お散歩も好きですね。同じ道は退屈するので、細い路地を見つけたら入ります。方向音痴なので、迷うんですけど(笑)。そこで見つけたカフェでオススメのケーキを食べたり。料理も好きなので、おいしいものに出会ったら、家で再現してみたり。おしゃれな雑貨屋に入ったり。楽しいです。
――好奇心にあふれているのが伝わってきます。また、株式会社Sというと、歌のイメージも強いですが歌は好きですか?
得意かどうかは別として、好きです。まずはキャラソンを歌いたいです! キャラソンは、自分の歌とはまた別だと思うんです。キャラクターとして歌う難しさがあるなと。それを“役者”として歌っていきたいです。
――ありがとうございます。では最後に、読者にメッセージを!
僕を知らない方のほうが、まだまだ多いと思います。まずは「天野七瑠(あまの・なる)」という名前を知って、覚えていただきたいです。それから、仕事のことからプライベートまで、ブログに綴っていますので、そちらもチェックしてみてくださいね。天野七瑠を、よろしくお願いします!
インタビュー・文=荒川陽子 撮影=中田智章
昼の部:14:00開場 14:30開演
夜の部:17:30開場 18:00開演
■会場:和光市民文化センター サンアゼリア
小林竜之/天野七瑠/市川太一/土岐隼一
野上翔/野水伊織/安達雅哉 他
■日時
2017年3月8日(水)〜12日(日)
8日(水)19:00
9日(木)14:00☆/19:00
10日(金)14:00☆/19:00
11日(土)13:00/18:00
12日(日)12:00/16:00
☆アフタートーク予定
■劇場
六行会ホール
[住所] 〒140-0001 東京都品川区北品川2-32-3
[交通機関] 京急 新馬場駅 徒歩約3分
■
・プレミアムシートS席9,500円(税込/全席指定)
[特典]
☆非売品全キャストブロマイドセット24枚組
☆最前列座席
・プレミアムシートA席8,500円(税込/全席指定)
[特典]
☆非売品全キャストブロマイドセット24枚組
☆前方座席(B列〜E列)
・前売:一般席5900円(税込/全席指定)
・当日:一般席6400円(税込/全席指定)
■脚本演出
中島大地
■キャスト
今出舞
天野七瑠
深澤大河
鵜飼主水(ASSH)
中塚智実
赤間直哉(天才劇団バカバッカ)
香乃さき
七海とろろ(バクステ外神田一丁目)
冴月里実
大曽根敬大(TRIBE)
ヒロヤ(ASSH)
阿佐美貴士
吉野哲平
春見しんや
綾部りさ
嶋田真
倉田果歩
白石れい
神崎洸太
一条龍之介
長谷川美子
中島大地(TRIBE)
■アンサンブル
常光博武
山田貴之
澤井将也
大久保智美
■BattleButler公式HP: http://battlebutler.crayonsite.net/
製作*プロデュース:yoppy project