ゆるめるモ!Zepp Tokyoでユートピアに到達「僕が保証します、あなたたちは美しい」

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2018.1.12
「YOUTOPIA TOUR」Zepp Tokyo公演で撮影された記念写真。(撮影:千佳)

「YOUTOPIA TOUR」Zepp Tokyo公演で撮影された記念写真。(撮影:千佳)

ゆるめるモ!がライブツアー「YOUTOPIA TOUR」の最終公演を、グループ史上最大規模の会場である東京・Zepp Tokyoにて1月6日に開催した。

このツアーは、11月に発売された結成5周年記念アルバム「YOUTOPIA」を携えて3都市で開催された。単独公演では生バンド編成でライブが行われることも多いゆるめるモ!だが、今回はメンバー4人だけですべてのパフォーマンスを実施。2016年夏からの4人編成の集大成であるアルバム「YOUTOPIA」で描いた世界を、4人だけでステージ上に表現するツアーとなった。

開演後、メンバーがそれぞれ思い描く“ユートピア”について語る映像がスクリーンで上映され、ハシダカズマ(箱庭の室内楽)による「天竺」のリミックスが流れるのと共にメンバーが登場。アルバム「YOUTOPIA」の1曲目であるアグレッシブなナンバー「歩くの遅い犬」でライブがスタートし、メンバーは1曲目からハイテンションなステージを繰り広げた。

その後もアルバム「YOUTOPIA」や10月発売のシングル「TALKING HITS EP」に収録された新曲を中心にライブは進行。曲に込められたメッセージをオーディエンスにより強く伝えようとするように、スクリーンには歌うメンバーの姿と共に歌詞が映し出された。「NEW WAVE STAR」では、曲の前にようなぴがリードして観客にコールや振りを指導し、会場に一体感が生まれた。

「永遠の瞬間」を歌い終えた彼女たちは観客に手を振りながら退場。メンバーが楽屋にてスマートフォンで自撮りしているふうの中継映像がスクリーンに流れた後、白いローブを羽織ってランタンを持った4人が登場し、「ごろごろ物思い」「ナイトハイキング」という幻想的な夜の歌を2曲続けて披露した。その後メンバーは再びステージを去り、彼女たちが“ユートピア”を探して森の中をさまよう約8分間の映像がスクリーンに流れる。映像終了後、メンバーは頭に動物の面を付けた「YOUTOPIA」の衣装にチェンジして「モイモイ」を歌唱。途中で動物面を付けた20人以上のダンサーが登場し、オーディエンスも一緒になって“モイモイピースダンス”を踊った。

そして12曲目にして初めて最新アルバム&シングルの収録曲ではない「逃げろ!!」がスタートし、フロアは一気に沸騰。「Youとピアザ」で観客が一斉にタオルを振り回し、「id アイドル」では興奮したあのがフロアにダイブしてクラウドサーフ状態のまま熱唱した。ここでしふぉんが「ここは君たちがいなきゃ成り立たない楽園です。私たちは君たち1人ひとりが存在してくれたことを本当にうれしく思います。生きててくれてありがとう!」と観客に語りかけ、これから命の歌を歌うと宣言してアルバムの最後に収録された大作ナンバー「天竺」を披露。サイケデリックな音の中で演劇的なダンスを踊りながら、このライブを通してのテーマであった“ユートピア”を表現した。

「天竺」が終わるとそのまますぐに「Only You」に突入。ようなぴは曲の途中で「ここにいるみんなで、ここをユートピアにしよう!」と絶叫し、あのは観客の頭上に立って切羽詰まった表情でシャウトする。そしてステージから金テープが発射されたのを合図に「must 正」がスタートし、4人は観客に訴えかけるように「君は正しい 間違っていない」と何度も繰り返し歌唱。ようなぴが最後にオーディエンスに向かって「君がいたからここがユートピアになったよ! ありがとう!」と感謝し、ライブ本編は終了した。

アンコールでようなぴは「私は嫌なことが日々いろいろあるけど、今日ここに立ってゆるめるモ!であってよかったなって、自分が生きてきた中でここが一番楽しい場所だなって思いました。それは、皆さん1人ひとりのおかげでここが楽園になったということだと思うんです」と来場者に感謝。けちょんはリラックスした雰囲気で口を開き、この日がビッグイベントだからということで父親を観覧に誘ったが町内の新年会があるから行けないと言われてショックだったことを明かした。

あのは言葉を選ぶようにたどたどしく「昔から結果がすべてだとか言われてたけど、絶対に勝つ勝負だからやるとか絶対負けるからやらないとか、結果に確信があることをするのは大嫌いです。だから自分はゆるめるモ!にいたと思うんですよ」と話し始め、「僕はこのステージからの景色を見たくない……いや見たいんですけど、すごくキラキラしてるんですよ。皆さんが。キラキラしたものは苦手だから見たくないんだけど、ここにいる人たちは見ていたい。理不尽なことを言われたり、バカにされたり、認めてもらえなかったり、自分でも自分を認めてあげられなかったりいろいろあると思うんですけど、僕が今見ている1人ひとりはムチャクチャきれいだから。僕が保証します、あなたたちは美しいです」と語りかけた。

そしてしふぉんが「今まで大きな事務所にお世話になったことがなくて、それでもここまで来れたのは、4人とも音楽が大好きで、みんなのことが大好きだからだと思います。本当に人間臭い4人が集まったので、うれしいとか悲しいとかそういう気持ちを共有できるのがゆるめるモ!だと思ってます」と挨拶。アンコールの1曲目「ミュージック 3、4分で終わっちまうよね」を彼女たちはこれまで以上にエモーショナルに歌い、オーディエンスは一斉に手を挙げて踊った。ラストナンバーとして披露されたのは「なつ おん ぶる ー」。観客の頭上に巨大なバルーンが投下され、浮き輪やビーチボールが舞う中、約2時間半のライブは笑顔で締めくくられた。

ゆるめるモ!「YOUTOPIA TOUR」2018年1月6日 Zepp Tokyo セットリスト

01. 歩くの遅い犬
02. 逃げない!!
03. うんめー
04. NEW WAVE STAR
05. しんぼりくむ れすぽんす する
06. やる
07. あ!世界は広いすごい
08. 永遠の瞬間
09. ごろごろ物思い
10. ナイトハイキング
11. モイモイ
12. 逃げろ!!
13. Youとピアザ
14. id アイドル
15. 天竺
16. Only You
17. must 正
<アンコール>
18. ミュージック 3、4分で終わっちまうよね
19. なつ おん ぶる ー

音楽ナタリー
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