写真家・瀧本幹也の大規模個展『CROSSOVER』 400点超から活動の全貌探る

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2018.2.20

瀧本幹也の個展『CROSSOVER』が2月23日から、東京・原宿のラフォーレミュージアム原宿で開催される。

広告写真、写真作品の制作、コマーシャルフィルム、映画など幅広い分野の撮影を手掛ける瀧本幹也。ルイ・ヴィトンが坂本龍一と共に制作した「ルイ・ヴィトンの森」を1年間追った『LOUIS VUITTON FOREST』などの写真集の発表のほか、2012年から映画の撮影にも取り組み、自身3作目となる是枝裕和監督の『三度目の殺人』が『第74回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門』に選出された。

同展では、瀧本幹也がこれまで手掛けた、大和ハウス工業「ここで、一緒に」やJR東日本「行くぜ、東北。」などのコマーシャルフィルム、撮影監督を務めた是枝裕和監督の映画『そして父になる』をはじめ、広告、CM、映画などの領域を横断する活動の軌跡を400点以上の展示品を通して紹介する。

また同展の開催にあわせ、初となる作品集の販売も決定している。写真作品から映画までを網羅した500ページを超える作品集となる。さらに是枝裕和、坂本龍一、服部一成、平野啓一郎といった瀧本と親交のある著名人が同展に寄せたコメントが公開されている。

是枝裕和のコメント

映画『空気人形』のスチールをお願いした時、本人は無口でクールなのに、出来上がった写真には僕には見えていない光と影が、四角形に切り取られ、その中には、あふれんばかりの情動が満ち満ちていた。彼といつか映画が作りたい。そう思った。

坂本龍一のコメント

若い頃の瀧本くんの写真には、鋭く切り裂くような透徹した目を感じていました。しかしいつの頃からか、その鋭さに深さの感覚が加わったように思います。それはいい意味で成熟なのでしょう。今後の深化が楽しみです。

服部一成のコメント

瀧本くんは、無理難題を最後には写真に定着する。やりかたは写真の摂理にぴったり沿い、水が流れるようにスムーズ。彼自身がもはや写真機である。

平野啓一郎のコメント

自然、人工物、そして人間。――瀧本さんの捕らえる一瞬は、美しく完結している。断片は写真の全体となる。しかもそれは、想像力の飛躍を刺激して止まない。どこへでも行ける。本質へも、現実へも、あり得たかもしれない可能性へも。

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