THE BEAT GARDEN ロックバンド優勢の時代に自然体で挑む会心の一撃
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THE BEAT GARDEN
今年(2016年)7月にメジャーデビューを果たしたばかりだというのに、この夏は『SUMMER SONIC』や『RISING SUN ROCK FESTIVAL』など大型フェスのステージに立ち、初めて見るオーディエンスに強烈な印象を突き刺した4人組。3MC+1DJのスタイルで、強力なEDMサウンド、ロックなビート、J-POPのメロディと真心こもったリリックで、ロックバンド優勢の時代に自然体で挑む、THE BEAT GARDENの2ndシングル。「Promise you」は彼らの新しい代表曲として、より広く遠く届くだろう会心の一撃だ。
2016年の活動を通じて“音でつながれる”という感覚を感じることができたので、来年はよりTHE BEAT GARDENらしい1年になるんじゃないかな。
――新曲「Promise you」のミュージックビデオ、いい感じじゃないですか。森の中の洋館みたいな、すごく雰囲気のあるロケーションで、みんなかっこよく映ってるし。あれはどこですか?
U:ロンドンです。と言いたいんですけど、山中湖です(笑)。すごくいい場所でしたよ。何か、エピソードある?
MASATO:エピソードはですね、彼(REI)が“レインくん”になりました。その日はけっこう雲行きがあやしくて、雨が降ったりやんだりしていて。晴れ間を狙って撮っていって、Uさん、俺、その次にREIが外に出た瞬間に、雨雲がついてきた(笑)。
U:すごい土砂降り。
MASATO:それも1回じゃなくて。機材を片付けて、雨がやんだらまたセットして、REIが出たらまた雨になる(笑)。それが3~4回続いたよね? LINEブログをやってるんですけど、そこでマネージャーさんが“レインくん”と命名しました。
――それ、夏フェスにもう呼ばれなくなるよ(笑)。
U:でも、晴れ男が3人いるんで。4人で一緒にやる時は大丈夫です!
MASATO:今年の夏フェス、めちゃくちゃ晴れてたんで。
U:あのミュージックビデオ、YouTubeでは一番しかないんですけど。この「Promise you」という曲には“色”というサブテーマがあって、“ありふれた色の僕の毎日を”という歌詞や、“重なった色の日々を”というサビでも、人がふたりいれば色が違うというか。たとえば僕とMASATOだったら声も違うし、赤と青、赤と黄色を合わせると違う色になるし。そういうことをテーマにしてミュージックビデオを撮ったので、二番以降から色が出てくるんですよ。
――ああ、それで一番はモノトーンになっているのか。
U:あのあと、一気に色が入ってくるんで。フルバージョンのミュージックビデオは特典DVDに入ってるんで、ぜひ二番以降を見てほしいなと思います。それぞれの色が出てきて、それが最後に合わさるという展開を、僕らも一緒に考えたので。
THE BEAT GARDEN/U
――その、2ndシングル「Promise you」。これはデビュー曲「Never End」を踏まえて、エレクトリック・ダンス・ロック路線の上に、より歌とメロディを強調した曲になっていて。THE BEAT GARDENの王道を更新する曲だな、というのが第一印象です。
U:いつもみんなで言うのは、インディー時代の「Sky Drive」がTHE BEAT GARDENらしさを模索しながらみつけたひとつの正解で。そこで見えた正解をベースにして、メジャーシーンでいろんな人に聴いてもらうために、よりポピュラーにしたのが「Never End」。ポピュラーにしつつ、ビートをノれるものにして、夏フェスやイベントで試したいね、という感覚がそこで芽生えて、それを経てできたのが「Promise you」です。
――なるほど。
U:なんで今回、歌ものに振り切ったかというと、「Never End」も歌ものだと自分たちでは思っていて。で、夏フェスに出たときに「Never End」でサークルができたり、ヘドバンしたり、ツーステップを踏んだりしてるロックキッズがいたんですね。その光景を見たくて、実験して、それを見れたことが一個の自信になって、すごくうれしい収穫で。僕らの特徴として、普通のEDMやエレクトロサウンドと何が違うか?といったら、歌ものという部分が絶対出てくるところだと思うので。そこをより強調した曲を作りたいということが、「Never End」のあとに全員で話したことで、それで作ったのが「Promise you」なんです。これは10月の『TGC(東京ガールズコレクション)北九州』で初めて歌わせてもらったんですけど、座ってランウェーを見ているようなお客さんが、この曲で思い切り手を上げてくれたり、座ってた人が立ち上がってくれたり。いろんな人をノせたいというのがTHE BEAT GARDENサウンドなので、それが実現できる曲になったと思います。
――やっぱり、一番大事なのはオーディエンスの反応?
U:そうですね。
――トラックを作ったREIくんも、同じ気持ちですか。
REI:そうですね。夏フェスを経て感じたことがあって。今までは淡々と四つ打ちのビートを置いていたものが多かったんですけど、ほかのアーティストさんを見てると、ビートが変わるところでお客さんが心地よくノっているのを感じたので。なので今回は途中に三拍子を入れたり、ビートのはめ方は、そういうところから学んだものかなと思います。
――音色も、歌ものであることを強く意識して。
REI:もともとこの曲のように、泣きの要素があってメロディの立った、四つ打ちのミドルバラードみたいなものは作りたいと思っていて。制作に入る前から、“これを使いたい”という音色のストックはあったんですよ。リリースのタイミングも考えて、冬に合うような音にしたいということも含めて、前からためていたものを使ったという感じです。
――絶妙なテンポだなあと思いますね。バラードっぽいせつなさがあるけど、テンポはしっかりあって、ビートも効いてる。
U:ライブだと、タテノリになる感じ。僕らも走り回って歌うので。そこがTHE BEAT GARDENの面白いところかなと思ってます。イヤホンで聴くとしっとりした曲だと思うかもしれないですけど、ライブでは“踊れー!”って感じでやってるんで。
THE BEAT GARDEN/MASATO
――MASATOくんはどうですか。この曲について。
MASATO:Uさんが言ったように、音源で聴いてくれてる方がライブを見た時に、いい意味でギャップを感じると思うんですね。バラードとしてというよりも、EDMロックとして届けるという意識はしてます。
――SATORUくんは?
DJ SATORU:たぶん3人も同じ意識だと思うんですけど、曲を聴いてきてくれた人を、いい意味で裏切りたいなという気持ちがすごくあって。“こんなにノッちゃうんだ、この曲”みたいに思ってもらえば。ライブで4人ともガンガンジャンプもしてますし、体揺らして気持ちよくノッてるんで。それを見て、一緒にノッてもらうことをすごく意識してます。
――ライブだとどのへんの位置にハマるんだろう。ノれて、でもせつない曲だから、後半のほうが似合うような気が。
U:それも考えて、楽曲制作をしていて。「Promise you」は、ライブの起承転結の中で、一回落ちたところから最後に向けて上げていくところ。せつなさもあり、あたたかさもあり、でもサウンドはめちゃめちゃノッていて、そのまま「Sky Drive」や「Never End」へつなげる架け橋になる曲かな? というのは、ライブをやってて思います。
――そして歌詞について。Uさんの頭の中に、どんなイメージがあったのか。
U:REIの作ったメロディを聴いた時に、そこに世界観がはっきりあって、あったかい曲だなと思っていて。いつも歌詞を書く時は、トラックのイメージをREIから聞いて、僕も“こういうことが書きたい”と言って、そこから別々に作業するんですけど、あたたかいメロディに対して、THE BEAT GARDENらしい強いシンセの音は残すとREIが言ってたんで、歌詞は逆にアコースティック・ギターで弾き語りしてもいいような、歌ものに合うものにしようと。生活感があるというか、ぬくもりを感じるような歌詞で、それがエレクトロサウンドに混ざったら面白いんじゃないか?と思って、“約束と幸せ”というテーマを立てて書きました。
――そこ、もうちょっと詳しく知りたい。
U:メロディを聴いた時に、すごくラブソングではないな、と思ったんですよ。すごくラブソングではないラブソング、というか。恋人に対して“幸せにするよ”というよりは、家族や友達や、もちろん恋人でもいいんですけど、“その人が幸せであればいい”と思う瞬間って、あるじゃないですか。“俺が幸せにするから”じゃなくて、“君が幸せであってほしいと、俺は強く思ってる。それだけは約束できるよ”というような曲になればいいなと思って、そこにあたたかさが出ればいいなと思ってたんですけど。
――直接的な“I LOVE YOU”ではなくて。
U:“I LOVE YOU”の色が違うというか、何色かわからないですけど。赤っぽいハートの“I LOVE YOU”じゃなくて、黄色とか、白っぽい感じ? そういう感じがしますね。あと、この歌詞を書く前にカラオケに行って、自分の曲を歌ってみたんですよ。「Never End」とインディーの曲を。で、ライブで歌うといいなと思っていた曲が、カラオケで歌うと意外とそうでもなかったり。で、ヒット履歴に残っている、たくさん歌われている曲と歌い比べてみた時に、一緒にいる誰かに向けて歌いたいと思ったり、イヤホンで聴かせたいと思ったりする曲を、歌ものが特徴と言っているのであれば、そういう方向の曲があってもいいと思ったので。これがそうだとはまだ言い切れないけど、2枚目で少しでもその方向にシフトするのも面白いかなと思って作りました。
MASATO:こういうサウンドに日本語を乗せると、のっぺりしやすいと思うんですよ。それをスピード感あるように聴かせるUさんの言葉が、今回はすごくハマッてると思います。それが、聴いてて体が揺れる理由のひとつだと思うので。
THE BEAT GARDEN/REI
――カップリング「Guilty pleasure」については? これはサウンド的には思い切りEDMに寄せた曲で、ある意味「Promise you」とは真逆のアプローチのような。
REI:今回は制作期間がすごく短くて、2日で4曲仕上げるという中で出来上がったのがこの曲です。「Promise you」は歌を届けたいということと、メロディライン、歌詞の世界観を自分の中で一番に持って制作したので。コード進行もすごく計算して作っていて、一度完成したあとにもエンジニアさんに“ブリッジのコード進行を変えたい”と言って、もう一回作業し直したりとか。すごく緻密なことをやったんですけど、「Guilty pleasure」に関しては、時間がなかったこともあって、頭で考えるよりは感覚的に作ったほうが、こういうダンスミュージックには合うんじゃないか?と。海外のアーティストさんもそういう作り方をされてる方が多いと思うんですけど、感覚で作るというやり方を、僕は今まであまりしたことがなかったので。それにトライした曲なので、ノれるサウンドになってると思います。ノッて作ったんで。
――でもUさんの書いた歌詞は、あくまで歌もの。思い切りせつないラブソング。
U:「Promise you」とはまた作り方が違って、この曲はメロディが先にあったので。作曲家さんが作ったデモがバンドサウンドで、BPMも違っていたんですけど、歌詞はそっちの雰囲気に寄ってると思います。REIがアレンジしたトラックを聴かずに歌詞を書いてるんで。そこでいいギャップが生まれてるんじゃないかなと思います。
――イケイケのダンスミュージックに、せつなすぎるラブソング。すごく面白い。
U:「Promise you」とは違う心の触れ方で聴いて、ライブでは違う揺れ方で聴いてくれたらうれしいなと思います。
U:順番で言うと最初にできあがったのは「Guilty pleasure」で、そのあと「Promise you」ができてきて。もう1曲を何にしよう?と思った時に、今年は夏フェスや『TGC北九州』や、大きなステージで初めて見てもらうお客さんと、音でつながるという感覚を得られたので。その段階でもう一回THE BEAT GARDENを、ほかの人の視点で見た曲を書いてほしいと思って、お願いしたのがこの曲です。今までのTHE BEAT GARDENの曲を聴いてもらって、テイストをなんとなく伝えて、あとは全部お任せで。狙いとしては、新しいTHE BEAT GARDENを自分たちで見たかったということですね。
――「Promise you」が歌、「Guilty pleasure」がEDMだとしたら、これはポップス。明るいミドルテンポで、夢に向かって進む思いを歌う、メッセージチューン。
U:完成してみると、今までと全然違うんですけど、“これもTHE BEAT GARDENだな”ということは、レコーディングしてる時も、今イヤホンで聴いてる時にも思うので。オーディエンスの人も違和感なく聴けると思います。歌詞も、僕が言いそうなことを違う言い回しで言ってくれてるし。
――確かに言いそう。“何もかも音に任せ”とか、“二度とない今日を楽しもう”とか。
U:自分たちにすごく合っていて、3人ともすっと歌えました。すごくよかった。
――この曲は、ライブでは?
DJ SATORU:まだやってないですね。
U:「Guilty pleasure」と「Sky’s The Limit」はまだやってないです。「Sky’s The Limit」は、バラードの直後とかに合いそうな気がする。歌詞ではせつなさを引きずりながら、体を揺らせる曲になるかな?と。
――3曲とも、ライブの重要なところにハマる曲じゃないですか。すごく力がある。
U:そうですね。今年の経験を経て、THE BEAT GARDENのことを自分たちで理解して作った曲たちなので。ステージ上でもイヤホンを通しても“THE BEAT GARDENはこうです”って、インディーの時よりもはっきり言えるというか。「Never End」をライブで歌ってみて、「Promise you」を『TGC北九州』で歌ってみて、THE BEAT GARDENというものを今までより強く言えるようになった3曲かなと思います。
THE BEAT GARDEN/SATORU
――「Promise you」は全国のFM局を中心に、40局以上でパワープレーが決まっているという話を聞きましたけども。めちゃめちゃ期待されてますよ。
U:ありがとうございます!
REI:周りからも連絡が来ますね。
――ああ、友人親族から。
REI:音楽をやってるってちゃんと言ってなかった人たちからも、“聴いたよ”って連絡が来たり。
U:そんな人いるの? REIをアーティストと知らない人が。
REI:上京する前は、THE BEAT GARDENも何もなかったので、言えなかったというか。上京してからは地元に帰ってないんで。
――あらためて言っときましょうか。友人親族のみなさん、U、REI、MASATO、DJ SATORUはアーティストとして頑張ってますよ(笑)。MASATOくんの周りも盛り上がってますか。
MASATO:盛り上がってくれてます。僕の地元はミーハーなんで、盛り上がり方がすごい(笑)。ありがたいです。
U:僕は地元が埼玉で、近いんで。毎週メシ食いに行くぐらい、地元の仲間とは仲いいです。小学校からの親友たちがいるんですけど、引っ越しの仕事をやってる奴とか、トラックの中でラジオから曲が流れるたびに“今流れてます”ってLINEに入れてくれる(笑)。今日もさっき入ってたし。でも、それもそうなんですけど、知らないところで音が広がってきてる感覚がうれしいですね。ツイッターとかでTHE BEAT GARDENを検索したら、今までまったく知らなかった人たちが“THE BEAT GARDENって誰?”ってつぶやいてたり、“「Promise you」わりといいじゃん”とか言ってくれてたりする、僕らの知らない人が生まれ始めてるんで、それがすごくうれしいです。その音の広がりに負けずに、ライブも頑張っていかないといけないという責任を感じますね。
――これでデビューイヤーが終わって、2年目へ。2017年、THE BEAT GARDENはどんな活躍を見せてくれるのか。
U:2016年の活動を通じて、“音でつながれる”という感覚を感じることができたので。まだまだですけど、そこをより追求していきたいのと、追求の仕方として、今までは模索しながら進んできたんですけど、逆に“THE BEAT GARDENはこうだから、こういうアプローチをするんだ”という入り口から入って、ライブや楽曲制作をしていきたいねということを、みんなで話しているので。よりTHE BEAT GARDENらしい1年になるんじゃないかなと思って、すごく楽しみです。
取材・文=宮本英夫
2016年11月30日(水)発売
【初回盤A】(CD+DVD)UMCK-9880 ¥1,800+税
初回盤A
―Live Air 2016― at AKASAKA BLITZ (Live + Documentary) Vol.2
【初回盤B】(CD+DVD+特製Tattooシール)UMCK-9881 ¥1,600+税
初回盤B
Promise you (Music Video)
Documentary of “Promise you” (Recording, Photo Shoot & Music Video)
Documentary of Summer Fes 2016
【通常盤】(CD)UMCK-5617 ¥1,200+税
通常盤
<CD収録曲>(全形態収録曲全て共通)
1. Promise you
2. Guilty pleasure
3. Sky’s The Limit
4. Promise you (Instrumental)
5. Guilty pleasure (Instrumental)
6. Sky’s The Limit (Instrumental)
開催日時: 2016年12月17日(土)開場:18:00 開演:19:00 終演:22:00(予定)
会場: CLUB camelot(東京都渋谷区神南1丁目1−18−2 神南坂 FLAME)
予定動員数: 約800人(のべ人数)※完全招待制
主催: 東京ガールズコレクション実行委員会、エイジエンターテイメント
プラチナパートナー: beachwalkers.
パートナー: VOX、ウエラ プロフェッショナルズ、Softbank 他
演出: NVRMND inc.
企画制作: 株式会社 W media