関西発、歌姫3名による華やかなコンサート、みつなかホールで開催!

インタビュー
クラシック
2017.4.27
川西市みつなかホールでしか聴く事の出来ない、豪華歌姫の競演! 提供:川西市みつなかホール

川西市みつなかホールでしか聴く事の出来ない、豪華歌姫の競演! 提供:川西市みつなかホール


関西発、日本を代表するディーヴァ尾崎比佐子、並河寿美、福原寿美枝の3人が一堂に会するコンサートが、川西市のみつなかホールだけで開催される。このコンサートを企画したみつなかホールのチーフ・プロデューサー丹治亜弥子に話を聞いた。



--みつなかホールで昨年に続き開催される「ディーヴァの宴」は、有りそうで無い組み合わせですね。このコンサートをやろうと思われたきっかけを教えてください。

みつなかホールでは今年で26回目となる「みつなかオペラ」を毎年開催しています。他のホールと一線を画する意味でも、他では出来ないことをやりたいと、客席数480席のホールが自主制作でオペラをやり続けてきました。これは私たちの誇りです。その事で私たち会館スタッフも成長することが出来ましたし、ご出演いただく歌手やスタッフの皆さんとの間に信頼関係が生まれました。

「ディーヴァの宴」は、仲良くさせて頂いている尾崎比佐子さんと「何か一緒にやりたいね!」と話していて、「じゃあ並河寿美さんとのデュオは?」「それなら是非、福原寿美枝さんも!」と、とんとんと順調に決まり、「ピアノは絶対に關口さんで!」と。そしたら、「みつなかオペラ」でお世話になっている演出家の唐谷裕子さんが企画・構成をしてくださることになり、おまけに牧村邦彦マエストロも巻き込まれて(笑)。皆さん、もちろん異論なく「やりたい!」とご参加くださいました。

第25回みつなかオペラ プッチーニ/歌劇「マノン・レスコー」全4幕原語上演 字幕付き  提供:みつなかオペラ実行委員会

第25回みつなかオペラ プッチーニ/歌劇「マノン・レスコー」全4幕原語上演 字幕付き  提供:みつなかオペラ実行委員会

--この3人の組み合わせは珍しいですよね。ソプラノ2人にメゾ・ソプラノ1人……。皆さま大変ご活躍で、忙しくされている方ばかり。スタッフも色々と気を使われる事でしょう。なんだか凄くピリピリした現場を創造してしまうのですが(笑)。

ピリピリ(笑)、やっぱりそう思われますよね?ところが逆で、笑いに溢れた楽しい現場なんですよ。皆さんそれぞれお互いをリスペクトされていますし、意見を出し合い、創り上げて行き、良い関係なのを感じます。

プログラムを考える際にも、ありきたりな内容にならないよう、そして皆さん先生でもありますし、やはり学生さんのお手本になるよう、お客様にとって敷居が高くなり過ぎることのないよう意識されています。

左から尾崎比佐子(S)、並河寿美(S)、福原寿美枝(M) 提供:川西市みつなかホール

左から尾崎比佐子(S)、並河寿美(S)、福原寿美枝(M) 提供:川西市みつなかホール

--昨年のプログラムを拝見すると、ワーグナーの楽劇「ワルキューレ」より“ワルキューレの騎行”に始まり、R.シュトラウスの歌劇「バラの騎士」第3幕より“立場の三重唱”まで、ソロあり二重唱、三重唱ありの、バラエティに富んだとても魅力的なプログラムですね。選曲はどうやって決められるのですか? 今年のプログラムはもう決まっていますか?

今年は、ある程度の候補曲が出た時点で、第1部と第2部の「プリマが表現する愛ゆえの苦悩のかたち」と「運命に翻弄される儚きヒロインたちの愛」というテーマを考えました。それを踏まえ、第1部は3人が今、歌いたい曲、聞いて欲しい曲を出し、唐谷さんが構成する形で進め、オープニングの三重唱は昨年と同じワルキューレを、尾崎さんはドニゼッティの「アンナ・ボレーナ」を、並河さんはヴェルディの「ドン・カルロ」、福原さんはサン=サーンスの「サムソンとデリラ」をということになりました。

第2部は色々の組み合わせの二重唱をお聞きいただきます。ドリーブの「ラクメ」“花の二重唱”は尾崎さんと並河さんに歌っていただきますが、ソプラノ同士でも声質が違うおふたりの声の印象を味わっていただけると思います。並河さんと福原さんにはプッチーニの「蝶々夫人」より“花の二重唱”を歌っていただくのですが、実は、福原さんはスズキの役は初めてだそうで…、彼女がこの役をやったことがないなんて、ちょっと意外でした。

ソロでデュオでトリオで…素敵な歌声を色々な組み合わせでお届け! 提供:川西市みつなかホール

ソロでデュオでトリオで…素敵な歌声を色々な組み合わせでお届け! 提供:川西市みつなかホール

--それは聴き応えありそうですね。読者の皆さまの中には、みつなかホールをご存じない方も多いと思います。どうぞ最後にメッセージをお願いします。

川西市のみつなかホールは、阪急電車で梅田から約20分の川西能勢口駅下車5分という好立地のホールです。今年の「みつなかオペラ」は、プッチーニの歌劇「妖精ヴィッリ」と「外套」を上演いたします。

先日、坂口裕子・藤田卓也デュオ・リサイタルが行われたのですが、このお二人は2014年の「みつなかオペラ」、ベッリーニの「清教徒」での共演がきっかけで音楽関係者の目に留まり、今では人気と実力を併せ持つ歌手として、藤原歌劇団でも活躍されています。このように「みつなかオペラ」は音楽ファンだけでなく、音楽関係者の間でも注目されている、みつなかホールの中核をなす事業です。歌姫3人による「ディーヴァの宴」も「みつなかオペラ」があればこそのコンサートですが、ガラ・コンサートを見ているように衣裳や照明など視覚的にも聴覚的にも楽しめるゴージャスなコンサートとなっています。ぜひお越しください。

華やかな衣装に手の込んだ演出。視覚的にも聴覚的にも楽しめるコンサート 提供:川西市みつなかホール

華やかな衣装に手の込んだ演出。視覚的にも聴覚的にも楽しめるコンサート 提供:川西市みつなかホール

取材・文=磯島浩彰

公演情報
尾崎比佐子&並河寿美&福原寿美枝 「ディーヴァの宴」
 
■日時:5月26日(金)19:00開演(18:30開場)
■会場:みつなかホール
■出演:
尾崎比佐子(ソプラノ)
並河寿美(ソプラノ)
福原寿美枝(メゾ・ソプラノ)
關口康祐(ピアノ)
■企画・構成:唐谷裕子
■公演スーパーヴァイザー:牧村邦彦
■プログラム
-第1部- ≪プリマが表現する愛ゆえの苦悩のかたち≫
ワーグナー:「ワルキューレ」~ディーヴァの宴オリジナル版~
ドニゼッティ:「アンナ・ボレーナ」より“あの場所に連れて行って”
ヴェルディ:「ドン・カルロ」より“世の空しさを知る神”
サン=サーンス:「サムソンとデリラ」より
“あなたの声でわが心は開く~愛よかよわい私に力を貸して” ほか
-第2部- ≪運命に翻弄される儚きヒロインたちの愛≫
ドリーブ:「ラクメ」より“花の二重唱”
プッチーニ:「蝶々夫人」より“花の二重唱” ほか
■料金:〈全席自由席〉一般4,000円、学生(大学生以下)3,000円 (当日各500円増)
■予約・問合せ:みつなかホール072-740-1117

第26回みつなかオペラ
G.プッチーニ・シリーズ~そして新たな幕を開けるイタリア・オペラの世界~Ⅱ

■日時:10月8日(日)9日(月祝) 時間未定
■会場:みつなかホール
■曲目:
プッチーニ:歌劇「妖精ヴィッリ」全2幕
プッチーニ:歌劇「外套」全1幕
■指揮:牧村 邦彦
■演出:井原 広樹
■合唱指揮:岩城拓也
■演奏:ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団
■合唱:みつなかオペラ合唱団
■出演:
[妖精ヴィッリ]全2幕
アンナ:内藤 里美、中嶋 康子
ロベルト :小林 峻、水口 健次
グリエルモ:迎 肇聡、森 寿美
[外套]全1幕
ミケーレ :井原 秀人、桝 貴志
ジョルジェッタ:白石 優子、並河 寿美
ルイージ :千代崎元昭、松本 薫平
フルーゴラ :岸畑真由子、福原寿美枝
ティンカ :柏原 保典、谷口 耕平
タルパ :片桐 直樹、松森 治
恋人たち女性 :西上亜月子、林 真央
恋人たち男性 :未定
小唄売り :岩城 拓也
[出演日未定、五十音順]
■料金:<全席指定席> 一般7,000円 、割引(小・中・高生、障がいのある人)4,500円 (当日各500円増)
■予約・問合せ:みつなかホール072-740-1117

 
■公式サイト:http://www.mitsunaka-bunka.jp/
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