塚田僚一(A.B.C-Z)にインタビュー!「舞台『サクラパパオー』出演をあえて内緒にしていた理由とは!?」
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鈴木聡が主宰するラッパ屋の人気作品として知られる『サクラパパオー』が、パルコ・プロデュースにより2017年4月26日(木)から埼玉・彩の国さいたま劇場にて、5月10日(水)から東京国際フォーラム ホールCにて上演される。
本作の主演を務めるのは、ジャニーズの5人組「A.B.C-Z」の塚田僚一。「金髪、筋肉、塚ちゃんです!」のキャッチフレーズに始まり、メンバーの中はもちろん、ジャニーズの中でもとびぬけてキャラが立っている塚田が挑むのは、競馬場を舞台に巻き起こる一日を描くコメディー。昨年12月に30歳となった塚田が初の単独主演舞台に今何を思うのか……話を聞いた。
――外部舞台は『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』(2014)、『ボクの穴、彼の穴』(2016)、そしてこの『サクラパパオー』で3作目となりますが、出演が決まったときのお気持ちは?
すごく……嬉しいです! でもそれだけじゃなくって、この舞台を観にきてくださるお客さん・ファンの方に楽しんでいただけないと意味がない、とも思っているので「浮かれている場合じゃないぞ!」って言う自分もいて…天使と悪魔がいるような状態です(笑)
どのお仕事が決まったときでもいつもこうなっちゃいます。前回の『ボクの穴、彼の穴』に出演が決まった頃、PARCO劇場さんの二人芝居をいくつか観させていただきました。で、自分もこういう芝居をやるんだなって思って……やっぱりすごく嬉しかったです。すごく嬉しすぎていろいろな人に出演することを言っちゃいましたね(笑)。
――ついに『サクラパパオー』で「主演」ですよね? しかもW主演ではなく、「座長」という肩書きが付くんですよね!
そうか……そうだ!! ああ、だから今までと何かが違うのか! でも今そう言っていただくまでそんな気持ちはなかったですね。主演でもそうでなくても演技をするスタンスは変わらないと思うんです。この『サクラパパオー』の作品の魅力は、ストーリーだったり、人と人との掛け合いだったり、そこで生まれる人間性の笑えるところやシリアスなところ。僕は座長でもありますが、みんなで作り上げていくその「一員」といった立場です。
――『サクラパパオー』が2001年に上演されたときの映像をご覧になったそうですが、本作の魅力はどこにあると思いますか?
競馬場の馬券売り場での物語なんですが、競馬を知らなくても楽しめると思います。物語のキーとなるのがサクラパパオーという競走馬で。抱えるもの、背負っているものがある人たちがみんなそれぞれにサクラパパオーを応援しているんです。登場人物は最初、借金や女性問題とかネガティブなものを抱えているんですが、それぞれの話を聞いているとみんな愛くるしいな、かわいいなって思うんです。そして物語が進むにつれて物語が明るくなり、終わる頃には幸せになっているような気がします。馬が勝つことで喜びを共有できるのって競馬ならではの楽しさなんじゃないのかな。
登場人物の役名はそのほとんどが往年の名騎手や名解説者の名前をもじったもの。塚田が演じる田原俊夫(たばらとしお)もその一人。気になる方はぜひお時間があるときに調べてみてはいかがだろう。
――ご自身の役「田原俊夫」はどんなキャラクターですか?
嘘がつけない人だなって。自分と似ているなって思います。わかるなーって(笑)田原はそれが恋人に対してなんですが、自分だったらTVに出るときの気持ちと似ているんです。「頑張ろう!」って思えば思うほど見栄を張っちゃって理想がどんどん高くなっちゃうんです。「こういう自分でありたい」とか。でもそうできてなくて空回りしている自分がいて。田原の場合は恋人の前で裏表があるんですが、好きな人の前では無理に頑張っちゃっている点は自分がTVに出るときと似ているなって思いますね。
――昨年出演されていた『ABC座2016 株式会社応援屋~OH&YEAH~』での熱演が印象的だった塚田さんですが、ことお芝居となると、本番までに自分を追い込んでいくタイプ?それとも自然でいようと思うタイプ?
あー……稽古段階は追い込んで追い込んで追い込んでいくタイプですね。で、稽古の最終段階では開き直っちゃって「結局考えてもわからない!」になる。で、実際にやってみたら「やらないとわからないこともあるんだ!」となりますね。
――お芝居をするときによくすることってなんですか?
『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』のときは、映画『シド・アンド・ナンシー』(1986)……ロックバンド「セックス・ピストルズ」のベーシスト、シド・ヴィシャスが主人公の映画なんですが、あの映画を観ている…というかずっと自宅で流していましたね。映画の世界観を自分に刷り込ませるというか。『ボクの穴、彼の穴』のときは『アメリカン・スナイパー』(2015)とか割と現代の戦争映画を流してました。音楽を聴くようにイメージを身体に入れていく感じ。
――そんな状況で舞台のセリフを覚えられるんですか!? 映画の内容が邪魔にならないってすごいですね!
いや……台本を読むときはトイレとかに行って(笑)。
自宅だとじっとしていなくて、常に動いたり何かしながら意識をせずに、といっても何かしら意識はしていると思うんですが、鼻歌レベルでセリフが言えたらなあ、と思ってそんなイメージの自宅を作っていました。そんなやり方が自分はやりやすかったですね。
――では、今回の舞台の場合のイメージづくりはどうしますか?
まずは競馬場に行ってみたいですね。特に馬券売り場に。競馬場に行ったこともないし、競馬もやったことがないんです。
――『ABC座』の時から髪の毛が伸びたように思うんですが、それはもしかして今回のお芝居のための役作り?
競馬場にいる男の人って馬のほうに熱中しているあまり、自分の身だしなみをあまり意識していない人が多いんじゃないかな? って思うんです。例えば金髪なら伸びちゃって根元が黒くなっているとか。なんかそういう勝手なイメージ。今はどうにでもできるように伸ばしています。
――『サクラパパオー』の場合、ナイトレースが舞台なので、耳に赤ペン挟んでいるちょっと競馬に前のめりな人が多い昼間のレースのイメージより、カップルがデートがてらレースを見にきているイメージのほうが強いかも……。
あれ? じゃあ僕のイメージと違うかも……現地でリサーチしてきます!!
昔上演されたときの映像を観たときに、会社員や普通のおじさんとか、いろいろな人のドラマが観れておもしろかったです。でもハマりすぎないようにしないとね。人生狂っちゃうから。
――作品に携わる方々について。演出の中屋敷(法仁)さんと年齢が二つしか違わないんですよね?
そうなんです。いろいろな作品を幅広く演出されているそうなので楽しみです。でもジャニーズ事務所所属の人とのお仕事は初めてなんですよね? 初めての演出が僕の舞台で嬉しいですね。
――対する脚本の鈴木聡さんは稲垣吾郎さんの舞台を何本も手掛けている方です。
鈴木さんとは、『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』のときに観にいらしてて、ご挨拶させていただきました。あと、紀伊國屋ホールでやっていたラッパ屋『筋書ナシ子』も観に行きました。鈴木さんの作品ってジャニーズだと稲垣さんの作品、という印象があって。現実的なお話が多く、身近だなって思ってます。あと雰囲気がおしゃれだなとも。いろいろお話してみたいですね。そして、ぜひ稲垣さんにも観にきていただきたいです。
――「座長・塚田僚一」としては、共演者とのコミュニケーションも重要なテーマになると思いますが、今やろうと考えていることは?
みんなで競馬場に行ってみたいですね。一番詳しい人に連れていってもらって……詳しい人って誰だろう!?
――今回この舞台に出ることはA.B.C-Zの他のメンバーには一足先に報告していたんですか?
いいえ。家族にも内緒にしていたんです。いつもだと、家族、特に母親には先に報告するんですが、今回は特にこの仕事を楽しみにしている自分がいて。ファンの方もどんな期待をしているのか、どう楽しみにしてくれているのか。もちろん幕があがってからの本番で評価されるんでしょうが、それまでの期間もどういうリアクションになるんだろうって。だからみんな同時に知ってほしいから言わないようにしていたんです……宮っち(Kis-My-Ft2の宮田俊哉)を除いて! 嬉しくって宮っちにはつい言っちゃった!(笑)
あえて周りの人に言わなかったのは、発表になる直前に自分の30歳の誕生日があることをすごく意識していたからかもしれないです。
――ご自身が30歳になられることは結構意識されていましたか?
していました。30歳はもっと自分の事より周りの事をもっと優先して考えたりすごく余裕を持っている人というイメージがあります。……でも余裕を持たなくてもいいのかも、とも思っているんです。今はこんなにお仕事をいただけて、舞台もできて、もう行けるところまで行っちゃえという気持ちです。決して周りの事を気にしないということではなく。
正直な話、2015年に「アウト×デラックス」(CX系列)に出演して、2016年はどこまでその勢いが続くのかな、いや、続くようにしなきゃ! って思っていたんです。でもその一方で一時のブレイク……ってカテゴリだとも思っていたんです。でもあれ? まだイケてる? 自分の中の予想と違っているぞ。それならイッてもいいのかな?……って感じてて。だから30歳の自分が楽しみで!
――最後に舞台を楽しみに待っているファンの方に向けてメッセージを。
自分の作品とか、いろいろな作品を観てくれていると思うんですけど、その経験が活きた上での『サクラパパオー』です。コメディで非常に楽しいと思うし、新しい自分が出ると思うので楽しみにしていただきたいです。
初演時、公演チラシのデザインに馬券を使いたくて競馬場に行ったところ、撮影用に買った馬券がなんと万馬券に! その配当金をキャストに分けて、みんなで競馬を楽しんだ――というスタッフからの思い出話が披露されると、「へー!! すごい! かっこいい!!」と笑顔になる塚田座長だった。
競馬のことは全くわからなくても楽しめる、わかるともっと楽しめる上質のコメディーをぜひ劇場で!
■作:鈴木聡
■演出:中屋敷法仁
■出演:
塚田僚一(A.B.C-Z)
中島亜梨沙
黒川智花
伊藤正之
広岡由里子
市川しんぺー
木村靖司
永島敬三
2017年4月26日(水)~30日 (日) 彩の国さいたま芸術劇場
2017年5月10日(水)~14日 (日) 東京国際フォーラム ホールC
2017年5月16日(火) 電力ホール
2017年5月19日(金) 穂の国とよはし芸術劇場
2017年5月25日(木)~26日 (金)サンケイホールブリーゼ
■公式サイト:http://www.parco-play.com/web/program/sakurapapao-/