ビバラの「ライブ以外」も徹底的に楽しむべくSPICE編集部がBBQに挑んだ

レポート
音楽
2017.5.5

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音楽フェスとは何か。
当然、「音楽」フェスだから、様々なアーティストが集いライブがたくさん行われる場である。それだけだろうか。フェスティバル=お祭りであるからには、やはり楽しさと高揚に満ちた非日常空間であることが重要で、それは音楽によってもたらされるもの以外の要素の果たす役割が存外大きい……つまりご飯や催し物、出し物、もっと言えば動線の快適さや休憩場所の居心地の良さなんかも全部ひっくるめて、フェスという場が出来上がっているのだと僕は思う。そして『VIVA LA ROCK』は、その点を重要視して毎年様々な試みにトライし、翌年の開催に活かし続けてきた音楽フェスだ。今年も音楽同人スペース『オトミセ』やアーティストを招いたトークショーをはじめ、ご当地ゆるキャラが勢ぞろいしたりフットゴルフの体験もできたり……と多岐にわたる楽しみ方が提案されている。

前置きが長くなってしまったが、音楽フェスである以上、音楽が鳴っているのは当然のこと。ここではあえて「ライブを観る」以外の部分ではどんな楽しみ方ができるのか?という部分にフォーカスを当てていきたいわけである。
中でも編集部が今年のビバラで注目したのはBBQコーナー。僕は昨年も楽しげに肉を焼きビールを飲む集団を横目に、良いにおいを鼻腔いっぱいに感じながらVIVA LA GARDENを行き来していたのだが、今年は「音楽フェスでBBQに興じてみたらどんな感じなのか」を実際にやってみたい。言っておくが、これは断じて仕事である。確かに喉も渇いたしお腹も空いているが、れっきとした仕事。……最高な仕事だな。やったぜ、これ。

ここでBBQが可能。木立の中で爽やかな雰囲気

ここでBBQが可能。木立の中で爽やかな雰囲気

BBQコーナーはVIVA LA GARDENの埼玉スーパーアリーナ寄りの一角に位置し、予約制となっている。昨日・1日目の帰り際に2日目の日中の時間帯を予約しようとしたのだが、なんと既に満席だったため夕方からの時間帯をキープした。やはり日中の方が人気のようだが、夕暮れ時にBBQというのもビアガーデンぽくてなかなかオツではないか。

夕暮れ時、灯りがともるとこんな感じ

夕暮れ時、灯りがともるとこんな感じ

昼間の時間帯に身体が空いたので、ライブを観る以外の各要素を見て回ることに。まずは埼玉スーパーアリーナの5階部分に相当するエリア、ここでは時間帯によってトークライブが行われるほか、アーティストインスパイアご飯の店が出ている。VIVA LA GARDENの店とはラインナップが異なるので、全制覇したい方、お目当てのフードが決まっている方は見逃せない。あと、窓際の非常に日当たりと見晴らしのいいテーブル席があるので、そこで腰を落ち着けて飲食もできそうだ。

ここでトークがおこなわれる

ここでトークがおこなわれる

ビバラ名物・アーティストインスパイアご飯、昼どきを外しても盛況でした。

ビバラ名物・アーティストインスパイアご飯、昼どきを外しても盛況でした。

その1階層下には、今年のビバラで開催されているチャリティーオークション(障害者のアート活動を支援する目的に充てられる)の出品物が展示されていた。各出演バンドやアーティストが実際にMV撮影やライブで着用/使用したレアなアイテムも多く含まれており、その場でタブレット等からオークションにも参加できるほか、見るだけでも貴重な機会を得られるエリアである。同じフロアに『オトミセ』も出展されており、こちらは昨年レポートしたので今回は詳しく触れないが、自作のアクセサリー販売やコンピCDの配布などバラエティ豊かなブースが軒を連ねていた。ただ、今年は若干出展者が減っていたようで、そこはちょっと寂しいなぁ。

各アーティストの出品したレアアイテムがズラリ

各アーティストの出品したレアアイテムがズラリ

身に付けるものから

身に付けるものから

楽器まで!

楽器まで!

ジャグリングのパフォーマンスにも人だかりが出来てました

ジャグリングのパフォーマンスにも人だかりが出来てました

VIVA LA GARDENでは昨日に引き続き、ゆるキャラショーをやっていた。昨日も観たのでまぁいいか、と思いきや、前日には見かけなかったキャラがちらほら。中には僕が6年も住んだ富士見市のゆるキャラ・ふわっぴーもいるではないか!ということで、結局今日も見てしまう。
その真下にあたる箇所にはキッズエリアも設けられており、たまーりんを象ったバルーンの遊具や、ダンボール製の迷路などなど未来のライブキッズを熱狂させる仕掛けがきっちり用意されていた。

ゆるキャラショーは毎回ちびっこ、家族連れで賑わう

ゆるキャラショーは毎回ちびっこ、家族連れで賑わう

ネギの街・深谷市の「ふっかちゃん」。全然関係ないが、同級生の深田くんは「ふかっちゃん」と呼ばれていた

ネギの街・深谷市の「ふっかちゃん」。全然関係ないが、同級生の深田くんは「ふかっちゃん」と呼ばれていた

ゆるキャラグランプリ上位、本庄市の「はにぽん」

ゆるキャラグランプリ上位、本庄市の「はにぽん」

ふわっぴー(ピンクの方)にやたらと興味を示す子

ふわっぴー(ピンクの方)にやたらと興味を示す子

たまーりんの体内(?)で遊ぶ

たまーりんの体内(?)で遊ぶ

上から見た迷路。これ実際にやったら結構難しそう

上から見た迷路。これ実際にやったら結構難しそう

さて。肝心のBBQである。この時期、夕方になるとちょっと肌寒い風が吹くため、汗かいたTシャツ一枚は禁物、BBQ検討中の方はご留意を。なお我々はハナからBBQ目的ゆえにそのあたりはバッチリ対策済みである。このためだけに呼び出した編集部女子2名を引き連れ、受付テントへ。食材もグリルも全て用意されており、セッティングも使い方も全てレクチャーしてくれる上に終わった際には片付けもしてくれるという、至れり尽くせりっぷり。身一つで来てもOKで、これはだいぶラクチンだ。炭や薪で火を起こすタイプでもないので煙があんまり出ないのもポイントだ。

席のセッティングから

席のセッティングから

操作の説明まで丁寧にやってくれます

操作の説明まで丁寧にやってくれます

これで2人分

これで2人分

用意された食材は、牛肉(みすじ!)、豚肉、骨つきチキン、ウインナー、厚切りベーコン、野菜、エビ、イカ、おつまみの燻製ナッツ。あとは『ビバラ決起会!』でスガ シカオとACIDMAN大木が実食して述べた意見を取り入れた、特製のBBQソース(あっさりおろしorこってりバター)が付いてくる。これで昼間は3500円、夕方からは4000円。足りなかった場合は追加購入も可能となっている。ビールを飲みつつ焼け目を確認したりして、「蓋閉めた方が早いらしいよ」「でも焼き加減見れなくない?」「もう食えるかな」「いやもうちょっとかな」「これもういけるっしょ」……うん、こういうのすごく楽しい。

焼く

焼く

どんどん焼く

どんどん焼く

そして美味い。食レポは専門外なので気の利いたことは言えないが、柔らかくてジューシー。ウインナーは神。

気づけばあたりはすっかり暗くなってきて灯りがともる中、近くのGARDEN STAGEから聞こえてくるピエール中野ややついいちろうのDJプレイとそこで巻き起こる歓声をつまみに、ひたすらビールを飲み、肉を食す。ちなみにBBQをする人はほとんどの場合複数で来ているはずなので、ここをベースキャンプに観たいライブが近づいてきたら「俺ちょっと行ってくるわ」というパターンもアリだろう。

しつこいようだが、ウインナーがとても美味かった

しつこいようだが、ウインナーがとても美味かった

当然、肉も大正義である

当然、肉も大正義である

暗くなるとランタンもつけてくれる

暗くなるとランタンもつけてくれる

BBQをレポしてみよう、というミッションのもとはじまったこの記事だったが、実際にやってみて気づいたことがひとつあった。

それは、基本的に「焼く」「食べる」という二つの行動しかしないため、とりたてて書くほどのこともなく、写真を撮るほどの絵もないということ。
やる前から気づけよ、という話なのだが、そんな思慮よりもとにかく「BBQをしたい」という一念が勝ってしまった結果がこれ。冒頭の文章でだいぶ真面目なことを書いたのだが、正直、ただただBBQがやりたかったっす。本当にごめんなさい。そして、おいしかったです。

せめて何か絵的に変化をつけたくてやってみたのが下の写真ですが、この程度が精一杯でした。

このあとスタッフが美味しくいただきました

このあとスタッフが美味しくいただきました

と、レポートはなんとも情けないことになってしまったが、まとめ。実際のところ、今回のようにライブを一切観ずにフードやアトラクションのみを楽しむという極端なパターンは、現実の参加者においては殆どないケースだとは思う。だが、「ひたすらタイムテーブルとにらめっこしながらキッチリ回りきるのも大変だなぁ」と感じる方やご家族で参加するという方には是非、ステージまわり以外にも足を運んでいただきながら、のんびりとフェスそのものを広く大きく、丸ごと楽しんでいただけたら。
きっとそこには新しい発見があって、フェスごとのもつ空気や本質を、より肌で感じることができるはず。その手助けに、なんらかの形で本稿が役立てれば幸いである。


取材・文・撮影=風間大洋

イベント情報
VIVA LA ROCK 2017
開催日:2017年5月3日(水・祝)、4日(木・祝)、5日(金・祝)
会場:さいたまスーパーアリーナ
開場/開演/本編終演予定:9:00/10:30/20:30終演予定
VIVA LA ROCK 2017出演アーティスト (50音順)
5/3 (水・祝) 出演アーティスト 
アルカラ / THE ORAL CIGARETTES / ONIGAWARA (NEW!) /KANA-BOON KEYTALK / クリープハイプ / Getting Better(片平実/神啓文/斎藤雄) /go!go!vanillas  / SHISHAMO / SiM / SUPER BEAVER / パノラマパナマタウン / 04 Limited Sazabys /BRADIO  / BLUE ENCOUNT / フレデリック / Base Ball Bear  / PELICAN FANCLUB / ポルカドットスティングレイ / 眩暈SIREN (NEW!) / yonige / 夜の本気ダンス (NEW!) / LAMP IN TERREN   / LEGO BIG MORL / Lenny code fiction

5/4 (木・祝) 出演アーティスト 
雨のパレード / キュウソネコカミ (NEW!) / Creepy Nuts(R-指定&DJ松永)  / Gotch & The Good New Times / サカナクション / Suchmos / シンリズム  / 水曜日のカンパネラ / SKY-HI / 菅原卓郎(9mm Parabellum Bullet) / ストレイテナー (NEW!) / SPECIAL OTHERS / cero / DADARAY / D.A.N.  / DJピエール中野(凛として時雨) / DJやついいちろう(エレキコミック) DENIMS   / 東京スカパラダイスオーケストラ / VIVA LA J-ROCK ANTHEMS  / フレンズ / THE BAWDIES / ぼくのりりっくのぼうよみ / mol-74 (NEW!) /  yahyel / UNISON SQUARE GARDEN / lovefilm

5/5 (金・祝) 出演アーティスト
Ivy to Fraudulent Game / ACIDMAN / 175R / UVERworld / 打首獄門同好会 / Age Factory / ENTH / 尾崎裕哉 (NEW!) / Ken Yokoyama/ G-FREAK FACTORY  / DJダイノジ/ 10-FEET / Dragon Ash / NUBO / 爆弾ジョニー / the band apart / BIGMAMA / FRONTIER BACKYARD (NEW!)  / HEY-SMITH / Bentham / My Hair is Bad / MONOEYES  / MOROHA / ヤバイTシャツ屋さん / ROTTENGRAFFTY / LONGMAN
 
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