“応援”を通じて見せる「これが劇プレだ!」劇団プレステージ『URA!URA!Booost』開幕

レポート
2017.8.17


2017年8月16日(水)に東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて劇団プレステージ第12回本公演『URA!URA!Booost』が開幕した。本作は、劇団プレステージ(以下、劇プレ)として、久しぶりに劇団員全員が揃う公演となっている。初日前には、公開ゲネプロと取材会が行われ、今井隆文、猪塚健太、大村まなる、株元英彰が劇団を代表して意気込みを語った。

アミューズ所属の俳優たちによって2005年にユニットとしてスタート、2010年に劇団として旗揚げされた劇プレは、今年で通算12年目を迎える。現在の所属劇団員は、石原壮馬、猪塚健太、今井隆文、岩田玲、太田将熙、大村まなる、風間由次郎、加藤潤一、株元英彰、城築創、小池惟紀、向野章太郎、坂田直貴、園田玲欧奈、高頭祐樹、高橋秀行、長尾卓也、原田新平(50音順)の18名。今年の5月にユニット時代からのメンバーだった春日由輝と平埜生成が退団し、本作で新たなスタートを切る。

(以下、一部配役、ストーリーの内容に触れています)

そんな彼らが、今回の本公演で取り組むのは“応援団”。取材会でも、舞台上そのままの熱気溢れる様子を見せてくれた。リーダーの今井は、まず「“応援団”というテーマでありながら、この作品は劇団プレステージの“等身大”の作品になっていると思います。辞めたメンバーもいますが、それでもなお、一つになってがんばっていくという、前を向いていける作品になったんじゃないかなと」と挨拶。

大村は「この作品は、劇団プレステージを背負っている作品です。今回、かなり熱血な役をやらせていただいているんですが、その熱量で、劇団プレステージのお芝居を引っ張っていくつもりで挑みたいと思っています。劇団プレステージは、いつも全力でお芝居をしています。今回も全力でいくつもりなので、ぜひよろしくお願いいたします!押忍!!」と、コメントでも全力を見せてくれた。

応援団には、団長、副団長、旗手長など、様々な役割がある。今回、その一役を担う株元は「長というのは、応援団の中でも下級生たちが憧れるポジションなので、その過程を大事に演じていきたいと思います」と気合い入れ、作品については「応援については、実際に応援団をやっている方々に指導いただきました。その中で、型などもありますが“全力でやる”ということが、応援団として一番重要なことだよと教わりました。僕らは、お芝居がめちゃくちゃ上手いわけでもないので、とにかく全力を出すのみです。その上で、コメディ要素もあり、これが劇団プレステージだ!という作品に仕上がったと思います。たくさんの方に観てほしいです」とアピール。

そして、猪塚は「大人になるにつれて、応援されることって少なくなってくるかもしれないんですが、僕ら役者という仕事というのは、“応援”がすごく身近なものであるということに、稽古をしながら気づきはっとしました。その、応援をしてくれる気持ち、する気持ち、一つ一つ確かめながら、本番に挑んで、来てくださるお客様と何か共有できるものがあればいいなと思っております」と、作品を通じ噛みしめる思いがあったようだ。

自身の応援経験については、「学生時代、部活で陸上をやっていたんですが、仲間の応援の声を聞くと不思議とテンションが上がってみなぎるものがありましたね」(猪塚)、「自分自身が誰かのことをすごく応援したという経験がないんですが、身近なところで、親にはここまですごく応援してもらっているなと思いました」(株元)とそれぞれ振り返る。

一方、大村はつい最近“応援”の力を感じたそうで「ここ2、3年迷いの森に入り込んでいたんですけど、いろんな方が僕のことを一緒に考えてくださったり、応援してくださっていることをすごく感じて。そのおかげで・・・迷いの森から抜け出すこともできました!ありがとうございます!!」と“押し上げられる”感覚を語ってくれた。

そして、今井は「何よりも、お客様からですね。劇団プレステージはまだまだ発展途上なので、支えてくださる皆様にいつも“押し上げられているな”と感じています。観に来てくださる方もそうですし、スタッフさんも皆、僕らのことを愛してくれるので、がんばりたいなと思います」と感謝の言葉を述べていた。

最後に、今井は改めて「12年目の劇団プレステージですが、某男性グループみたいですけど、ここを第二章として、また新しい出発をしようと思っています。この公演が埋まらなかったら、解散になってしまう場合もあるのですが(笑)。熱量のあるこの作品を、たくさんの人に届けられればと思うので、ぜひともよろしくお願いいたします」と締めくくった。

今回の物語は、ある大学の応援団を舞台に進んでいく。応援団員としてがむしゃらに4年間を過ごし、それぞれの人生を歩みだしたテツオとダイスケ。しかし、人生は何かとうまくいかないことばかり。テツオは、失意のどん底に陥っていた。その時、彼の心に聞こえたダイスケの声。
「今、お前は、何と闘っているんだ!」

zc

劇プレ「第二章」の幕開けを支えるのは、脚本の福島カツシゲと演出の大関真。福島と大関は、これまでにも何度も劇プレの作品に関わってきている。そんな二人と共に、劇プレが見せてくれたのは、コミカルで、泥くさくて、熱い、いい意味で変わらない“らしさ”。

応援というものは目に見えるものではないが、その存在は確かで大きい。常日頃、劇場に通う方には、きっと応援している劇団やごひいきの役者がいるだろう。応援している対象の輝く姿が、自分にとっての明日の活力だったりする。演劇に限らず、そういう経験は誰しもあるものだと思う。響く台詞、彼らが想いを込めて舞台の上から届ける“応援”は、客席に座るそんな私たちの気持ちを輝かせてくれる気がした。劇プレの新たな一歩を、ぜひ劇場で見届けてほしい。

劇団プレステージ第12回本公演『URA!URA!Booost』は、8月16日(水)から8月27日(日)まで東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて上演。

※高頭祐樹の「高」は「はしごだか」が正式表記

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)

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