松下優也、愛に溺れる衛兵ホセ役に ~哀しき愛のミュージカル『Romale ~ロマを生き抜いた女 カルメン~』大阪で会見

2018.2.18
インタビュー
舞台

『Romale ~ロマを生き抜いた女 カルメン~』合同取材会にて(撮影/石橋法子)

「私って女はきっとあんたを不幸にする」。自由奔放なカルメンと情熱的な衛兵ホセ。運命の男女が出会うとき、狂おしい愛の物語が動き出すーーー。1830年スペインのセビリアを舞台に、白人中心の社会でロマ族として生きたカルメンの新たな真実に迫る、愛と哀しみのミュージカル『Romale ~ロマを生き抜いた女 カルメン~』。演出・振付は謝珠栄。主演の花總まりの相手役に抜擢された、ホセ役の松下優也が大阪で会見を行い、意気込みを語った。

松下優也

「ホセは人間味溢れる男、カルメンは男がみてもかっこいい女性です!」

ーー『Romale ~ロマを生き抜いた女 カルメン~』へのご出演が決定しました。

素直に嬉しく思いました。すごく楽しみな反面、でもなぜ僕なのかなと。僕の作品を見てくれて、そこにホセにつながるものを感じてくださったのか。機会があれば謝先生に直接聞いてみたいです。謝先生とは、チラシ撮影の現場でお会いしました。すごく情熱的にお話される様子がとても印象に残りました。

ーー「なぜ?」とは、どのような部分に疑問を抱かれたのですか。

僕がこれまで出演してきたミュージカルは、どちらかというと漫画原作のものが多く、今回の作品とはまた違う感じなのかなと。大型ミュージカルに出演されている俳優さんが、他にもたくさんいる中で、なぜ僕なのかと。カルメンに関しては、名前を知っている程度だったので、出演が決まってから色々と物語について調べました。稽古はこれからですが、台本を読んだ段階では、ホセは日本人にはない情熱を持った男性だなと感じました。ただ、自分とはかけ離れた役というイメージもありません。

ーー演出・振付の謝珠栄さんは、ホセ役について「強い誇り、パッションを持っている」とコメントされています。ホセが生まれたバスク地方はフランスとスペインに挟まれ、今なお民族解放、独立闘争の地として知られています。それゆえ、自らの民族性を保つため戦い、強く生き抜いてきたはずだと。

この作品では、人種の問題が重要になってくると思います。その辺りを日本の方にリアルに共感してもらうには、なかなか難しいことだと思います。でも、何かを感じて貰えるようには演じていきたい。ホセに関しても日本人ではないので、例えば、他人と接するときの距離感や、カルメンと言葉を交わすときの熱量など、日本人とは違う感覚を掴むのも課題になってくると思います。一見男らしく見えるホセにも弱い部分があって、そこがとても人間らしくて共感できる。完璧でないところが、自分と似ているなと思います。

ーー主演の花總まりさんの印象をお聞かせください。

先日、花總さんの主演舞台『レディ・ベス』を観させていただきました。僕が言うのもおこがましいですが、とても透明感があり、お芝居も完璧な方という印象です。ただ、カーテンコールでは、とてもふわっとした感じでご挨拶されていたので、そこが意外でした。まだ普段の姿を拝見していませんし、カルメンもまた全然違うイメージなので、どのように役作りされるのかすごく楽しみですね。

ーー謝さんは、ロマ族というカルメンの民族性に着目し、オペラ「カルメン」とは違う、新たなカルメン像を模索されるそうですね。現時点でのカルメンの印象は?

強い女性だなと思いますね。自分の運命を受け入れて生きている姿は、男からみてもカッコいいなって思います。

ーー松下さんは歌手としてデビューされ、現在はボーカル&ダンスグループX4のメンバーでもあります。16年には連続テレビ小説『べっぴんさん』にご出演されるなど、俳優としてもご活躍です。ご自身の中で一番魅力が発揮できると感じるのは、芝居、ダンス、歌、それとも全部?

全部OKなのが僕です! ……と、言っておきたいところですが、難しいな(笑)。ダンスも昔からやってるので得意ですが、ジャンルにもよると思いますし。ただ、今回は歌が重要になってくると思うので、歌にしておきます!

ーー劇中では、ホセが心情を吐露する重要なソロナンバーがいくつかあるそうですね。

まだ稽古に入っていないので、まったくの未知数です。僕のこれまでのスタイルとして、稽古前には何もプランを立てないというのが基本です。もちろんある程度、共演者の演技や演出家の意図を予想して、自分なりに役作りをしていくこともあったのですが、多分予想通りにいくことの方が少なくて。そこで、柔軟に対応できるようにゼロの状態でもっていく。稽古場で作っていくのが、今の自分に合っていると思います。歌に関しても、僕が普段歌っているR&B、ポップスとはテクニックを含めて違うと思うので。作品を通して音楽面でも自分が成長できると思うと楽しみですね。

「日本のミュージカル界にないような、新たな発見に満ちた作品にしたい」

ーー謝珠栄さんの作品をご覧になられたことは?

先日『Pukul』の東京公演で、初めて観させていただきました。演者のみなさんの熱量がすごくて熱い舞台でした。聞くところによると、稽古場では何回でも踊らされるというお話も耳にしたので、楽しみな反面、少し不安です(笑)。

ーー踊れるひとには踊らせるなど、謝さんも現場で作っていくことが多いようです。

僕は稽古場では何をやってもいいと思っています。すごく怒られようが、大失敗しようが、5回同じシーンを稽古するなら、5回とも違う芝居をしてもいいと思っている。色々試した中で、あれが良かった、あれは良くなかったと、決めて貰えるのがいいかな。初めからここはこうしてと答えを出されると、見つけ出す面白味がないと思うので。まだ台本には書かれていない部分もあるかもしれないですし。基本的には演出家の意見がすべてだと思っているので、なるべく言われたことを理解する上で、演出家の意図することと誤差が生じないように演じたいなと思います。

ーー無茶ぶりもお任せな感じですか?

無茶ぶりは……、程度によりますけど(笑)。でも、それも含めて楽しんでやりたいですね。

ーーミュージカルで積まれた経験が、歌手活動に活かされたと感じる部分はありますか?

ミュージカルは芝居の中に歌があるので、例えば3分間の曲の中にも、物語上では永遠に近い時間を歌っていることもあれば、「はっ!」と思った一瞬の出来事を3分間で表している場合もある。それってすごい深みのあることですよね。歌を表現する上で考えることも多くなりますし、歌手活動だけやっていた頃には、考えもしなかった部分ではありますね。時には演じるように、時にはストーリーテラーのように歌ったり。ミュージカルを経験したことで、より言葉を大切に歌うようになりました。

ーー改めて、作品への意気込みをお聞かせください。

ミュージカルにそこまで精通しているとは言えない自分が、花總さんの相手役を務めることはおそれ多い思い部分もあります。ただ、今回は有名なカルメンという題材を、新たな切り口で見せる試みでもあると思うので。そこに参加させて頂くという意味では、僕がやるからそこういう描き方もできるんだなとか、新しい何かを見つけ出せたら良いなと思います。もちろん、ミュージカルの基本をしっかりと勉強しながらですが、日本のミュージカル界ではあまり観たことがないような作品にしたいなと思います。共演者もみなさん完璧な方々ばかりなので、少しでもそこに近づけるように、僕もホセ役をがんばりたいです。

ーー関西出身の松下さんは、大阪公演も楽しみなのでは?

そうですね。出身は兵庫ですが、大阪も地元みたいなものですから。僕の家族も観に来ますし、この作品への出演が決まってからずっと楽しみに応援してくれています。オペラなどで知られるカルメンの新たな真実というか、発見の多い舞台になると思うので、ぜひ多くの方に楽しみに観に来てほしいですね。

取材・文・撮影=石橋法子

イベント情報
ミュージカル『Romale(ロマーレ)~ロマを生き抜いた女 カルメン~』
 
■出演:花總まり/松下優也/伊礼彼方 KENTARO 太田基裕/福井晶一/団時朗 他 
■演出・振付:謝珠栄 
■台本・作詞:高橋知伽江 
■原作:小手伸也 
■音楽監督・作曲:玉麻尚一 
■作曲:斉藤恒芳、小澤時史
■公式サイト:http://www.umegei.com/romale
 
<東京公演>
■会場:東京芸術劇場 プレイハウス
■日時:2018/3/23(金)~2018/4/8(日)
■アフタートークショー
・3月29日(木))13:30公演終了後 登壇者/花總まり 松下優也 
・3月30日(金)13:30公演終了後 登壇者/松下優也 伊礼彼方 KENTARO 太田基裕
 
<大阪公演>
■会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
■日時:2018/4/11(水)~2018/4/21(土)
■アフタートークショー
・4月12日(木)13:00公演終了後 登壇者/松下優也 伊礼彼方 KENTARO 太田基裕
・4月13日(金)13:00公演終了後 登壇者/花總まり 松下優也
 

 

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