小野健斗にインタビュー「僕にとって“舞台”がFrontier」
小野健斗
1918年―第一次世界大戦が終わりを迎えた英国を舞台に、時代の大きな変化に戸惑う青年貴族のエディ、そして何かを決意し国を出ることを決めたエディの婚約者アンナ。
「伝統を守るべきか?それとも愛をとるべきか?」
悩み苦しむエディの前に現れたのは、バトラーと名乗る奇妙な男。バトラーは美しい歌声でエディを“frontier”と呼ばれる不思議な世界へと誘う。果たしてエディは無事元の世界へと戻ってこられるのか?そしてバトラーの狙いとは一体…!?
多くの謎に包まれた舞台「薔薇色のフロンティア」が2015年10月28日(水)から11月2日(月)まで、東京芸術劇場シアターウエストにて上演される。本作の主人公エディを演じる小野健斗に作品について話を伺ってきた。
――小野さんが演じるエディはどんな人物ですか?
小野:エディには僕にない部分がいっぱいあって。僕はクールなほうですが、エディは喜怒哀楽がはっきりしているタイプかと思います。エディは貴族社会が崩れていく中、その時代に対応しようとしているんですが、そこに対応しきれてないところがあって、とまどいもあるんだと思います。
――これまで長く演じられてきた「メサイア」シリーズの御津見珀とも違いますね。
小野: 全然違いますね。というか、これまでやってきた役のどれともカブらない役です。
――エディという人物に共感はできる部分はありますか?
小野:あまりないんですが、一つ思ったのがハッキリと物事をいうところ。僕もバッと言っちゃうタイプなんですが。あとは…素直な感情を持っているところかな。
小野健斗
当時の貴族社会には「長子相続」制度のもと、家の長子が、爵位もカントリーハウスと呼ばれる邸宅も彼らの収入源である小麦を栽培する土地もそこで働く小作人もすべて相続していた。またそれらを維持していくことが貴族の役割であり、矜持でもあった。
ところが大戦後、アメリカの国力が増し、安価な小麦が大量に生産されるようになると、貴族の収入源がみるみる減り、生活の根幹を揺るがす事態になっていった。そこで考えたのがアメリカ人と英国人の婚姻。貴族のステイタスが欲しいアメリカ人と資金が欲しい英国人。かくして大西洋を越えて結婚するケースが増えてきた時代でもある。
――この作品には謎が多いですね。“frontier”とか…。
小野:その“frontier”もなかなか語りづらいところで(笑)なんと伝えたらいいのか…夢のようなものだったり…“frontier”って人それぞれに持っているものなのかな、とも思います。
――その“frontier”にエディをいざなうのがバトラー役の泉見洋平さんですが、小野さんからご覧になる泉見さんはどんな方ですか?
小野:ライブを見せていただいたり、お芝居を見せていただいたりしています。まだ2、3回しか会ってないんですが…大先輩じゃないですか!?でもとても優しく接していただいています…と言ってて稽古中に怒られたらどうしようって思いますけど…そんなことはないと思うんですけど!(笑)
――先日役作りのために、ロンドンに行ってきたそうですがどんなものをご覧になってきましたか?
小野:有名な博物館とか、郊外の自然があるところなどを観てきました。あとはミュージカルを観たり。「チャーリーとチョコレート工場」「ウォーホース(戦火の馬)」「レ・ミゼラブル」を観てきました。ロンドンでの体験をエディという役の一部に吸収していきたいですね。
――小野さんにとって「舞台」とはどういう位置づけにあるんですか?
小野:僕は役者をやりたくて自然にこの世界に入ったんです。あえて“frontier”という言葉を使うなら、僕にとって“frontier”がここ=「舞台の世界」なんです。
そして今度はお客様を僕の“frontier”にご招待していく、ということなのかな。
――最後に、この作品を観に来るファンの方へ。どこに注目してほしいですか?
小野:僕にとってもこの舞台は初めてのチャレンジであり壁であると感じていて、絶対乗り越えてみせる、と思っています。実際立って(稽古して)やってみないとエディがどんな性格かまだわからない。でもその性格というのは自分で演じながら作っていくものだと思うし、周りの先輩たちと絡んで、どう返していくかで出てくるものでもあると思いますね。そんなことも含めぜひ見に来てほしいと思います。
あと、一つだけ。今までの作品では一度もしたことがない「あること」をします。それが何かは見てのお楽しみにしてください!
※このインタビューの完全版を下記動画でご覧いただけます!
■会場:東京芸術劇場 シアターウエスト (東京都)
■出演:小野健斗/桜乃彩音/山田幸伸/平野勲人/我善導(ワハハ本舗)/三宅祐輔/塩澤英真/宮垣祐也/櫻井圭登/白華れみ/泉見洋平
■脚本・演出:斎藤栄作
■問合せ:RAYNeT 03-3481-0428 (11時~18時 土日祝を除く)
■公式サイト:http://raynet.tv/?post_type=information&p=888