2年ぶりの来日公演 上海歌舞団の名作『舞劇「朱鷺」-toki-』が今夏3都市で再演 

2017.4.25
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舞劇「朱鷺」-toki-

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2015年に全国30会場12万人を動員した上海歌舞団の名作『舞劇「朱鷺」-toki-』が今夏、再演されることが決定した。上海歌舞団は、独創性に富んだ舞台作品を創作・上演する芸術団体で、中国の伝統舞踊に、クラシックバレエやモダンダンスを取り入れた、多彩な踊りを融合する舞台が有名である。

日本では、2005年に東京(Bunkamuraオーチャードホール)にて、『舞劇「覇王別姫(~ある愛の伝説~)」』や、 2007年に東京と大阪で『WILD ZEBRA』(日中国交正常化35周年日本文化・スポーツ交流年認定事業)を上演している。海外でも高い評価を得ており、これまでにアメリカ、カナダ、メキシコをはじめとした20ヶ国以上で公演を重ねている。

また、世界の舞踊界で活躍する若手ダンサーを輩出していることでも名を馳せており、今回の演目「朱鷺」は2015年以来、2年ぶりの日本公演となるが、女性プリンシパル・朱潔静(しゅ・けつせい)による朱鷺の繊細な動きや、男性プリンシパル・王佳俊(おう・かしゅん)とのダンスは、より洗練され思わず息を呑んでしまう。2年間の熟成を得て、 さらにスケールアップした『舞劇「朱鷺」-toki-』が、2017年、日本の空を席巻する。

舞劇「朱鷺」-toki-


薄絹のような羽衣をまとった朱鷺の精ジエが地上に舞い降り、 青年ジュンと恋に落ちる……。 中国上海歌舞団『朱鷺』は、 「鶴の恩返し」「羽衣伝説」「白鳥の湖」「オンディーヌ」など、古今東西、人々を魅了してきた物語の系譜に連なる作品だ。 初めは戸惑いながらも次第に心を通わせるジエとジュンの踊りは、瑞々しいときめきで溢れている。 また、バレエ「白鳥の湖」2幕さながらの見事なフォーメーションを作る朱鷺の群舞は、まさに洗練の極み。光と色が繊細に移ろうパステル画のような舞台に、民族舞踊とバレエやモダンダンスを融合させた上海歌舞団の踊りが鮮やかに映え、観る者は桃源郷のような幻想美の世界に誘われる。 

しかし本作は、 単なる古(いにしえ)の恋物語では終わらない。 ジエはジュンのもとを去り、 時代は古代から、 まず自然が破壊され荒廃した近代、 さらに、 朱鷺が絶滅状態にある現代へ。 かつての麗らかな情景とは打って変わって、 ここではシャープな動きに乗せて嘆きや苦しみが表現される。 1000年もの歳月の間、 出会いと別れを繰り返しながら、 次の時代・世代に引き継がれていくジエとジュンの愛。 たとえ個体としての生物の命は尽きても、 思いが繋がり、 絆が深まり得る。 そのことをかくも雄弁に示す舞台に、 胸を打たれずにはいられない。 観る者を深い感動に導く世界がここにはある。         

高橋彩子(舞踊・演劇ライター)


舞劇「朱鷺」-toki-

より繊細に、 より壮大に、 スケールアップした『舞劇「朱鷺」-toki-』の美しくも儚い愛の物語に、会場で酔いしれよう。

 
公演情報
舞劇「朱鷺」-toki- 上海歌舞団 

【東京公演】
2017年8月29日(火) 開演 19:00 
2017年8月30日(水)開演14:00/ 開演19:00
会場:Bunkamura オーチャードホール

2017年9月6日(水) 開演 19:00
2017年9月7日(木) 開演 14:00 / 開演 19:00
2017年9月8日(金) 開演 19:00
2017年9月9日(土) 開演 13:00 / 開演 17:00
2017年9月10日(日) 開演 13:00 / 開演 17:00
会場:東京国際フォーラム ホール C

【名古屋公演】
2017年9月2日(土) 開演 13:00 / 開演 17:00
2017年9月3日(日) 開演 11:00 / 開演 15:00
会場:愛知県芸術劇場 大ホール

【大阪公演】
2017年9月13日(水) 開演 14:00 / 開演 19:00
9月14日(木) 開演 14:00 / 開演 19:00
会場:オリックス劇場

料金:S席 8,800円、 A席 7,800円(全席指定・税込)
入場制限:未就学児童入場不可
座席選択先行:2017年5月10日(水)12:00~2017年5月15日(月)18:00

一般発売日:2017年5月27日(土)10:00~
主催:朱鷺2017日本公演実行委員会/TBS(東京)/中京テレビ放送(名古屋)

■公演公式サイト: http://toki2017.jp