関西最大の舞台芸術祭「KYOTO EXPERIMENT 2017」参加アーティスト第一弾発表

2017.4.27
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ハイナー・ゲッベルス/アンサンブル・モデルン 『Schwarz Auf Weiss』 © Christian Schafferer


中国・韓国の新鋭から音楽劇の巨匠まで、バラエティに富んだ9組が登場。

京都市内で毎年秋に催される(2016年のみ春にも開催)関西最大の演劇祭「京都国際舞台芸術祭 KYOTO EXPERIMENT」(通称KEX)。4月25日に、2017年の公式プログラムに参加するアーティストの第一弾が発表された。

今回発表されたのは12組(予定)中9組で、参加アーティストは以下の通り。

金氏徹平(日本)
スン・シャオシン(中国)
パク・ミンヒ(韓国)
田中奈緒子(ドイツ)
ハイナー・ゲッベルス/アンサンブル・モデルン(ドイツ)
村川拓也(日本)
神里雄大/岡崎藝術座(日本)
マルセロ・エヴェリン/Demolition Incorporada(ブラジル)
researchlight(日本)

今回の企画の一部は、京都市/長沙市(中国)/大邱広域市(韓国)の三都市が提携して開催するアートイベント「東アジア文化都市2017 京都」の、舞台芸術部門の交流プログラムとして行う。そのため「距離の近さゆえ、KEXで紹介する文脈を今まで見つけられずにいた」(KEXプログラムディレクター・橋本裕介談)という中国&韓国のアーティストが、初めて公式プログラムに加わった。スンとパクは、それぞれの国で熱い注目を浴びている現代演劇の新鋭で、共にこれが日本初上陸となる。

スン・シャオシン『Here Is the Message You Asked For... Don't Tell Anyone Else ;-)』 Photo by Chen Jingnian

さらなるトピックは、朗読と音楽で構築された音楽劇《ミュージック・シアター》で知られる巨匠ハイナー・ゲッベルスが、代表作『Black on White』を上演すること。ゲッベルスは過去3回来日しているが、ミュージック・シアターでの上演はこれが本邦初となる。また来日組としては、KEXで過去2回センセーショナルな作品を披露してきた、マルセロ・エヴェリンも見逃せない。今回は土方巽の著書『病める舞姫』から着想を得た新作を、日本で初めて上演するそうだ。

国内アーティストとしては、岡田利規作品の舞台美術を手がけてきた現代美術家・金氏徹平が、初めて舞台作品の演出に挑戦するのにも注目。また現在アルゼンチンに留学中の神里雄大(岡崎藝術座)の、帰国後第一弾となる作品の上演も決定した。どちらもこれが世界初演だ。これらの公式プログラム以外にも、子ども向けの企画や地元のアーティストによるフリンジ企画など、多数の催しが予定されている。

岡崎藝術座『+51 アビアシオン,サンボルハ』 2015 Photo by Yuta Fukitsuka

また「東アジア文化都市2017 京都」には、KEX以外でも演劇ファンの興味を引きそうなアーティストが多数参加している。野外劇『日輪の翼』を上演するやなぎみわ、維新派『マレビト』に出演したhyslom、昨年の「東アジア文化都市2016 奈良」で巨大船の建造過程を見せ、今回も大規模なプロジェクトが進行中だという蔡國強(ツァイ・グオチャン)など。一連の学芸員をめぐる発言で標的にされたのも記憶に新しい、世界文化遺産の二条城をメインの展覧会場にするなど、なかなかアグレッシブなアートイベントとなりそうなので、併せてチェックしてほしい。

KEX参加アーティスト第2弾と、上演日程などの詳細は、5月24日(水)に発表される予定。同日にはハイナー・ゲッベルスの特別レクチャーも、京都で開催される。

イベント情報

KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭2017​

■日程:2017年10月14日 (土) ~11月5日 (日)
■会場:ロームシアター京都、京都芸術センター、京都芸術劇場 春秋座、京都府立府民ホール“アルティ”、ほか

■公式プログラム参加アーティスト:金氏徹平、スン・シャオシン、パク・ミンヒ、田中奈緒子、ハイナー・ゲッベルス/アンサンブル・モデルン、村川拓也、神里雄大/岡崎藝術座、マルセロ・エヴェリン/Demolition Incorporada、researchlight、ほか3組を予定

■公式サイト:http://kyoto-ex.jp/

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