ブロードウェイミュージカル『ピピン』来日キャスト発表

2015.8.20
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舞台

9月4日から東急シアターオーブで開幕するブロードウェイミュージカル『ピピン』。ボブ・フォッシー・スタイルのスタイリッシュなミュージカルに、スリル満点のサーカスを融合させた画期的な演出が絶賛され、2013年トニー賞最優秀リバイバル作品賞を受賞した傑作。ブロードウェイミュージカル来日ラッシュの真打ち的作品とも言われている。このほど、その来日キャストの全容が明らかとなった。

主役の1人と言っていい「リーディング・プレーヤー」役にガブリエル・マクリントン。なんとブロードウェイ公演にも同役で出演、 大好評を得たというから相当に期待できる。ちなみ彼女、「アメリカン・イディオット」全米ツアーでヒロイン、 ワッツァーネイム役を演じたこともあるという。

ガブリエル・マクリントン



主役ピピン王子役には、 ブライアン・フローレスが抜擢された。難関のオーディションを勝ち抜いてのツアーデビュー。ベテラン勢やブロードウェイ公演キャストに囲まれて披露する前途有望青年のフレッシュな演技は要注目!

ブライアン・フローレス



ピピン王子の異母弟・ルイス役は、エリック・アルテミス。なんと彼は、今回のダイアン・パウラス演出版『ピピン』のオリジナルキャストなのだ。これは嬉しい!

エリック・アルテミス

 
 

2013年9月に行われたBROADWAY ON THE HUDSONでのガブリエル・マクリントンとエリック・アルテミスの"The Right Track"(ピピンより)

そしてピピン王子の祖母バーサに、プリシア・ロペス。彼女もブロードウェイ公演で同役を演じている。しかも1970年代の『ピピン』ブロードウェイ公演でファストラーダ役で出演していたこともある。そればかりか、1975年初演『コーラスライン』で彼女自身が反映されたダイアナ役を演じトニー賞ノミネート、1980年『ハリウッドの昼/ウクライナの夜』でトニー賞助演女優賞受賞という大変な筋金入りの実力者。祖母バーサは客席を驚かせ、大いに湧かせる役だけに、このような人がキャスティングされたことは日本の観客にとって幸運極まりない。

プリシア・ロペス



さらに。ピピン王子の父親、 チャールズ大帝を演じるのが、名優ジョン・ルービンスタイン。彼もまたブロードウェイ公演に同役で出演していた。だが、それ以上に重要な情報がある!彼は、1972年『ピピン』初演時、オリジナルのピピン王子役としてブロードウェイ・デビューしたのである!月日は巡り、いま父親役として『ピピン』に帰ってきた。大変貴重な歴史的キャストといえる。1980年には『ちいさき神の、 作りし子ら』でトニー賞主演男優賞を受賞。ドラマや映画でもよくその顔を見かける彼は、実は20世紀を代表するピアニストの一人アルトゥール・ルービンスタインの息子でもある。

ジョン・ルービンスタイン



編集子はこの作品、ブロードウェイのオリジナルキャストで何回か観て興奮しまくった経験を持つが、今回の歴史的な価値を持つ来日キャスト陣にも大いに興味津々である。なんといっても演出のダイアン・パウラスが「ブロードウェイ公演よりも作品のテーマを深く表現できているキャストとアンサンブル」と太鼓判を押している。ブロードウェイと違って日本語字幕だってあるのだから、何度かリピートして、その「深み」を味わうしかないと思う。

それにしても、だ。演出も凄い、出演者も期待できる、そんな『ピピン』ではあるが、もうひとつ最高に魅力的な要素として音楽の良さを忘れてはならないだろう。『Wicked』『Godspell』を手掛けた天才スティーヴン・シュワルツが作った“名曲の宝庫”ともいうべきミュージカル。『ピピン』冒頭で歌われる「MAGIC TO DO」をオリジナルキャストが録音する動画があるので、この完成度の高さを存分に味わっていただきたい。途中シュワルツ本人も登場する。この中で「リーディング・プレーヤー」としてリード・ボーカルをとるのは本作でトニー賞最優秀主演女優賞を受賞したパティーナ・ミラー、彼女は日本でも人気が爆発したミュージカル『天使にラブソングを』のオリジナル・デロリス役でもあった。

 
公演情報
ブロードウェイミュージカル『ピピン』

原題:PIPPIN
作曲:スティーヴン・シュワルツ
脚本:ロジャー・O・ハーソン
演出:ダイアン・パウラス
サーカス・クリエーション:ジプシー・スナイダー
振付:チェット・ウォーカー br />
期間:2015/9/4(金)~2015/9/20(日)
会場:東急シアターオーブ
公式サイト:http://www.pippin2015.jp/

来日キャスト(予定):
ガブリエル・マクリントン(リーディング・プレーヤー)
ブライアン・フローレス(ピピン)
ジョン・ルービンスタイン(チャールズ)
サブリナ・ハーパー(ファストラーダ、リーディング・プレーヤーとバーサのアンダースタディ)
ブラッドリー・ベンジャミン(キャサリン)
プリシラ・ロペス(バーサ)
エリック・アルテミス(ルイス、ピピンのアンダースタディ)
サッシャ・バックマン(プレーヤー)
ジェイク・バーマン(テオ)
ケヴィン・ラングロワ・ブーシェ(プレーヤー)
マーク・バレル (スウィング、アシスタント・コリオグラファー、ダンスキャプテン)
マシュー・デグズマン(プレーヤー、ルイスのアンダースタディ)
サミー・ディニーン(プレーヤー)
ローラ・ホール(プレーヤー、キャサリンのアンダースタディ)
ニコラス・ジェモーニ(プレーヤー)
アンナ・カチャロヴァ(プレーヤー)
アラン・ケリー(プレーヤー、チャールズのアンダースタディ)
ベン・クリーガー(テオ)
シャーロット・オサリバン(プレーヤー)
アンナ・シュナイター(プレーヤー、キャサリンのアンダースタディ)
ケイティー・スミス(プレーヤー)
ボリス・ヨーク(プレーヤー)