キセル、雨まじりの野音で迎えた夏の終わり

レポート
音楽
2015.9.6
キセル「野音でキセル 2015」の様子。(撮影:三浦知也)

キセル「野音でキセル 2015」の様子。(撮影:三浦知也)

キセルが東京・日比谷野外大音楽堂にて8月30日に単独公演「野音でキセル 2015」を実施した。

2013年6月以来2度目となる野音ライブは小雨がぱらつく曇天の中でスタート。キセルはサポートメンバーのエマーソン北村(Key / シアターブルック)、野村卓史(Key / グッドラックヘイワ)、北山ゆう子(Dr / lake)を迎えた5人編成で「夏嫌い」「夏の子供」といった“夏ソング”やゆったりとしたリズムの「柔らかな丘」を届けた。

辻村豪文(Vo, G)は「夏の終わりにワンマンをやらせてもらえるってことでめちゃめちゃ夏仕様の選曲にしてきたんですけど……夏どこいってん」と天候に対して苦笑しつつ、観客に「今日は来てくれてありがとうございます。踊れる曲を3割増しくらいで持ってきたんで最後までよろしくお願いします!」と挨拶。「雨音」「うぶごえ」などのナンバーを繰り出してレインジャケット姿の観客を揺らしていく。そして彼らはこの日会場付近である国会議事堂周辺にて行われたデモに触れ、疾走感のあるロックアレンジが施された「エノラ・ゲイ」をプレイした。

ライブ中盤には辻村兄弟2人のコーナーも。彼らは雨が止んで虫の鳴き声が響く会場で優しく「マジックアワー」を披露し、この日から販売開始となったカバーアルバム「Songs Are On My Side」の制作エピソードを話してから細野晴臣「終りの季節」、ふちがみとふなと「Teach your children」、ゆらゆら帝国「ひとりぼっちの人工衛星」といったカバー曲を歌い上げた。

後半に再びバンド編成にスタイルを戻した彼らは、野音のステージ背面いっぱいに映像を投影した幻想的なシチュエーションの中で「ビューティフル デイ」「ミナスの夢」など新旧ナンバーをプレイ。リズミカルな編曲がなされた「ハナレバナレ」に続いて放った「ギンヤンマ」ではイントロの段階からオーディエンスの歓声が上がり、サビでは観客総立ちの大盛り上がりとなった。そして会場の高揚感を保ったまま本編終了、アンコールと続き、再登場した彼らは「ベガ」「時をはなれて」をプレイして再び喝采を浴びる。ダブルアンコールでは辻村兄弟が演奏。辻村友晴(Vo, B)のミュージックソー、オーディエンスの手拍子に乗せてアコースティックナンバー「たまにはね」で野音ライブを締めくくった。

キセル「野音でキセル 2015」
日比谷野外大音楽堂 2015年8月30日 セットリスト

01. 夏嫌い
02. 夏の子供
03. 柔らかな丘
04. 君をみた
05. 雨音
06. うぶごえ
07. エノラ・ゲイ
08. そこにいる
09. ナツヤスミ
10. マジックアワー
11. 終りの季節
12. Teach your children
13. ひとりぼっちの人工衛星
14. おに
15. 空の上
16. 手紙
17. ビューティフル デイ
18. ミナスの夢
19. ハナレバナレ
20. ギンヤンマ
21. 声だけ聴こえる
<アンコール>
22. ベガ
23. 時をはなれて
<ダブルアンコール>
24. たまにはね

音楽ナタリー
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