荒牧慶彦「ランドセルを背負うのは爽快!」 役者との距離0センチ『TEEN×TEEN THEATER「初恋モンスター」』ゲネプロレポート

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2017.3.6
TEEN×TEEN THEATER「初恋モンスター」

TEEN×TEEN THEATER「初恋モンスター」

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TEEN×TEEN THEATER「初恋モンスター」が、3月3日(金)より東京・品川プリンスホテルクラブeXにて始まった。

初恋モンスター』は月刊誌『ARIA』(講談社)にて好評連載中の、日吉丸 晃によるハイテンションラブコメディ。舞台は原作同様、華すみ荘の新しい入居者・二階堂夏歩と、長身イケメンの高橋 奏が出会うシーンから始まり、夏歩は車に引かれになったところを奏に救われ、恋に落ちてしまう。その後、彼が小学生だと判明し、ショックを受けながらも2人は付き合うことになるのだが……。

主人公の高橋 奏を演じるのは、舞台『刀剣乱舞』で山姥切国広の熱演で話題となった荒牧慶彦。今回の舞台が単独初主演になる。

主人公ゆえに出番が多く、歌やダンスも多いが、ステージ上を無邪気に駆け回る姿が印象深い。小学生らしい笑顔もあれば、ちょっぴり背伸びして夏歩の彼氏として見せる笑顔もあり、そのギャップにドキドキしてしまう。奏がすごーくがんばる“あの”シーンもあるのでお楽しみに。

荒牧慶彦

荒牧慶彦

一方、奏の彼女になる引っ込み思案な高校一年生・二階堂夏歩役を演じるのは13歳の奥田こころ。『映画 ビリギャル』では主人公の妹役を演じるなど、人気上昇中の女優だ。小学生と多賀たち大人に挟まれながらも、ひとりの女の子として、奏の彼女として揺れ動く心の動きを繊細に演じる。

夏歩だけではなく、舞台上のとある箇所から、演者が顔を出すことがあるので実際に劇場に行って楽しんでほしい。

奥田こころ

奥田こころ

小学生たちが全力で遊んでいる姿はかわいらしさ全開だが、ふとした時に急所に攻撃を食らって苦しんでいたり、「う○こ」の連呼が始まったり、シリアスな場面でふざけてしまったり……。下ネタ好きなところも小学生のリアルな描写だろう。

ヤンキー系小学生・金子十六(トム)を佐川大樹(ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 野村拓也役など)、オカルト系雑誌が愛読書の三宮銀次郎(ギン)を神里優希(ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 不二周助役など)、見た目は小学生だが財閥の御曹司で大人びた精神の持ち主・野口一男(カズ)を今回が舞台初出演となるシェーンが演じる。

佐川大樹

佐川大樹


神里優希

神里優希

ここで筆者の包み隠さない正直な感想を少しだけ……。小学生4人の中では一番精神的に大人なカズ。本編の中では3人と同じテンションで遊ぶことはしないのだが、囲み会見(下記参照)で「奏たちが遊んでいるところに、最初は混ざりたかった」という発言に、現在12歳のシェーンくんに恋をしそうになった。母性かもしれない。

シェーン

シェーン

夏歩が住むことになる華すみ荘の住人たちも個性的な人物ばかり。特記したいのが、篠原耕太を演じるモデルのゆうたろう。彼は昨年芸能界デビューを果たしたばかりで初の舞台出演に注目が高まっているわけだが、今回演じる耕太は夏歩にひそかな恋心を寄せる役。彼の照れたり怒ったり、女装したりする様子は舞台でしか見れないだろう。

ゆうたろう

ゆうたろう

大学生・多賀敦史(小野健斗)、オタク男子・長澤 嵐(田中涼星)、夏歩の兄・二階堂大谷(星乃勇太)、奏の父・高橋修吾(郷本直也)ら大人たちは奏と夏歩の恋の邪魔になったり、助けになったりそれぞれが複雑な事情を抱えている。

小野健斗

小野健斗

田中涼星

田中涼星

星乃勇太

星乃勇太

郷本直也

郷本直也

BGM、舞台装置、照明、キャストと客席の近さなど注目してほしい箇所はたくさんある。もちろん原作を読んでいなくても楽しめる上に、“初”出演のキャストも多く、彼らの新たな一面を見ることができる舞台だ。小学生時代にどんな遊び方をして、どんな恋をしていたか、自身の記憶を呼び起こしながらの観劇もオススメする。

本気のじゃんけん

本気のじゃんけん

 

TEEN×TEEN THEATER「初恋モンスター」囲み取材

(左から)ゆうたろう、荒牧慶彦、シェーン

(左から)ゆうたろう、荒牧慶彦、シェーン

——意気込みやみどころを教えてください。

高橋 奏役 荒牧慶彦:いよいよ待ちに待った初めての座長公演ということで、緊張もしていますが、みんなで稽古したことをただただ頑張りたいと思います!

野口一男役 シェーン:今回、僕は初舞台なんですが、お客様に楽しんで頂けるよう一生懸命頑張りますのでよろしくお願いします。

篠原耕太役 ゆうたろう:僕も初舞台ということでかなり緊張しています。円形のステージが珍しいということで、それが自分的にも不思議な感覚で。キャストの皆さんと仲良くなれたこともすごくうれしくて、これが終わっても仲良くなれるような存在でいたいのと同時に、お客さんにも「また来たい」と思ってもらえる舞台にしようと思って頑張ります。

脚本・演出 川尻恵太(SUGERBOY):まず荒牧くんの“初”座長公演、シェーンくんとゆうたろうくんは“初”舞台、『“初”恋モンスター』っていう、“初”が付いたタイトルとして……。

ゆうたろう:だから(登壇者が)この3人なの?

川尻:初ものづくしってことで(笑)? 僕はこの劇場でやるのが“初”でした。円形の舞台を演出するのも初めてだったので、すごく楽しんでできました。子供から大人までの個性豊かなメンバー。この並び(登壇者3名)で見てもらっても、名前が漢字(荒牧慶彦)、カタカナ(シェーン)、ひらがな(ゆうたろう)でばらけることってなかなかないですよね。どこから切り取っても個性豊かで、色もカラフルで、見た目でも設定でもストーリーでも楽しめるし、歌や踊りもあります。全ての面でどの角度からも楽しんで頂くという、360度全方位な作品だと思っております。飛び道具満載、ところどころ下ネタもという感じですので、ぜひとも楽しみにしていただきたいと思います。


――ゆうたろうさんとシェーンさんは初舞台ですが、今後やっていきたい役はありますか?

ゆうたろう:今回は恥ずかしがり屋で前髪が長い子の役で、自分と似てる部分が多かったんですが、次やるなら真逆の超激しい「喧嘩上等!」みたいな役をやってみたいですね。幅広くできたらいいなって思っています。

シェーン:次はもうちょっと子供っぽい役をしてみたいなと思います。この舞台で奏たちがわちゃわちゃ遊んでいるところに、最初は混ざりたいなって気持ちもあったので(笑)。

(左から)ゆうたろう、荒牧慶彦、シェーン

(左から)ゆうたろう、荒牧慶彦、シェーン

――子供の頃、奏と同じ行動をとっていたとかこんな遊びをしていたというエピソードはありますか?

荒牧:自分たちで作ったり考えたりした遊びをやっていました。例えば、ケシゴムで定規をはじくとか。机を集めて4人くらいでやるんですけど、相手の定規を場外に出すと勝ち!みたいな。

川尻:「定規でケシゴムを」じゃないんだ。へー、珍しい!
 

――それぞれの役の見どころを教えてください。川尻さんは円形ならではの見どころを教えてください。

荒牧:奏はヒロインの二階堂夏歩と恋をします。最初は恋と思ってなかった気持ちが、どんどん夏歩に甘酸っぱい初恋という感情が向けられていく気持ちの変化であったり、小学生ならではの感情の表し方だったりが、僕の考える奏の成長ストーリーだと思っていますので、そういったところが見どころだと思っています。

シェーン:カズは奏と夏歩さんの男女交際に反対してたんですが、後半になると逆にカズが恋をしちゃうシーンがあって。そこはカズの性格が出てくるところかなぁと思います。

ゆうたろう:耕太くんは恥ずかしがり屋で夏歩ちゃんに恋をするんですが、みんなにいじられて「違うんですよ!」って吐き出しちゃうんです。夏歩ちゃんに本当の気持ちを伝えられない、すごく乙女な気持ちがあって。女装するシーンは一番の見どころですね。そこはぜひ瞬きしないで見ていただきたいです!

川尻:円形舞台の見どころですが、今回はただの円形ではなく奥側もステージがあります。ここが同時進行することによって、どの角度から見ても奥行きのある舞台になっています。人間関係がすごく複雑な作品ですので、見る角度によっては見える人の表情が違ったりして「ああ、このシーンでこのキャラはこういう表情で聞いているんだ」とか、「このキャラはショックを受けているんだ」とか「喜んでいるんだ」とか、見る角度によって得られる情報がちょっとずつ違うのかなと思います。初めて見ても、2~3回違う席から見ても面白いつくりになっていると思うので、ここで生活している人たちをのぞき見ていくみたいな感覚に近くなっていくのかなと思います。
 

――大人になってランドセルを背負う気分はいかがですか?

荒牧:結構爽快感はありますね(笑) 12年ぶりかな? 普通に生きていたら背負うことがないじゃないですか。こういったことも経験できるってのは役者の醍醐味だったりとか、キャラクターものを演じさせていただけるうえでの役得というか。「高橋 奏」になっているときは気持ちも「高橋 奏」なので違和感はないんですが、こうして(荒牧として)見られているときは違和感しかないです!(笑)
 

――荒牧さんに座長として稽古場とのエピソードや感想を、川尻さんに「プレイエリアフリーシステム」というものが何なのかお聞きしたいです。

荒牧:今回は出演者に舞台経験が少ない子たちも多かったので、最初の稽古のうちはみんなで仲良くなろうということで、稽古はじめにゲームをしたり、こう言った方がいいんじゃないかとか川尻さんと話させていただいて、自分なりにできることはないかなって探ってやっていました。

川尻:必ず、全ての通路を通ります。一番近づいて……くっつく(触れる)ところもあると思います。“役者との距離0センチ”、これを売りにしていきたいなと思います。

(左から)川尻恵太、ゆうたろう、荒牧慶彦、シェーン

(左から)川尻恵太、ゆうたろう、荒牧慶彦、シェーン



関連記事:荒牧慶彦インタビュー ランドセル+体操着の小学5年生をイケメン俳優が演じたら

(C)日吉丸 晃/講談社「初恋モンスター」舞台制作委員会

公演情報
TEEN×TEEN THEATER「初恋モンスター」
■原作:日吉丸 晃(講談社「ARIA」連載)
■脚本・演出: 川尻恵太(SUGARBOY)
■公演期間:2017年3月3日(金)~12日(日)
■会場品川プリンスホテル クラブeX
出演:
荒牧慶彦/
奥田こころ/佐川大樹 神里優希 シェーン/
ゆうたろう 小野健斗 田中涼星 星乃勇太/
花塚廉太郎 北川雄也/
郷本直也
 
:5年1組保護者席:9800円(前売り・当日共/全席指定/税込)
一般席:6800円(前売り・当日共/全席指定/税込)
 
【5年1組保護者席とは?】
目に入れても痛くないわが子の無邪気な姿をその目に焼き付けるべく、前方1~2列目でご観劇いただくお座席です。特典は、子供たちの頑張りが輝かしい個別生写真(非売品)と集合写真(非売品)を当日劇場にてプレゼント!
※注意:「目に入れても痛くない」は例えであり、実際に子や孫を目に入れたら痛いので注意が必要。
 
【帰りの会(終演後アフタートーク)開催決定】
★3月7日(火)19:00
荒牧慶彦、神里優希、小野健斗、ゆうたろう
★3月9日(木)19:00
荒牧慶彦、佐川大樹、星乃勇太、田中涼星
★3月10日(金)19:00
荒牧慶彦、田中涼星、郷本直也、ゆうたろう
 ※終演後、準備が整い次第開始いたします。
 ※約15分を予定しております。
 ※該当公演のをお持ちの方のみ、終演後そのままご自席にてご観覧いただけます。
 ※出演者変更の可能性があります。ご了承ください。

公式サイト:http://hatsukoimonster-stage.com

 

 

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