中田ヤスタカが予想外のSMAPマッシュアップも kz、tofubeats、banvox 、TeddyLoidとともに魅せた『YYY Vol.2』レポート

レポート
音楽
2017.1.29
『YYY Vol.2』

『YYY Vol.2』

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『YYY (ワイワイワイ)』の2017年初回開催となる『YYY Vol.2』が1月28日、東京・新木場STUDIO COASTにて行われた。

『YYY』は中田ヤスタカ(CAPSULE)、kz(livetune+)、tofubeatsbanvoxの4名がレジデント務める次世代型イベント。実質3回目となる今回は、世界を舞台に活躍し、様々なミュージシャンの楽曲プロデュースを行ってきたTeddyLoidがfeaturing DJとして参加している。また、今回は"サンニブ"の愛称で親しまれる古着店・サントニブンノイチとのコラボレーションも行い、中田ヤスタカデザイン監修のオリジナルデザインのビッグパーカーを数量限定で発売。他にも出演アーティスト全員の直筆サイン入りポスターが当たる缶バッジガチャガチャや、banvoxと『YYY』のコラボオリジナルタオルなどのグッズも多数販売している。会場はこれまでと同様、オープンから満員だ。

 

 banvox

banvox

banvox

banvox



ステージにbanvoxが登場すると、この日を待ちわびた観客から待ってましたと言わんばかりの大歓声が。banvoxはダブステップ, トラップ, ジャージークラブなどエッジの効いたベースミュージックを取り込み、独自の感性で表現した楽曲は世界からも評価が高い。banvoxはオープニングソングとして、自身のオリジナルソング「SUMMER」をプレイし、一曲目でオーディエンスの心を手中に収める。その後も自身の楽曲「New Style」や「High And Grab」「Watch Me」「Occasion」などを惜しみなくプレイしながらも、Skrillex & Rick Rossの「Purple Lamborghini」やOokayの「Thief」をはじめとした、バウンスやダブステップ、トラップ、ヒップホップなどを彼の解釈で巧みに操り、思うがままに会場を盛り上げた。また、この日は2017年にリリース予定の新曲を数多くプレイし、ファンを嬉ばせた。VJは、力強く繊細な独自の映像を武器とし、banvoxの専属DJとしてツアーにも同行しているyako。特殊照明や独自に開発したプログラムを駆使して空間を支配し、全国各地からのオファーが殺到しているhuezのレーザーがステージに華を添える。

 

TeddyLoid

TeddyLoid

TeddyLoid

TeddyLoid



そして、banvoxの勢いをそのまま受け継ぎ、この日のfeaturing DJとして出演するTeddyLoidが登場。TeddyLoidはSpotifyで発表されたジャパンランキングで「日本以外の海外で最も再生された日本人アーティスト」として、RADWIMPS、BABYMETAL、ONE OK ROCK、ピコ太郎に次ぐ5位へランクインしている。プロデュースする楽曲の多くがヒットを記録しており、様々なアーティストからのラブコールが絶えない。まずTeddyLoidは「Game Changers With 中田ヤスタカ(Capsule)」で自身も歌い、会場全体に手拍子と歓声が響く。ステージを幅広く使い、観客を煽り、フロアに目線を向けながらプレイし、オーディエンスを完全にロック。CAPSULE「Feel Again (TeddyLoid Remix)」では会場がリズムに合わせて一斉にジャンプ。そしてTeddyLoidの「Fly Away (Taku & TeddyLoid For the Club Edit)」が流れた瞬間にオーディエンスが“TeddyLoid”のロゴを模した三角形のハンドサインを掲げる一幕も印象的だった。後半は近年のトレンドであるベースミュージックをプレイ。話題のシンガー・DAOKO、女子高生ラッパー・ちゃんみな、banvoxらがコラボレーションに参加した「ダイスキ」ではbanvoxが、Livetune feat. 初音ミクの「DECORATOR (TeddyLoid remix)」ではkz(livetune+)がステージに駆けつけた。Teddyloidのセットは彼のプロデューサーとしてのスキルを存分に発揮するセットになった。

 

tofubeats

tofubeats

tofubeats

tofubeats


そして、3番手に登場したのはtofubeats。ジャンルを問わず様々なアーティストのリミックスやプロデュース、楽曲提供を行い、そのプロデューサーとしての実力や音楽の知識の深さが評価され、音楽雑誌やテレビ番組にも出演している。tofubeats は、banvox, Teddyloidの作り出した一体感をさらに超えるべく、マイクで「まだまだ楽しめますか!?」とオーディエンスを煽る。昨年10月に発表した「SHOPPINGMALL」を、彼のリアルな心情をリリックに込め歌いあげた。その後、「STAKEHOLDER」にKOHHの歌詞をマッシュアップした巧妙なエディットをプレイすると、観客の視線は釘付けに。tofubeatsは中盤から自身が得意とするディスコティークな音楽にフェードし、夕方5時過ぎの新木場STUDIO COASTを心地よい空気で包みこんだ。「POSITIVE feat. Dream Ami」では手を上げて左右に振り、「ディスコの神様 feat.藤井隆」では大合唱が起こるなど、オーディエンスはスローで気持ちの良い音楽に陶酔していた。最後は「水星 feat,オノマトペ大臣」のイントロ部分をラップトップを駆使して演奏。歓声を誘い、大合唱のままtofubeatsのライブは終了した。

 

kz

kz

kz

kz


4番手で登場したkz(livetune+)は、数多くのJ-POP楽曲を手掛ける一方で、複数の名義を使い分け、ZEDD、Afrojackなどの世界的なEDMアーティストを始め多数のダンスミュージックよりのRemixワークを手掛ける”テン年代”最重要クリエイター。初音ミクをボーカルに迎えた楽曲も人気だ。kzは序盤から自身プロデュースの初音ミクがボーカルを担当した楽曲をプレイし、他の4人の出演者が持ち合わせていない独自の個性を存分に発揮する。Kzは得意とする、フューチャーハウストラックであるDropgunの「Nobody」に、交友が深いYunomiがRemixを手がけた花澤香菜「恋愛サーキュレーション Yunomi “Kawaii EDM” Remix」をマッシュアップし、ピコ太郎「ペンパイナッポーアッポーペン (Hoaprox remix)」をプレイするなど、ファンの予想を良い意味で裏切り続けるセットで会場を沸かせる。中盤からさらに勢いを増し、Kill The Noiseの「FUK UR MGMT」やFlux Pavilion x NGHTMREの「Feel Your Love feat. Jamie Lewis」などといったハードなトラックもプレイし、最新の音楽をフロアに提示していく。終盤は多幸感溢れるプログレッシブハウスでセットを終え、フロアの全員と一体となってジャンプした。

 

中田ヤスタカ

中田ヤスタカ


中田ヤスタカ

中田ヤスタカ



そして、最後に登場したのは中田ヤスタカだ。Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅのプロデューサーとしても活躍し、様々なレギュラーパーティを持ち、大型フェスや海外イベントにも出演する。もはや説明不要の存在だろう。中田がステージに現れた瞬間、地響きのような叫び声が上がり、フロアの最前列から最後尾まで、全員が手を上げて迎えた。圧倒的な存在感でオーディエンスを一気に飲み込み、自身がプロデュースするきゃりーぱみゅぱみゅの「原宿いやほい」では、サビの「いやほい」の歌詞で大合唱が起こる。中田は、自身のプロデュース曲の他にもGalantis & Hook N Slingの「Love On Me (Galantis & Misha K VIP Mix)」をはじめとした最新のダンスミュージックを織り込み、彼だからこそできるセットでファンを魅了し続ける。そして、Perfumeの新曲「Tokyo Girl」や中田のソロ名義での最新曲でありロンドンの歌姫Charli XCXを迎えて海外でも話題になった「Crazy Crazy (feat. Charli XCX & Kyary Pamyu Pamyu)」をプレイ。中田の専属VJ・滝鉱平がLEDモニターにイベント前日に解禁されたばかりのMVを映し出した。また昨年大ヒットとなった「NANIMONO (feat. 米津玄師)」でも会場を沸かせ、プロデューサーとしてのヒット曲の多さを改めて認識させる。最後はSMAPの「SHAKE」にPerfumeの「チョコレイトディスコ」という、予想外のマッシュアップでステージを終了した。

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