福士蒼汰、宮野真守ほか若手俳優たちにファン熱狂! 劇団☆新感線『髑髏城の七人 Season月』製作発表
劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season 月
劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season月が、2017年11月23日(木・祝)から東京・豊洲のIHIステージアラウンド東京にて上演される。織田信長亡き後の関東荒野を舞台に、信長との因縁を持つ3人の男たちの生き様を描いた本作は、新感線を代表する作品の一つ。2017年は「Season花」「Season鳥」「Season風」と3パターンの『髑髏城の七人』を上演してきたが、「Season月」ではタイトルになぞらえて“上弦の月”“下弦の月”と名付けられた2チームが交互に上演するWキャスト制を取ることになった。
9月25日(月)都内にてメインキャストらが登壇する製作発表会見が催され、事前抽選を通過した約1000人ものファンが大集合。ざわめきながらお目当てのキャストを今か今かと待っていた。
突然、場内のBGMが激しくギターをかき鳴らすようなロックテイストのメロディに変わる。するとどこからともなくスモークが足元に流れ込み、異空間のような怪しい雰囲気が作られていく。いよいよ製作発表の始まりだ。
MCの呼び込みと共に会場左右の客席扉から“上弦の月”の早乙女太一(天魔王)、三浦翔平(無界屋蘭兵衛)、須賀健太(兵庫)、平間壮一(霧丸)、“下弦の月”の鈴木拡樹(天魔王)、廣瀬智紀(無界屋蘭兵衛)、木村了(兵庫)、松岡広大(霧丸)が登場。ステージに向かいながら柵ごしにファンとハイタッチすると、歓声はさらにアップ。
鈴木拡樹
廣瀬智紀
木村了
彼らが登壇を終えると、ステージ上手から高田聖子、下手から羽野晶紀が登場…。ところが、ここで思わぬハプニングが!「上弦の月・極楽大夫役・高田聖子」と入るはずのナレーションが、何かの不具合で「下弦の月・極楽大夫役・羽野晶紀」と2度コールされてしまい、高田が笑いながらMCに突っ込む動きを見せていた。
鈴木拡樹、廣瀬智紀、木村了、松岡広大
早乙女太一、三浦翔平、須賀健太、平間壮一
一方、ステージ中央にはいつの間にか大きな白い物体が…それが爆発すると“上弦の月”“下弦の月”でそれぞれ主役の捨之介を演じる福士蒼汰と宮野真守の二人が登場。会場の歓声はピークに。福士は手に白い杵、宮野はウサギのマスクを装着しており、さながら「月からやってきたウサギ」というイメージで観客を沸かせていた。
宮野真守、福士蒼汰
宮野真守、福士蒼汰
全員登場後は、座付き作家の中島かずきと演出家のいのうえひでのりも同席しての記者会見となった。
中島は今回の2チーム制について「同じシナリオで同じ演出で演技を競うことになります。2チームそれぞれにどのような月の光を照らしていくか、という話になると思います」とチームの違いの出し方を綺麗に表現した。さらに中島は、これまでの髑髏城と比べて「Season月」では「捨之介の設定を変えた。年齢も若くなるのでストレートに自分の道を信じて進むまっすぐな男を描こうと思いました。それに併せて周りのキャラクターも変え、全体的には『若気の至り』というところで話を進めようかと。若さゆえの良さあり、若さゆえの脆さもあり。まあでも両脇に『重鎮』極楽大夫が控えておりますので(笑)」と高田、羽野に若手のフォローを期待するような視線を送っていた。
中島かずき、いのうえひでのり、福士蒼汰
いのうえは「ご覧のとおり、若いキャスティング。若さを出していきたい。ここまでの髑髏城は身体の事を気遣いながらやるようなメンバーだから」と笑わせる。逆に「若いキャスティングだからこそ、今まで以上に厳しいことにも挑戦させたい」との声に一瞬動揺を見せるキャストたちだった。
福士は今回が初舞台にして初座長を務める。「緊張しています。どこを緊張していいのかわからないくらい。何に対して緊張していいのかわからないくらい緊張しています。でも頼もしい仲間たちがたくさんいるので、みんなに支えてもらいながら、自分のその場所で何が出せるか考えて自分らしくいたい」と興奮を交えつつ挨拶。
いのうえひでのり、福士蒼汰、早乙女太一
宮野も初新感線となる。「超ワカドクロということですが…意外と僕、若くないんです(笑)だから『意外と若くないドクロ』ということで周りに支えていただきながらやっていきたいです。僕もまさかのお声がけをいただいた一人。自分が出演できるなんて思ってもみなかったです。多くが声優の仕事をさせていただく中で、こういう大きなお仕事をさせていただけるのはチャレンジ。人生においてもプラスになると思います」と嬉しそう。
宮野真守
MCが「『ちょっと上ドクロ』な宮野さん、脚が前にピーンと伸びてますね」と宮野の独特な座り方をいじったが、これが後々他のキャストに影響を及ぼすことになる。
早乙女は「Season鳥」そして過去の髑髏城で無界屋蘭兵衛役を演じてきたが、今回、天魔王役に役替えとなった。「またか!またお前が出るのか!?って思われているのでは?」と笑わせる。でもこれだけ若い人と一緒にお仕事できることって普段なかなかないですし。僕も宮野さんに比べたら若いほうですし…(とワザと宮野を覗き込むと宮野がシュンとした顔に。その表情にファンから笑い声が沸き起こる)。新感線参加は5回目になります。今回、新感線参加が初めてとなる方が多いので、わからないことがあったら僕に聞いていただきたい…全部嘘を教えます(笑)」と笑わせた。
「嘘を教えます(笑)」と真顔で冗談を放つ早乙女太一
同じく天魔王役を演じる鈴木は、「ビジュアル撮影の際に天魔王が乗り移っているようだ、という話が振られると「非常に楽しかったです。天魔王という非常にやりがいのある役をいただきましたので、撮影当日、自分の中で描いている未完成の天魔王で立とうと思いました。そのときしかまだ天魔王になってなく、『一人髑髏城』状態だったんですが、“下限の月”チームと一緒に、いい役にするために頑張っていこうと思います」とコメント。
無界屋蘭兵衛役を演じる三浦は、「太一くんが今まで蘭兵衛をやっていたので、その太一くんが天魔王となり同じチームで戦うのは非常にプレッシャーです。殺陣もすごく速いし綺麗だし。一生懸命しがみついて追っていきますね」と早乙女に話しかけていた。
三浦翔平
廣瀬も無界屋蘭兵衛役を務める。「同じこの場に早乙女さんがいるだけでプレッシャーですね。これまでも名優たちがやってきた役ですから自分らしい蘭兵衛を見つけるのは大変な作業だなと思う。ビジュアル撮影のときに『少し微笑んで』という指示を受けたので「微笑の貴公子」になろうかなと。そこに糸口を見つけたような気がします。あと、“下限の月”のカラーとしては、中性的で美意識高い系の蘭兵衛にしたいと思います」
木村了、廣瀬智紀、鈴木拡樹
これらの発言について、早乙女に蘭兵衛として演じる上でのアドバイスを求められると、「ないですないです。稽古場で教えてほしいことがあったら、僕で良ければ全部嘘を教えます(笑)」とまたもや笑わせていた。
須賀が演じるのは極楽大夫に惚れこむ男、兵庫役。「いのうえさんの演出を受けたことはあるんですが、新感線の作品に出るのは初めてなんです。花・鳥・風・月のシリーズ中でも最年少の兵庫なので…(と宮野に若さをアピールする視線を送ると、宮野から「俺を観るな!」と突っ込まれる)すると、先ほどの宮野の動きを真似して突然脚をピーンと前に伸ばして座りだす。「脚が伸びドクロで(笑)」そう笑いを取ると、「靴下がかわいいドクロだね」と他キャストからもつっこまれていた。
脚をピーンとする須賀健太
木村も兵庫役を演じる。「僕は新感線参加は2度目です。僕の中での兵庫のイメージはやはり橋本じゅんさんのイメージが強くて、話をいただいたときには本当に逃げ出したい気分でした。でも新感線にとっても大事な作品なので僕なりに健太と一緒にすばらしいものにしていきたい」と力を込めた。
平間が演じるのは霧丸役。これまで女性が演じてきた狭霧役が今回男性という設定に変わる。「今のところ楽しみでしかなくて、稽古場にも何回か行かせていただいたんですが、この技を入れられそうだな、ってみんなで考えながら作っていけそうなのでとても楽しいです」とやる気を見せた。
平間壮一
松岡も霧丸役を演じる。「男性版沙霧と捨之介との関係がどうなるのかなと思いました。男性ならではの熱いものがそこにあると思うので、楽しみにしていただきたいです。あと、僕も須賀さんと一緒で最年少霧丸だから…」その言葉に「脚!脚!」と周りから突っ込みが入り、脚をピンと前に伸ばして座りなおす松岡。それを見て宮野がまた苦笑していた。
松岡広大
泣き顔になる宮野真守
中島に『重鎮』と呼ばれた高田と羽野が話し出す。
極楽大夫役の高田は「さっきから最年少、最年少と言っていますが、私、最年長・極楽大夫です(観客から万雷の拍手)ご覧の通り皆さんものすごく若い。息子みたいなものなので、関係性も変わってくると思います」そして「…息子たちよ!お母さんいくつよ?」と隣に座る平間に聞くと、「50歳くらいですね」と平間。「一緒やん!」と声を上げる高田に「一緒じゃないですよ、綺麗さが」そう平間が返すと「わ。ヤラシイヤラシイ!」と照れ笑いする高田だった。
高田聖子
「お母さんいくつ?」と平間に問う高田
一方、1990年の初演版で極楽大夫を演じて以来、17年ぶりの新感線舞台となる羽野は「初演のときは20歳とか21歳だったのよ!そこから二回り?いやもっと…28年くらい経ったそうです。お客さんとして観ていた時期もあるので、極楽大夫としては『USED極楽大夫』として(笑)、リサイクルな気持ちでいます。私、劇団員の人たちとすぐなじんでしまって甘えてしまうんですけど…今回は甘えられないなあ(笑)ちょっとがんばらないとな」と年長者としての覚悟を見せていた。
羽野晶紀、松岡広大
会見の最後には、チームを代表して福士は「(出演者は)20代の方がかなり多いので、勢いや若気の至りを出せていけたら。自分は舞台初なのでそれこそ誰かを助けるとか、力になるという点では何ができるのか未知数なんですが。ベテランの渡辺いっけいさんたちもいらっしゃるのでお力をお借りできたらと思っています」と挨拶。
宮野も「自分がいちばん舞台経験が多くないのかな?と思うところがあって。特に立ち回りの経験もなくて不安もあるんですが、みんなもすさまじいエネルギーに頼りながらも現場で本気をぶつけられる座長でありたいと思っています」と改めて意気込みを見せていた。
宮野真守、福士蒼汰
取材・文・撮影=こむらさき
■演出:いのうえひでのり
■出演:
[上弦の月]福士蒼汰 早乙女太一 三浦翔平 須賀健太 平間壮一/高田聖子/渡辺いっけい 他
[下弦の月]宮野真守 鈴木拡樹 廣瀬智紀 木村了 松岡広大/羽野晶紀/千葉哲也 他
■日程:2017年11月23日(木)~2018年2月21日(水)
[前期]2017年10月1日(日)10:00~[公演期間:2017年11月23日(木)~12月29日(金)]
■料金:S席¥13 ,000 サイド席¥12 ,500(全席指定・税込)