アントニオ猪木が生前葬で 『千の風になって』を熱唱&棺桶を破壊!!

2017.10.24
レポート
スポーツ

この日の主役は選手ではなく、間違いなく猪木

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元プロレスラーで参議院議員のアントニオ猪木(74)がプロデュースする、プロレス・格闘技イベント「INOKI ISM・2~アントニオ猪木『生前葬』~」が21日、両国国技館で開催された。7000人の観衆が見守るなか、全7試合終了後に生前葬がスタート。

(元)プロレスラーの生前葬は世界でも初の試み

白い棺桶が置かれたリング上には、猪木と抗争を繰り広げたスタン・ハンセン(68)、弟子の藤波辰爾(63)、藤原喜明(68)が参列。

スタン・ハンセンは登場と共に「ウィー!!」

「猪木は素晴らしいライバルで、偉大なファイターだった」(ハンセン)

ハンセンと笑顔で握手する藤波辰爾

「びっくりしましたね。複雑な心境ですが、これからも猪木さんの背中を追い続けたい」(藤波)

藤原喜明の意外なパフォーマンスに観客は声を失った

数珠を手にした藤原は「素晴らしい師匠でした」と、今にも泣き出しそうな表情で、3分以上に渡って『般若心経』を全文読経するパフォーマンスを披露した。

猪木の棺桶を前にして、神妙な面持ちの3人

追悼の10カウントゴングが鳴り終わると、「おい、お前は誰だ?」と天から猪木の声が!?

猪木は棺桶を破壊して球を取り出した

「お前こそ誰だ? そんな狭いところで何をやっている」「俺とお前がひとつでなければおかしいだろ!!」と、地上にいる猪木本人が呼応……。テーマ曲『炎のファイター』が流れると、生前葬という名の猪木劇場のスタートとなった。

『千の風になって』を熱唱した猪木がリングの中へ。棺桶をパンチで破壊すると、中から『闘魂』を彷彿させる球を取り出し、「生前葬、オレも何だか分かっていない」と苦笑い。「これから1年、生前葬ツアーをやろうか」と自ら提案したものの、「バカ言ってんじゃねぇーよ」と素早いノリ突っ込みで否定した。

この日の猪木はいつになく饒舌だ。『姥捨て山』の話を始めると、藤原の読経よりも長い時間を費やした。

締めはもちろん「1、2、3ダァー!!」。ただし特別な日だからなのか、再び「1、2、3ダァー!!」を繰り出す異例の大サービス。大観衆と共に拳を突き上げ、前代未聞の生前葬の幕は華やかに閉じられた。

もしや最後の「1、2、3ダァー!!」か?

セレモニー終了後に控室で、猪木は「みなさんに喜んでもらえてよかった」と生前葬を振り返り、「燃え尽きて終わっていきたい」と今後の抱負を語った。葬儀が終わっても、闘魂はまだ燃え尽きていないようだ。

重責を果たして、控室でリラックスの表情

この日のメインイベントでは、負けたら引退を宣言したスコット・ノートンと、かつてのK1王者のピーター・アーツが対戦。ノートンは重量感あるアーツのパンチを敢えて受けまくる猪木スタイルで立ち向かい、逆エビ固めで勝利を収めた。

アーツのパンチにグロッキー状態のノートン

アーツとノートンが膝をついて激しく殴り合い

セコンドのタオル投入でアーツがKO負けに

判定を巡り乱闘となったが、最後はノーサイド

セミファイナルのカール・ゴッチ杯は、猪木イズムに傾倒し、背中に『闘魂』の入れ墨を背負う鈴川真一が、ベテラン総合格闘家の桜井隆多に善戦したものの敗退。桜井が優勝の栄冠を手にした。

 

鈴川真一は踏ん張りを見せたが、肩固めで敗退

桜井隆多を祝福する中に、ザ・コブラ(59)の姿も

 

撮影・文=シン上田