藤原季節、福田麻由子、佐伯大地らがリアルに見せる若者の恋愛のすべて『まゆをひそめて、僕を笑って』公演レポート

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劇団た組。の新作公演『まゆをひそめて、僕を笑って』が、2017年4月20日(木)に、神奈川・横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホールにて開幕した。若手劇作家であり演出家の加藤拓也率いる劇団た組。にとって、第13回目の公演となる本作。初日前に、出演者の藤原季節福田麻由子佐伯大地の3名に話を聞いた。

舞台『まゆをひそめて、僕を笑って』は、昭和を代表する人気バンド・チェッカーズの名曲「ジュリアに傷心」をモチーフとして描いている。谷川正憲(UNCHAIN)によるギターの音色と、迫力のある歌声が重なり、舞台の幕が開ける。主人公は、美術学校で講師を勤めるセイヤ(藤原)。恋愛経験はあるものの、本気で人を好きになったことがないセイヤは、年下のマー(岡本あずさ)と体の関係を持っている。しかしマーにとって、セイヤは初恋の人。曖昧な関係のままであることに悩むマーは、親友のカズハ(仲谷明香)に相談を続けていた・・・。

「皆が恋愛しながら前進している中、取り残されてしまう青年」を演じる藤原は、セイヤという人物について「人を好きなる瞬間やパワーが見えて、改めて恋愛の力って強いんだなと。そう感じさせられるところが、セイヤの魅力です」と分析。

一方、セイヤが務める美術学校の生徒・ジュリア(福田)は、約束のある男女関係に嫌気が差している。講師と教師の関係であるセイヤとジュリアは、セイヤの先輩・タケウチ(風藤康二)をきっかけに、お互いへの恋心を芽生えさせていく。

ジュリアの役どころについて、福田は「脚本を読んだ時、ジュリアの気持ちが全然理解できなかったんです」と明かす。苦悩した様子だったが、「傍から見るとズルイこととか、つじつまが合わないことをやっていて・・・。でも、本人はすごく真剣で、その時々に強い思いがあり、気持ちに素直に生きているんですね。ジュリアを見ていると、自分の好きになれない部分が見えてきたりするかもしれないけど、だからこそジュリアのことを、ちょっとでも好きになってもらえたら嬉しいです」と話してくれた。

そして、特に目的もなく、ジュリアたちと同じ美術学校に通うモク(佐伯)。コトノ(伊藤寧々)や、ハル(平嶋夏海)、ジュリアの4人でつるむことも多く、何気ない日々を過ごしている。

モクを演じる佐伯は「実際、日常生活の中で“理由のないこと”って多いと思うんです。それを選択したことに特別な意味はなくても、その直感が大事だったりする。どんなに真面目な人間でも、適当な選択をした体験が必ずあると思います。お客さんに共感してもらい、前のめりになって観てもらうことがモクの役目であり、魅力なのかなと感じます」と語った。

さらに、藤原は「人を好きになるってどういうことだろうと考えた時、僕はこんなにも本気で人を好きになったことあるかな?と思いました。“恋の爆発力”のようなものが強く感じられる作品なので。お芝居を観て、きっと同じように考えてくれるお客さんがいるんじゃないかな」と、観客の反応を楽しみにしていた。

物語の途中、セイヤとジュリアの仲に、かげりが見え始める。激しく感情をぶつけ合うシーンも見どころの一つとなっているが、これについて「実際に(福田と)話せなくなるくらい、喧嘩のシーンをやりすぎて(笑)」と藤原が明かすと、福田も「一時期よそよそしくなりましたよね(笑)」と笑う。そんな二人を、佐伯は「喧嘩のシーンがあることは事前に分かってるのに!と思いながら、観てました(笑)」と、稽古を振り返った。

最後に、作品について「これぞ若者の恋愛のすべて!」と藤原がまとめると、佐伯も「皆さんもこの世界観に入り込んで、一緒に笑って悲しんで、共に喧嘩してる気持ちで楽しんでください」と、観客へ呼びかけた。そして福田は、藤原の助言(?)を受ける形で「一緒にジュリアにハートブレイクしてください!(笑)」と、笑顔でメッセージをくれた。

劇団た組。第13回目公演『まゆをひそめて、僕を笑って』は、4月23日(日)まで、神奈川・横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホールにて上演。

(取材・文・撮影/堀江有希)

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