映像の魔術師ロベール・ルパージュの最新公演が開幕!
(c) Nicola Frank Vachon
最新テクノロジーを駆使した二人芝居「Needles and Opium 針とアヘン」
「映像の魔術師」と呼ばれる、カナダの演出家ロベール・ルパージュ。2016年2月に開幕するシルク・ドゥ・ソレイユ「トーテム」の演出を担当していることでも知られる世界演劇界きっての鬼才である。そんな彼の新作公演が、10月9日(金)から世田谷パブリックシアターにて上演される。
「Needles and Opium 針とアヘン~マイルス・デイヴィスとジャン・コクトーの幻影」と題した本作は、世界を震撼させた一人芝居の最高峰『Needles(ニードルズ) and(アンド) Opium(オピウム)』(1993年来日)を最新テクノロジーを駆使し二人芝居に仕立て上げたものだ。
本作は、現在と、1949年に活躍したジャン・コクトーとマイルス・デイヴィスのイメージを召喚させながら、ある男性の内面を多層的に描いているという。コクトーのアヘン依存とデイヴィスのヘロイン中毒を想起させる注射針。苦しみを忘れようとする男性が、自分の内面を凝視しようとすると、コクトーの言葉やスケッチ、デイヴィスのブルーノートが脳内を駆け巡り、スペクタクルな離脱症状が始まる…。
(c) Nicola Frank Vachon
ステージの上に設置されているのは、何も描かれていない、立方体をナナメに切った形の三面だけのセット。これで何をする気なのか、と初見の方は誰しも思うに違いない。
ところがこの何もないセットの中に宇宙空間のような満天の星空、ホテルの一室、どこかの街のジャズバーの裏口…と、次々に新しい物語が展開されていく。美しく、だがどこか重力を感じさせない夢のような世界。いつしか男の脳内に観客が迷い込んでしまったような錯覚を感じさせる。
(c) Nicola Frank Vachon
どんなに言葉を尽くしても表現しきれないルバージュの世界。百聞は一見にしかず。ぜひこちらの動画でその一部に触れてみてほしい。そして男がどこに着地するのか、この世界に終わりはあるのか、ぜひ世田谷パブリックシアターで直接確かめていただきたい。
■公開舞台稽古の映像はコチラ↓
日時:2015年10月9日(金)~10月12日(月・祝)
会場:世田谷パブリックシアター
作・演出:ロベール・ルパージュ
出演:Marc Labreche and Wellesley Robertson III
(英語上演・日本語字幕付)
公式サイト:http://setagaya-pt.jp/performances/20150714-2661.html