『少年たち』日生劇場で開幕 SixTONESとSnow Manが“戦争”に体当たりで挑む
『少年たち ~Born TOMORROW~』
ジャニーズの伝説の舞台『少年たち』シリーズが今年も幕を開けた。1965年に初演されてから、形を変えながら何度も再演されてきた本シリーズは、『少年たち~Born TOMORROW~』として2017年9月7日(金)から日生劇場と、大阪松竹座にて上演される。さらに今年はLiveバージョンとして愛知・兵庫・和歌山・広島での公演も予定されている。
出演は『少年たち』シリーズ出演3年目を迎えるジャニーズJr.のユニット・SixTONESとSnow Man。両ユニットのメンバー12人が出演し、少年たちの不安、情熱、友情が渦巻く、熱気溢れるステージとなった。ゲネプロ後には出演者全員(SixTONES:ジェシー、高地優吾、京本大我、松村北斗、森本慎太郎、田中樹、Snow Man:岩本照、深澤辰哉、渡辺翔太、宮舘涼太、佐久間大介、阿部亮平)が取材に応じ、本作の見どころや意気込みを述べた。(※高地優吾の「高」ははしごだか)
『少年たち ~Born TOMORROW~』
物語の舞台は刑務所。二つの房に収監されている少年たちは、お互いを「オレンジ」「グリーン」と呼び、ケンカを繰り返している。そこに、一人のおとなしい少年・京本(京本大我)が入所してきた。殺伐とした刑務所内に、新しい風が吹く…京本の出現で、二つのグループに少しずつ変化が生まれていく。
京本はトレードマークの一つである金髪を黒髪に変えて出演。囲み会見の中で「新入りだったら黒髪かな…と、勝手に染めました。メガネもかけたいけど顔が見えないからやめました」と、役作りのために自ら金髪を封印したという。華奢で真面目で優しい…本作ではそんな少年を演じ、新たな魅力を見せている。本人も「今後は当分黒髪でいこうと思います」と気に入っているようだ。
劇中には、アクションや歌やダンスがふんだんに盛り込まれ、少年たちの葛藤や焦燥を力強く表現する。また、裸に桶(オケ)だけを手に踊る桶ダンスや、指名された人がアドリブでお題にそったエピソードを話す場面などもあり、その都度、客席から笑いと拍手が沸き起こる。
『少年たち ~Born TOMORROW~』
喧嘩の場面や桶ダンスでは、自らを「筋肉アナコンダ」と呼ぶ岩本の肉体が目立つ。深澤は「一人だけ違う。隣に並びたくない」と苦笑い。しかし体格や雰囲気の違いが、それぞれのキャラクターをより特徴的にしており、結果的に12人全員の個性が楽しめるものとなっている。
少しずつ歩みよる2グループの少年たち。徐々に紡がれていく友情だったが、ある日突然、一人の少年が徴兵されることになる…。“戦争”という遠い現実に直面した時、喧嘩に明け暮れていた少年たちは初めて、自分たちの未来について向き合い始める。「日本は徴兵制のない国」、だが、彼らは大切な仲間のために戦争を知ろうとしていく。
『少年たち ~Born TOMORROW~』
2年前より戦争をテーマにしてきた『少年たち』シリーズは、2017年に入り、さらに強くメッセージを打ち出してきた。エピソードも追加され、よりリアリティを増した今作について高地は「ジャニーさんに戦争の体験を聞きました」と語る。戦争のシーンでは事務所社長・ジャニー喜多川の実体験も盛り込まれているからこそ、現実的で無情な戦争の光景が表現できたのかもしれない。「よりジャニーさんが伝えたい内容になっていると思う」と阿部が言葉を添えた。ジェシーの「舞台上で、戦争はこんな感じなのかな、と思いながら演じている」という言葉に、他のメンバーもうなづいていた。
また劇中には12人に加え、あおい輝彦が声の出演をしている。少年たちの世界に降り注ぐ冷酷の看守の声は、より強く彼らを抑圧する。力のおよばない現実や社会に対して、それでも彼らは立ち向かおうとする。絶対的な強さを持つあおいの声がとても印象的だ。
『少年たち ~Born TOMORROW~』
上演時間は休憩25分をはさんだ約2時間35分。本編後にある20分間のSHOW TIMEも含まれる。ショーではそれぞれのユニットの新曲も披露された。Snow Manの新曲は『VI Guys Snow Man』。振付などはすべて岩本が担当。佐久間は「Snow Manにしては珍しくアクロバティックを封印している」と説明。それでも深澤が「ステージをめいっぱい使えればいいな」と言うように、広い劇場を丁寧に動き、多くの観客に歌を伝えようとしていた。
『少年たち ~Born TOMORROW~』
SixTONESの新曲『JAPONICA STYLE(ジャポニカスタイル)』は、曲調も衣装も和風で独特な美学が感じられる。田中は「日本の文化みたいなものを伝えられたらな」と意気込んだ。
『少年たち ~Born TOMORROW~』
本公演はシリーズ初となる東京・大阪以外でのステージもある。劇ではなくLiveバージョンの披露だが、ジェシーは「嬉しいね、とみんなで話しました。いつも日生劇場だけでの公演だったので、もっと多くの人に『少年たち』を見ていただけるし」と喜びを語った。
『少年たち ~Born TOMORROW~』は、9月28日(木)まで東京にて、その後10月27日(金)から11月12日(日)まで大阪松竹座にて上演される。
取材・文・撮影=河野桃子
■日時・会場:
【東京公演】2017年9月7日(金)~9月28日(木)日生劇場
【大阪公演】2017年10月27日(金)~11月12日(日)大阪松竹座
SixTONES(ジェシー 髙地優吾 京本大我 松村北斗 森本慎太郎 田中樹)
Snow Man(岩本照 深澤辰哉 渡辺翔太 宮舘涼太 佐久間大介 阿部亮平)
あおい輝彦(声の出演)
※高地優吾は、9月21日(木)・11月2日(木)は休演
■公式サイト:http://www.shochiku.co.jp/play/others/schedule/2017/9/_born_tomorrow.php
【愛知公演】10月7日(土)~9日(月・祝)穂の国とよはし芸術劇場 主ホール
【兵庫公演】10月11日(水)姫路市文化センター 大ホール
【和歌山公演】10月13日(金)和歌山県民文化会館 大ホール
【広島公演】10月17日(火)広島文化学園HBGホール