Xmas Eileen フロアもステージも“馬鹿になり”“行けるところまで行った”『「99.9」TOUR 2017』レポ
Xmas Eileen 2017.6.22 恵比寿LIQUIDROOM 撮影=新保勇樹
Xmas Eileen「99.9」TOUR 2017
2017.6.22 恵比寿LIQUIDROOM
Xmas Eileenのこの日のライブでは、彼らの代表曲「Kiss me Kill me tonight」がアンコールも含め2回プレイされた。その際、最初のプレイ時のイントロ部分では、ボーカル左より何度も「馬鹿になろうぜ!」と誘起され、アンコール時の同部分では、これまた何度も「行けるところまで行こうぜ!!」と扇動された。まさにこの日は、その煽りに触発されるが如く、これまで以上にフロアもステージも“馬鹿になり”“行けるところまで行った”そんなライブが展開された。
Xmas Eileen 2017.6.22 恵比寿LIQUIDROOM 撮影=新保勇樹
今春発売された1stシングル「99.9」と共に行なわれた全国7カ所のツアー『Xmas Eileen「99.9」Tour 2017』。その東京公演が6月22日、恵比寿リキッドルームにて行なわれた。彼らにとっては初の全箇所ワンマンであった今回のツアー。「99.9」が良い意味で、これまで以上に分かりやすく伝わりやすく、彼らの持ち味であるキャッチ―さとキラキラした部分が更に惹き立った楽曲であったことも手伝い、ファンも拡大したのだろう。以前にも増して色々な層の人が会場には集まっていた。
これまでフロアを温めていたエレクトロやEDMのBGMが鳴り止み、お馴染みのSEと会場のクラップに乗り、初夏にも関わらず、いつも通り揃いのトレンチコートをまとった演奏メンバーとパフォーマーがステージに現れる。まずは演奏陣によるデモンストレーション。それを切り裂くように現れた左右のボーカル。「東京~! 準備出来ていますか!!」とボーカル右。続けて「馬鹿になろうぜ!!」のシャウトと共に1曲目の「Kiss me Kill me tonight」に入る。会場からの大きな呼応が示すとおり、みな既にバカになる準備は万全のようだ。疾走エレクトロナンバーとも言える同曲。パフォーマーが煽り、チェイスのように左右のボーカルが歌やラップを連射していく。
「今日は向こう側に連れて行くゾ!」とボーカル左。次は「Are You Free?」(シングル「99.9」収録)だ。今作で伺えた歌の更なる明確さも映えた同曲。レイヴシンセが高揚感を煽り、ギターもソロをキメ、いい意味での分かりやすさと伝わりやすさを手に入れた彼らの更なる魅力がライブを通してますます炸裂していく。続く「Still a Liar」では、ドライブ感溢れる8ビートが会場を引っ張り、演奏面でもギター~スラップを交えたベースのソロのスウィッチが会場を魅了していった。
Xmas Eileen 2017.6.22 恵比寿LIQUIDROOM 撮影=新保勇樹
「Xmas Eileenは今日一番のバカになりにきました。生きてきて今日が一番面白い。スタイリッシュさなんてかなぐり捨ててやろう」とボーカル右。返ってきた会場中からの力強い呼応が、まさにお互いのアライアンスのように響く。
ライブに戻ると。「No justice in this world 」では、ギターが「小フーガト短調」をフレーズに交え、ボーカル左がバウンス性のあるラップをキメれば、負けじとボーカル右もグロウルのシャウトをキメる。そしてラストは地ひびきのようなツインペダルのドラミングが会場を轟かしていく。サグなギターリフから入った「Calling Rainy Days」では、間のバウンス部分に合わせ会場もハネる。そして、時折りラガを交えるのも彼らの特徴。「Wonderful Life」では、裏打ちのビートに合わせて会場もゆったり揺れる。楽曲のマイペースさに合わせ会場中に現われたワイパーと広がっていったユニティ感が素敵だった。
「みんなの大切な何か(ここで過ごす時間や、このライブを選んでくれたこと)を奪ってる以上、必ず何かを与えますから!!」とボーカル右。それを有言実行するかのように、中盤ではフロアも交え成立させた楽曲が連射された。
Xmas Eileen 2017.6.22 恵比寿LIQUIDROOM 撮影=新保勇樹
これまで以上に激しく、サグでザックリしたギターとラウドなドラムが会場をグイグイ引っ張った「Growing Crime」、緊張感溢れるサイレンから入った「Zombie」でのファストな部分では、高速回転のサークルピットが場内に幾つも生み出された。また、「Escape to Paradise」でのモータードライブ感が会場を走り出させれば、トリッキーなラガマフィンをボーカル左がキメ、「Don’t say good-bye」では、ラストのラテンポップと重なるコーラスが会場を眺めの良い場所へと誘ってくれた。
そして、「素晴らしい日にしていこう!!」とぐいっと腕と引っ張るように歌われた「Future Song」では、切なさを浸透させていきつつも、ギターのソロが情景を豊かに広げていき、大合唱を生んだ「March」では、サビでのタオルの大旋回が壮観であった。加えバラード曲「Darling」では、壮大にゆっくりと広がっていった同曲に合わせてのみんなの大合唱も印象的。会場の肩を組み合いゆったりと揺れる光景が今もまぶたに残っている。
ここからは後半。メンバーもトレンチコートを脱ぎ、“ラストまで駆け抜けるぜ!!”と言わんばかりに怒涛のナンバーを連射していく。最新シングル曲「99.9」では、サビのストレートさに会場も並走。大島こうすけをプロデューサーに迎えた作品での良い意味でのキラキラ感がライブだとその数倍の輝きを見せる。さらにライブは加速。会場からの大呼応も印象的だった「Fly High」、会場に複数のサークルピットを生み出し、会場一丸となってゴールへ向かう様相を見せた「Before the Skyfall」、会場に上昇感を呼び込み、モンキーダンスを生んだ「Walk the Talk」、そして本編ラストでは、「Keep on A・B・C・ing」が誇らしく気高く、会場とフロアを更に一つにしていった。
アンコールは2曲。これまでの火照りを冷ましてくれるかのように、間もなく訪れる夏の日に思いを馳せつつも、あの日、あの時の夏の光景をバックデイズさせた「Good-bye Summer Day」では、会場も曲に合わせ、ゆったりとしたワイパーを作り出し、「再び行けるところまで行こうぜ!!」とばかりに再度プレイされた「Kiss me Kill me tonight」では会場に2ステップの嵐を起こした。
「街のチンピラが皆のお陰でこのステージに立てています。この恩はきっと返します」。
これはライブ後半でのボーカル右の言葉だったのだが、その恩とは、この日以上の光景や満足感を与えてくれることに他ならない。そして、その実現性の高さをこの日、集まった多くのオーディエンスたちも確信したことだろう。満足そう&馬鹿になりきり、行けるところまで行ききったかのような表情で会場を出ていく多くのオーディエンスの表情がそれを物語っていた。
取材・文=池田スカオ和宏(LUCK'A) 撮影=新保勇樹
Xmas Eileen 2017.6.22 恵比寿LIQUIDROOM 撮影=新保勇樹
2017.6.22 恵比寿LIQUIDROOM
1.Kiss me Kill me tonight
2.Are You Free?
3.Still a Liar
4.No justice in this world
5.Calling Rainy Days
6.Wonderful Life
7.And be My Friend
8.Growing Crime
9.Zombie
10.Escape to Paradise
11.Don’t say good-bye
12.Future Song
13.March
14.Darling
15.99.9
16.Fly High
17.Before the Skyfall
18.Walk the Talk
19.Keep on A・B・C・ing
Encore
En-1.Good-bye Summer Day
En-2.Kiss me Kill me tonight
日程:2017年12月25日(月) 開場/開演:18:00/19:00
会場:Zepp DiverCity TOKYO
※ オフィシャル先着先行 1,250円(税込)
一般発売:11月25日 前売:3,500円(税込) 当日:4,000円(税込)
イベントライブ
7月22日(土) 福岡・Number Shot 2017@海ノ中道海浜公園
7月30日(日) 兵庫・FREEDOM aozora 2017 @淡路島 国営明石海峡公園芝生広場
8月2日(水)東京・SUMMER SONIC 2017 Pre-Party in Pit@東京 豊洲PIT
8月11日(祝) ROCK IN JAPAN FES.2017 @ひたちなか海浜公園
8月19日(土) 大阪・SUMMER SONIC 2017 @舞洲SONIC PARK(舞洲スポーツアイランド)
8月20日(日) 東京・SUMMER SONIC 2017 @ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ