Kalafina 聖なる夜に響かせた"暗闇の先にあるちいさなヒカリ" 2017最後のライブレポート

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2017.12.29
Kalafina 撮影:キセキミチコ

Kalafina 撮影:キセキミチコ

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2017.12.23(SAT)
“Kalafina with Strings” Christmas Premium LIVE 2017 
Bunkamuraオーチャードホール

怒涛に満ちたKalafinaの2017年が終わった。

今年はデビュー9周年ということで行われた『Kalafina “9+ONE”』ツアーだけではなく、世界遺産日光東照宮や奈良興福寺でのライブなど、1年中あらゆる所で彼女たちは歌い続けた。10周年を前にした9周年を最高のものにするというKalafinaの試みはこのクリスマスライブで一旦の終了を迎える。この日聖なる夜に歌を響き渡らせれば、いよいよ10年目が目の前に現れる。

会場となったBunkamuraオーチャードホールは超満員。当日券を求める列も出ていたが、詰めかけた観衆は優しく微笑みながら開演を待つ、昨年のクリスマスライブもこのBunkamuraオーチャードホールでレポートしたが、相変わらず天井が高いこの会場はまるでヨーロッパの大聖堂のようにも見える。静かに会場が暗転し、今野 均StringsとPiano 櫻田泰啓が着席、チューニングする一音一音ですら儀式のように感じる中、豪奢なドレスに身を包んだKalafinaが現れた。

花をあしらったドレスはそれぞれ薔薇や百合、カーネーションのようにも見える、会場のセットも相まってどこかにある秘密の庭のよう、さあ音楽が始まる、あとは彼女たちに委ねるだけだ。

Wakana 撮影:キセキミチコ

Wakana 撮影:キセキミチコ

一曲目「dolce」、そして「we wish a merry Christmas」というクリスマスにちなんだカバーナンバーからライブはスタート。MCではWakanaが「11月からアコースティックライブを続けてきましたが、今日の音楽を楽しんで頂けたらな、と思っています」Keikoが「今日だけの言葉を探して、見つけたいと思っています」とコメントをすると、Hikaruは「二日目!……って、チョット今リラックスしたでしょ?」と軽く笑いを取る。どこか会場の雰囲気に飲まれていた客席の温度が一気に暖かくなる。そう、今日は折角のプレミアムライブ、固くなっているよりはゆったりと音楽に浸っていたほうがいい。

とはいえ、MCを挟んだ後のKalafinaは怒涛のようだった、切なく歌い上げた「sapphire」、悠久の大地を蠱惑的に歌い上げた「sandpiper」で一気に世界観を変えていく。代表曲である「Magia」、そこから続けて披露された「blaze」でのHikaruの歌唱は凄かった。魂をぶつけるように歌い上げる彼女は鬼気迫るほどの熱唱。今のKalafinaに血を与えているのは確実に彼女だ。

Hikaruが血液だとしたら、それを運ぶ心臓はWakanaだろう。「私たちの歌はあなたに何を与えられるでしょうか」と語った彼女が歌う「oblivious」は神々しくも訥々と心につき刺さり、アコースティック用に新しく作られたアレンジが今までのこの曲になかった一面を見せてくれる。血と心臓があるのなら、それを司る脳はKeikoだ。「できれば歌った後にMCしたくなくて、みなさんと曲の余韻に浸っていたいんです、今日はなかなか抜けないな……」と興奮気味で語る彼女が真ん中にいることで、Kalafinaは奇跡的なバランスを保ち続けている。

Hikaru 撮影:キセキミチコ

Hikaru 撮影:キセキミチコ

続けて披露された「seventh heaven」「カンタンカタン」「Lacrimosa」を聞いて思ったことは、2016年のクリスマスライブとはちょっと空気感が違うということだ。

2016はどこかクリスマス感が強いというか、暖かな空気感の中で進行していった印象がある。では2017はどうか? うまく言葉にするのは難しいのだが、どこか観客にKalafinaが問いかけてくるような印象があった。

2017年のKalafinaは先述のように沢山の会場で、沢山の人達に向かって自分たちの音楽を発信し続けてきた。それは本当にハードな道のりだったのだと思う。その全てを乗り越えてきた彼女たちが年の瀬の最後に「私達の一年はどうでした?」と聞いているような気がしたのだ。それくらい自信を内包した熱量だった。アコースティックだからといって、ただ静かなだけではない。Kalafinaの音楽はそんなに短絡的ではないのだ。

しかしそうは言っても時は12月23日。歌われる曲によってガラリとその風景を変えるのも、Kalafinaの音楽の旅の楽しみ方。「In Dulci Jubilo」「deck the halls」「Jingle Bells」とクリスマスソングを聞けば心も動き出す、配置されたオブジェが赤の光を放ち、緑に照らされるその姿はまるでクリスマス・ツリーのよう。

Hikaruが水を飲んでいる間にKeikoが「あの大塚愛さんの曲で踊るお笑いの人なんだっけ?(にゃんこスター)私クールポコさんでお笑いの人って止まってるんですよ」と繋ぎで笑いを取る瞬間も。シリアスに歌に向かいながらも、一つ喋ればそのチームワークの良さが垣間見れる。この緩急もKalafinaの魅力の一つ。

Keiko 撮影:キセキミチコ

Keiko 撮影:キセキミチコ

「今日は今日の気持ちを歌いたいと思います」とHikaruが言って歌われた「花束」、目を閉じれば草原の夜空が浮かぶような「満天」、激しさに内包した切なさを見事に表現した「百火撩乱」を披露し、「百火撩乱なんかはパワーボーカルの曲なので、アコースティックだからよけい3人の声が重なるんです」とKeikoが語る。筆者がライブを見てきたこの数年間だけでも、確実にKalafinaの声の音圧は上がっていると思う。

そして「違う光の景色を歌っている曲です」と言われ放たれたのは「ひかりふる」「光の旋律」「into the world」の三曲。確かにどれも違う光を歌った曲だが、その真ん中には3人がいる。人にとってはKalafinaという存在は、優しく差し込む木漏れ日にも、眩しくギラつく真夏の太陽にも、暖炉の炎のような温かい光にも感じるだろう。

自分は今、Kalafinaをどういう光として捉えるんだろう? 曲を堪能しながらふと思い、心に浮かんだのは“暗闇の先に見えるちいさなヒカリ”だった。9年間を走り続けた彼女たちは常にその先にある“ちいさなヒカリ”を目指していたのかもしれない。その渇望や音楽に対する愛があるからこそ、その歌は人の心を打つ。ヒカリを求めた彼女たちは気がつけば優しい光そのものになっていた。その輝きに癒やされるものや、希望を持つものたちが居る。アーティストとして正しくKalafinaは進化している。

「今日で15公演目、色んな場所に行かせていただきました」というWakana、これまで何曲の歌を歌ってきたのだろうか、いくつの音を表現してきたのだろうか。全てが彼女たちの経験値だ。

「Winter Wonderland」、そしてアンコールとして「snow falling」と冬の曲を披露、勿論お馴染みHikaruによるグッズ紹介のトークコーナーも健在だ。Hikaruの会話を聞いているWakanaとKeikoが、とても楽しげにしているのが何時も印象的だが、この日も楽しげに話を聞く二人はまるで仲良し姉妹のようにも見える。

2017年最後にKalafinaが歌うことを選んだのは「have yourself a merry little Christmas」素晴らしいクリスマスを! そう歌で伝える彼女たちは、いよいよ10年目のその瞬間を迎える。暖かな音楽を胸に抱きながら、共にその瞬間を迎える喜びを伝えるために。心に光を携えて、我々は武道館に向かうのだろう。

撮影:キセキミチコ

撮影:キセキミチコ

ライブ終了直後のKalafinaに今年最後のインタビュー

――2017年歌い納めましたが、今年はどうでしたか?

Wakana:本当に毎月毎月歌を歌わせて頂いて、今年が9周年ということで10周年を前に今までを振り返るということが多かった年でした。2つのツアーをすることができて、3人で一曲一曲について改めて考えて、そして来年につなげていこうと思えたとても濃厚な一年だったので、楽しかったです。

Hikaru:私は“向き合う”ということを自分のテーマにしていたので、本当にいろんなことと向き合いましたね。お客さんもそうですし、自分とも向き合えたというか。私にとって今年は年齢的にも節目の年だったので、歌に対しての向き合い方なんかを自分の中で少しずつですけれど、納得できる形に少しだけ、一歩進めることが出来た一年でしたね。

Keiko:何よりもこの一年は二人にハーモニーを重ねるのが凄く楽しくて、今日はその楽しさを目一杯感じようとしていました。心の響き、隣で聴こえてくる体温の響き、鼓膜で感じる響き。二人の声をたくさん感じながら、自分の体の一部のように大事に歌うことが出来て、今年の歌い納めが一番メンバーの声を感じることが出来たので、素晴らしかったですね。

――本当に色々な所で歌われてきた一年だったと思いますが、今年の総括と来年に向けて一言いただければ。

Wakana:そうですね、やっぱり去年に続いて歌うことについて凄く考えた一年だったんです。今年は笑顔で楽しく歌えたかなと思うので、それが自分にとっては一番の音楽なんじゃないかなと。来年も笑顔の年にしたいと思ってますし、音楽は私たちにとって、ハーモニーというものにも、"3人で一つ"ということにもつながるものなんですけど、やっぱり"Kalafinaにとっての音楽"というものを考えて、大事にしていきたいと思っています。

Hikaru:今年一年、皆さんのお手紙やメッセージ、SPICEさんの生放送のTwitterのコメントなんかを見て、本当に力をもらって進んできた一年でした、来年はその力をギュッと凝縮して、全部放出できるくらいの力で走りたいと思います。

Keiko:歌いはじめの周年ライブで、"お客様のことを考えた一年に"と伝え、どれだけできるかなって思いながら始めた一年だったんですけど、沢山のお客様が待っていてくれているということと、これだけお客様の声を聞きながら活動ができたのは今年が初めてだったんです。目一杯皆さんを感じることが出来た一年でした。その思いを更に武道館で皆さんに届けるので、ちゃんと心と体を整えて、皆さんに会いたいです。

――1月23日の10周年ライブ、そして僕たちSPICEの『Songful days』にもご出演頂きます、楽しみにしていますので!

Kalafina:私達もです!ありがとうございました!

インタビュー・文:加東岳史 撮影:キセキミチコ

セットリスト
2017.12.23(SAT)“Kalafina with Strings” Christmas Premium LIVE 2017 
Bunkamuraオーチャードホール


01.dolce
02.we wish a merry Christmas
03.sapphire
04.sandpiper
05.Magia
06.blaze
07.oblivious
08.seventh heaven
09.カンタンカタン
10.Lacrimosa
11.In Dulci Jubilo
12.deck the halls
13.Jingle Bells
14.花束
15.満天
16.百火撩乱
17.ひかりふる
18.光の旋律
19.into the world
20.Winter Wonderland

<Encore>

En2.snow falling
En3.have yourself a merry little Christmas

 

イベント情報
SPICE (powered by e+) presents Songful days —次元ヲ紡グ歌ノ記憶—​
 
【日程】2018年3月3日(土)
【時間】OPEN16:00 / START17:00
【会場】両国国技館
【出演】Kalafina / May’n ... and more(五十音順)

【料金】
アリーナ指定席:12,960円(お土産付き)
枡指定席:8,640円
スタンド指定席(A):8,100円
スタンド指定席(B):7,020円
※料金は税込価格です。
※枡席は2名掛けを予定しており、ゆったりご覧いただけます。

【主催・企画】SPICE/e+(イープラス)
【制作】SPICE/ユニオンマスターエンターテインメント
【協力】キョードー東京 
【チケットスケジュール】
▽各アーティストFC先行抽選受付:12月15日(金)正午~12月25日(月)23:59
▽SPICE読者先行受付:12月28日(木)13:00~1月8日(月・祝)23:59
▽海外旅行者向けインバウンド受付:12月28日(木)13:00~ http://eplus.jp/ib-songfuldays/
▽一般発売:2018年1月27日(土)10:00~
▶イベントURL:http://eplus.jp/songfuldays/

 
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