“ゴーゴーの日”こと5月5日、go!go!vanillasとストレイテナーのガチンコツーマンにBLITZ沸騰!
go!go!vanillas 撮影=浜野カズシ
go!go!vanillas presents READY STEADY go!go! vol.04 2017.5.5 赤坂BLITZ
“ゴーゴーの日”こと5月5日に毎年開催されているgo!go!vanillas主催の対バン型ライブ『READY STEADY go!go!』。第4回目となる今年、ゲストに招かれたのはストレイテナーだ。バニラズが今年一発目にリリースしたシングルの表題曲「おはようカルチャー」をストレイテナー・ホリエアツシ(Vo/Gt/Pf)がプロデュースしたことも記憶に新しいが、フェスやイベントでの共演も多く、6月にはテナーのツアーにバニラズが招かれることも発表されているものの、ガチンコのツーマンは今回が初。バンドの初期衝動にあたる部分を大切にしながらも着実に進化を重ねていく2組が、こどもの日に共演したこともまた意義深い。
ストレイテナー 撮影=浜野カズシ
先攻はテナー。セッションの果てに4人揃ってキメを打ったあと、大山 純(Gt)が奏でるメロウな旋律が徐々に聴き覚えのあるフレーズへと変わっていったのをきっかけに「From Noon Till Dawn」へと突入した。この日のフロアはバニラズのTシャツを着た人が多かったし、テナーのライブ中は様子見ぐらいのテンションの人もいるんじゃないかと正直思っていたが、そんなことは全くない。フロアがあっという間に熱気に満ちたのは、あの鮮やかな冒頭シーンからオーディエンスの心を掴んでみせたバンドの確かな演奏力と、音楽を“楽しむ”ことに積極的なバニラズのお客さんの性格が上手く掛け合わさったからだ。このツーマン最高!と思えるような場面が開始数秒で生まれるなんて、どんなに素敵なことだろうか。
ストレイテナー 撮影=浜野カズシ
ストレイテナー 撮影=浜野カズシ
因みにバニラズ・柳沢 進太郎(Gt)の終演後のツイートによると、2曲目「Super Magical Illusion」は彼がホリエにリクエストしたのだそう。それをステージ上で自ら明かすことはしないスマートさもさすがだが、「『READY STEADY go!go!』 、お邪魔してます! 俺たちストレイテナーと申します!」とあくまで“招かれた側”としての姿勢を貫く謙虚さ、さらに「このゴールデンウィークの最中、5月5日縛りでイベントをやっていくのはなかなか厳しいと思います。あのフェスもあのフェスも今日やってるけど、ここ赤坂BLITZを一番熱い夜にしましょう!」と後輩を称えつつみんなを引っ張っていく頼もしさなど、テナーが誰からも慕われる理由は演奏面以外からも読み取ることができる。
ストレイテナー 撮影=浜野カズシ
ストレイテナー 撮影=浜野カズシ
日向 秀和(Ba)のスラップショット、そしてクライマックスへ向かうにつれて気迫が増すナカヤマシンペイ(Dr)のビートで聴き手の胸を撃ち抜いていくのは「KILLER TUNE」。ここまではエッジの効いた曲を固めることでオーディエンスを昂らせたが、地を揺らすリズム隊と空を抜けていく上物のコントラストが美しい「DAY TO DAY」、シンコペーションのリズムでフロアを揺らした「Alternative Dancer」、(「go!go!vanillasに捧げよう~♪」と冒頭にはホリエの粋なアドリブも)、そして「次、一番有名な曲やります! 知ってたら一緒に唄ってください!」とどこまでも爽快に届けた「Melodic Storm」――と、4曲目以降はさらに彩り豊かに展開していった。リリース時期は関係なしに、どの曲にも現在のバンドのモードを反映させるようなアレンジを施し、自らをアップデートしていくようなライブを日頃から行なっているテナー。そしてその真ん中にあるのは、誰よりも先に自分たちの音楽を心から楽しんでいるメンバーたちの充実した表情だった。デビューから14年というキャリアのバンドにもかかわらず、バンドの少年性がこれだけまっすぐに表出しているのもなかなか珍しい。そしてだからこそ、バニラズはテナーのことを尊敬しているのだろう。
ストレイテナー 撮影=浜野カズシ
go!go!vanillas 撮影=浜野カズシ
さて、「日本で一番楽しいこどもの日にしようぜー!」と牧 達弥(Vo/Gt)が叫び、虹色の照明の中、「マジック」からバニラズの演奏がスタート。2017年上半期のバニラズを語る上での重要なトピックスといえば、シングル『おはようカルチャー』と『平成ペイン』のリリースや1~2月に開催された対バン&ワンマンツアーが挙げられるが、シングル表題曲として今のバニラズを代表するような曲をリリースすることがしっかりとできたこと、そしてツアーを通して“自分たちがどんなバンドなのか”という部分を確かめられたことによる変化がこの日のライブの構成によく表れていた。
go!go!vanillas 撮影=浜野カズシ
例えば、アルバム『Magic Number』の最後に収録されている曲「ティーンネイジャーズノイズ」は、<ネバーエンディングストーリーさ/こんなもんじゃないんだよ>という歌の内容も踏まえ、リリース時のツアーでも本編のクライマックスに演奏されていたが、この日は序盤に演奏され、毎年こどもの日に開催されているこのイベントの趣旨やバンドの初期衝動を大切にするバニラズの在り方を伝えるコンダクター的な役割を果たしていた。また、これまでのライブでは終盤における火付け役を担っていた「ヒートアイランド」は中盤で演奏されていて、オーディエンスがタオルを回しまくるお祭り騒ぎ的な光景が6曲目という早い段階で生まれることとなった。おそらく、「おはようカルチャー」「平成ペイン」がハイライトを担うようになったことにより、既存曲に求められる役割が自然と変わっていったのだろう。だからこそ、この日宇宙初披露された作詞・作曲:ジェットセイヤ(Dr)の新曲「Ready Steady go!go!」の存在も興味深い。この曲の誕生はつまり、メンバー全員が曲を書くようになったことを意味している。曲の種類がさらに多様になっていくなかでライブがどのように変化していくのか、今後の展開にも注目だ。
go!go!vanillas 撮影=浜野カズシ
go!go!vanillas 撮影=浜野カズシ
そして「ニューエイジ」(インディーズ期のアルバム『SHAKE』に収録)を演奏した直後、歌をフィーチャーしたアレンジで「セレモニー」を披露、さらに長谷川プリティ敬祐(Ba)がちょび髭を付けて首相に変身(※MV参照)した「平成ペイン」ではサビの振り付けを楽しむオーディエンスとともに<平成ペイン>と大合唱――と、時系列的な意味でも音楽性的な意味でもセットリストの振れ幅が大きくなったのが印象的だった。この春からプリティが「デッドマンズチェイス」を「バニラズ名物、全員ボーカル始めるぞ!」と紹介するようになったことが象徴的だったが、その点に関しては、ツアーを通して“声”という自分たちの核を確かめ、同時に“そこからブレさえしなければあとはとことん自由に”と自らの奔放さを肯定できたことが大きく関係している。「みなさん、こどもに還れましたか? まあ、俺たちが一番還ってるけどな!」「こんなバカみたいなバンド、愛してくれてありがとう! その分ノーフィルターで熱量ぶつけてるので安心してくださいよ。これからも楽しいことするので、遊びに来てください!」という牧の言葉がいつにもまして頼もしく聞こえたのも、その言葉通りの演奏をバンドが見せてくれていたからに違いない。
go!go!vanillas 撮影=浜野カズシ
まとめると、“いい曲をリリース→その曲の存在がライブに新鮮な変化を及ぼしている”という健全な循環が今のバニラズにはあるようで、だからこそここからさらなる成長を遂げる可能性も十分にあるわけだが、早速アンコールでは秋から全国ツアーを行うことを発表、さらに初披露の新曲も演奏された。そして「ひなっち(テナー・日向)さんが会うたびに『山行こ、山!』と誘ってくれるけど、スケジュールが合わなくて実現できていない」という話から、“遭難率の高い山”として知られるK2にまつわるニュースを見たことをきっかけに牧が書いた曲=「ライクアマウンテン」も演奏。さらに、「気づいていると思うけど俺達の大切な曲が残ってます。特に今日はこの曲なしでは終われない。でも俺たちだけで作ったわけじゃないんですよ!」(牧)と鍵盤ハーモニカを持った“こども仕様”のプロデューサー・ホリエをステージに招き、ラストはオーディエンスと一丸になりながら「おはようカルチャー」を唄い上げた。
ストレイテナー 撮影=浜野カズシ
フロアから掲げる拳の数々。場内を満たすシンガロングが生み出す多幸感。そして「フェスもやってきたけどやっぱりライブハウスが最強だと思うんですよ。ここにいる全員が唄えば何万人にも勝てるってこと、見せてもらってもいいですか!?」という牧の言葉。そのラストシーンには、このバンドが毎年こどもの日にライブハウスでイベントを開催することにこだわり続ける理由がギュッと詰まっていた。出演者が全員集合し、「READY STEADY go!go!」の掛け声で記念写真を撮ったあと、終演。かと思いきや、カメラでオーディエンスのことを撮影していたセイヤがそのままフロアへダイブ! 「一番こどもになるのはいっつもセイヤじゃねえかよ!」(牧)としっかりオチもついたところで、今年の『READY STEADY go!go!』も幕を閉じたのだった。
取材・文=蜂須賀ちなみ 撮影=浜野カズシ
ストレイテナー 撮影=浜野カズシ
・ストレイテナー
1.From Noon Till Dawn
2.Super Magical Illusion
3.KILLER TUNE
4.DAY TO DAY
5.Alternative Dancer
6.月に読む手紙
7.原色
8.Melodic Storm
9.シーグラス
10.TRAIN
1.マジック
2.バイリンガール
3.ティーンネイジャーズノイズ
4.Ready Steady go!go!
5.ヒンキーディンキーパーティークルー
6.ヒートアイランド
7.ニューエイジ
8.セレモニー
9.平成ペイン
10.デッドマンズチェイス
11.カウンターアクション
12.ギフト
[ENCORE]
13.ライクアマウンテン
14.新曲
15.おはようカルチャー
2017年5月17日発売
8,200枚完全限定生産盤(CD+DVD):VIZL-1160 ¥1,800 + 税
初回盤
通常盤
・8,200枚完全限定生産盤・通常盤共通特典
go!go!vanillas Tour 2017最速先行・抽選予約シリアルナンバー封入
M-1:平成ペイン(フジテレビFODオリジナルドラマ「&美少女 ~NEXT GIRL meets Tokyo~」主題歌 )
M-2:Ready Steady go!go!
M-3:カントリー・ロード
「go!go!vanillas 1st Acoustic Session」
<DVD収録曲>
全6曲
1. ギフト
2. 12:25
3. オリエント
4. バイリンガール
5. なつのうた
6. ツインズ
iTunes Store、レコチョクほか主要配信サイト、dヒッツほかラジオ型定額制聴き放題サービスで同日配信開始予定
go!go!vanillas Tour 2017
9月9日(土) 横浜 Bay Hall
9月10日(日) 水戸 LIGHT HOUSE
9月16日(土) 熊谷 HEAVEN'S ROCK VJ-1
9月17日(日) 高崎 club FLEEZ
9月23日(土) 神戸 Chicken George
9月24日(日) 滋賀 U-STONE
9月28日(木) 浜松 窓枠
9月30日(土) 長野 CLUB JUNK BOX
10月1日(日) 金沢 EIGHT HALL
10月6日(金) 仙台 Rensa
10月8日(日) 秋田 Club SWINDLE
10月9日(月・祝) 盛岡 Club Change WAVE
10月21日(土) 高松 MONSTER
10月22日(日) 高知 X-pt.
10月26日(木) 米子 laughs
10月28日(土) 広島 CLUB QUATTRO
10月29日(日) 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
11月9日(木) 宮崎 SR BOX
11月11日(土) 熊本 B.9 V1
11月12日(日) 福岡 DRUM LOGOS
11月18日(土) 札幌 PENNY LANE 24
11月19日(日) 札幌 PENNY LANE 24
6月9日(金)青森 Quarter open 18:30 / start 19:00
with go!go!vanillas
6月13日(火)愛知 名古屋 CLUB QUATTRO open 18:00 / start 19:00
with きのこ帝国
6月15日(木)東京 渋谷 CLUB QUATTRO open 18:00 / start 19:00
with きのこ帝国
6月18日(日)神奈川 横浜 BAY HALL open 17:00 / start 18:00
with go!go!vanillas
6月26日(月)大阪 梅田 CLUB QUATTRO open 18:00 / start 19:00
with My Hair is Bad
6月28日(水)岡山 CRAZYMAMA KINGDOM open 18:00 / start 19:00
with My Hair is Bad
6月30日(金)熊本 B.9 V1 open 18:30 / start 19:00
with My Hair is Bad
*全公演 4,500円(税込・D代別)
*18歳以下当日身分証提示で500円キャッシュバック