“ハロウィーンフェス”が新定番に? 真夜中のサンリオピューロランドを熱狂させた新感覚の音楽イベント『PINK sensation 2017』レポート

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2017.11.17

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10月28日(土)、サンリオピューロランド×TAICOCLUBのハロウィーンオールナイトパーティー『PINK sensation 2017』が開催された。2014年の初開催から4回目となるこのイベント。今年は台風の影響もあってあいにくの雨模様だったが、普段はなかなか入れない夜のピューロランドに多くのファンが詰めかけた。

このイベントのドレスコードは、“ピンク”。こうしたテーマやピューロランドという場所柄もあってか、ピンク色のハロウィーン衣装やサンリオキャラクターのコスプレに身を包んだ若い女性たちが目立っていた。しかし、恐らくTAIKOCLUBフリークスなのだろう、カジュアルな男性の姿も予想よりも多かったように思う。通常のクラブイベントでは男性客の方が多い傾向にあるため、こうした男女比率はとても新鮮に感じられた。

CMYKのDJで幕開けた、『PINK sensation 2017』。音楽が流れる会場では、ポムポムプリンやマイメロディといったサンリオの人気キャラクターたちと写真撮影ができるグリーティングタイムもあり、こちらは女性を中心に大行列となっていた。

室内イベントとあって、天候を気にしないでいいのは、凝ったコスプレやメイクをしている女子にとってはかなり嬉しいポイントだろう。会場ももちろん一般的なクラブより広々としており、休憩スペースが多いほか、椅子に座ってくつろぎながらのステージ鑑賞も可能だ。さらに、仮装に着替えるためのスペースも用意されていて、かなり快適に過ごせる環境となっていた。オールナイトに不慣れなイベント初心者や、逃げ場のないクラブの空間が苦手な人でも、こうした設備であればだいぶ参加しやすくなるのではないだろうか。オールナイトかつ出演者にはDJが多いものの、どちらかといえばクラブというよりも屋内フェスに近い様子だった。

DJ Hello Kitty

DJ Hello Kitty

その後、メインフロアにはDJ Hello Kittyが登場して会場は大盛り上がり。ハローキティは機敏にフロアを煽りながらも、圧巻のプレイを見せていた。

裏の2ndフロア(フェアリーランドシアター)では、今年FUJI ROCK FESTIVALにも出演した新世代3ピースロックバンド、Tempalayがグルーヴィーな演奏をみせる。このフェアリーランドシアターは森を模したメルヘンチックなステージとなっていて、通常のライブハウスとはかなり異なる幻想的な雰囲気をまとっていた。

Tempalay

Tempalay

Tempalayからのバトンタッチで登場した5人組バンド・PAELLASは、メンバー全員が男性ということもあって、MCで「僕らこういう感じなんで、最初にピューロランドって聞いた時はマジか……って思ったんですけど(笑)、意外とこの空間かっこよくないっすか?」と、オファー時に抱いていた不安からのギャップを語った。確かに、男性であれば、カップルや家族と一緒ではない限り、通常時のピューロランドには足を運びにくいかもしれない。だが、この日は館内の雰囲気もナイトパーティー仕様。特にフェアリーランドシアターは大人っぽいムード全開で、男性でも馴染みやすい雰囲気だったように思う。

PAELLAS

PAELLAS

10月29日に日付が変わるタイミングでは、メインフロアにて、ハローキティの誕生日を祝うバースデイカウントダウンも実施された。ハローキティがゴンドラに乗ってド派手に登場すると、来場者たちはこぞってスマホを向ける。カウントダウン後には、「キティちゃん、ハッピーバースデー!」と黄色い歓声があがった。

“スマホ”といえば、会場には各所にSNS投稿用の撮影スポットも設置されていて、和気あいあいと自撮りに興じる女子たちの姿が印象的だった。そもそも、ピューロランド自体がインスタ映え抜群。さらにこの日は一部アトラクションも運行されていたため、音楽を楽しみつつ、写真撮影したり乗り物に乗ってピューロランドという非日常的な空間を楽しんだりと、人それぞれの楽しみ方ができたのではないだろうか。

Seiho

Seiho

MURO

MURO

開演直後はサンリオファンが多数だった会場だが、終電を過ぎて、Seiho、MUROらが登場したあたりから、イベント慣れしている雰囲気の男女の姿も増えてきた。それでも広々としたフロアには比較的余裕もあり、スペースを広く使いながら、それぞれが思い思いに音楽に身を委ねる。その後、DÉ DÉ MOUSEもピンク色のシャツで登場し、テンション高めなプレイで、温まったフロアの温度をさらに上昇させた。

DÉ DÉ MOUSE

DÉ DÉ MOUSE

対して2ndフロアでは、ZOMBIE-CHANG、DAOKOと女性アーティストのステージが続く。バンド編成でエキセントリックなパフォーマンスをみせたZOMBIE-CHANGには、ショッキングピンクの照明がよく似合う。そんな彼女は、「私、初めてキティさんのDJ見たんです。素晴らしい機会をありがとうございます」と笑顔で語り、新曲も披露した。

ZOMBIE-CHANG

ZOMBIE-CHANG

そして、この日ヘッドライナーを務めるDAOKOの出番前には、フロアは超満員に。DAOKOは、上下ピンク色の衣装にツインテールというキュートな装いで姿を見せ、「ダイスキ with TeddyLoid」「ShibuyaK」などのキラーチューンを次々とお見舞いする。そして、ラストには映画『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』の主題歌「打上花火」をしっとりと歌い上げた。デジタルサウンドに乗せて笑顔もほとんど見せずに無機質に歌うDAOKOと、まるで森の中のようなステージの対比が印象的なステージだった。

男女HIP HOPユニット・ゆるふわギャングがパフォーマンスを終えたのち、それぞれのステージでトリを飾ったのは、ELLI ARAKAWAとMaika Loubtéの女性2名。スタイリッシュにフロアを盛り上げるELLIに対し、Maikaは「朝方だし、チルってもいいかな」とゆるいテンションで語り、浮遊感溢れるパフォーマンスでイベントの幕を閉じた。

ELLI ARAKAWA

ELLI ARAKAWA

Maika Loubté

Maika Loubté

サンリオピューロランドでの開催かつ、“仮装パーティー”と銘打っていることもあって、クラブイベントや音楽フェスとはどこか異なる、独特な雰囲気に包まれていた『PINK sensation』。来場者も、サンリオファンと音楽ファンが相見えていたほか、女性客が多いということもあって、こうした音楽イベントにしてはなかなかない立ち位置で、タイトル通り“センセーショナル”な印象を強く受けた。

テーマパークと音楽イベントがコラボするという新しい取り組みのなか、気鋭のアーティストが集結する『PINK sensation』は、来年以降も開催されるとのこと。夏フェスや年末のカウントダウンフェスに挟まれる形となったこのハロウィーンパーティーが、今後イベント業界にどのような旋風を巻き起こすのか、楽しみに次回の開催を待ちたい。

画像提供=株式会社 サンリオエンターテイメント ©2017 SANRIO CO., LTD.

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