三浦大知 デビュー20年、30代に突入する節目の年に見据える現在、そして未来とは?

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三浦大知 撮影=西槇太一

三浦大知 撮影=西槇太一

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この音が、この言葉が、あなたのハートをヒットする。三浦大知、1年半ぶりの6thアルバム『HIT』は、No.1ヒットシングル「EXCITE」をはじめアグレッシヴなダンストラック、大人の余裕を感じるR&B、真摯なメッセージ、SOIL&“PIMP”SESSIONSとの刺激的コラボなど、今の三浦大知の等身大を映し出す12曲をパッケージ。デビューしてから20年、30代に突入する節目の年に、彼が見据える現在、そして未来とは?

30になる年で、いい意味で肩の力の抜けた、ちょっと余裕のある、いつどこで聴いてもいい、本当にいいアルバムが作れたなと思ってます。

――今回はジャケット写真を見ただけで、“おっ、今までと違う”という印象を持ったんですよ。素顔で、すごく日常感がありますよね。

生っぽいですよね。だいたいいつも、スタジオで作り込んで撮ることが多かったんで。もうちょっとフラットな感じで外ロケで、というのはあんまりやったことがなかったんで。普通のというか、フラットな感じがいいかなとは思ってました。

――音楽の中身ともシンクロしてると思ったんですね。いつも以上にパーソナル感が強く出ていて。どんなアルバムにしようと思って作っていったんですか?

2016年に三浦大知を初めて知る方が多かった中で、アルバムを初めて聴く方もいれば、ずっと応援してきてくださる方もいて。“誰でも楽しめるものを”というのはいつも考えていることですけど、今回は特に、コンセプチュアルなものというよりは今自分の心にヒットしているもの、いろんな三浦大知を詰め込んで、その中から1曲でもみなさんの心にヒットするものがあったらいいなという感じで作りました。

――つまり『HIT』というアルバムタイトルはそこから取った?

そうですね。そういう意味もあるし、あとは最後に「Hang In There」という曲があるんですけど、“Hang In There”はただの頑張ってということじゃなくて“持ちこたえて頑張る”という意味で。ただの応援の言葉じゃなくて、何かを乗り越えようという、より強いメッセージが込められていて、すごく好きな言葉なんですよ。僕は音楽が救いや希望だったらいいなと思うし、自分にとっての音楽もそういうものだったと思うので、みなさんが生活の中で聴いてくれた時に“三浦大知のあの曲があったから頑張れた”とか、これを聴いて暗い心がちょっと晴れたとか、そういう音楽がたくさん詰められていたらいいなという思いもあって。『HIT』は「Hang In There」の頭文字でもあるんです。

――ああ! なるほど。結果的に、メッセージアルバムの要素も強くなったと。

そうですね。でも初めて聴かれる方も楽しめると思うし、ある程度間口は広くて、心地いいアルバムになったらいいなと思ってました。

三浦大知 撮影=西槇太一

三浦大知 撮影=西槇太一

――アルバム曲はいつ頃録っていたんですか。

曲によりますね。「Rise Up feat.SOIL&“PIMP”SESSIONS」は去年の夏前に録ってたし、「Darkest Before Dawn」はぎりぎりまでやってましたし。

――サウンド的には、自分の今の好みが全編に出ている?

そうですね。今回は欲張らないほうがいいだろうなと思っていて。もちろん「Cry & Fight」や「EXCITE」のようなシングルは、タイアップがあったりテーマ性があったりしたので、別ベクトルになってくると思うんですけど。自分の中ではパーティーアンセム的なEDMの流れが一時期あって、それは今もムーブメントとして残ってますけど、それが終わったあと、今自分が好きな音楽は、ダンスミュージックでも余裕があって、落ち着いてて、欲張ってないものがすごく多いなと思っていて。自分の今の好みとして、そういうものが心地よく聴けるなと思ったんで、そういう楽曲をいっぱい入れたいなと。もちろん歌詞の内容は、読むとメッセージ性があったりするんですけど、聴き心地としてはあんまりカロリー過多にならず、もたれないものがいいかなと思ってました。

――それいいですね。カロリー過多にならない音楽。

それが今っぽさにつながっているような気はしてます。

――トラック的にお気に入りは?

心地よさがあった上で一癖あって、どれも好きですけど、「Darkroom」は気に入ってます。ヘタしたら泣きのギターが、ちょっと演歌的な歌謡感もあるんですけど、サウンド的にちゃんと今っぽさがあって、アンビエントな感じがあって、バランスがすごく面白いなと思ってます。

――いくつかポイントになりそうな曲について、特に歌詞について聞いて行きますね。1曲目「Darkest Before Dawn」は?

これはNao’ymtさんという、僕の大好きなプロデューサーの方が歌詞を書かれたんですけど。僕は勝手にNaoさんに、自分の感覚とすごく近いものを感じていて。「Darkest Before Dawn」は何事も表裏一体というか、いいこともあれば悪いこともあって、悪いことがあればそのぶんまたいいことがあって、という普遍的なメッセージをうまく世界観に落とし込んでくれているなと思っていて。すごく素敵な歌詞だと思ってます。

――このメッセージはアルバム全体のテーマになっていると思います。ちなみに「Darkest Before Dawn」はミュージックビデオがすごくて、海辺の岩の上で踊るシーンがかっこよすぎるというか、怖すぎるというか(笑)。

夜明け前が一番暗くて、その暗闇が夜明けにつながっていくという希望の歌なんですけど、暗闇の中でもずっとやり続けてきたというか、足元が悪い中でも踊り続けてきた男、みたいなイメージがいいと思って、文字通り足場の悪いところで踊ってみるという企画だったんですよ。実際に立ってみないと本当に踊れるかどうかわかんなくて、とにかくやってみようということだったんですけど。なんとか形になってよかったです(笑)。とにかくやるしかなかったので、ちゃんと踊れたかどうか自分ではわかってないですけど。


――ばっちりだと思います。そして終盤のメッセージチューン「誰もがダンサー」については?

これは自分自身が2016年に、三浦大知といえばダンスというふうに、ダンスで注目してもらうことが多かったので。人が日々生きていくことをダンスにたとえて書けたら面白いんじゃないかな?と。誰もが日々生きていく中でもがいたり、踊っているのか踊らされているのかわからないけど、みんなをダンサーにたとえて書いた1曲です。

――すごく自伝的要素が強いと思ったんですよね。これを聴いて。

そうですね。自分のことも歌っています。

――そしてやっぱりラストの「Hang In There」。Nao’ymtさんが歌詞を書いたこの曲は、アルバムの重要な位置を占めてると思います。もうわかってるんですね、Naoさんは。大知さんのことを。

僕は本当に、Naoさんの曲を歌うために生きていると言っても過言ではないくらい、Naoさんの曲が本当に好きで。Naoさんの世界観の中で生きていければいいかなというくらい好きなので。その世界観が好きなので、今までのアルバムもそうですけけど、だいたい最初か最後がNaoさんの曲なんですよ。

――普段から密に話してるんですか?

もちろん連絡は取りますけど、そんなに密ということもなくて、けっこう間があいたりすることもあります。それでもやっぱり感じてるところが近いというか、同じ感受性のアンテナみたいなものを、それぞれが10本ずつ持ってるとしたら、7~8本は同じアンテナを持ってる感じがする。その残りの3本が、自分の持ってないNaoさんのアンテナがすごいんだと思うんですよ。近いところはあるんだけど、気づかされることがたくさんあるというか。Naoさんの世界観は、本当に大好きです。

――そして、サウンド的に注目したいのは「Rise Up feat.SOIL&“PIMP”SESSIONS」。ソイルとの共演はどういう経緯で実現したのか。

もともとは、ソイルさんが福原美穂ちゃんとやってる曲があって、これで踊ったらかっこいいだろうなって思ってたんですよ。全ナマ(生楽器)で踊るというのは、今までやったことがなかったんで、全ナマで三浦大知が踊れる曲を作ってみたいなと思っていて、じゃあ誰と作る?といった時にソイルさんしか思い浮かばなくて、ちょっと馬鹿なフリしてオファーしてみました(笑)。

――あはは。なんですかそれ。

ダメもとで(笑)。だいたいそういう時って、今ツアーを廻ってるからとか、アルバム制作中とか、いろいろあるものだから。でもそういうことも関係なく、一回思いを伝えてみようと思って、思い切って言ってみたら、Folderの頃から聴いてると言ってくれて、“ぜひやりたい”と言ってOKしてくださって。

――リクエストはしたんですか? 曲調とかテンポとか。

ジャズ的な要素はあったほうがいのかな?とか、そういう話もしてたんですけど、ちょうど作ってた時がリオ・オリンピックが開催される前だったので。もちろんソイルさんにお願いしたことで、ソイルさんのサウンドに自分が混ざりたいということはあるんですけど、せっかく一緒にやるんだったらソイルさんにも楽しんでもらいたいと思ったので。三浦大知とだからできる面白いこと、みたいなものがあるといいなと思っていたので、“ブラジリアンって面白いですよね”“それいいかも!”みたいな感じでした。

――スタジオではどんなふうに?

今までは打ち込みが主体だったので、トラック録りが新鮮でした。KTa☆brasilさんというパーカッショニストにも参加していただいて、ソイルのメンバーと相談しながら楽器を選んだりするのもすごく面白かったです。あと、ケイタさんの話を聞いていて納得したことがあって。サンバってノリやパッション重視なのかな?って勝手に思ってたんですけど、めちゃくちゃシビアらしくて。ブラジルのサンバ隊はとにかくリズムキープが大事で、ちょっとでも速かったり遅かったりする人がいると“おまえは後ろに回れ”って列から外されるとか、すごいストイックらしいんですよ。それぐらいシビアでタイトだからこそあのグルーヴが出るんだって、それはこの機会がなかったら知らなかったことだったので、すごく面白かったです。

――そんなふうに、新しいこともたくさんやってみて。作り終えて、何を得たアルバムですか。

自分も30になる年で、いい意味で肩の力の抜けた、ちょっと余裕のある、いつどこで聴いてもいい、本当にいいアルバムが作れたなと思ってます。今の自分の人生のことだったり、歩んできた道だったり、1枚のアルバムの中で歌にできたことも良かったと思ってます。

――たぶんこれが20代最後のアルバム。これから、変わっていきそうですか。

飛び級できるタイプではないし、コツコツやっていくのが三浦大知らしさにつながっているような気はしているので。今まで通り、こういうことをやってみたいとか、これをやったらみんな楽しんでくれるんじゃないか?とか、それを一個一個形にして、作り続けることがいいのかなと思ってます。

三浦大知 撮影=西槇太一

三浦大知 撮影=西槇太一

一日でも一秒でも長く歌って踊れる人生に向けて過ごしていければいいなと思ってます。

――気が早いですけれど。30代の目標ってあります?

うーん、そうだな……やっぱり一秒でも長く歌うことが、これからの人生に大切なのかなと思いますね。先輩たちに聞くと、30代はすごく楽しいという方が多いんで、すごくワクワクしてますね。たぶん20歳の時にできなかったことが、ちょっとずつできてるような気がするし、これからアイディアや体力も一番いい時期になるだろうなと思うので、ちゃんと楽しみつつ、一日でも一秒でも長く歌って踊れる人生に向けて過ごしていければいいなと思ってます。

――そういう話、同世代のアーティストと共有したりします?

同じ歳のアーティスト、あんまりいないんですよ。福原美穂ちゃんは同い年で、BoAちゃんは一個上かな。日高(光啓)くんも一個上。同世代があんまりいなくて、話を聞くとなるとKREVAさんとか、ちょっと上の人が多いですね。下も、女性のアーティストはけっこう多いんですけど、男のソロはあんまりいなくて。自分がもっと頑張って、下をフックアップできるようになったらいいなと思うんですけど。KREVAさんがやってくれたみたいに、KREVAさんに“こんな面白い奴がいる”って自分の後輩を紹介できたら最高だなって、それは一個の夢なんですけど、そういう感じにはまだなれてないので。だから、これからが楽しみです。

――ちなみに、今どんなものから刺激を受けることが多いですか。同時代の音楽やカルチャーでは。

音楽的にはUKが自分には程よくて。USもエンタテインメントな感じで楽しいですけど、UKのちょっと余裕ある感じと、新しさがある感じから影響を受けることが、サウンド的には多いですかね。あとは、僕は何でも影響を受けるんで、音楽とは別に、たとえばCMとかからも影響を受けてライブの演出にすることもあるし。

――ほう。CMですか。

そう。CMを作られてる方はすごいと僕は思っていて、15秒で伝えなきゃいけないものを見せるんで、本当にそぎ落としだと思うんですよ。その中でしっかり伝えたいことを伝えなきゃいけない。たとえば僕だったら、自分の楽曲を伝えるためにどうするか?を考えればいいけど、CMには企業がいて、その企業が伝えたいメッセージがあって、時間の制約がある中でそれをどういうふうに表現するか。最近はシリーズになってるCMもありますけど、短い時間で何かを伝えるプロだと思うので、すごく勉強になりますね。

――完全にプロデューサー脳ですね。いちアーティストの枠を完全に超えている。

いやいや。まあ自分が興味のあるものはいろいろやってみたいというところから、振り付けをやってみたり、ライブの構成を考えたりしているので、いろんなものが参考になるんですよ。それこそ芸人さんのネタもそうだし。

――おお。そんなところまで。

もちろん。エンタテインメントの中でもお笑いは、僕の中では上位にあって、笑いを生み出すのってすごいと思っていて、芸人さんはすごいリスペクトしてます。そういうところから考え方というか、笑いも緩急だと思うので、緊張と緩和を意識するとか、それは自分のやってることと遠くないと思っているので。そういうことを考えるのが好きなんですよ。

――また代々木くらいの大きな会場で、アイディア盛りだくさんの壮大なショーが見たいです。

考えてることは山ほどあるんで、制作費をかけてもらえるように頑張ります(笑)。お金がなくてもできることはありますけど、お金がないと絶対的にできないこともあるじゃないですか。どっちも、いろいろやれたらいいなと思ってます。


取材・文=宮本英夫 撮影=西槇太一

三浦大知 撮影=西槇太一

三浦大知 撮影=西槇太一


 
リリース情報
アルバム『HIT』
2017年3月22日発売

【CD+DVD盤】AVCD-16752/B ¥3,900+税
*スマプラムービー+スマプラミュージック対応
三浦大知【CD+DVD盤】

三浦大知【CD+DVD盤】

[CD]
01. Darkest Before Dawn
02. EXCITE
03. (RE)PLAY
04. Neon Dive
05. Body Kills
06. Darkroom
07. Can’t Stop Won’t Stop Loving You
08. Rise Up feat. SOIL&”PIMP”SESSIONS
09. Star
10. 誰もがダンサー
11. Cry & Fight
12. Hang In There
[DVD]
Darkest Before Dawn -Music Video-
EXCITE -Music Video-
(RE)PLAY -Music Video-
Cry & Fight -Music Video-
Darkest Before Dawn -Making-
Hang In There -Dance Edit Video from DAICHI MIURA LIVE TOUR (RE)PLAY FINAL-

【CD+Blu-ray盤】AVCD-16753/B ¥4,300+税
*スマプラムービー+スマプラミュージック対応
三浦大知【CD+Blu-ray盤】

三浦大知【CD+Blu-ray盤】

[CD]
01. Darkest Before Dawn
02. EXCITE
03. (RE)PLAY
04. Neon Dive
05. Body Kills
06. Darkroom
07. Can’t Stop Won’t Stop Loving You
08. Rise Up feat. SOIL&”PIMP”SESSIONS
09. Star
10. 誰もがダンサー
11. Cry & Fight
12. Hang In There
[Blu-ray]
Darkest Before Dawn -Music Video-
EXCITE -Music Video-
(RE)PLAY -Music Video-
Cry & Fight -Music Video-
Darkest Before Dawn -Making-
Hang In There -Dance Edit Video from DAICHI MIURA LIVE TOUR (RE)PLAY FINAL-

【CD ONLY盤】AVCD-16754 ¥3,100+税
*スマプラミュージック対応
三浦大知【CD ONLY盤】

三浦大知【CD ONLY盤】

[CD]
01. Darkest Before Dawn
02. EXCITE
03. (RE)PLAY
04. Neon Dive
05. Body Kills
06. Darkroom
07. Can’t Stop Won’t Stop Loving You
08. Rise Up feat. SOIL&”PIMP”SESSIONS
09. Star
10. 誰もがダンサー
11. Cry & Fight
12. Hang In There

【大知識盤】*FC限定 AVC1-16755/B ¥4,600+税
*スマプラムービー+スマプラミュージック対応
三浦大知【大知識盤】

三浦大知【大知識盤】

[CD]
01. Darkest Before Dawn
02. EXCITE
03. (RE)PLAY
04. Neon Dive
05. Body Kills
06. Darkroom
07. Can’t Stop Won’t Stop Loving You
08. Rise Up feat. SOIL&”PIMP”SESSIONS
09. Star
10. 誰もがダンサー
11. Cry & Fight
12. Hang In There
[DVD]
DAICHI MIURA LIVE TOUR 2016 (RE)PLAY at 東京国際フォーラム ホールA -Digest-
Unlock
I'm On Fire
Right Now
FEVER
Look what you did
Neon Dive
Daydream
MAKE US DO
(RE)PLAY
EXCITE
Cry & Fight

LIVE DVD / Blu-ray『DAICHI MIURA LIVE TOUR (RE)PLAY FINAL at 国立代々木競技場第一体育館』
2017年3月22日発売
【DVD(2枚組)】AVBD-16756~7 ¥5,500+税
*スマプラ対応
【Blu-ray】AVXD-16758 ¥6,400+税
*スマプラ対応
<LIVE>
Unlock
I’m On Fire
Right Now
FEVER
Look what you did
Neon Dive
Daydream
MAKE US DO
Dance Number
Delete My Memories
4am
The Answer
Two Hearts
ふれあうだけで ~Always with you~
(RE)PLAY Medley - Bkack Hole ~ Harf of You ~ Illusion Show-
(RE)PLAY [Special Guest : ISSEI, WATA, Hilty & Bosch, GOGO BROTHERS, KITE]
EXCITE [Special Guest : 仮面ライダーエグゼイド]
全速力 feat. 三浦大知 [Special Guest : KREVA]
Your Love feat. KREVA
Touch Me
GO FOR IT
Turn Off The Light
Cry & Fight
<ENCORE>
Hang In There
music
<BONUS>
Documentary of DAICHI MIURA LIVE TOUR (RE)PLAY FINAL

 

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