忽那汐里『ねこあつめの家』オフィシャルインタビュー「人生で何かを決めるときって、何かきっかけがある」

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2017.4.10
忽那汐里

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ねこを集めるスマートフォン向けアプリ『ねこあつめ』を実写映画化した作品『ねこあつめの家』が4月8日から公開中だ。「うめほのり」のCMなどで活躍するシナモンや、連続テレビ小説『あまちゃん』のドロップ、ドラマ『最高の離婚』のゆずをはじめ、多数の“スター猫”たちが出演し、原作となったアプリ同様に可愛らしい姿を披露する作品である。

一方で、伊藤淳史演じるスランプ中の小説家・佐久本勝が心機一転をはかり、ねこや周りの人々との関わりの中で自身と向き合っていくドラマも同作の魅力のひとつ。そんな中でも重要な役割を果たすのが、ヒロインの編集者・十和田ミチルを演じた忽那汐里だ。近年はホウ・シャオシェン監督の『黒衣の刺客』や、ジャレッド・レト主演作『ジ・アウトサイダー(原題)』などの出演で国際的にも注目を集めはじめた忽那は、史上稀にみる“ねこ映画”をどうとらえ、どう演じたのか。オフシャルインタビューで語った。

 

「人生で何かを決めるときって、何かきっかけがある」

 

忽那汐里

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――最初に今回のお話を聞いたときはどう思われましたか?

猫の映画なんだなって思いますよね。最近多いですし。でも、ほかの作品と何が違うんだろうと考えたとき、猫がただただいるんじゃなくて、猫が人生のきっかけを与えてくれる内容になっていて、佐久本がひかれただけの猫の魅力がありつつ、ちゃんとしたドラマになっていると思いました。

――今回演じられたミチルという役は、編集者ですごく頑張っている女性でした。

ミチルにとって佐久本というのは、ほかの作家さんとはちょっと違う存在。彼女がこの業界に入るきっかけとなった人で、特別な思い入れがあるだろうし、その分、現状に対するもどかしさを余計に感じてしまったり、若さゆえに情熱だけが先走ったりしてしまうんです。

 

忽那汐里演じる十和田ミチル(左) (C)2017 Hit-Point/『映画ねこあつめ』製作委員会

忽那汐里演じる十和田ミチル(左) (C)2017 Hit-Point/『映画ねこあつめ』製作委員会



――彼女の一生懸命さには共感できましたか?

そうですね。みんな感じることだと思うんですよね。会社に入って、自分の思い描いていたものや、やりたいことと、いまの状況とが違って、もどかしさを感じていてっていう。

――ミチルは仕事にまっすぐなだけでなく、私生活にも向き合っています。同世代の女性としてその気持ちはよく分かりますか?

分かりますね。仕事はしていたいですが、仕事のために生きているわけではないという意識が、私にもあります。私には、私生活も何かないと自分を保てないところがあるんです。でもそこは、ずっとちゃんと大事にしていきたいなと思っています。

 

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――ミチルを演じるうえで監督からリクエストはありましたか?

最初に監督とは、猫好きな方以外の方にも楽しんでもらえる作品にするために、なるべくきちんと一人ひとりの人間が、自分の人生において何と向き合っているのかを描く必要があるとお話ししました。特にミチルには展開がありますし。人生で何かを決めるときって、何かきっかけがある。それが大きなものでもそうでなくても、そうしたきっかけを感じてもらえればと思いました。

――編集者という役を演じるにあたって気を付けたことは?

佐久本のことを観察して、よく知ってはいるんですけど、友達ではない。この先どうしていいか分からないくらい迷走している人が目の前にいて、本当はもっと寄り添ってあげたいんだけど、ある程度の距離を持ちながら、信じて待ち続けている。佐久本との距離感を一番考えました。

 

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――千葉県香取郡の多古(たこ)町にある一軒家が舞台でしたが、多古町の存在は知っていましたか?

知らなかったです。私も佐久本と一緒で、たこ?ってなりました(笑)。

――実際に行かれて、いかがでしたか?

泊まりの日が何日かあったんですけど、わたしはそのまま祖父母の家に泊まりました。近かったんですよね。多古町にも自分が中学生のころに過ごしていた町並みがそのまま残っている感じが合って、新鮮な感じというよりは、懐かしさを覚えました。

――待ち時間もこの家で一緒に過ごしていたそうですね。

はい。地元のお寿司屋さんが、わざわざお寿司を握ってきてくれて、伊藤さんと一緒に食べたりしました。

 

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――千葉県内で忽那さんが行ったことのあるスポットは?

大慶園かな。千葉に住んでる人は知ってると思いますけど、夜もやってるすごく大きなアミューズメントパークがあるんです。バッティングセンターがあったり、バスケができたり、巨大なゲームセンターとかカートもあって。それこそ去年も、友達と車を運転して行きましたよ。

――忽那さんは、もともと猫はお好きだったんですか?

好きです。飼ったりはしてないんですけど、日本に来た当時(編注:忽那はオーストラリア出身)に住んでいた家でも、駅までの道に野良猫ちゃんがいて、必ず数分は止まって遊んでました。その野良猫ちゃんがきっかけでどんどん猫が好きになっていった気がします。

――どんなところが好きですか?

犬とかとはまた違う可愛さがありますよね。犬は本当によくいうことをきくけど、猫はそういう魅力じゃなくて、存在そのものが可愛いというか。予測不可能な感じが可愛いです。今回の現場では、猫がいるとその場が華やぐ感じがありました。周りになにもない分、余計に(笑)。癒されました。

――伊藤さんはどんな方ですか?

伊藤さんはやっぱり楽しい役者さんですね。コミュニケーションがすごく取れますし、なんといってもおもしろい方です。それに現場で何か起こっても堂々としてらっしゃるし、いつも中心にいてくださるんです。

――作品を観る方にメッセージをお願いします。

アプリと同じ座布団が出てきたりといった、ちょっとした楽しみも見つけてもらえると思います。猫好きな方には楽しい作品だと思いますし、それだけじゃなく、きっかけというのはいつ訪れるか分からないことを教えてくれますし、そういうものがいま目前にある人には、それを後押ししてくれる作品になっているんじゃないかと思います。

 

忽那汐里

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映画『ねこあつめの家』は公開中。

作品情報

映画『ねこあつめの家』

(C)2017 Hit-Point/『映画ねこあつめ』製作委員会

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出演:伊藤淳史 忽那汐里
戸田昌宏 大久保佳代子 / 青戸浩香 大嶺創羽 村木藤志郎 大山うさぎ
田口トモロヲ / 木村多江
監督:蔵方政俊/原作・原案:ねこあつめ(Hit-Point)/企画・脚本:永森裕二
企画・配給:AMGエンタテインメント/制作プロダクション:MEDIAND/製作:「映画ねこあつめ」製作委員会

公式サイト:http://nekoatsume-movie.com/

(C)2017 Hit-Point/『映画ねこあつめ』製作委員会

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