満を持して初東上! SABOTEN & PAN主催『マスコロ』は笑いとエモーションに満ちた極上のパーティーだった

レポート
音楽
2017.4.28
PAN

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MASTER COLISEUM '17~西から昇ったお日様は東でも昇るんやで~ 2017.3.12 TSUTAYA O-EAST

SABOTENPANの2バンドがタッグを組んで立ち上げた『MASTER COLISEUM』は、06年に大阪城音楽堂でスタートした。昨年はお休みしたものの、今年は『MASTER COLISEUM '17~西から昇ったお日様は東でも昇るんやで~』と題して、なんと東京で初開催! 関西出身バンドが一挙に13組大集結することになり、渋谷TSUTAYA O-EASTにはサーロインステージ、サイコロステージという2舞台が設けられ、出演順にガガガSP、AT-FIELD、BUZZ THE BEARS、花団、KNOCK OUT MONKEY、THE SKIPPERS、Dizzy Sunfist、セックスマシーン、locofrankと熱演が続く。

その中でDizzy Sunfistは、前夜未明に機材盗難に遭う最悪の事態の中で、メンバー3人が登場。「機材盗まれたけど、ウチらは止まらへん!」。あやぺた(Vo/G)の開口一番の言葉に胸を鷲掴みにされた。それから最新シングル表題曲「The Dream Is Not Dead」、今はライブで鉄板の盛り上がりを見せる「Tonight Tonight Tonight」においては、フロアと2階席まで巻き込んで観客の両手を上げさせ、会場を一つに束ねていた。「ライブ前はほんとに不安やったけど、大事な仲間だけは盗られたくない!」と言い残した彼女たち。その気迫漲る全力全開のステージングに圧倒された。

バンビーノ

バンビーノ

今回のマスコロにはお笑いのとろサーモン、バンビーノ、アイロンヘッドの3組が漫才を繰り広げる時間も設けられ、関西のイベントらしい企画に観客も大笑い。ほかに関西焼きそばや、パチンコをやって当たった数だけタコ焼きをゲットできるマスコロ食堂ではバンド・メンバー自ら現場に立つなど、アット・ホームな雰囲気が漂っていたところも特筆すべき。後半戦に入り、「マスコロのミスチル担当!」と稲村太佑(Vo/G)が言うと、アルカラの登場だ。「アブノーマルが足りない」で始まるや、早くも会場は活気づく。中毒性の高いクセになる歌メロを主軸に、豪快かつ繊細な演奏力で聴かせるアレンジも彼らの楽曲の大きな魅力だ。いい意味でギターロックの枠組みからハミ出した、奔放でトリッキーな表情も垣間見せながら、聴く者をグイグイ引き込んでいた。

そして、主催バンドの一角を担うSABOTENがステージに現れる。オープニングは記念すべきデビュー・アルバム表題曲「ハイ・ロック・ハイ」で火蓋を切った。彼らの名刺代わりとも言える豪快なメロディック・チューンだけに、初っ端からフロアは激しいモッシュが起きていた。「カフェオレ」などノリのいい曲調を畳み掛けた後、「MASTER COLISEUM TOKYO 、ようこそ!」とヤッソー(B/Cho)が元気よく挨拶。すると、「俺らも悔いなく、遊びたい!」とキヨシ(Vo/G)が言い、「インターネットヒーロー」へ。3ピースのカタマリ感を強烈にアピールしつつ、「シナリオ」に繋ぐと、エモーショナルな歌メロでも観客をしっかり惹き付けていた。「SABOTEN、18年かけてここに来た! 絶対に掴みたいものがある、あなたの心やー!」とキヨシが熱く語りかけ、「YELLOW RIOT」を披露。衝動爆発のサウンドに身も心も焦がされる中、「走れるか?」と号令をかけ、モッシュに誘う手腕もさすがの一言。完全にO-EASTは大人の遊び場と化していた。しかもキヨシは勢い余って、自らのギターをドラムの方に投げ込んで、マイクに向かって絶叫を決める大暴走ぶりで観客を沸かせる。ラスト「サークルコースター」で観客はタオルを回して大団円となった。

そして、トリを飾ったのはPANだ。お馴染みのマグネットコーティングの「でんでんの大航海2000だ!」がSEで流れると、「パンにはイースト菌が大事」と川さん(Vo)が切り出し、PANとTSUTAYA O-EASTは相性がいいんだと神がかったダジャレで掴みはOK! さらにあんぱん、チョコパン、食パンを観客側に投げ込むと、「Z好調」で本編スタート。観客の心に一気に火を付けると、次は「ギョウザ食べチャイナ」が炸裂。ノリのいいダンサブルな曲調も相まって、観客も笑顔で歌って踊り、会場の一体感は急上昇!
「マスコロ、1日で13バンド出たのは初めて……(バンドの)振れ幅が凄い!」との川さんのMCに続いては、『PANJOY』からブランド「SPINNS」とコラボした「オリジナル」をプレイ。食べ物の曲をやった後に、オリジナリティの大事さを訴えた真摯なメッセージ性を持つ楽曲でも観客も焚き付けていく。

マスコロの空気を東京に持って行きたかったと語りかけると、「直感ベイベー」、「天国ミュージック」で本編終了。アンコールではSABOTENを呼び込んで、コラボ曲「インタレスター」を総勢7人でやり、底抜けのパーティー空間を作り上げた。それから「出演者、全員出て来い!」という掛け声とともに出演バンドが集まり、最後は「夏の虫インザファイヤー」を披露。ステージもフロアもカオス状態に陥り、ガガガSPのコザック前田はフラフラと千鳥足で練り歩く。とてつもない大熱狂に沸く中、長丁場のイベントは幕を閉じた。 

今年は9月16日に地元・大阪にて『MASTER COLISEUM NEO』と名称を変更して開催される。今後のマスコロにも期待したいし、また東京でも是非やってほしい。 


取材・文=荒金良介

ライブ情報
『PANマンでレッツPANJOYツアー』
5/06(土)京都MUSE
5/14(日)岡山CRAZYMAMA KINGDOM
5/21(日)渋谷CLUB QUATTRO
5/28(日)福岡Queblick
6/09(日)仙台enn 2nd
6/11(日)札幌ベッシ―ホール
6/18(日)高松DIME
6/25(日)名古屋CLUB QUATTRO
7/15(土)金沢vanvan V4
7/29(土)心斎橋BIGCAT
全公演一般発売中

 

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