HEY-SMITH猪狩秀平がルーツから直近のUSツアーまで彼にとってのライブと「バンド」を語る

インタビュー
音楽
2017.4.4
HEY-SMITH

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オーソリティ・ゼロとのUSツアーを終えたばかりで、つい先日には昨年の大阪府民共済SUPERアリーナ公演の模様を収録したDVD『More Freedom』がリリースとなったHEY-SMITH。その中心にいる猪狩秀平(G・Vo)に、そのライブの内容も振り返りつつ、現在彼が思うバンド論を語ってもらった。

──まず、こないだ終えたばかりのオーソリティ・ゼロとのUSツアー(2月11日〜2月25日、全12カ所)の感想から聞いてもいいですか?

しょうもない感想ですけど、めっちゃ楽しかったです!

──以前、猪狩君はそこまで海外ツアーに積極的ではなかったですよね?

う〜ん、そうですね。6年前にフロリダに行って、フェスに出たけど、アメリカに行ってライヴをやってる喜びはあったけど、ご飯が合わなくて。とにかく、ご飯が嫌だったんです。

──ははは、そこは譲れないと。今回は何を食べました?

タコス、ピザとか・・・まあ、おいしいですけど、2日連続でいらないようなものばかりで。ご飯の時間が楽しくないから、海外ツアーは嫌だったんですよ。今回も相変わらずご飯はあんまりでしたけど、それ以上に前より長くツアーできたし、いろんな州に行けたし、知らないこともいっぱい知れたし。大人になっても、まだこんなに感動できるか?という感じだったんですよ。

──例えば?

日本でいろんなバンドとツアーを回ったときに、最終日に寂しいという気持ちにはなるけど。今回、オーソリティ・ゼロと別れるときに、もう泣いちゃうくらい寂しくて。

──猪狩君にとって、それはかなり珍しいこと?

うん、珍しい。そういう感情を味わえたことがデカイかな。やっぱり、オーソリティ・ゼロがかっこ良かったんですよ! 音源はもちろんだけど、人間がめっちゃかっこ良くて。実は彼らがツアー中に事故っちゃって。路面凍結で、めっちゃ風が強い日に車が横転して。その日のライヴは絶対キャンセルすると思ったら、意地でもライヴやるみたいな感じで。僕、アメリカのバンドはすぐキャンセルする奴らばかりだと思ってたんで。

──それはどんなイメージですか?(笑)

はははは。いや、何となく。しんどいって、すぐ言う奴ばかりなのかなって。でもその真逆で、どう考えても間に合わない時間帯だったけど、出番の30分前に着いて、ライヴをやり遂げたましたからね。うわっ、こんなにかっこい奴らとお別れかと思うと、感極まっちゃって。

──なるほど。今回のUSツアーはスケジュールもタイトでしたよね。12公演のうち、5連チャン1日休み5連チャンという日程もあり、かなりハードだったんじゃないですか?

日本でもここまではないですね。しかも5連チャンの中身が、その間の移動に7、8時間かかってますからね。それで5連チャンかい!って。最初はビックリしたけど、何とかいけました。俺はアメリカ行ったときに風邪だったけど、行ったら治ったし、歌も日本より確実に歌えたから、肌に合ってるのかなと。

──ああ、そうなんですね。

アメリカは日本とルールが違いすぎて、それも刺激になりました。これは書いていいと思うけど、ネバダ、コロラドは合法的に大麻、マリファナを吸ってもいいらしいんですよ。で、俺、コンビニでお酒を買って、外に持って出たら、外でアルコールを飲むのも、見せるのもダメなんですよね(笑)。

──公共の場所での飲酒は禁止されてますからね。

警察に「(お酒を)袋に入れなさい!」と言われて、「外でやるならマリファナにしろ!」って。警察の近くにいた奴から「いる?」と言われて。そんなの日本では絶対ありえないじゃないですか。それが楽しかったですね(笑)。

──カルチャーショックを受けたと。ライヴハウスはもちろん、建物の中で喫煙もダメですからね。

そうそう。そういう国の違いが楽しかったですね。

──UAツアーの会場のキャパは、大きな場所で1500人ぐらいですか?

一番大きいところはそれぐらいあったと思います。で、一番小さいところで200人入らないくらいですかね。

──観客の反応を含めて、印象に残った場所はあります?

アリゾナですかね。そこは会場も一番でかくて、オーソリティ・ゼロの地元やったし、人もたくさん来たんですよ。えっ、こんなにでかいんや?って。それにまず感動しました。あと、曲が始まったときに、曲を知ってる人が何人かいたんですよ。

──それは現地の人ですか?

はい。曲の掛け合いというか・・・キャッチ&リリース?

──それはディスク2のフィッシング・バトルでしょ(笑)! コール&レスポンスですよね?

あっ、そうです(笑)。こいつら曲知ってるやん!って。最初は10人ぐらいモッシュしていたけど、それがどんどん大きくなって、それにもめっちゃ感動しました。ミュージック・イズ・ノーボーダーやなと思っちゃって。

──いきなり初日から大感動したと。

ライヴ中に泣きそうになりましたもん。で、3回目のライヴぐらいから、いけるかもしれないと思って。

──というのは?

最初は不安だったんですよ。ライヴ2、3本目で絶対モッシュも起きるし、ライヴさえできれば、どこでもいける自信が付きました。ハモサビーチ、デンバーと、もうひとつどこか忘れたけど、その3本のライヴ後に「ワンモアー!」ってアンコールも起きたんですよ。俺らは常にオーソリティ・ゼロの前の出番だったけど、アンコールをやらせてもらった日があって。オーソリティ・ゼロからもやれやれ!と言われたし、それもめっちゃ嬉しかったですね。「ワンモア」と言われたら、その後に出るトリのバンドのことを気にせずに応えていいんだなって。それは日本にはないし、日本のお客さんもあまり言わないじゃないですか。

──そうですね。アメリカと日本の観客で何か違いは感じました?

自己表現が激しいですよ。ライヴが終わって、片づけているときも「アメイジング!」としつこいくらい言ってきますからね。だから、俺も何回もハイタッチして(笑)。まともな環境でライヴはできなかったけど、今後もいろんな土地に行ってみたいですね。

──どの辺に行ってみたいですか?

南米とか・・・可愛い女の子が多そうじゃないですか。

──そこですか(笑)。

はははは。まあ、ほんとにライヴに自信がつきました。英語圏じゃないところにも行ってみたくて。ブラジル、チリ、メキシコとか、言葉は全くわからない場所でも、ライヴでどこまで持っていけるかなって。それを試したいですね。

──実り多きUSツアーだったと。それで今作のライヴDVDは4時間強の内容で、全部観ましたけど、長かったです!

ははははは、そうっすね。

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