世界中で愛されるミュージカル『メリー・ポピンズ』がついに日本初演!製作発表レポート

2017.11.21
レポート
舞台

柿澤勇人、平原綾香、濱田めぐみ、大貫勇輔(左から)

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P・L・トラバース原作、ウォルト・ディズニーの不朽の名作映画の世界を舞台化したミュージカル『メリー・ポピンズ』がいよいよ2018年3月に日本初演を迎える。2017年11月21日に都内で行われた製作発表会見の様子を写真とともにお伝えする。

柿澤勇人、平原綾香、濱田めぐみ、大貫勇輔(前列左から)

ミュージカル『メリー・ポピンズ』のオリジナル・プロダクションは、ディズニーとキャメロン・マッキントッシュという最強タッグによる共同製作。マッキントッシュは、『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』『キャッツ』『オペラ座の怪人』など世界的大ヒット作を次々と世に送り出した英国の天才プロデューサーであり、今年2017年11月ロンドンで開幕の『ハミルトン』ロンドン版も彼が手掛けている。本作品は、2004年の初演以降、ロンドン・ウェストエンドにて3年間で1250回以上ロングラン。オリヴィエ賞優秀振付賞、最優秀セットデザイン賞などを受賞した。ブロードウェイ公演は6年余りにわたり上演された。その後も世界各国で上演されている。

濱田めぐみ、柿澤勇人(左から)

この日は、メリー・ポピンズ役の濱田めぐみ平原綾香、メリーの親友バート役の大貫勇輔柿澤勇人、メリーが舞い降りるバンクス家のジョージ役・駒田一、山路和弘、ジョージの妻ウィニフレド役の木村花代三森千愛、バードウーマン役とミス・アンドリュー役の二役を演じる島田歌穂鈴木ほのか、ブーム提督役と頭取役の二役を演じるコング桑田パパイヤ鈴木、バンクス家の家政婦ミセス・ブリル役を演じる浦嶋りんこ久保田磨希、バンクス家の使用人ロバートソン・アイ役を演じる小野田龍之介もう中学生らが登壇した。

『メリー・ポピンズ』製作発表会見の様子

披露された楽曲は全5曲。一度は聞いたことがあるであろう本作の代表曲『Chim Chim Cher-ee(チム・チム・チェリー)』をバート役の大貫・柿澤、メリー役の濱田・平原が歌うことから始まり、Wメリーによる『Practically Perfect(プラクティカリー パーフェクト)』、島田・鈴木による『Feed the Birds(フィード・ザ・バーズ)』と続いた。『Jolly Holiday(ジョリー ホリディ)』及び『SUPERCALIFRAGILISTICEXPIALIDOCIOUS(スーパーカリフラジリスティックエクスペアリドーシャス)』はプリンシパルとアンサンブルが勢ぞろい。報道陣と一般オーディエンスの前で華やかに歌い上げた。

濱田めぐみ

メリー・ポピンズ役を主演する濱田めぐみは「いよいよ満を持して『メリー・ポピンズ』が日本で上演されることになりました。今からすごくワクワクしています。夢の世界の舞台でどのように展開していくのか楽しみに待っていてください」と挨拶。

『美女と野獣』などディズニーミュージカル出演経験のある濱田は「舞台上で見て私がいつも驚くのは色彩とかアイデアとか、頭の中で皆様が想像される形が具現化して舞台上で見えてくること。それはディズニーミュージカルが一番だと思うんです。楽曲も小さい頃から耳で覚えているような曲が多く、思い出やノスタルジックなことがすべて詰め込まれている」とディズニー作品の魅力を話す。そして「明確に、大きく、クリアにやっていこうかなと思います。はっきりとした夢の形をお届けできるようにしたいと思います」と意気込んだ。

平原綾香

濱田とWキャストの平原綾香は、本作でミュージカル3作品目の出演となる。「濱田さんの後ろを追いかけながらしっかり頑張っていきたいです。大人から子供まで誰もが楽しめて、見るだけで幸せになれる魔法がいっぱい詰まっている作品。全国の人に見ていただけるように頑張りたいです」と語った。

初めてのミュージカル出演作が『ラブ・ネバー・ダイ』だった平原。濱田とクリスティーヌ役を演じた経験を持ち「その時はすごく落ち着いて……落ち着いてなかったと思うけど……頑張れたと思うんです」と振り返りつつ、今回の役どころについては「難しいと思うのはメリーは常に完璧であること。宇宙人的なイメージなんですよね。だけど昔、前世を見てもらった時に、『地球に慣れていないから頑張って』と言われてショックだったんですけど……プロデューサーからメリーポピンズは宇宙人だからと言われて…あ、宇宙人だった頃を思い出してできるかなって(笑)。そういう意気込みです」と平原らしいコメントをした。

大貫勇輔

バート役の大貫勇輔は「正直プレッシャーの方がかなり大きいが、日本初演のオリジナルキャストに入ることができて本当に嬉しく思っている。全力で、そして楽しみながら稽古に取り組んでいい初日が迎えられるように頑張りたいと思います」と述べた。「ここまでしっかりとしたタップを中心にした舞台に立つのは初めて。歌も僕にとっては課題」と語り、稽古に向けて、タップや歌の練習を重ねているという。

柿澤勇人

同じくバート役の柿澤勇人は「やっと人から愛される、子供から大人まで楽しめる作品・役に挑戦させていただくことになりました」と話す。2017年はこれまで『フランケンシュタイン』、『紳士のための愛と殺人の手引き』、『デスノート The Musical』と出演してきた柿澤。「一体何人の人を殺してきたんでしょうか(笑)。今もシェークスピアの稽古中ですが、それも……重たい役もやらせていただいて光栄なんですが、たまには僕も愛されたいです!『メリーポピンズ』は誰も死にません、演じるバートは誰も追い詰めません! 愛されるバートを大貫君と一緒に演じさせていただきたいと思います」と話し、笑いを誘った。

『メリー・ポピンズ』製作発表会見の様子

その他のキャストのコメントは以下の通り。
▽ジョージ・バンクス役の駒田一
「小さい頃に映画のメリー・ポピンズを見て、まさか自分が父親役をやるとは思ってもいませんでした。みんなが家族のような気がします。稽古場で苦しんでもがいて考えて、そして楽しくなれる日々を送りたい」。

▽同・山路和弘
「正直私でいいのかと思うんですが、バンクスの父親というよりもおじいちゃんの年になってきました。オーディションの時にあなたは年寄りなんだから若いフリしなさいと言われましたが(笑)、稽古場で若いフリをしていきます」

▽ジョージの妻、ウィニフレッド・バンクス役の木村花代
「きょうこのように皆様とこの時間を過ごせることを本当に嬉しく思います。今からワクワクドキドキですが、持ち前の明るさと根性で皆様に愛される役を演じられたらと思います」

▽同・三森千愛
「子供の頃から大好きで、傘をさして飛ぶ真似をしていたメリー・ポピンズの世界の住人になれることが本当に夢のようで信じられません。素敵な作品なので日本初演のメンバーの皆さんと一緒に、精一杯、バンクス夫人として子供達と夫を愛して支えていきたいと思います」

島田歌穂、鈴木ほのか(左から)

▽バードウーマン役とミス・アンドリュー役の島田歌穂
「心優しいバードウーマン、そして怖いミス・アンドリューの二役を演じます。本当に名曲が詰まった大好きなメリー・ポピンズの日本初演に参加させていただくことを本当に感謝にいっぱいです。両極の二役悩んで苦しむと思うのですが、『レ・ミゼラブル』初演の旧友である鈴木ほのかさんと一緒に役に取り組みたいです。二人でこの役に取り組めるんだと嬉しかったですし、レミゼの時は少女の役だったのに、今回はおばあちゃん。月日の流れをしみじみと感じながらも、本当に心強いです」

▽同・鈴木ほのか
「マッキントッシュの作品は『レ・ミゼラブル』と『ミス・サイゴン』日本初演に参加させていただきましたが、今回も『メリー・ポピンズ』という大作に参加させていただくことを嬉しく思っております。日本初演は本当に大変で、歌詞も変わっていくだろうし、演出的なことも変わるんだろうし、演出家、ボーカルディレクター、キャスト、スタッフが汗水流して初演を作っていかなくてはいけないと思う。歌穂さんと一緒に、全く対照的な役を演じていくにはきっときっと厳し演出があるんだろうと思うので、力を合わせて役を作り上げていきたいなと思っております」

▽ブーム提督と頭取の二役を演じるコング桑田
「カタカナ苗字の人間しか演じられない役をパパイヤ鈴木さんと演じます。今回の作品、お父様、お母様一緒に来ていただきたい。いつもお留守番しているお父様を是非誘ってあげてください」

▽同・パパイヤ鈴木
「コングさんとどんなに仲良くなっても一緒に出ることはないです。コングさんのを観に行きたいと思います」

『メリー・ポピンズ』製作発表会見の様子

▽ミセス・ブリル役の浦嶋りんこ
「憧れの女優さんと一つの役をできることを嬉しく思っている。どんな違いを出せるのか、ワクワクしています。是非劇場でお確かめください」

▽同・久保田磨希
「大先輩からそんな一言言われて変な汗をかいますけれども、少女の頃にビデオでメリーポピンズを見ました。それまでおとなしい子どもだったんですが、この作品を通じて、メリーから『自分で限界を作らずなんでもやってみよう』というメッセージを受けたような気がして、それからの生き様はこんな感じです(笑)。楽になりました。なんとか邁進していきたいです」

▽ロバートソン・アイ役の小野田龍之介
「いちミュージカルファン、ディズニーファンとして、このミュージカルがついに日本で上演されることを本当に嬉しく思います。Wキャストのもう中学生さんと共にしっかりお稽古して充実した公演が出来るようにしたいと思います」

▽同・もう中学生
「僕は普段お笑いを目指しておりまして、ミュージカルの方に初めて出させていただくということで、お刺身パックの菊じゃないですけれども、お邪魔させていただく…今も夢のような気持ちでいるんです。私事ながら、初めてミュージカルさんに出させていただくので、聞いた時もお鍋やっていて、シイタケを腕時計の上に落としてしまったような、そんなびっくりだったんですけれども…気合を入れて心の底から楽しんで味わっていきたいです」

平原綾香と濱田めぐみ(左から)

また会見では、キャメロン・マッキントッシュからのコメント映像も流れた。コメントの一部をご紹介しよう。

「再び私の作品を日本で公演できることを嬉しく思います。今度は、ディズニーとの共作です。それは、マジカルで特別な作品、『メリー・ポピンズ』。以前からこの作品を日本で上演したいと思い、長い長い時間をかけて日本人キャストを選びました。ディズニーの生み出した素晴らしい映画とその音楽、パメラ・トラバースの原作もとても感動的な”家族”についての美しくも深い物語です。とても華やかでマジカルなミュージカルです。私はこの作品の成功を信じています。なぜならこれは”家族”の物語だから。メリー・ポピンズがある家族を救い去っていく姿を日本の皆さんもきっと愛してくれるでしょう。来年の春、どうぞお楽しみに!」

取材・文・撮影=五月女菜穂
 
公演情報
ミュージカル『メリー・ポピンズ』
 
<東京公演>
■会場:東急シアターオーブ
■会期:プレビュー公演 2018年3月18日(日)~3月24日(土)、本公演3月25日(日)~5月7日(月)
 
<大阪公演>
■会場:梅田芸術劇場 メインホール
■会期:2018年5月19日(土)~6月5日(火)
 
■公式ホームページ:http://marypoppins2018.jp
■公演に関する問い合わせ:ホリプロセンター 03-3490-4949
(平日 10:00-18:00 /  土曜 10:00-13:00 / 日祝・休)
 
■出演キャスト:
メリー・ポピンズ=濱田めぐみ/平原綾香
バート=大貫勇輔/柿澤勇人
ジョージ・バンクス=駒田一/山路和弘 
ウィニフレッド・バンクス=木村花代/三森千愛
バードウーマン/ミス・アンドリュー=島田歌穂/鈴木ほのか
ブーム提督/頭取=コング桑田/パパイヤ鈴木 
ミセス・ブリル=浦嶋りんこ/久保田磨希 
ロバートソン・アイ=小野田龍之介/もう中学生
*上記キャストはダブルキャストになります。
 
五十嵐耕司 石川剛 大塚たかし 風間無限 工藤広夢 斎藤准一郎 高瀬育海 田極翼 丹宗立峰  照井裕隆  長澤風海  樋口祥久  三井聡 武藤寛 
青山郁代 石井亜早実 エリアンナ 岡本華奈 工藤彩 熊澤沙穂 小島亜莉沙 髙田実那 中西彩加  般若愛実 藤咲みどり 
(50音順)

 

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