サーキットイベント『見放題』の主催が語る イベントの魅力と音楽業界で働きたい人たちへの想いとは
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民やん
6月も半ばを過ぎると夏に向けて、ジャンル問わず様々なイベントが続々と発表される。その中でも、街を音楽で溢れさせるサーキット系イベントは、オーディエンスはもちろん、バンドマン、ライブハウスにも色んな出会いがある。そして、そこから生まれる様々なストーリー。筆者がライブハウスに勤務していた頃は、サーキットイベントとなると色んなバンドとの出会いを求めて色んなライブハウスに顔を出して良いバンドを探し回っていたものだ。そんな街中が音楽と人によって“きっかけ”で溢れかえるサーキットイベントをいち早く初めていたのが、大阪で7月1日(土)、7月15日(土)に開催される『見放題』だ。今回は『見放題』が今年で10周年を迎えるということで、『見放題』を主催する民やんに、改めて自身の歴史を振り返ってもらいつつ、サーキットイベントの魅力や音楽業界に興味を持つこれからの人について存分に語ってもらった。
――改めてですが、民やんがライブに興味を持ったキッカケを教えて下さい。
中学生の頃にTHE BOOMやユニコーンが好きだったんですよ。周りの友達もみんな好きで。高校生になっても好きだったんですけど部活とかあってライブには行けなくて。普通にCDを聴いてるだけでした。大学生になった頃にインターネットに初めて触れる機会があって、その時いろんな情報が初めて入ってきて、“ライブって行けるものなんや”って知って。初めて行ったライブはフェスティバルホールで、THE BOOMの宮沢和史さんとユニコーンの奥田民生さん、矢野顕子さん、大貫妙子さん、鈴木慶一さんの5人のBeautiful Songsというコラボイベントでした。宮沢さんも民生さんも好きやから、行こうみたいな(笑)。なので、最初はライブというよりかはコンサートでしたね。
――メジャー系のアーティストのコンサートに行ってたのは意外ですね。そこからインディーズのライブに行きだした経緯は?
CHABAというバンドがキッカケです。偶然、梅田でストリートライブをしているアコースティックギターと三線の2人組がいて。僕の好きなTHE BOOMに通じるものを感じたんです。そしたら宮沢さんがラジオでCHABAを紹介していて。そこからストリートライブに通うようになって……。だから、実は“ライブハウスに通ってた”とかではなくて、ストリートライブが始まりなんですよね。そこからCHABAがライブハウスでライブをやるので、僕もライブハウスに行くようになったんです。ちなみに、初めてのライブハウスデビューは梅田HEATBEATでした。
――ストリートからライブハウスという流れは、今の民やんからは想像出来ない(笑)。
ははは(笑)。梅田HEATBEATに行って、CHABAがよくライブをやっていたバナナホール、神戸チキンジョージに行くようになって。そこからインディーズというものを知っていきました。“今日は座りでやるんや” “お客さんこれくらい入るんや”とか。インディーズは新鮮でしたね。その頃に出会ったのがセカイイチです。セカイイチは、お客さんがゼロの時からずっと観ていました。当時インディーズのバンドでライブを観ていたのはCHABAとセカイイチです。そこから紆余曲折あってCHABAのスタッフをやることになって。数年手伝っていたのですが、CHABAがメジャーに行くタイミングでスタッフを外れることになり……。
――そこからサラリーマン時代に突入?
そうですね。僕はバンドにはついて行かず、大阪に残って普通の会社に就職しました。だけどライブは好きやったからスーツ着て毎日ライブハウスに行ってましたね。もうただの音楽好きって感じでしたね(笑)。それが4、5年くらい続いたかな?
――なるほど。
あまりに毎日ライブに通ってたので、当時よく行ってたバナナホールの店長に「民やんそんだけイベント好きなんやったら自分でイベントしたら?」って言われて……。知り合い3人と「やってみる? やろか!」みたいな感じで始まりました。それが2006年の8月ですね。
――初めてのイベントのことは覚えてますか?
初イベントは2daysでやったんです。CHABAには2デイズとも出てもらって。初日はCHABA、ストレンジヌードカルト、ラブハンドルズの3マンで250人くらい入りました。2日目は沖縄っぽいメンツで出てもらったりして。そこからその3人で定期的にイベントをやり始めました。
――じゃあそれが『見放題』の原型になってるんですね。
はい。当時は個人でイベントをやってる人が多かったんですよ。その時に大ちゃん(『見放題』主催メンバーの1人)とも出会いました。大ちゃんは個人イベンターの中でも梅田界隈で、イベントをガンガンやっていて。僕も彼のイベントは観に行ったりしてたんです。で、大ちゃんも僕も漠然と“もっと面白いことがやりたい”と思っていて。そこから「2人でサーキットイベントにしよう」と話したのが2007年の年末。2人で梅田の地図を広げて、ライブハウスにマルを付けていって……、「出来るやん!」ってなりました。僕は梅田バナナホール育ちで、大ちゃんは梅田HARD RAIN育ち。梅田育ちの2人で、お互い好きなものが遠すぎず、むしろ近い感覚があって、一緒にやれば面白くなるんちゃう? というのが最初のきっかけでしたね。
――最初の『見放題』が2008年。当時、使用した会場はどこだったんですか?
梅田RAINDOGS、HEAVEN’S DOOR、梅田HARD RAIN、ムジカジャポニカの4ヶ所です。スタッフも居なくて仲間の個人イベンターに手伝ってもらったり、バンドマンにも手伝ってもらったりして……。でも、1回目は散々でしたね。フワッとしすぎて、準備も出来てないし周知もされてない。お客さんも全体で300人も入らなくて。赤字やしどちらかといえば失敗やったなと。でも、それはそれで良い経験になったので、ここでやめたら意味ないと思って。逆に翌年頑張ろうとなったので、2年目しっかり準備して臨んで、すごく良いものになったんですよね。1年目の経験と2年目の結果が続けていく自信に繋がりました。
――失敗があったからこそ気付くことも多かったと?
そうですね。もっと外に向けても発信していかなあかんなと思ったんです。いくらライブハウスでやっていても、来た人にしか広がらない。やる目的を明確にしていかなあかんということも分かりましたね。今となっては関西のバンドを応援したいという気持ちがありますけど、1年目だったし、当時は正直そこまで考えられなかったです。
――4年目から会場が梅田からアメ村に変わりました。1番の理由は何だったんでしょう?
最大の理由は梅田RAINDOGSが閉店してしまったことですね。梅田RAINDOGSは梅田の中心部分にあったので、そこがなくなるということは“サーキットにならへん”となって。ただ、いつかはアメ村でやりたいという話を元々大ちゃんとしていたんですね。5年目くらいに出来たらいいなと。だけど、そういう事情もあり、自分らの構想より1年早いけど、4年目の2011年にアメ村で開催することになりました。
――ちなみにその時の会場数は?
10ヶ所くらいかな?
――アメ村でやってみて、梅田との違いを感じた部分は?
1番は各会場の距離の近さですね。テンション上がりましたね。今となっては心斎橋JANUSまで入っているから、規模は広がってるんですけど、最初はアメ村だけだったので。この距離感が最大の魅力でもありました。キャパが大きいBIGCATもあったので、バンドにとっても嬉しかったと思います。
――お客さんの反応も気になりますよね。
その頃はまだ周知されてなかったと思いますよ。僕らもバンドマンと一緒にやっているという感覚で、マネージメントの方と一緒にやるという感覚ではなかったです。当時サラリーマンをやりながらだったんですけど、どんどん忙しくなってきて。サラリーマンの仕事量と『見放題』の仕事量でパンクしかけて、その年の冬にサラリーマンを辞めました。やっぱりサラリーマンをやっていると、ある程度の収入もあるじゃないですか。だから、周りからも『見放題』は趣味の延長線っていう見え方をされていて。バンドマンが人生かけてやってるのに、30歳くらいでサラリーマンという保険を持ちつつやってたらあかんなと。これでは、いろんな人に認めてもらわれへんなと思ったんです。今仕事を辞めても、これで人生終わるわけじゃないし、仕事を辞めようと決心したらスパッと辞めれましたね。
民やん
――なるほど。大ちゃんと一緒にやっていてぶつかったりすることはなかったですか? イベントがどんどん大きくなってると難しい部分も出てくると思います。
大ちゃんは好奇心旺盛なので、まだ知られてない変わったバンドを選んでくるんですよ(笑)。だから、僕まで変わったバンドを選ぶと収集がつかない。変わったバンドばかり出たら…… 「どうすんねん!」てなるじゃないですか(笑)。なので、僕は逆に王道を選ぶというか、みんなが納得するところを選んでいたので、“攻める大ちゃんと保守的な民やん”というスタンスの見え方になってましたね。結果的にですがずっとそういうバランスをとってやってたんですけど、大ちゃんが3年前に急に亡くなってしまって……。「さあ、どうする?」って焦りました。自分で運営からブッキングまで全部やらないといけないし、保守的な民やんのままだと駄目やし、攻める部分も僕が出さないといけない。だけど、これが僕にとって転機になりました。「遂に自分も攻めて良いんや」と思って。その年に、岡崎体育とヤバイTシャツ屋さんの変わった2組を激PUSHして推しましたね(笑) 。3年前はまだまだ両方とも知られてなかったんですが、出演発表したらtwitterが大変な事になって。とにかく名前からして”誰やねん”って感じですから(笑)。 でも曲が最高過ぎたので一気に知れ渡っていきました。
――今となっては両アーティスト共に世間に知られる存在になりました。
バランスをとって2人でやるのも好きやったんです。お互いせめぎあいというか。でも、1人でやらなあかんくなった時、それはそれで大変やし、誰にも相談できなくて……。前は「これどう思う?」とか、お互いに相談してたけど、これからは1人でジャッジしなきゃいけない。岡崎体育とヤバTの時は“これを推して良いのか……”と1人で自問自答しましたね(笑)。2組とも有名になってくれてるのは、今となっては嬉しいですね。「ああ、良かった。間違ってなかったんやな」って。『見放題』の1番の難しさは、そういう部分やと思うんですよ。自分で決断する難しさ。
――誰かとやるって難しいことですよね。 今、民やんは『見放題』をやりつつ、専門学校の講師もやってますが、講師をやろうと思ったキッカケは?
『見放題』は基本、ボランティアスタッフの助けを借りて運営しているイベントなんです。スタッフ募集をすると、連絡くれるのは大学生か専門学生がほとんどで。スタッフになってくれた専門学生から「民やんさん、うちの学校に話しに来て下さいよ」とか「ココロオークション連れてきて下さいよ」と言われてたんです。そして、あるとき専門学校に行くキッカケがあって、学校の人とも繋がりが出来て、その流れで専門学校で講師として働くことになりました。講師になって気付いた事なのですが、『見放題』は若いバンドの為にやってるだけじゃなく、若いスタッフ、音楽業界で働きたい子たちの入り口になれているかもしれないと思い始めました。自分自身が20歳の頃、何をどうすれば音楽業界で働けるかが分からず、音楽業界で働きたくても働けなくて普通の会社に就職したんです。そういう状況が今もきっとあって、この世界への入り口が無いという子が多い中、『見放題』が音楽業界で働くキッカケになって、就職に繋がったりする子が増えてきたんです。だから『見放題』のスタッフをやることで、音楽業界を知るきっかけになって欲しいし、音楽業界への足掛かりにもなって欲しいんです。きっと僕が講師をしてる理由もそこにあるんですよね。ここをキッカケにして次に繋がっていってくれているのが僕は嬉しいんです。『見放題』に集まってくれている人の中には、ちゃんとバンドだけじゃなくスタッフの事も見てくれてる人がいるんですよね。
――今の若い世代に対して、民やんが感じることはどういう部分でしょう。
最初の一歩って、すごく勇気のいることだと思うんですよ。スタッフ募集には応募して来てくれるのに、その次の一歩をを踏み出せる子が少ないと思いますね。もちろんグイグイくる子もいるけど、そういう子はかなり少ないです。自分の立場としては、見放題でも講師でも同じなんですが、どこに基準を合わせるかが難しいです。めっちゃやる気のある子に合わせるのか、そうでもない子に合わせて話をするのか。最近、『見放題』のミーティングをしていても、「先生みたいですね」って言われます(笑)。難しいことを言い過ぎて、理解出来なかったら駄目なので、分かりやすく話してますね。まず、楽しいが1番なんですけど、楽しいだけじゃアカン部分も当然あって。お客さんありきやしアーティストさんありきなんで、このラインはすごく難しい部分でもあります。現状、僕はこのボランティア制度を辞めたくは無くて、若い子たちの可能性を信じてあげたいなと思っていて。ここに来て仲間が増えたら、次にまた進んで行こうと思える子が、たくさん居てくれているのも、事実なので。この業界、僕もそうなんですけど、人見知りの子が多いから(笑)。だから、そういう子の気持ちを解き放ってあげたいです。
――確かに可能性を秘めた人って少なからずちゃんといますよね。
だからこそ人間を解放してあげて、どんどん自分自身で進んでいけるようになって欲しいです。もちろん、解放するだけじゃ駄目やし、ちゃんと言うところは言うし注意もします。そうやって意識させることによって、普段ライブを観に行っても見るところが変わってくる。そこで吸収したことを、また『見放題』にも活かして欲しいと思ってます。それが意識出来てる子って、自然と現場でも動きが良いし、そういう子はちゃんと大人が見てますからね。誰かの目に留まって次のステップに進んで行ってる気がします。
――人って見てないようでちゃんと見てたりしますからね。
若い子には「行動しないとチャンスはないよ」とよく言ってます。家で思い悩んで考えることも大事やけど、それだけじゃあかんよって。お金も時間もかかったりするけど、やっぱり現場に行くのが大事。例えば、見放題スタッフに「別イベントを手伝えるスタッフはいない?」とLINEしたら、グループに100人いるのに、返事3人ぐらいしかなくて……。「でも、そのイベントに遊びに行きますって30人くらい手を上げてたやん」みたいな(笑)。もちろん遊ぶ事が悪いとは思ってないし、若い子にとって葛藤があるのはわかるんです。全員が業界目指してるわけじゃないので。だから良いんですけど、そこでチャンスを掴むのは、「私スタッフでも行きたい」って言う子ですよね。
民やん
――あと、先ほどもお話がありましたが、民やんと言えば、去年メジャーデビューしたココロオークションのマネージメントもされていますが、まずココロオークションとの出会いを教えてください。
6年前、南堀江knaveにたまたま遊びに行ったんです。ライブはもう終わってたんですが、ブッキング担当の人に「今日出てたバンド良かったよ」と言われて、ライブ観てもないのに「じゃあCD買うわ」ってなって。帰りの車で聴いたら、声がめちゃくちゃ良かったんです。すぐにライブ観に行こうってなって、そんな時に限って大ちゃんも行くって言うんですよ、いつも一緒に行動してないのに(笑)。そういうところは何故かガツッとハマるんですよね(笑)。そして、2人で神戸までライブ観に行って、本当に歌も良いし、曲も良かったけど、全然ライブは出来てなかったというか……。少し前まではコピーバンドしかやってなかったから仕方がないんですけど。「セット図? それ何ですか?」ってくらいの、何も知らない時に出会ったので。逆に「面白いやん。一緒に何かしたいな」ってなりました。ちょうどその時にロマンチップスというバンドのマネージメントもやっていて、ココロオークションが入ってきて2バンドみてました。ココロオークションは2011年の1月に出会って、7月の『見放題』に出て、その年の『eo Music Try』で優勝しましたね。
――ココロオークションのどこに1番魅力を感じたのでしょう。
声と曲ですね。僕はずっと歌モノが好きなので、この2点に魅力を感じました。偶然遊びに行ったライブハウスでライブも見てないのにCDを買った事が出会いですから面白いですよね。
――どこで人生を変える出会いがあるかわからないですよね。そういう不思議な縁から始まるストーリーがモチベーションに繋がってる気がします。
今って、音楽への出逢い方としてYouTubeなどのネットが多くなってきてますけど、そんな時代だからこそ、逆にライブハウスに行く事って大事だなと改めて思っています。今年の『見放題』にも、僕が現場で出会って知ったアーティストがたくさんいます。今年は10代バンドをフューチャーした枠を設けてるんですが、ハンサムガールというバンドはボーカルが16歳の女の子で、偶然ライブハウスで観たんです。『見放題』のことも知らなくて、逆にテンション上がって「出て下さい」って言いました(笑)。あと、青はるまきというバンドはライブハウスではなかったんですけど、ココロオークションが出演した学園祭で、偶然体育館から聴こえてくる歌声に惹き込まれたんです。でもココロオークションの物販の用意で会場を離れたら、後からボーカルの子が挨拶しに来てくれて。「民やんさんですよね?」って。その時に、CDをもらってバンド名を知りました。そしたら、うちのスタッフも青はるまきのことが好きだったんです。偶然が重なって『見放題』に呼ぼうとなって。それもキッカケやし、その子が声をかけてくれなかったら、僕はそのバンドを知らずに終わってた。これも偶然だけど、すごく意味のあることだと思うんです。こうやって『見放題』に出れるってすごく素敵なストーリーだと思うし、いろんなものが結びついて、『見放題』に出そうとなるのが好きなんですよね。
――『見放題』って、当時、民やんと大ちゃんがちゃんと知ってないと出れないというなんだか面倒臭そうなイメージがあって(笑)。けど、イベントに関わっていくうちに出演しているバンドとのストーリーがちゃんとあるんだなと思うようになりました。遠回りに見えることが、実は1番の近道なのかもしれないですね。
やっぱりいろんな人からいろんなこと言われるんですよね、これだけ続けていると。だから、正直どんどん変わっていってる部分もあります。周りの人に推薦してもらって、良いと思って呼んでるバンドもいます。でも、『見放題』が他のサーキットと違うところは、ストーリーを感じれるバンドが、ど真ん中にどっしりいてくれていることだと思っています。そこが『見放題』を支持してもらえてる部分なのかなと思っていて。出会い方や、繋がり方がちゃんと見えるバンドが多いのが『見放題』の魅力のひとつだと思います。
――今年の『見放題』は10周年を迎えます。今年は7月1日(土)が例年通りミナミで、7月15日(土)が梅田の2ヶ所での開催になります。
10周年なので「何かやらないと」となってた時に、「なんばHatch?」「大阪城野外音楽堂?」って周りに言われたんです。「呼べるバンドいっぱい居るやん」って。でもそういうイベントはもう飽和してるし、目新しいわけではない。僕も自分の立ち位置をわかっているので、『見放題』の存在意義をわかっているので、そういうことをすることによって、バンドやマネージメント、イベンターさんにもスケジュール的にご無理を言う事になるのは嫌だったので。でも、何かやりたいなと思った時に、『見放題』を3年間やってた梅田でまたやりたいと思ったんです。時代が少しずつ変わっていく中で、歌モノが減ってきて。だけど自分が育ってきたのはそこなんです。だから、原点に戻って当初、出てくれてた人たちをお呼びして、10周年のタイミングでもう一度、梅田で『見放題』をやろうと思ったんです。中でも、リクオさんと井上ヤスオバーガーの2人には絶対に出てほしくて、2人が無理なら諦めようと思ったんですけど、2人とも快く承諾してくださったんです。そこから思い入れのある人に声をかけていきました。久しぶりの連絡の方が多かったのですが、みなさんOKしてくれたのが本当に嬉しかったです。年齢層的には高くなってる出演者の方が多いのですが、とにかく反響がすごいですね。
――『見放題』を10年間みてきてる人にしたら、感慨深いものがありますね。
10年前のスタッフから連絡きたりして、「最近は行けてなかったけど、これは絶対行くわ」とか(笑)。
――またそこから新しく何かが始まりそうな気がします(笑)。
同窓会的な気持ちもあるけど、バンドもスタッフもお客さんも、とにかく若い子たちに観て欲しいんです。今も現役で続けてる人達の音楽がどれほどすごいかを観て感じて欲しくて。ライブ中に手を上げたり暴れたりするだけじゃなく、本物の音楽って、歌モノって良いよねって。僕の原点を勝手に詰め込んでるので。
――最後に10周年を迎えて、これからの『見放題』どうなっていきたいですか?
ここ数年はブッキングに関しては頑張れてたんですが、それ以外のことが疎かになっていて。スタッフのことを含め、自分たちのこと、会社としての体制とか。だからこそ、改めてここからしっかり育てていきたいというか、それぞれの人生をしっかり考えてあげたいんです。バンドもそうやし、スタッフも。関わってくれる人たちの可能性を広げてあげたい。『見放題』がすべてにおいて、1歩目になって欲しい。まだまだ面白くなると思うし、関西でやってるから関西をどんどん盛り上げたいですね。バンドは『見放題』を思いっきり利用して欲しい。「こういうことやりたいけど、どう思いますか?」と相談に来てくれたら嬉しいし、『見放題』に出れなくても、関係者もいっぱいいるし、お客さんもいるから夜中にイベントするとか。僕らも『ミナミホイール』の夜中にイベントやらせてもらってるから。みんなにも考えて行動して欲しいと思ってます。来てくれるお客さんには、好きなアーティストのライブを観るのは当然ですけど、気になってるアーティストを観て欲しいし、新たな発見をして欲しい。そして、そのアーティストのライブに繋いでいってくれたら嬉しいです。今年の『見放題』としては、例年以上に遊び心を取り入れた面白い試みを増やしているので、そこにも注目して欲しいと思っています。
『見放題』は全ての人にとって音楽の入り口になれればと思っています。だから、『見放題』はあくまでキッカケの場所で、ここを通って、最終的には卒業していって欲しい。それだけです。“10周年”ここから大きく変えていくつもりはなくて、ずっと最初の1歩であり続けたいです。
日時:7月1日(土)
開場/開演:12:00/13:00
前売り:3,800円
会場:BIGCAT / FANJtwice / OSAKA MUSE / SUNHALL / DROP / AtlantiQs / Pangea / CLAPPER / BRONZE / HOKAGE / 新神楽 / hillsパン工場 / KINGCOBRA / KINGCOBRA SQUAT / digmeout ART&DINER / JANUS / club vijon / SUN HALL EX STAGE(B2F) / SUN HALL BAC STAGE(B1F)
*全19会場を自由に行き来するライヴサーキット形式です。 全19会場を自由に行き来するライヴサーキット形式です。
出演者:ココロオークション/First Impression/THE BOSSS/午前四時、朝焼けにツキ/ハンブレッダーズ/グッバイフジヤマ/シンガロンパレード/リアクション ザ ブッタ/FINLANDS/河内REDS/ギャーギャーズ/ポタリ/アイビーカラー/密会と耳鳴り/さしすせそズ/ドラマストア/Re view/Slimcat/Split end/LINE wanna be Anchors/ユビキタス/the irony/CRAZY VODKA TONIC/バンドごっこ/みるきーうぇい/SHIMMER/フィッシュライフ/パノラマパナマタウン/QOOLAND/セプテンバーミー/polly/BALLOND'OR/Bentham/ReVision of Sense/リバーシブル吉岡/クリトリック・リス/0,8秒と衝撃。/the twenties/deronderonderon/yEAN/Age Factory/オメでたい頭でなにより/EVERLONG/LUCCI/SAME/All Found Bright Lights/WOMCADOLE/MARQUEE BEACH CLUB/Shout it Out/アンテナ/あいみょん/GOODWARP/uchuu,/プププランド/バックドロップシンデレラ/バズマザーズ/ニアフレンズ/Crispy Camera Club/愛はズボーン/超能力戦士ドリアン/とけた電球/印象派/ケトル/さよならミオちゃん/ビレッジマンズストア/ベランパレード/花柄ランタン/カノエラナ/Unblock/ザ・チャレンジ/め組/YAJICO GIRL/DENIMS/ジラフポット/クアイフ/おいしくるメロンパン/the unknown forecast/ircle/Kidori Kidori/スノーマン/MOSHIMO/赤色のグリッター/アシュラシンドローム/沢田バンド/ORANGE POST REASON/日食なつこ/Shiggy Jr./Saucy Dog/POT/とみぃはなこ/DJライブキッズあるある中の人/Halo at 四畳半/THEラブ人間/モノブライト/BAN'S ENCOUNTER/TENDOUJI/Utopia League/南風とクジラ/キイチビール&ザ・ホーリーティッツ/TRiFOLiUM/青はるまき/ハンサムガール/カフカ/それでも尚、未来に媚びる/メランコリック写楽/alcott/airlie/BURNOUT SYNDROMES/神はサイコロを振らない/ジョゼ/Cloque./climbgrow/Hump Back/さよならポエジー/nicoten/KOTORI/テスラは泣かない。/ハルカミライ/SIX LOUNGE/The Floor/LILI LIMIT/台風クラブ/ガガガSP/STANCE PUNKS/メガマサヒデ/ユタ州/LONGMAN/Ivy to Fraudulent Game/The Songbirds/the quiet room/OVER THE DOGS/ONIGAWARA/FABLED NUMBER/Su凸ko D凹koi anymore!!
日時:7月15日(土)
開場/開演:12:30/13:00
前売り:4,300円
会場:umeda TRAD(旧umeda AKASO) / Banana Hall / Zeela / HARDRAIN / GANZ toi,toi,toi / ALWAYS / B.SQUARE / POTATO KID / Bodaiju cafe
出演者:アシガルユース/井上ヤスオバーガー/岩崎愛/オガサワラヒロユキ/鶴/東京60WATTS/ハックルベリーフィン/広沢タダシ/MILKBAR/LOVE LOVE LOVE/リクオ/LOST IN TIME/セカイイチ/LUNKHEAD/ウラニーニ/コルクス/ザ・ラヂオカセッツ/町田直隆/浜田一平/酒井ヒロキ/今村モータース/生熊耕治(cune)/ホタルライトヒルズバンド/FouFou