LUNA SEA&GLAY同世代共演も実現した奇跡の「LUNATIC FEST.」完結

2015.7.2
レポート
音楽

LUNA SEA(写真提供:LUNATIC FEST.)

LUNA SEAが主催するフェス「LUNATIC FEST.」が、6月27、28日の2日間にわたって千葉・幕張メッセ国際展示場1~5ホールにて行われた。この記事では2日目の模様をレポートする。

■LUNACY~凛として時雨~ROTTENGRAFFTY~minus(-)

初日に続けてオープニングアクトを務めたLUNACY。彼らはゴシックロックの元祖とも言えるBauhausの「King Volcano」をBGMに入場し、1991年発表の1stアルバム「LUNA SEA」のオープニングナンバー「FATE」を演奏した。続けてインディーズ時代の定番曲であった「SUSPICIOUS」でエッジィなアンサンブルを届け、ラストは「SHADE」でフィニッシュ。RYUICHI(Vo)は「今日も楽しんでいってくれよ!」と叫んでステージをあとにした。

続く凛として時雨のライブはスクリーンを一切使用しないシンプルな演出となっており、ステージに立つ3人の姿を際立たせた。彼らは「I was music」からライブをスタートさせ、「DISCO FLIGHT」ではピエール中野(Dr)がスティックを大きく振り回し、345(Vo, B)が何度も飛び跳ねて存在感を示す。TK(Vo, G)は「またここから歴史が始まると思いますが、どうぞ最後まで楽しんでいってください。凛として時雨でした」と述べてから、赤い照明が場内を包み込む中で「傍観」を絶唱してステージを去った。

リハーサル中に「毒学Po.p革新犯」を演奏してラウドなバンドサウンドを聴かせたROTTENGRAFFTY。彼らは「世界の終わり」から本番をスタートさせ、冒頭から熱狂的空間を生み出す。続いてNOBUYA(Vo)が「俺たちの兄貴! LUNA SEAのJだ!」とステージにJ(B / LUNA SEA)を招き入れ、「THIS WORLD」を投下。Jはメンバーに負けじとステージを駆けまわり、侑威地(B)とのダブルベースで重厚な低音をアウトプットしつつステージを彩った。Jの退場後、ラストのキャッチーなヘビーチューン「金色グラフティー」まで熱いパフォーマンスが続いた。

minus(-)のライブには藤井麻輝と森岡賢に加え、サポートドラマーとしてFLiPのYUUMIが参加。森岡は1曲目に披露した新曲でマイクを持ってステージを歩き、セクシーな姿を見せつける。続けてエッジィなギターサウンドをサンプリングした「PEEP SHOW」などビート感が心地よいエレクトロ、アンビエントチューンをほぼノンストップで届け、観客の体を揺らしていく。彼らは最後に「B612(ver.0)」を届け、森岡が「Thank you, LUNA SEA. ありがとう!」と言い放ってからクールに退場した。

■AION~KA.F.KA~ムック

AIONのライブが始まる前にはJがステージに登場。10代の頃DEAN(B)のローディを務めていた経緯を受けてベースを手渡し、観客に先輩を紹介する。大歓声を受けたNOV(Vo)は、サポートのYOUTH-K(Dr)が踏む地鳴りのようなツーバスに乗せて激しく艶のあるシャウトを響かせた。

また先月1stアルバム「Fantome Noir」(最初のoはサーカムフレックス付き)を発表したばかりの“新人”のKA.F.KAは、耽美なサウンドでオーディエンスを独特の世界へと誘う。土屋昌巳(G, Vo)の「今日のようなスペシャルなイベントに呼んでいただけて光栄です。スペシャルついでに……」という紹介からSUGIZO(G / LUNA SEA)が加わり、KA.F.KA結成のきっかけとなったJoy Division「Transmission」をセッション。手練たちの奏でる熱のこもったアンサンブルは観客を狂乱の渦へと巻き込んだ。

「ここにいる全員の顔覚えて帰るからな!」とかつてRYUICHIがLUNA SEAの東京・東京ドーム公演で放ったMCを真似て、SLAVE(LUNA SEAファンの呼称)を惹きつけたのはムック。彼らは先輩への敬意を表しつつ、「ENDER ENDER」「蘭鋳」などキラーチューンをフロアに叩きつけ、自分たちの世界に観客を巻き込んでいった。

■[Alexandros]~GLAY~D'ERLANGER

[Alexandros]のステージでは、川上洋平(Vo, G)が「小学生のとき近くでLUNA SEAのライブがあって、通学路にめちゃくちゃ怖そうなお姉さんがたくさんいた(笑)」ことがLUNA SEAとの最初の出会いだったことを語り、観客を笑わせる。そんなMCとは裏腹にライブは白熱。ラストナンバー「ワタリドリ」で会場の一体感はピークに達した。

GLAYは「HEAVY GAUGE」からライブの口火を切り、「誘惑」や「微熱(A)girlサマー」で会場を盛り上げる。TERU(Vo)は前日27日にもこの会場を訪れていたことを明かし、「昨日も観させてもらったんだけど、YOSHIKI(X JAPAN)さんの涙はマズいよね……俺も大泣きしてました」と感想を語る。そして「もう20年も前の曲ですけど、LUNA SEAの影響を色濃く受けているような曲です」と紹介して「月に祈る」を熱唱した。後半ではHISASHI(G)が、上京後プロを目指している中でLUNA SEAの1stアルバムを聴いて衝撃を受けたことを語り「今日はそのアルバムの中から1曲、メンバーにお願いしてやらせてもらいます。最大の敬意と共に」と、「SHADE」をカバー。全オーディエンスを狂喜させた。

「SADISTIC EMOTION」で華々しく幕を開けたD'ERLANGERのステージでは、「dummy blue」「LULLABY」など5曲が披露された。なお「LA VIE EN ROSE」が始まる前にはkyo(Vo)が「ゲストでも呼ぼうかな。名前を言わなくてもわかると思うけど(笑)」とINORAN(G / LUNA SEA)を呼び込み、強力なセッションで観客を圧倒した。

■BUCK-TICK

大トリのLUNA SEAの前に、貫禄に満ちたステージを披露したのはBUCK-TICK。艶やかなオープニング映像を経て登場した5人はまず、ミラーボールが回る中で「独壇場Beauty」をプレイ。櫻井敦司(Vo)の美しいファルセットボイスによって広い会場には幻想的な世界が描き出される。その後も彼らは「メランコリア-エレクトリア-」「ONCE UPON A TIME」といった艶やかでダンサブルな曲を披露していき、「アイコノクラズム」ではJが飛び入りし、先輩へのリスペクトを込めたプレイと歌声で華を添える一幕も。そして50分にわたるステージは、櫻井の「今日はどうもありがとうございました。LUNA SEAに愛を込めて」という言葉から始まった「無題」をもって壮絶な余韻を残して幕引きとなった。

■LUNA SEA

2日間の大トリとなるLUNA SEAのライブは「Anthem of Light」で幕開け。RYUICHIはMCで2日間の熱狂を「約20バンドも登場して盛り上げてくれました。このシーンの分厚さを、伝説を感じてくれていると思います」と、振り返った。その後も「DESIRE」「I for You」など幅広いナンバーを披露。RYUICHIは2日間のさまざまなバンドのパフォーマンスを振り返り「やっぱり音楽やり続けないとだめだなって実感しました。ただの人気者じゃみんなに会えないんだよ。LUNA SEAもみんなと一緒に歩くよ」と、語り、「じゃあ、そんなLUNA SEAにhideさんを加えて……」とhide with Spread Beaverの「ROCKET DIVE」をメンバー全員でカバー。初日の「ピンク スパイダー」に続くhideのカバー演奏で観客を喜びと感動に導いた。

「ROSIER」で本編が終了したあとのアンコールでは初日に引き続き、この日の出演バンドのメンバーがステージに呼び込まれる。それぞれが握手をかわす中、TERUとRYUICHIが握手する姿がスクリーンに映し出されるとひときわ大きな歓声が上がる。「同じ時代を生き抜いてきてるから、多くのことを語らなくてもわかりあえる」と話すRYUICHIに対し、TERUは前日のLUNA SEAのステージについて「がんばってる姿を見たら涙が出てきた」と語り、お互いの健闘を讃えあった。

そんな出演者たちのセッションで「BELIEVE」が披露されたあと、LUNA SEAの全員がオーディエンスに向けて挨拶。SUGIZOは「魂のバトンを次の世代につないで、日本のロックシーンを世界に誇れる最強のカルチャーにしましょう」と呼びかけ、大きな拍手を浴びる。2日間を締めくくったラストナンバーは「WISH」。メンバー、オーディエンス全員の笑顔と拍手の中、“史上最狂”のフェスの幕が閉じられた。

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