家入レオ、「新しい自分」を表現したZeppツアー初日・東京公演をレポート

レポート
2017.9.11
家入レオ

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5th Anniversary Live at Zepp
2017.9.6 Zepp DiverCity Tokyo

デビュー5周年を迎えている家入レオが、9月6日にZepp DiverCity Tokyoにて『5th Anniversary Live at Zepp』をスタートさせた。

今年4月に大成功させた自身初の日本武道館公演では、5年間の集大成を魅せると同時に、この先10周年、15周年、20周年に向けてさらなる高見を目指すことを誓った彼女。今回はその日本武道館公演後初となるワンマンツアーであり、一区切りつけた後の新たな第一歩でもある。

「4月の日本武道館は、2月にリリースしたベストアルバムを中心にセットリストを組んだので、シングルコンプリートのような」内容だったのに対し、「今日はアルバム曲とかカップリング曲とか、Zeppでしかできない曲をたくさん持ってきました」と、この日のMCでも言っていたとおり、セットリストは代表的なシングル曲も要所要所に配置しつつ、コアな曲や懐かしい曲を随所に組み込んだ構成。またサポートのバンドは、敏腕ミュージシャンにして豪腕プロデューサーの本間昭光氏(第95回全国高校サッカー選手権大会応援歌となった「それぞれの明日へ」も編曲)をバンマスにしたスペシャル編成。つまり今回のツアーは、家入レオの音楽世界により深く踏み込み、それをよりカッコ良くロックにグルーヴィーに、今最も伝えたい音と表現で伝えるライブ、と言ってもいいかもしれない。

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超満員のZepp DiverCity Tokyo。ステージはデビュー曲「サブリナ」で幕を開けた。ツインギター、ベース、ドラム、キーボード、マニピュレーターの6人からなるバンドが骨太の音を鳴らし、ポニーテールにTシャツ&スカート姿の家入が歌い出すと、オーディエンスは大歓声を上げ、一気に会場の温度が上がる。短いMCを挟んだ後は、アレンジも新たなアルバム曲を2曲。特に『a boy』収録の「Kiss Me」は、アルバム発売時からそのセクシャルな歌の内容が話題になったものだが、ここではグルーヴ感をたっぷり増量して披露。少女の尖ったイノセントと大人の女性の危険な雰囲気が生々しく交錯する歌に改めてドキリとさせられた。

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「改めまして、家入レオです! 平日にもかかわらずこんなにたくさんの人が来てくれて嬉しい! ありがとう! (客席フロアを見渡して)ほんとにさ、1人1人見えるんだよ、顔が。この距離感でみんなに会いたいなと思って、会いに来たのー! 今日はたくさん音のシャワーを浴びて、日頃の嫌なこととか全部忘れてお互い帰れたらなと思っているので、耳を澄ませて楽しんでもらえたらなと思います。よろしくお願いします!」
MCの後はせつないナンバーを繊細に聴かせ、かと思えば「行くよー!」と叫び、とびきりハッピーな曲を投下。思いっきり弾けて歌い、Zepp DiverCityをパーティ会場に変えたりもする。

中盤ではアコースティックギターを抱えて、バンドのメンバーとトリプル・ギターで弾き語りを。「タイトルに“夏”って入っているんですが、私は実は秋に聴くのが一番しっくり来ると思っている」という「君がくれた夏」は、愁いを含んだ歌声とトリプルギターのアンサンブルが夕日にも似た郷愁を生み出し、オーディエンスの胸を締めつけた。

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この日、家入のMCで印象的だったのは、「新しいことをやりたい」「新しい自分になりたいっていう気持ちが今、自分の中ですごく強くなっている」という言葉。その想いはこの日、1曲1曲のアレンジや音、歌そのものに体現されており、言うなればライブ全体に新たな進化や新鮮さが溢れていたのだが、なかでも分かりやすく「新しいこと」が形にされたのは、邦楽のカバーだった。「今日、このZeppで何か新しいことをやりたいなと思って。今まで洋楽のカバーはライブで披露したりしてたんですけど、邦楽のカバーはファンクラブイベントではやったことがあるけど、ツアーではやったことがなくて、今回初めて歌いたいと思います。私は母の影響で物心着いた頃から中森明菜さんとかすごく聴いてたの。なので、最近また改めて歌謡曲を聴き直すようになって、自分もちょっと歌ってみたいなということで何曲か持ってきました」。そう言って届けられたのは、歌謡曲の名曲カバー2曲。ゴリッとしたバンドサウンドに乗せて強い目力で歌う家入は、自身の歌を歌っているときとはまたちょっと違った迫力があり、会場のあちこちから「めっちゃカッコイイ!!」「シビレたぞーっ!!」という声が飛んだ。

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一転、キーボードの前に座り、届けられたのは最新シングル「ずっと、ふたりで」の中に収められている「だってネコだから」。親友の藤原さくらが貸してくれた洋楽CDにインスパイアされ、自分も力の抜けたラフなアレンジの曲を作ってみたいと思ってピアノ1本で作ったというこの曲を、キーボード弾き語りでキュートにふんわりと聴かせる。2コーラス目ではキーボードを離れ、歩きながら歌うしぐさも気まぐれなネコっぽくて可愛らしい。ついさっきカバー曲を歌っていたときの迫力ある風情とはまるで別人のようでもある。というより元々、さまざまな感情を表出させた振り幅の広い曲を、楽曲ごとにまるで別人格のように表現力豊かに歌う、その多彩さが家入レオの大きな武器の1つでもある――が、今回は派手な演出やセットも控えてシンプルに、且つ、音楽そのものにこだわった魅せ方をしているため、これまで以上に家入レオの歌の表現の多彩さが際立つステージになっていたと思う。

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後半はお馴染みの曲でラストスパート。アンコールでは「今日こうしてみんなの顔を見て、大好きなバンドメンバーと大好きな音楽をできて最高だな、贅沢だなと思いました。これからもまっすぐ音楽をやっていくので、楽しく仲良くやっていけたらなと思います」と話し、新曲「ずっと、ふたりで」を1人1人と約束を交わすようにあたたかく丁寧に歌い上げた。そして、さらに「サブリナ」のショートバージョンを届け終えると、「またすぐに会おうね!」と、最高の笑顔を見せた家入。次なる目標地へ向かう新たな第一歩は、今まで以上に意志的で力強く、楽しく刺激的だった。

本ツアーは9月12・13日のZepp Ngoya 2DAYSを経て、9月20・21日の大阪Zepp Nambaまで続く。


取材・文=赤木まみ 撮影=田中聖太郎

ライブ情報
5th Anniversary Live at Zepp(全6公演)
●Zepp Nagoya
09月12日(火) 18:00 OPEN / 19:00 START
09月13日(水) 18:00 OPEN / 19:00 START
問い合わせ:サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
●Zepp Namba
09月20日(水) 18:00 OPEN / 19:00 START
09月21日(木) 18:00 OPEN / 19:00 START
問い合わせ:キョードーインフォメーション 0570-200-888


 
学園祭ツアー
●名古屋商科大学 三ヶ峯祭
10月21日(土) 愛知県・名古屋商科大学
16:30 OPEN / 17:30 START
●日本大学生物資源科学部 藤桜祭
10月28日(土) 神奈川県・日本大学生物資源科学部
16:00 OPEN / 17:00 START
●佛教大学 鷹陵祭
11月04日(土) 京都府・佛教大学
15:00 OPEN / 16:00 START
●吉備国際大学 伊賀祭
11月05日(日) 岡山県・吉備国際大学
15:00 OPEN / 15:30 START
●昭和女子大学 秋桜祭
11月12日(日) 東京都・昭和女子大学
16:00 OPEN / 17:00 START

 

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