藤木直人、マイコ、小西遼生らが1930年代の上海を華やかに描く!音楽劇『魔都夜曲』稽古場レポート

レポート
2017.6.30


2017年7月7日(金)、東京・Bunkamuraシアターコクーンにて、音楽劇『魔都夜曲』が開幕する。本作は、JAZZの調べと硝煙渦巻く1939年の“魔都”上海に降り立った一人の貴公子を主人公に、彼を待ち受ける美女やデスペラードたちとの物語を描いたオリジナル音楽劇。その本番を間近に控えた6月中旬、都内の稽古場を取材した。

(以下、記事内で一部配役、ストーリーに触れています)

稽古場に足を踏み入れると、主人公・白河清隆役の藤木直人、ヒロイン・周紅花(チョウ・ホンファ)役のマイコ、紅花の兄・周志強(チョウ・チーチャン)役の小西遼生、さらに、春風ひとみ、山西惇、村井國夫、吉岡麻由子といった演劇界の実力派俳優たちの姿が見える。稽古開始前から、藤木と村井がセリフを合わせながらお互いの演技を確認し合うなど自主練を行っており、稽古に向けての準備に余念が無い。また、中国人を演じるマイコらが中国語のセリフを練習している姿が、1939年の上海を舞台とした作品ならではと印象的だった。

演出は、大劇場からライブハウス公演まで幅広いジャンルの公演を手掛け、華やかさとエッジの効いた演出で人気を博す河原雅彦。稽古開始まで、河原はスタッフと模型を用いて舞台美術について入念な打合せを行っていた。一つの打合せが終わっても、衣装や小道具のスタッフが次々と入れ替わりに河原と話し合いを行う。本番を間近に控えたスタッフたちの緊張感がこちらにも伝わってくる。

舞台上のソファーが今回の稽古から本番用に変わったらしく、藤木は今まで稽古していたソファーを跳び越えるアクションが可能かどうか、河原たちとチェック。小道具の変更に対して藤木が、跳び越えた後に正座で座るというアイデアを披露すると、見守るキャストたちから笑いが起こり、村井から「今のカワイイ」との一言も。河原も「チャーミングに見えるね」と頷き、予期せぬ事に対しても、キャストやスタッフたちが柔軟な対応で即座に乗り越えていく姿に感心させられる。

そして、いよいよ稽古が開始。最初に行われたのは序盤の通し稽古。白河が、暴漢に襲われていた志強と紅花を助けた翌日、アパートの応接室で医師の西岡(村井)と看護師(吉岡)に手当を受けている場面だ。

白河は、近衛文麿首相の息子であり秘書官を務めた近衛文隆という実在の人物からインスピレーションを得て生まれた主人公。諸国を遊学し音楽や絵など芸術に親しんできたが、今は日本からの送金を全て遊興に使う自堕落な生活を送っている。しかし、白河は明朗快活で屈託がないところが魅力的な青年。そんな白河を、藤木が繊細な演技力と凛とした佇まいと共に、屈託のなさをあふれ出る笑顔で表現。映像から舞台まで活躍の幅を広げ、今まさに充実期を迎えている俳優・藤木直人の魅力がいかんなく発揮される役柄だ。

その白河を取り巻くアパートの管理人・芽衣を演じる春風と外交官の籾田を演じる山西のコミカルさや、圧倒的な存在感を醸し出す村井というベテラン陣の演技にも注目させられる。

序盤の通し稽古が終わると、河原から「(会話の間に)1つ音が欲しいね」「細かいところのシーンの切り替わりがハッキリしていけば、自然と良いテンポになるから」「全体の中でのリズムとか細かいことが大事だから、そこは目指して」といった、台本には表現されないような相づちなどの音についてへの細かな演出が行われていく。間やテンポをより良くするための細心の注意を払う河原の演出により、本番で彼らの芝居がどのような進化を遂げるのか楽しみだ。

続いて、別のシーンの稽古へ。その際に、河原から、当日稽古場にマイコの密着TVカメラが入っていたため、「取材のカメラは主にマイコさんを狙っていますが、マイコさんが出ていないところも精一杯やってください」という冗談を交えた指示が飛び、稽古場が笑いに包まれる。和やかで和気あいあいとしたやり取りに、カンパニーの雰囲気の良さを感じた。

このシーンは、紅花と志強が、風邪で寝込んでいる白河を見舞いに来る場面。ここでは、2017年ミュージカル『フランケンシュタイン』の怪物・アンリ役で、歌唱力とその美しき怪物ぶりが好評を得た小西が、志強として、白河と国を越えた熱い男の友情を演じる。特に、藤木と小西が語り合うシーンでは、二人のハードボイルドな渋い男の格好良さに目が釘付けになる。

そして、美貌とに上品さ、迫力を兼ね備えた演技力は、演劇界の次世代スターの呼び声も高いマイコ。白河と紅花が思いを寄せ合い、惹かれあっていく場面では、清楚な外見ながら、何をしでかすかわからない自由奔放な性格の持ち主である紅花を、マイコが鮮烈に、そしてどこか初々しい印象を与えながら演じていた。

1930年代上海のジャズクラブを舞台に、歴史に秘められた恋と濃密な人間ドラマが、本番では生のジャズバンド演奏が加わることで、さらに華やかに、そしてドラマティックに描き出されるという。本番への期待が高まる稽古場であった。

音楽劇『魔都夜曲』は7月7日(金)から7月29日(土)まで、東京・Bunkamuraシアターコクーンにて上演される。その後、愛知、大阪を巡演。日程は以下のとおり。

【東京公演】7月7日(金)~7月29日(土) Bunkamura シアターコクーン
【愛知公演】8月5日(土)・8月6日(日) 刈谷市総合文化センター アイリス
【大阪公演】8月9日(水)~8月13日(日)  サンケイホールブリーゼ

(取材・文・撮影/櫻井宏充)

公演情報
cube 20th presents 音楽劇『魔都夜曲』(まとやきょく)」
■作:マキノノゾミ
■演出:河原雅彦
■出演:
藤木直人 マイコ 小西遼生 壮 一帆 松下洸平 秋 夢乃
高嶋菜七(東京パフォーマンスドール) 浜崎香帆(東京パフォーマンスドール)
中谷優心 キッド咲麗花(TPD DASH!!) 村上貴亮 吉岡麻由子 前田悟 板倉チヒロ
田鍋謙一郎 奥田達士 コング桑田 春風ひとみ 山西惇 村井國夫 橋本さとし

<東京公演>
■日時:2017年7月7日(金)~29日(土)
■会場:Bunkamura シアターコクーン
■チケット料金:プレミアムシート 15,000円 S席 11,000円 A席 8,500円 コクーンシート 5,000円(全席指定、税込)
 
<愛知公演>
■日時:2017年8月5日(土)・6日(日)
■会場:刈谷市総合文化センター アイリス
■チケット料金:プレミアムシート 15,000円 S席 11,000円 A席 8,500円(全席指定、税込)
 
<大阪公演>
■日時:2017年8月9日(水)~13日(日)
■会場:サンケイホールブリーゼ
■チケット料金:プレミアムシート 15,000円 S席 11,000円 A席 8,500円 ブリーゼシート 5,000円(全席指定、税込)
 
※プレミアムシートは前方限定、オリジナルお土産(当日お渡し予定)をお付けいたします
■企画・製作 株式会社キューブ
■キューブ公式サイト https://cube-s.wixsite.com/matoyakyoku
 
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