MERRYガラ “生前葬”と“スペシャルバンド”で歌を突き刺していく姿を魅せた『第二回 自作自演』

レポート
音楽
2017.7.17
ガラ『第二回 自作自演』第一部「ガラ生前葬」 2017.7.6東京キネマ倶楽部 撮影=中村 卓

ガラ『第二回 自作自演』第一部「ガラ生前葬」 2017.7.6東京キネマ倶楽部 撮影=中村 卓

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『第二回 自作自演』
2017.7.6東京キネマ倶楽部

2017年7月6日。
東京キネマ倶楽部において、『第二回 自作自演』が行なわれた。
これは、17時半からの第一部を「ガラ生前葬」とし、20時半からの第二部を「浅田天国~鋼鉄篇~」として行なわれた、MERRYのボーカルであるガラが企てた文字通りの“生前葬”と“スペシャルバンド編成でのライブ”であった。まず、何故に“生前葬”なのか? というところを説明する必要があるだろう。7月6日はガラの誕生日であることから、“生前葬をすると長生きできる”という何処かで耳にした言葉を鵜呑みにしたガラ本人が発起人となり、自作自演の生前葬という形態でイベントライブを開催したものである。

この日の席種は、1階を親族席とし、2階前列を愛人席とし、1階後方の立見席を一般席とし、代を“香典代”と呼んでいた徹底ぶりも、一筋縄ではいかないガラの考えそうなことである。

また、親族席と愛人席は、MERRY OFFICIAL MEMBERS’ CLUB CORE会員のみが購入できる特別なという、ファンクラブ優先の気遣いもさすがだ。(※この日のMCの中で、「この先、ツアーでも“愛人席”や“ツアー用・愛人専用移動バス”など考えてみようかな」との案有り。興味のある方、愛人希望の方は、是非、MERRY OFFICIAL MEMBERS’ CLUB COREへの入会をオススメします!)

17時半から行なわれた生前葬は、ステージに設けられた祭壇と、その奥に設置されていた大きなスクリーンに映し出されたガラの遺影が事を見守る中、喪主を務めるガラ本人の司会によって始まった。

「はい。本日は『第二回 自作自演』ガラ生前葬にお越しいただきまして、誠にありがとうございます。私自身、生前葬がどういうものであるのか、正解はあるのか、間違いはあるのかよく分からないんですが、ただ、長生きをしたいということだけは思っておりまして。生前葬をすると長生きをするということだったので、遺影もこの日のために撮ってみたりいろいろとやってみました。今日誕生日を迎えたんですけど、生きるということにこだわっていきたいなと思ったりしております。今日は実験的なところもあるんですが、みなさんにいろいろと楽しんでもらって、もし僕に本当に何かあったときは、そのときもちゃんと駆けつけて頂けたらなと思います。そのときのことも考えて、今日は一人ひとりの顔をしっかりと覚えておきたいなと思ってますので、最後までお付き合い下さい」(ガラ

御導師の入場がアナウンスされ、御導師が祭壇の前でお経を唱え始めると、会場内は静かに黙祷を捧げた。そして、ご焼香と献花の代わりに、ガラへの“お供え物”の手渡しが行われたのだった。

まさしく、それこそはファンからの誕生日プレゼント贈呈式である。なんともよく考えられた流れである。

また、愛人は日陰の存在ということを配慮し、式を終えた後、ガラが2階の愛人席まで出向き、直接プレゼントを受け取ったのだった。

そして。御導師がお経を上げ終わった後、ガラは御導師が自分の幼馴染みであることを説明し、集まったファンたちを驚かせた。ガラの突然の思いつきを快く引き受け、ガラの地元である群馬から駆けつけてくれたのだという。

ガラ『第二回 自作自演』第一部「ガラ生前葬」 2017.7.6東京キネマ倶楽部 撮影=中村 卓

ガラ『第二回 自作自演』第一部「ガラ生前葬」 2017.7.6東京キネマ倶楽部 撮影=中村 卓

生前葬では、その他、布袋寅泰、清原和博、金正恩、SMAP(※すべてモノマネ芸人)らから、映像によるお誕生日のお祝いコメントが届けられた。ここに登場したすべては、本人とはまったく接点が無いという事実も、またとてもシュールであった。そして、最後に祝辞、もしくは弔辞として、メンバー内ではガラと1番古くからの仲であるMERRYのドラマー・ネロからの手紙がネロ本人から読み上げられた。

そして。親族代表としてMERRYのギター・結生がケーキを持って登場。

「いや。早いでしょ! ここ? こういうサプライズ的なものって、もうちょっと後の方に出てくるんじゃないの!? なんかいろいろとおかしくない?」(ガラ

と、突然始まったバースデー感に、戸惑いながらも、オーディエンスの歌ってくれた「ハッピーバースデー」の歌声を、とても幸せそうな面持ちで聴いていたガラだった。

ここからは、結生のギター伴奏によるアコースティックライブが行なわれた。歌われたのは、MERRYの楽曲である「アタシは捨て猫」「ザァーザァー 」「SWAN」に加え、ちあきなおみの「喝采」、中島みゆきの「時代」といった、ガラの憂いのある歌声がハマるカバー曲も披露し、さらには、尾崎豊の「COOKIE」を、結生のギターのバックアップもありながらではあったが、清春から借りたというアコースティックギターを弾きながら歌うというスタイルで魅せたのだった。

ガラ『第二回 自作自演』第二部「浅田天国~鋼鉄篇~」 2017.7.6東京キネマ倶楽部 撮影=中村 卓

ガラ『第二回 自作自演』第二部「浅田天国~鋼鉄篇~」 2017.7.6東京キネマ倶楽部 撮影=中村 卓

20時半から行なわれた第二部「浅田天国~鋼鉄篇~」では、ガラ(Vo)、 結生(G)、 THE冠 のサポートギターであり、ex.FULLTRAP のBETCHI(G)、 BPM13GROOVE、BATCAVE、オーラルヴァンパイアなどで活躍中のWu-CHY(B)、ex.ARTEMAのHAL(Dr.)というメンバー構成によるHELLNEARSのライブが行なわれた。

このHELLNEARS、腰椎ヘルニア手術済みであるガラを筆頭に、結生が健康体である以外、ほとんどがヘルニア予備軍であることから、このバンド名が付けられたらしい。

骸骨メイクを施したHELLNEARSによるライブは、「千代田線デモクラシー」から幕を開けたのだが、MERRYの基盤となるいなたい和製ポップなレトロックは、見事な激ロックに装いを変え、間髪入れずに届けられた「絶望」も、“MERRYの鬼セルフカバー”で攻め立てられ、オーディエンスと共に声を重ねて叫び合ったのだった。

昭和が香る「平日の女」「傘と雨」といった、歌モノチューンのセルフカバーでは、重心をしっかりと落とした激情的な歌モノにアレンジされ、MERRYが届ける原曲たちとは、またひと味違った人間の業が激しく渦巻くナンバーに生まれ変わっていた。

そして、この日の翌日から2日間に渡って横浜アリーナにて行なわれたPIERROTとDIR EN GREYの歴史的なジョイントライブ『ANDROGYNOS』への敬意を表して、DIR EN GREYの「Schweinの椅子」とPIERROTの「CREATURE」のカバーを届け、“いつまでも背中を追いかけていてはダメだ”と、自らを奮い立たせるMCを挟んだのだった。

第一部のアコースティックで聴かせたビブラートのきいた唯一無二の歌声で揺蕩う様に歌われる歌唱とは異なる、HELLNEARSを率いてハードコアな歌声で攻め立てた第二部で魅せたボーカリスト・ガラは、やはり想像を超える表現力と人間力を持った、実に興味深く面白い歌い手であると、改めて悟った時間となり、そして、何よりもガラを始め、届け手であるミュージシャンたちが、誰よりも自分たちが音を楽しんで届けられていた様子がダイレクトに伝わってきたライブは、音で遊ぶという最高の贅沢を味わわせてもらえた時間となった。

ガラ『第二回 自作自演』第二部「浅田天国~鋼鉄篇~」 2017.7.6東京キネマ倶楽部 撮影=中村 卓

ガラ『第二回 自作自演』第二部「浅田天国~鋼鉄篇~」 2017.7.6東京キネマ倶楽部 撮影=中村 卓

ガラはこの日の最後に、生前葬とHELLNEARSライブを改めて振り返り、この先も“歌を突き刺していく”と声高らかに宣言したのだった。

MERRYは9月6日にニューアルバム『エムオロギー』をリリースした後、アルバムを引っさげ、9月3日(日)の 熊谷HEAVEN’S ROCK KUMAGAYA (CORE Limited)を皮切りに47都道府県TOUR『システム エムオロギー』をスタートさせる。結成から16年を迎える彼らが、“現段階での最高傑作”と胸を張るアルバムを引っさげ、20年を前に原点へと立ち返るそのストイックな生き様を、是非ともその耳と目で確かめてほしい。


取材・文=武市尚子 撮影=中村 卓

 

セットリスト
MERRYガラ 第二回 自作自演
2017年7月6日(木)東京キネマ倶楽部

 
■第一部「ガラ生前葬」
01. 喝采(ちあきなおみカヴァー)
02. アタシは捨て猫
03. 時代(中島みゆきカヴァー)
04. ザァーザァー
05. COOKIE(尾崎豊カヴァー)
06. SWAN
 
■第二部「浅田天国~鋼鉄篇~」
出演:HELLNEARS
Vocal: Gara (MERRY)、Guitar: Yuu (MERRY)、Guitar: BETCHI (THE冠<Support>、ex.FULLTRAP)
BAZZ: Wu-CHY (BPM13GROOVE、BATCAVE、オーラルヴァンパイア、etc…)、Drums: HAL (ex.ARTEMA)
 
01. 千代田線デモクラシー
02. 絶望
03. Ve-Doto
04. 平日の女
05. 傘と雨
06. Schweinの椅子(DIR EN GREYカヴァー)
07. 自意識過剰型木偶人間
08. ジャパニーズモダニスト
09. 消毒
<ENCORE>
10. CREATURE(PIERROTカヴァー)
11. Friction XXXX

 

リリース情報
アルバム『エムオロギー』
2017年9月6日発売
【初回生産限定盤】2枚組(CD+DVD) SFCD-0208~209 ¥3,500 (tax out)
[DISC 1 : CD] 
全11曲収録予定
[DISC 2 : DVD]
MERRY Tokyo Spring 日比谷デモクラティック ~羊達の主張~
2017.5.5 日比谷野外大音楽堂
メンバーセレクトから全5曲収録予定
【通常盤】(CD) SFCD-0210 ¥3,000 (tax out)
 [DISC 1 : CD]
全11曲収録予定
※購入者対象イベント開催予定・店舗購入特典あり (詳細は決まり次第発表いたします。)
Manufactured by FIREWALL DIV.
Distributed by Sony Music Marketing Inc.
【CORE完全限定盤】4枚組(2CD+2DVD) DRG-018~021 ¥10,000 (tax out)
<GALAXY BROAD SHOP通販限定>※通販購入特典あり (詳細は決まり次第発表いたします。)
<会場先行販売>「システム エムオロギー」9/3 CORE Limited熊谷HEAVEN’S ROCK KUMAGAYA会場先行販売予定 ※会場先行販売特典あり (詳細は決まり次第発表いたします。)

 

ライブ情報
MERRY 47都道府県TOUR「システム エムオロギー」
~AGITATE #1「妄想」

9/3(日) 熊谷HEAVEN’S ROCK KUMAGAYA (CORE Limited)
9/6(水) 千葉LOOK
9/8(金) 山形MUSIC SHOWA SESSION
9/10(日) 仙台enn 2nd
9/15(金) 岡山IMAGE
9/16(土) 山口rise SHUNAN
9/18(月・祝) 広島CAVE–BE
9/23(土・祝) 三重M’AXA
9/24(日) 静岡Sunash
9/29(金) 沖縄output
9/30(土) 沖縄output
10/6(金) 佐賀GEILS
10/7(土) 長崎DRUM Be-7
10/9(月・祝) 大分DRUM Be–0
10/12(木) 奈良NEVERLAND
10/13(金) 岐阜Yanagase ants
 

~AGITATE #2「嗜好」
10/20(金) 新潟GOLDEN PIGS BLACK STAGE
10/22(日) 金沢vanvanV4
10/28(土) 甲府CONVICTION
10/29(日) 長野LIVE HOUSE J
11/3(金・祝) 北海道cube garden
11/5(日) 青森QUARTER
11/11(土) 名古屋E.L.L.
11/12(日) 和歌山SHELTER
11/14(火) 徳島club GRINDHOUSE
11/16(木) 高知X–pt.
11/18(土) 宮崎SR BOX
11/19(日) 鹿児島SR HALL
11/22(水) 福岡 DRUM Be–1
11/23(木・祝) 熊本B.9 V2
11/25(土) 米子AZTiC laughs
11/26(日) 松江AZTiC canova
 

~AGITATE #3「思想」
12/1(金) 宇都宮HEAVEN’S ROCK UTSUNOMIYA
12/2(土) 郡山CLUB #9
12/10(日) 前橋DYVER
12/16(土) 富山SOUL POWER
12/17(日) 福井CHOP
12/22(金) 水戸LIGHT HOUSE
12/24(日) 横浜BAYSIS
1/7(日) 梅田シャングリラ
1/8(月・祝) 神戸VARIT.
1/13(土) 松山サロンキティ
1/14(日) 高松DIME
1/20(土) 盛岡club change
1/21(日) 秋田LIVE SPOT 2000
1/27(土) 滋賀B-FLAT
1/28(日) 京都MUSE
 

~AGITATE FINAL「禁断」
2/3(土) 日本青年館

 

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