SMPと北欧の作家による『北欧ライティング・キャンプ2017 in JAPAN』をレポート
11月上旬、ソニー・ミュージックパブリッシング(SMP)が自社の専属作家と北欧(フィンランド、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、アイスランドの計5ヵ国)の作家との『北欧ライティング・キャンプ2017 in JAPAN』(以下、北欧ライティング・キャンプ)を開催した。
『北欧ライティング・キャンプ』は、Nordic Music Export(NOMEX)が主催する『北欧MUSIC FEST』にあわせ、SMPとNOMEXが共同で取り組んだ今年で4回目の試み。
今回は、ライティング・キャンプと、リスニング・パーティーの様子をレポートする。
ライティング・セッションとは?
ライティング・セッションとは、作家(プロデューサー、トップライナー、シンガー・ソングライター)が3人1組または2人1組でチームを組み、限られた時間の中で楽曲を制作する作業のこと。
セッションで作られた楽曲は、レコード会社のA&R(アーティストの育成、制作部門)やアーティストの所属事務所などに提案される。その後、クライアントと細やかなやり取りを重ね、楽曲の採用に向けてブラッシュアップを行っていく。
『北欧ライティング・キャンプ』では、日本人の作家15人と、北欧の作家6人が混合チームを組み、2日間に渡りキャンプが行われた。1日ごとにチームが変わるため、提示されたお題に対して作り上げるまでの時間はわずか1日(朝11時スタートなので実際は1日もない)。加えて、基本的にはコミュニケーションは英語となっている。
朝11時、自己紹介もほどほどに、お題に対して自分の得意分野を活かしながらブレストのような形でアイデアをぶつけ合い、生楽器や、PCとキーボードなど、それぞれ得意のスタイルでキーになるメロディなどを探っていく。大枠ができてからは、お互いに作業を分担。チームとして意見を出し合いながら、作業を分担して素早く楽曲を仕上げられるのはライティング・セッションならではの醍醐味だ。
J-POPのメロディに北欧のエッセンスを加えたり、日本にも北欧にも収まらない楽曲が生まれたりと、さまざまな化学反応が起きていた。
リスニング・パーティー
2日間のライティング・キャンプを終え、最終日には各チームが制作した楽曲をお披露目するリスニング・パーティーも開催された。
この日、お披露目されたのは、10チームが作り上げた計12曲。どれもすばらしい作品に仕上がっており、完成度の高さから、その場でライブパフォーマンスが行われる場面も。
国境を越えて作曲家が交流し、新しい音楽が生まれる。『北欧ライティング・キャンプ』は、日本の作家、北欧の作家のそれぞれに新しい刺激を与えていた。今後、『北欧ライティング・キャンプ』から生まれた楽曲がアーティストに採用され、世の中に出ていくことが期待される。
DAY1、DAY2のチーム紹介
■11月8日(DAY1)
URU(Producer)、Auðunn Lúthersson(Top-Liner/Singer)、Ucca-Laugh(Top-Liner/Singer)
Antti Hynninen(Producer)、David Myhr(Top-Liner/Singer)、NICE73(Top-Liner/Singer)
STUDIO APARTMENT(Producer)、Neya(Top-Liner/Singer)
Kim Edward Bergseth(Producer)、Mayu Wakisaka(Top-Liner/Singer)
千葉“naotyu-”直樹(Producer)、Eva Louhivuori(Top-Liner/Singer)、山本加津彦(Producer/Top-Liner)
■11月9日(DAY2)
福田貴史(Producer)、Neya(Top-Liner/Singer)、田中明仁(Top-Liner/Singer)
Antti Hynninen(Producer)、Eva Louhivuori(Top-Liner/Singer)、大塚剛毅(Top-Liner)
TOMOKO IDA(Producer)、Auðunn Lúthersson(Top-Liner/Singer)、Mayu Wakisaka(Top-Liner/Singer)
Kim Edward Bergseth(Producer)、丸谷マナブ(Top-Liner)
本山清治(Producer)、David Myhr(Top-Liner/Singer)、TAKUYA(Producer/Top-Liner)
Photo & Text by 砂流恵介
https://smpj.jp/