英国ロイヤルバレエ『フランケンシュタイン』をNHK BSで放送

2016.11.20
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© ROH 2016. Photograph by Bill Cooper(ROH公式より)

 

(本記事は2016年11月20日掲載記事に、2018年7月22日に再放送情報を上書きした内容になっています)


2016年11月20日(日)深夜のNHK BSプレミアム「プレミアムシアター」で放送された、英国ロイヤル・バレエの新作バレエ『フランケンシュタイン』(全3幕)が、2018年7月22日(日)深夜の同番組で再放送される。

『フランケンシュタイン』 の原作は、イギリスの小説家メアリー・シェリーが1818年に出版したゴシック小説。タイトルは、若き博士ヴィクター・フランケンシュタインを表す。彼の創った人造人間(怪物)が、自らの醜さに絶望し、創造主たる人間に次々と復讐をおこなう怪奇譚である。英国の誇るゴシック小説の代表作にして、史上初のSF小説と称せられることもある。1816年、スイスジュネーヴ近郊レマン湖畔の詩人バイロンの別荘(ディオダティ荘)に集まった者たちで一人一つずつ怪談を作ることになった際に、バイロンが『吸血鬼』を、そしてメアリー・シェリーが『フランケンシュタイン』の原型をそれぞれ着想したという。

20世紀に入ると、映画化により西洋ホラーの代表作として知られるようになった『フランケンシュタイン』。最近では、ダニー・ボイルの演出、アンダーワールドの音楽で、ベネディクト・カンバーバッチとジョニー・リー・ミラーが博士と怪物を交互に演じた演劇版がナショナルシアターで上演され(2011年)、世界中の映画館にライブビューイング配信もされて大きな話題となった。また日本では、2013年11月に東山紀之&坂本昌行が演じた演劇版(演出:鈴木裕美、上演台本:倉持裕)が上演され、高い評価を得た。さらに2014年には韓国でミュージカル化、同国ミュージカル史上最大の動員を記録する大ヒットとなり、2017年1月には同プロダクションの日本版が日生劇場ほかで上演。そして英国ロイヤルバレエ団は2016年5月にバレエ版『フランケンシュタイン』 を発表した。

Frankenstein trailer (The Royal Ballet)
 

振付は英国人振付家リアム・スカーレット。英国ロイヤル・バレエのダンサーだったが、振付の才能が認められ、2012年に26歳の若さで同バレエ団の「アーティスト・イン・レジデンス」に就任。以後、振付に専念するようになった。彼は、マイアミ・シティ・バレエやサン・フランシスコ・バレエなどからの振付委嘱にも応えている。今後の活躍がいっそう期待される英国バレエクリエイター界のホープである。

一方、今回の音楽を担当したのは、ローウェル・リーバーマン。アメリカの現代音楽作曲家(指揮者、ピアニストでもある)。現代音楽といっても、調性に基づく耳馴染みしやすい楽曲を作ることで定評がある。

ちなみにこの『フランケンシュタイン』は、イギリスでは映画館上映もされるほどの話題作だった。それほどの映像をテレビで観ることができるのは、貴重である。

Liam Scarlett on bringing Frankenstein to life (The Royal Ballet)

 

放送情報

2018年7月23日(月)【7月22日(日)深夜】午前0時30分~午前3時55分

◇バットシェバ舞踊団 「ラスト・ワーク」【5.1サラウンド】
◇英国ロイヤル・バレエ「フランケンシュタイン」【再放送】【5.1サラウンド】

◇本日の番組紹介(0:30:00~0:32:30)
ナレーション: 水落幸子(みずおち ゆきこ)

 
◇バットシェバ舞踊団 「ラスト・ワーク」(0:32:30~1:38:00)
<演 目>
バレエ「ラスト・ワーク」
振付:オハッド・ナハリン
<出 演>
バットシェバ舞踊団
収録:2017年6月14・15日 国立シャイヨー劇場(パリ)

 
◇英国ロイヤル・バレエ「フランケンシュタイン」【再放送】(1:40:00~3:55:00)
<演 目>
バレエ「フランケンシュタイン」(全3幕)
振付:リアム・スカーレット
音楽:ローウェル・リーバーマン
<出 演>
ヴィクター・フランケンシュタイン:フェデリコ・ボネッリ
エリザベス・ラヴェンツァ(ヴィクターの恋人):ラウラ・モレーラ
ヘンリー・クラーヴァル(ヴィクターの友人):アレグザンダー・キャンベル
怪物:スティーヴン・マックレー   ほか
英国ロイヤル・バレエ団
<管弦楽>コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団
<指 揮>コーエン・ケッセルス
収録:2016年5月18日 コヴェントガーデン王立歌劇場(イギリス)

放送情報

■放送番組:NHK BSプレミアム「プレミアムシアター」
■放送日時:2016年11月20日(日)深夜24時00分~28時05分)(11月14日(月)午前0時00分~4時05分)
■放送内容:
◇本日の番組紹介(0:00:00~0:02:30)
ナレーション: 水落幸子(みずおち ゆきこ)

◇英国ロイヤル・バレエ公演「フランケンシュタイン」(0:02:30~2:16:30) 
◆演目:バレエ「フランケンシュタイン」(全3幕)
◆振付:リアム・スカーレット
◆音楽:ローウェル・リーバーマン
◆出演:
ヴィクター・フランケンシュタイン:フェデリコ・ボネッリ
エリザベス・ラヴェンツァ(ヴィクターの恋人):ラウラ・モレーラ
アルフォンス・フランケンシュタイン(ヴィクターの父):ベネット・ガートサイド
キャロライン・ボーフォート(ヴィクターの母):クリスティーナ・アレスティス
ウィリアム・フランケンシュタイン(ヴィクターの弟):ギリェム・カブレラ・エスピナッチ
ジュスティーヌ・モリッツ(家政婦):ミーガン・グレイス・ヒンキス
ヘンリー・クラーヴァル(ヴィクターの友人):アレグザンダー・キャンベル
怪物:スティーヴン・マックレー ほか
英国ロイヤル・バレエ団
◆管弦楽:コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団
◆指揮:コーエン・ケッセルス
◆収録:2016年5月18日 コヴェントガーデン王立歌劇場(イギリス)

 
◇英国ロイヤル・バレエ公演「スケートをする人々」(2:17:30~2:46:30)
◆演目:バレエ「スケートをする人々」
◆振付:フレデリック・アシュトン
◆音楽:ジャコモ・マイヤベーア(歌劇『予言者』から)
◆編曲:コンスタント・ランバート
◆出演:
ブルー・ボーイ:スティーヴン・マックレー
ブルー・ガール:サマンサ・レイン 高田 茜
ホワイト・カップル:サラ・ラム ルパート・ペネファーザー
2人の少女:フランチェスカ・フィルピ サイアン・マーフィー
英国ロイヤル・バレエ団
◆美術/衣装:ウィリアム・チャペル
◆照明:ジョン・B・リード
◆管弦楽:ロイヤル・バレエ・シンフォニア
◆指揮:ポール・マーフィー
◆収録:2010年12月20、23日 コヴェントガーデン王立歌劇場(イギリス)

 
◇ロイヤル・フランダース・バレエ公演「ラヴェル」(2:47:00~4:05:00)
◆演目:バレエ「展覧会」 
◆振付:シディ・ラルビ・シェルカウイ
◆音楽:バレエ音楽「展覧会の絵」ムソルグスキー/ラヴェル
◆演目:バレエ「マ・メール・ロワ」
◆振 付:イエルーン・フェアブルッゲン
◆音 楽:バレエ音楽「マ・メール・ロワ」ラヴェル
◆出演:
(バレエ「マ・メール・ロワ」から)
王妃:ナンシー・オスバルデストン
王:アレグザンダー・バートン
アルマ:ドリュー・ジャコビー ほか
ロイヤル・フランダース・バレエ団
◆舞台美術/衣装:ティム・ヴァン・スティーンバーゲン
◆照明:ファビアナ・ピッチョーリ
◆管弦楽:フランダース・オペラ管弦楽団
◆指揮:ヤニス・プスプリカス
◆収録:2016年6月3、4日 フランドル歌劇場(ベルギー アントワープ)

 
■公式サイト: http://www4.nhk.or.jp/premium/