自称“音楽業界最下層の音楽好き”による新イベント『Real Finder』をレポート 4組がバラエティに富んだステージングを披露
Real Finder
『Real Finder』 2017.9.12(TUE) 下北沢GARAGE
9月12日(火)、音楽業界の未来を憂う業界最下層のミュージック・ラバーたちによる新イベント『Real Finder』が、下北沢GARAGEにて開催された。
このイベントは、日々新しい“音” “才能”を貪欲に模索する個性派ぞろいの4人のキュレーターが、それぞれの個人的に気になるアーティストをレコメンしあっていた流れから立ち上がった、ニューカマーたちを毎回ブッキングするイベント。
初開催の本イベントのトップバッターを飾ったのは、secondrate。キャッチーで王道メロディの楽曲を主軸に、4つ打ちロックや、色気のあるジャジーな曲までを幅広く披露。曲ごとに、男性ボーカルのSeike、女性ボーカルのSakiそれぞれがメインボーカルを務めたり、構成メンバーにも明記がある”Button Pusher”のKingkingPangpangの独特のパフォーマンスも武器に独自のエンターテイメントあふれるステージを展開。彼らの代表曲である「二番線」では、その耳になじみやすいメロディと4つ打ちの軽快なビートでフロアを沸かせた。
secondrate Photo by 塚本弦汰
続いて、大きく編成は変わり、エレキギター1本の弾き語りという形でaoihrが登場。『もしもナンバーガールが再結成して「PPAP」を演奏したら』という自身のTwitter動画はすでにネットでもバズを起こしているエピソードをMCで交えつつ、敬愛しているというNUMBER GIRLの「透明少女」のカバーを披露。最後にはYouTubeでも公開されている「僕と春」を演奏した。爆音ディストーションと語るようでいて、叫ぶようでもあるその独特のボーカルが響き渡るサウンドにフロアは魅了されていく。
aoihr Photo by 塚本弦汰
3番手のジオラマラジオは、邦楽と洋楽のエッセンスが入り混じったPOPかつ芯のあるパフォーマンスで観客の心を序盤から掴んでいく。フォークを感じさせながらも海外のインディーズロックとも共鳴する、松村廉と、榊原未菜の男女混成ボーカルが心地よいサウンドで、計6曲を歌い上げた。
ジオラマラジオ Photo by 塚本弦汰
そして『Real Finder』初回のトリを飾ったのはAIRBAG。タワーレコード限定でpre-debut盤「sign」をリリースし注目を浴びる中、その楽曲を一切披露せず、すべて新曲という挑戦的なセットリストでステージを構築。絶妙に重なり合う2本のギター、クガイトシキの伸びのあるボーカルと秘めたる才能を醸し出す佇まい、一気にホームの空気を作り出し、トリにふさわしいパフォーマンスで最後まで駆け抜け、幕を下ろした。
AIRBAG Photo by 塚本弦汰
今回のイベントタイトルは、real find(掘り出し物)×finder(発見者、探知機)という意味で、“オーガナイズするスタッフとミュージシャンの新しい出会いのきっかけでもあり、お客さんにも、まだ見ぬ音楽を発見する場所になって欲しい”という想いから、名付けられたという。
『Real Finder』というイベントも、今回出演したバラエティに富んだアーティストたちも、今後どのようにミュージックシーンに揺さぶりをかけていくのか目が離せない。