全国から300席超の名品が集結! 『日本の盆栽水石至宝展』の魅力を訊いた

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2017.4.17
『日本の盆栽水石至宝展』イメージパース

『日本の盆栽水石至宝展』イメージパース

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4月末、世界の盆栽愛好家が一堂に会し交流を深める世界盆栽大会が28年ぶりに盆栽の故郷・日本に里帰りし、『第8回世界盆栽大会inさいたま』として開催される。こちらは盆栽愛好家に向けて4年ごとに開かれる本格的なイベントだが、大会の開催を記念して、もっと気軽に盆栽や水石が楽しめる『日本の盆栽水石至宝展』も開かれることとなった。世界盆栽大会でこうした一般向けの展示が行われるのは初とのこと。そこで本イベントを主催する、第8回世界盆栽大会inさいたま実行委員会事務局に、盆栽の魅力やイベントの見どころを聞いてみた。

盆栽の魅力とは?

気品と風格 が感じられる「黒松」

気品と風格 が感じられる「黒松」

盆栽というと、「わび・さびがある」だの、「鉢に小宇宙が広がる」だの、何だか難しい印象が強くて、正直よく分からないという人も多いだろう。だが、いっぺんその思い込みを取っ払って、じっくりと盆栽と向き合ってみてほしい。
盆栽には、何十年、数百年、数千年と生きてきた木を使っているそうで、じっくり見ると、盆栽作家が丁寧に刈り込み、木ぶりや見え方も考えて作っていることがよく分かる。担当者曰く、「盆栽には引き込まれるような魅力があります。木が生きてきた背景や歴史を想像すると楽しいですし、見ているうちに不思議な空間や時間が感じられます」とのこと。

盆栽によく使われる「真柏(しんぱく)」

盆栽によく使われる「真柏(しんぱく)」

しかも、この何でもないように見える木が実はすごいのだ。盆栽には、幹の木肌が白系で美しい「真柏(しんぱく)」と呼ばれる木がよく使われるというのだが、この真柏、高山の岩場や海岸に面した崖などの厳しい環境で自生しているため、いい真柏を探すだけでも時間と労力がかかるという。時には、切り出すのも命がけの作業になるのだとか。

盆栽、下から見るか? 横から見るか?

繊細にほぐれた枝先が美しい「ぶな・銘『臥龍』」

繊細にほぐれた枝先が美しい「ぶな・銘『臥龍』」

余すところなく花を咲かせた「寒桜(かんざくら)」

余すところなく花を咲かせた「寒桜(かんざくら)」

では、そんな手間暇かけて作られた盆栽をどう見るのがいいのだろうか? 盆栽は、上から見るのはもったいないのだそう。下から見上げるように見るか、同目線、つまりは横から見るのが推奨されるとのこと。「盆栽は根、幹から表現が始まっています。鉢植えをするときに既に盆栽作家は角度など完成形を想像しながら作っているんです」。枝や葉だけでなく、根の張りや幹の立ち上りを見ずには盆栽は語れないのだ。

日本を代表する盆栽が大集結!

盆栽としても人気の「五葉松(ごようまつ)・銘『親和』」

盆栽としても人気の「五葉松(ごようまつ)・銘『親和』」

「通常の盆栽展の規模は、数十~百席ほど。日本中の盆栽が300席以上集まることは過去に例がありません」と主催者が語るほど、本展は大規模な盆栽展。しかも、手のひらサイズのものもあれば、本展のシンボル盆栽である「飛龍」にいたっては高さ1.6m、幅3.5m、奥行き1.4m、幹回り90㎝ほどの巨大盆栽だというから、その大きさだけをとっても実にバラエティに富んだ盆栽が勢ぞろいすることになる。

さらに、これまでほとんど外に出ることがなかった皇居の名品盆栽の数々をはじめ、大隈重信や川端康成ら偉人・文豪たちが愛した盆栽、広島の戦火を逃れたものなど、貴重な盆栽も展示。この他、さいたま市内の小学校11校の生徒たちによる盆栽や、山水の景情を表現する「水石」の名品も並ぶ。

こうした展示だけでなく、国内外の盆栽作家によるデモンストレーションも見られるのは本展ならでは。名人たちの作業風景は、ふだん公開されることがない。それぞれの作家の感性で、荒々しい状態の木に鑑賞物としての命が吹き込まれていく過程は見ものだ。

『日本の盆栽水石至宝展』は、さいたまスーパーアリーナ コミュニティアリーナで4月28日(金)~30日(日)に開催。これまでにないスケール感の盆栽展をお見逃しなく!

イベント情報
日本の盆栽水石至宝展

日時:2017年4月28日(金)~30日(日) 9:30~18:00(30日のみ17:00閉場)
会場:さいたまスーパーアリーナ コミュニティアリーナ
入場料:前売り券800円、当日券1,000円
公式サイト:http://world-bonsai-saitama.jp/

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