RUKA NIGHTMARE活動休止から1年、ソロプロジェクト・LSNと個人の2017年を振り返る

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RUKA(LSN、NIGHTMARE) 撮影=北岡一浩

――分かりました。そこからちょっと時間が空いて、12月にはニューシングル「LIMIT」をリリース。こちらはいつ頃作ったものですか?

『PSYCO KiLLERS』が終わってすぐに曲作りに入ろうと思って、予定をわざわざ開けてたんですけど。意外と暇でしたね(笑)。

――その頃に最近お気に入りだというグアムにも行かれてたんですか?

グアムはその前ですね。あ、その後も行ったか。本当によく行ってて。一人で行くぐらい好きなんですよ。

――そんなに!? 一人でグアムみたいな南の島に行って楽しいんですか?

楽しいし、落ち着くの。夏休み感を感じに行ってる感じですかね? すごく自分に合うんですよ。僕はせっかちだから、まず羽田や成田から3時間半で行けるのというのがめっちゃラクでいいんですね。で、グアムは空港からホテルまでも15分ぐらいで行けるから。もっというと、島も半日あれば回れる大きさだし。だから、行ってもいつものところでご飯食べてっていうだけなんですけど。

――ハワイじゃダメなんですか?

遠いし、高い。あと、なんか僕に似合わないというか。ハワイといえば芸能人みたいな古い考えがあるので(笑)。

――グアムだと?

近いし、安い。しかも僕、そんな長く居たくないんですよ。グアムでも2泊で飽きてくるんで。長く居るぐらいなら、2泊3日を月イチで行きたい。半年待って休みをためてドンっていう旅行は好きじゃないんです。

――日本にいるよりも、グアムに行った方が曲や歌詞のインスピレーションがわいたりするんですか?

ううん。まったく(笑)。

――曲作りのために旅行に行ったりする人もいるので、聞いてみたんですけど。

間違いなく僕は無理。ハワイとかグアムでは。ヨーロッパだったらわかんないけど。南の島でマイナー調の曲ができる訳がないじゃないですか。

――じゃあグアムに一人で行って、本当になにしてるんですか?

本当にただ飯食ってるだけ。あとは何も考えてない。曲とか歌詞は家で陰鬱な気持ちで書いてる訳ですよ。それを忘れたくて行ってるんで、曲なんかまったく出てこないです。

――分かりました。じゃあ今回の新曲は国産ということ?

いつも通りです。今回はPVを作りたいなというのが念頭にあって、まずそれで3曲最初に作ったんですけど。すべてボツになりましたね。なんとなく自分が気に入らなかったから。そこで途方にくれた僕が、いま持ってるストック曲をボツ曲も含めてShinobuさん(Creature Creature 、LSNサポートギター)に送ったんです。正直、いま自分が何を作っていいのか、それがいいのかどうかも自分で判断できなくなってたんで。煮詰まってたんでしょうね、きっと。

――その原因として、なにか思い当たるものはあるんですか?

分かんないけど……なんか変な緊張があったんじゃない? いまのメンバーになって初のシングルだしPVも撮るしっていうことで。

――ああ、なるほど。

それで「今回に関しては僕が煮詰まってて決められないから選んでもらったほうがいです」って投げたら、「LIMIT」がまず好感触で。あと「maze」、「Villain」が選ばれて。それを肉付けしていった感じです。

 

――「LIMIT」が生まれたとき、“これだ”という手応えはなかったんですか?

あんまなかったですね。Shinobu さんにも「なんでこれボツなの?」って言われて。最近ダメっすね、そういう判断ができない。「LIMIT」は完成してみたら自分でも“確かにいい曲だな”と思いました。NIGHTMAREのときもそうなんですけど、僕はいつも曲の完成形までは見えてないんですよ、作ってるときに。デモを作るときもベースとドラムとメロしか入れないんで。

――そこは咲人さんと対照的なんですね。

そう。肉付けするというのは僕の仕事じゃなかったんで。そこはいまも変わらないんです。だから、「LIMIT」もマスタリングデータが上がるまでいい曲だとは思わなくて。不安でしかなかったです。これでいいのか?って。僕いつもそうなんですよ。「PARTY」(2015年8月発売EP収録)とかもそうだったし。

――「LIMIT」はとってもRUKAさんらしさが出ている曲だと思いましたけどね。

だから最初に僕はボツにしたんだと思う。なんか反攻期というか、自分っぽさがないものを作りたくて。でも、Shinobuさんという一流シェフの手にかかって完成したものを聴いたら、いい曲でしたね(笑顔)。完成して、やっと愛し始めました、「LIMIT」を。

――「LIMIT」で一番愛しているところは?

サビのメロですね。一番最初にボツにしたサビのメロが、いまは一番好きです。でも、今回の3曲のなかでは、僕は「Villain」が一番好きなんですよ。

――じゃあ「Villain」の話からしましょうか。

そうですね。最初作ったときは今回の3曲のなかで一番駄作だと思ってたんですけど、全員の演奏が入ったらまったく変わりました。普通に聴いててカッコいい。こういうタイプの曲を作ったことがなかったから、“激しい曲”と言われるものの幅が広がった気がする。やっと。激しい曲っていうと、前のアルバム『≠』(2017年4月発売)で言う「かみさまのいうとおり?」とか、『BELIAL』(2013年10月発売)に入ってる曲たちとか。あれらは単純に激しいなって感じるんですけど。「Villain」のオープニングだと、そんなに激しいとは感じないじゃないですか?

――そうなんですよ。

そこが、自分のなかで激しさの幅が広がったなっていう気がしてるんです。あと、2回あるサビのメロが2回とも違う。そこもすごく気に入ってる。あとね、sugi(Sugiya/Ba)さんのチョッパー! これがめちゃくちゃカッコいいんですよ!

――あそこのプレイはRUKAさんがリクエストしたんですか?

sugiさんがガンガンに前に出て演奏してるのを僕が見たくて、「どうしても入れてください」って言って入れてもらいました。

――テクニカルなプレイヤーですよね?

ウチの下手(しもて)2人はとくに。上手さが変態的です(笑)。

――ベースがうまいと、それに引っ張られてドラミングも変わるんですか?

あのね、正しいかどうかは分からないんですけど、上手すぎて、俺はベースの演奏を聴く必要がないんです。すべて俺に合わせてくれるから(笑)。

RUKA(LSN、NIGHTMARE) 撮影=北岡一浩

――なるほど。では「LIMIT」の話に戻って。<すべては絵空事>と言い切ったフレーズが印象的なこちらの歌詞は、どんなとっかかりから書いていったものなんですか?

見てるものすべては絵空事なんです。そこには、大前提として“仕方がない”というのがあって。誰が悪いわけではないんです。みんなそんなものなんだよという話をしたくて書きました。

――SNSの世界とかも、そうですよね。もちろんいい面もあるんですよ? でも、使い方次第では真実じゃないことがあたかも真実のように思われてしまったりする訳で。例えばバンドの話でいうと、A君とB君というバンドマンがいて、A君は無口であまり自分のことを書かないタイプ。逆にB君は「今日は取材でした」、「最近はやることが多くて忙しすぎ」とか頻繁に書き込みをして、自分のことをアピールするタイプだとします。SNS上でみんなに支持され、信じられるのはB君なんですよね。本当はA君のほうがすごい過密スケジュールで頑張っていたとしても、表に発信しない以上“この人は暇なんでしょ?”とSNS上では思われてしまって。こうして発信の仕方次第で本当のことがなんなのかさえ変わってしまう訳ですから。

そうですね。あれなんかは、わかりやすいですよね。理想の自分を演出できますし。実際と違ってもなんら構わないですしね。

――まさに絵空事なんですよね。だから、ある意味怖い面を持ったツールなんですよ。そういうことも踏まえて、今回のシングルはSNS社会、ユーザーに対してRUKAさんなりに警告を鳴らしているのかなと感じました。でも、RUKAさんもツイッターはやられてますよね?

僕の場合は、ほぼ告知の場ですね。僕は一言呟くのもかなりの精神力を要するので呟くことが少ないんです(笑)。

――なるほど。それはRUKAさんなりにいろいろ考えて呟いているということですよね。自分の本音とつぶやき、どんな距離感で考えてらっしゃいますか? ここではあまり本音は書かないようにしようとか……。

もちろん書くこともありますよ。素直に嬉しいと思ったこととか。ただ、疑問に思うこととか、個人的な思いは書かないようにしたいとは思いますね。受け取りかたも人それぞれですし。

――そうですね。では「LIMIT」のMVの見どころは?

赤と青の交差。動脈と静脈とか。最初にイメージしたのはそれですね。あとは天井からのカットは入れたいとお願いしました。