ロックンロールで富と名声を――ザ・スロットルが新たに掲げる“ファミリービジネス”とは

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2018.1.10
ザ・スロットル 撮影=Shoichi Aoyama

ザ・スロットル 撮影=Shoichi Aoyama

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大学でジャズを学んでいた仲間同士が、エンターテインメントの世界で富と名声を手にするべく結成したザ・スロットル。まずは掴み、と往年のロックンロール・スタンダードを中心に繰り広げた路上ライブの数は、2013年からの3年間で2500本以上。そこでのパフォーマンスが話題を呼び、2016年9月にアルバム『LET'S GO TO THE END』でメジャーデビューを果たす。全編一発録り、路上叩き上げのロックンロールたる美学を継承しつつも、ガレージやハードロック、サイケやプログレにまで突っ込んで、オリジナルな折衷感覚を発揮した前のめりなサウンドが印象的だった。
そして彼らは2017年12月に1年3カ月振りとなる2ndアルバム『A』をリリース。驚くなかれ、1曲目はなんとヒップホップ。“NEW SAMURAI ROCKN'ROLL”を掲げるバンドがなぜ?
ポイントはロックンロールバンドがヒップホップをやったことではなく、そのサウンドや歌詞が“単純明快”であること。路上を入り口として、そこからよりディープな世界に引き込もうとした前作までの流れを、仕切り直したかのような、ザ・スロットルなりのキャッチーさにある。新たなスタートとしての潔さが詰め込まれた全6曲に懸ける思いについて、メンバー全員に語ってもらった。

――3年で2500本以上の路上ライブを経て、2016年9月にリリースした1stアルバム『LET'S GO TO THE END』から今作『A』までの1年と少しの期間について、振り返ってみてどう思われますか?

高岩遼(Vocal):壁にぶちあたりましたね。伝統的なロックンロールをガーンッってやって高岩が踊る。そういうザ・スロットルがネット社会において広く知れ渡っていたり、知れ渡っていなかったり。

――もともとは大学でジャズを専攻していたメンバーが集まって、メイクマネーする方法を考えた結果、ロックンロールを選択した。それはジャズやブルーズがあってロックンロールが生まれた1950年代の流れに近いものがあるという話は、前回のインタビューでも大きなトピックでした。そこはひとまず成功したのではないですか?

高岩:路上をやることの原動力は、ジャズだと食っていけないとか、そういう悔しさだったわけですけど、その次に金。じゃあ金を稼ぐにはどうしたらいいのか。3コードのロックンロール、ようするに、わかりやすいパフォーマンスをやろうって。

――そうですよね。

高岩:でも、ザ・スロットルはそういう文脈のロックンロール/ロカビリー・バンドだっていうイメージが定着しすぎたんです。俺らはもっとフリーキーに「稼ぎたいからそういうことやってんだ、ウケるねお前ら」くらいに思われる感覚だったんですけど。

熊田州吾 (Guitar):路上ライブはすごく嫌だったんですけど、ある種の精神安定剤だったような気もします。それをやってるうちは許されるというか、なにか一つ進んでいる気がしているというか。客さんにも、少しずつ伝わっているという感触もありました。でも、それだけだとただの路上パフォーマーになっちゃう。だからどこかで止めるつもりでずっとやってたんですけど、実際はそこで統率をはかってたんですよね。

――メジャーデビューアルバム『LET'S GO TO THE END』は、路上で披露していたロカビリーやスウィングだけでなく、ガレージやサイケ、プログレッシブといったさまざま要素を、独創的に融合した攻撃的な作品でしたが、そのスタイルが伝わった感触はあまりなかったのですか?

成田アリサ(Drums):路上でやってたことが技術的にも精神的にも沁み付いていたから、そこまでの私たちが好きな人たちに「今はこんな音楽やってます」って提示する方法もわからなかったんです。でも、今回の『A』を作ったことで、次はどうやって進んだらいいか、ようやく見えてきてスッキリしました。

――1曲目の「Rock This Town」はまさにそういう曲だと思いました。一言でいうとヒップホップなんですけど、かつて一大エンターテインメントとして隆盛を誇った、ロックンロールの明快な華やかさと現代の接点という意味では、『LET'S GO TO THE END』よりもはっきりとしたものを示すことができていると思います。

高岩:作曲自体は単純明快なブルーズ。なおかつ(作曲アプリの)ガレージバンドで作ったものなんです。いかにミニマムな状態でやるかがテーマで。メッセージもいたってシンプル。

――はい。

高岩:<One for the money, two for the show, three for a lady>って歌詞があるんですけど、、これは1950年代のロックンロールによく使われていた言葉で、ヒップホップでもベタな定型文なんですよ。

――その言葉については、まさに触れようと思ってたんです。

高岩:そういう繋がりがあったうえで、いまヒップホップが流行ってて渋谷がどうだとか、そういうムーヴメントは大好きだからいいんだけど、「別にやれっからね。ざまあみろ」っていうくらいのアンサーですね。あとの歌詞にも出てくるジャンル分けに対してどうこうとか、そういうこともあるっちゃるんですけど、やっぱり「やれっからね」に尽きる。

――古くはブルーズ/ロックンロールの時代からあって、今は広く音楽における常套句。だから、そもそもメンバー全員の共通言語としてジャズがあって、1950年代に発するロックンロールを軸に据えつつ、あくまでも“2018年のエンターテインメント”を提案するザ・スロットルがヒップホップをやっても違和感はない。

高岩:まさに、そういうことですね。

――今はあくまでザ・スロットルの高岩さんではありますが、SANABAGUNでヒップホップの現場はお持ちですし、それをを「やれっからね」と言わなくても、わかる人はわかるとも思うんですが、それについてはどうですか?

高岩:そうですね。でもテンションとしては「これ、かっこよくね?」くらいの感じ。そういうノリやサウンドは、俺のやってきたことのなかでは新しいんです。

――もう少し詰めたところを訊きたいです。SANABAGUNや今ブームになっているヒップホップと差別化する意識はありましたか?

高岩:そこはめっちゃありました。ザ・スロットルは“ファミリー感”なんですよ。ドープでいてはいけないことが逆にドープみたいな。SANABAGUNには、言いたいことがわかるようなわからないようなニュアンスで歌詞を構築していくユーモアがあると思っていて、でもそれをスロットルでやっちゃダメ。例えば“ニンジンの切り方”みたいなタイトルの曲があったとして、それにたいして比喩的に表現するのがSANABAGUNだとすれば、ザ・スロットルはそれをマジで説明するくらいじゃないと。「Rock This Town」っていうタイトルもそうで、ストレイ・キャッツの代表曲にそれがあることはわかってるし、「2017年版日本からの「Rock This Town」、これでどうっすか?」くらいの、そういうわかりやすさですね。

ザ・スロットル 撮影=Shoichi Aoyama

ザ・スロットル 撮影=Shoichi Aoyama

――サウンド面におけるもっとも大きな変化は、飯笹さんが加入されてシンセの音が入ったことですが、「Rock This Town」をやることになった時はどう思われましたか?

飯笹(Machine):これが最初に取り組んだ曲だったんですけど、路上を観に行ってたときのイメージをもとに、自分が入って何ができるか。ある程度頭のなかで考えていたことが、すべてぶっ壊されました(笑)。

成田:ごめんなぁ(笑)。

熊田:ロックンロールにはハモンドオルガンが合うとか言ってたよね。

――普通はそう考えますよね。

飯笹:でもいい意味での裏切りだったと思ってます。

――同じく新加入の菊池さんは入ってみてどうでした?

菊池藍(Bass):僕はジャズが好きで、ジャズ・ミュージシャンとしてずっとやってたんです。だから遼や州吾がロックンロールをやってることにたいして、「なんでジャズやんねえんだ」って思ってました。

――前回のインタビューでは、保守的なジャズマンへの歯痒い思いも話されていましたが、菊池さんはまさにその対象だったわけですか?

高岩:大学からの友達で、俺がジャズやるときは一緒にやってたんで、彼個人にどうこうというわけではないですけど、まあそうですね。

菊池:最初に路上を観に行った時はひやかし気分だったんです。それこそあとで「ロックンロールなんかやっちゃってさ」くらいに言ってやろうと思ってたんですけど、ジャンルを飛び回って大暴れする高岩がめちゃくちゃカッコよくて衝撃を受けました。

――例えばマイルス・デイヴィスやハービー・ハンコックのような、旧来のジャズに捉われないアーティストたちのことも、知識としてはありましたよね?

菊池:マイルスもハービーも、好きな年代は狭くて、それ以外は好きじゃなかった。そういうこともそこで悔い改める結果になりました。ジャズとかロックンロールとか、ジャンルじゃなくて“音楽”でいいんだって、考え方が変わりましたね。そのあとザ・スロットルのCDも買って、追っかけくらいの気分でいたら、入ることになって(笑)。

高岩:コントラバスのケースに、ザ・スロットルのエンブレム貼ってますからね。

菊池:とはいえ、なんとなく“ロックンロール”っていうイメージはあって入ったら、最初に持ってこられた曲が「Rock This Town」で。さすがに一瞬「え?」ってなったけど、まあ納得。彼らならやりかねない、やっぱりおもしろいバンドだなって思いました。

――そこから2曲目は「Get Ready」。「Rock This Town」でヒップホップがきてからの4つ打ち。シンセベースの音にも引っ張られて、次はディスコ?と思わせられたんですけど、これが異様な迫力とスリルのあるダイナミックなロックで。

熊田:曲順は狙ってなかったんで、なるほど。骨組みとしては『LET'S GO TO THE END』の流れを継承する曲。あのアルバムは、今現在では伝わり辛いものだったのかもしれなかったですけど、ちゃんとクリエイティブなことをやってるんです。そこがもっと伝わるように、ミニマルな展開にしました。ザ・スロットルは放っておくとプログレッシブな方向にいっちゃうんですけど、そうではなくて、ずっと同じことを繰り返すっていう。

――ドラムは、手足の動きだけで言えばちょっとかじったら誰でもすぐできちゃうものなんですが、極めてシンプルなだけに、逆に難しかったんじゃないかと。

成田:そうなんですよ。4つ打ちをひたすらキープするってことをやってるんですけど、そこでの気持ち良さを表現するのはなかなか大変でした。

――そして3曲目の「You Can Make It」は唯一“路上のザ・スロットル”と直結するナンバー。

高岩:わかりやすいロックンロール感も忘れたくなかったから作った曲。でもこれは、今まではやってこなかった反則技を使ったんです。コード進行とか、自分たちのなかで禁じ手だったことを思いっきりやってます。

――どういうことですか?

高岩:ダサい!

飯笹:なんてシンプルな答え(笑)。でもそうだよね。ダサい。

高岩:歌詞も「北と南別れた」とかこれまではやらなかった。でも、さっきのニンジンの話じゃないですけど、そういうわかりやすさが重要なんです。新たな出発点として明確に見つかったやりたいこと。そういう意味での『A』というタイトルでもあるんで。

――正直に言って、不快感ではなくて「ダサい」って思いました(笑)。

高岩:俺らがやってんだからギャグとして捉えて欲しいなっていうか。加えて意外とアカデミックなこともしてるし、ヒップホップ的なスラングも入ってるし、高岩節、ザ・スロットル節がいろいろと。

――次の「LA」は「Rock This Town」のヒップホップとはまた違ってダルで不良っぽい。

熊田:作曲は俺と遼で、最初はバンドでもっとガヤガヤしてたんですけど。

飯笹:打ち込みにしようって、俺と遼でアレンジしたんです。

高岩:ちょっとヒップホップのウェストコースト、ウェッサイな感じにしようと。

熊田:180度変わってたんで、俺が作ったのにまず理解することから入らなきゃいけないっていう(笑)。

――続く『Horror』は80年代ポップの香りがするナンバー。タイトル通り、ホラーでコミカルなシンセのフレーズに4つ打ちのビート。全体的にチープな質感に、高岩さんの男臭い色気のマッチングがかなり独特で。

菊池:これは僕が作ったんです。

――いちばん保守的だった人がまた……。

菊池:マイケル・ジャクソンの「Thriller」に触発されて、最初はコード進行だけを持っていったらどんどん料理されて。

――もはやダサいとかカッコいいとか、そういう次元の話じゃないというか、ここまできたら何がなんだか。

高岩:いえ、超ダサいですよ。

ザ・スロットル 撮影=Shoichi Aoyama

ザ・スロットル 撮影=Shoichi Aoyama

――で、最後の「It's Alright」。もうはっきり言っちゃいますけど、これまたダサい。90年代にオルタナティヴロックの波がきてからは、化石のように扱われた80年代のスタジアムロック/ハードロック感。

高岩:これは『A』の制作を最後に脱退した向後さんの作詞作曲で、イメージの参考になるアーティストとして言ってたのはU2。彼がスロットルでいちばん最後にやりたかったことでもあり、スロットルにいちばん合うと思っていたことなんです。

――私が皆さんに「ダサい」って冗談で言えてる時点でカッコいいんですよね。80年代のスタジアムロックやハードロックが文脈的にダサいっていう概念は、20代と30代あたりを境に、もう切れていると思うんです。そんな仕分け以前に、近年はロックそのものが商業的きつくなってますし、YouTubeやストリーミングサービスの普及で、いろんな時代のいろんな音楽がフラットに聴けるようになってますから。なにをやったっていい。そこで、そういうテイストを選択しているザ・スロットルは新鮮でクールだと思いました。

高岩:なるほど。言われてみると、そうかもしれませんね。

――かたやヒップホップが熱いとか、国内のバンドの世界で、フェス向けだとか、シティポップとかインディーとか、“今なにがカッコいいか”みたいな情報は、みなさんのところにも否が応でも入ってくるわけで。そのなかでザ・スロットルはなにをやろうとしているのですか?

高岩:服も音楽も真似や憧れでスタートするわけですよ。このシャツだってアメリカだし、ロックだってアメリカやイギリスの文化。それが日本というフィルターを通って、ある種ガラパゴス化したシーンだったり、メディアだったり、そこでのメイクマネーの方法だったりが存在する。

ザ・スロットル 撮影=Shoichi Aoyama

ザ・スロットル 撮影=Shoichi Aoyama

――はい。

高岩:そこで、誰かみたいになりたいからやるっていうのはパクリだって、発足したときから思ってるんです。俺らが掲げている“NEW SAMURAI ROCKN'ROLL”っていうのは、新しいことをやりたいってこと。ヒップホップにしても、アメリカからきたトラップっぽいことをやってる奴がいて、でも実はさらにひとつ向こうの韓国のほうが盛り上がってて――みたいな、そういうところにはいたくない。

――トラップは嫌いじゃないけど。

高岩:ぜんぜん嫌いじゃないです。でもやらない。ロックも今そういう流れがきていると思っていて、これから流行ってくると思うんです。で、海を渡ってきたものを「じゃあ俺らこれやります」ってなったら、向こうの人は「お前なんなの?  〇〇のパクリじゃん」ってなるじゃないですか。そこに「俺ら日本人で君らの音楽が好きで」って返した時点で、そいつらは越えられない。

――影響源として海外のものはあれど、その“今”を模倣したくはない。自分たちのオリジナルで流行りを作りたいということですか?

高岩:簡単に言えばそういうことですね。だから今回のアルバムのイデオロギーとしてあったのは、皮肉と自分らのエゴがちょっと。だから「よくわからない、なんなのこれ?」みたいな印象はすごく嬉しくて。

――皮肉とエゴ、腑に落ちる言葉です。ザ・スロットルの音楽って、過去や今に対するパロディーというか、そこを踏まえてわざと外すというか、でもいたって大真面目でリスペクトもある。そこにバンドとしてのオリジナリティをぶつけているような印象はあります。

高岩:バカにしてるわけじゃなくて、ガチなんですよ。一つひとつの曲作りにしても、「Rock This Town」のビデオもそう。渋谷の街を100人くらいで歩くっていう、ほんとに昔ながらのラッパーみたいな。そういうカルチャーが好きで、本気で研究してやるからおもしろいんですよね。極上のギャグをお股広げて見せてやったみたいな。

熊田:今流行っていることは、やろうと思えばできなくもない。元来あったものはどこかにやり方が載ってるから。とはいえ、俺らがそうやれば結果を出せるのかは話は別だし、大変なことだと思う。否定をするつもりは全然ないし、それでかっこいい人たちもいっぱいいますし。でも、ここまできたらザ・スロットルにそういう要素はいらないのかなって、思います。

成田:今回は音楽的なテーマというテーマがなかったんです。ザ・スロットルのフィルターを通して何がわかりやすいのかってことを考えました。だからギャグっていえばギャグかもしれないけど、とにかく真剣でしたね。

ザ・スロットル 撮影=Shoichi Aoyama

ザ・スロットル 撮影=Shoichi Aoyama

――ポップであることと同時に、既存の枠にはまらないチャレンジもユーモアも大切にする。結果、オリジナルなキャッチーさを持ったザ・スロットルの新しい旗が、世の中に向いて立っていると思いました。

高岩:めちゃくちゃ嬉しいんですけど、ほんとうは『A』みたいなのじゃなくて「もっとトゲのあることをやったほうがザ・スロットルはカッコいいからやろうよ」っていう話もありました。でも、このギャグを作るのに俺ら一銭も出してねえ、ビクターが出してるってのがまずウケるなって、そんな感じですかね。

――音楽や芸術はお金を出してくれる人がいて食っていけるようになる。そこを、そんなふうに言えることもまた、本気でやったからこその極上のギャグ。

高岩:パトロンたくさんいますよってね(笑)。

――最後に、ここまでの“真似はしたくない”という話を踏まえたうえで、それでもあえて訊かせていただきます。極上のギャグセンスを以て、理想のミュージシャンを挙げるとすれば?

熊田:難しいな。なんだろうな。俺はギタリストなんで、ブライアン・メイとかスティーヴ・ハウとかめっちゃ好きなんですけど、キャラクターとしてはモーリス・ホワイトですね。ちょっとアホっぽくて脇臭そうだけどかっこいいなって。すごく憧れてます。

成田:私は「ロックンローラーだし、ドラム3点バリバリやるっしょ」みたいな感覚でいたんですけど、マシンも入って自分も電子パッドを使うようになったことが大きかったです。憧れや好きな人はたくさんいるけど、その人の真似をしてもその人はいるから。“女ドラマー”っていう時点で珍しいことかもしれないけど、そこにロックやってて電子楽器も使ってロールしてる。とにかく情熱を忘れたくないんです。……答えになってませんが(笑)。

――新メンバーのお二人はどうですか?

飯笹:参考にするものはたくさんありますよ。中田ヤスタカさんは昔から凄く好きだし、EDMもチェックしてましたし。でも自分たちが唯一の存在であるように、そこは必死になってやってます。

菊池:僕にとってザ・スロットルは無二の存在。だから、高岩が気持ちよく歌えるには、州吾が、みんながカッコよく見えるにはどうすればいいか。それが僕のやれること。振り返るとジャズをやる前はロックもJ-POPも聴いてたし、高岩は僕のなかで、フランク・シナトラの面を被った井上陽水でありフレディー・マーキュリーであり、山下達郎でありマイルス・デイヴィスなんです。

――ギャグどころか、愛がすごい。

高岩:ピースっすね。

――じゃあ、高岩さん、締めてもらえますか。

高岩:みんなが話している間にいろいろ考えたんですけど、ヒップホップもジャズもロックンロールもめちゃくちゃ好きだし、尊敬するアーティストもいます。でもやっぱり、具体的な理想像となると答えるのは難しい。そこで2018年、ザ・スロットルは“ファミリービジネス”という言葉を提案したい。よりDIYになっていきたいんですよね。

――DIYでありながら一大エンターテインメントとしてメイクマネーするんですよね?

高岩:今の時代、メジャーとかインディーとか、どこからリリースするかということはあまり関係なくなってきているというか、それぞれがそれぞれに合ったやり方を選べばいい。それは俺らミュージシャン自身が、もっとも頭が良くなくてはいけないということでもある。表現者としてカリスマでありながら、ビジネスマンとしてなんでもやれなきゃ食いっぱぐれますよ、この先は。そこでこの5人による新生ザ・スロットルは正しく“起業した”という感覚に近いんです。それは人生初の感覚で、このファミリーでチャレンジしていきたいことは山ほどあるんですけど、さっさと高級外車を転がしたいですね。協力してくれる音楽関係者の皆さまは、ぜひホームページからご連絡ください。

――言いますね。楽しみにしています。

高岩:行こう、最後まで。ありがとうございました!


取材・文=TAISHI IWAMI   撮影=Shoichi Aoyama

リリース情報
2ndアルバム『A』
発売中

NCS-914 / \1667+tax
1.Rock This Town
2.Get Ready
3.You Can Make It!
4.LA
5.Horror
6.It’s Alright

 

ライブ情報
Live A Tokyo
2018年1月25日(木)@東京 新代田FEVER
出演:ザ・スロットル(ワンマン)
OPEN 18:45 START 19:30
前売り:\3,300+D

Live A Osaka
2018年2月1日(木)@大阪  Live House Pangea
出演:ザ・スロットル(ワンマン)
OPEN 18:45 START 19:30
前売り:\3,300+D
 
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