黒木啓司、NESMITHがアルバム『Highway Star』とシルク・ドゥ・ソレイユ『ダイハツ キュリオス』の魅力を語る

インタビュー
舞台
2018.6.5
新譜『Highway Star』&舞台『ダイハツ キュリオス』合同取材会より(撮影/石橋法子)

新譜『Highway Star』&舞台『ダイハツ キュリオス』合同取材会より(撮影/石橋法子)

カナダ発の世界的サーカス・エンターテインメント集団、シルク・ドゥ・ソレイユ創設30周年記念作品『ダイハツ キュリオス』がこの夏、大阪にやってくる。本場バンクーバー公演と現在開幕中の東京公演を観劇したというスペシャルサポーターのEXILE THE SECONDより黒木啓司、EXILE NESMITHの2人が来阪。折しもEXILE THE SECOND3枚目のオリジナル・ニューアルバム『Highway Star』発売中でもあり前半では新譜の魅力を、後半では『ダイハツ キュリオス』の見所をたっぷり語ってくれた。

■「道」をテーマに僕らのコアに迫った、濃厚にジャンルレスな全13曲!

ーー2018年3月28日、EXILE THE SECONDの3枚目のアルバム『Highway Star』が発売されました。

EXILE NESMITH(以下、NESMITH):前作のアルバム『BORN TO BE WILD』を経て、自分たちの色を再発見したり、周囲から様々なご意見をいただくことで、より自分たちのコアな部分に迫った曲作りにチャレンジできる機会が増えてきました。先日までのツアー『EXILE THE SECOND LIVE TOUR 2017-2018“ROUTE 6・6”』ではシングル曲でもある「Route 66」をテーマに、六人六様の人生や夢を表現させていただきました。「Route 66」に《Highway star》という歌詞が出てくるのですが、3枚目のアルバムテーマを考えた時に、前作を踏まえ「道」がいいんじゃないかと。2018年はEXILE復活の年でもあり、秋から始まる3年ぶりのツアータイトルも『EXILE LIVE TOUR 2018“STAR OF WISH”』と決まっていたので、そこにも通じるようなアルバムにもしたいなと思い、タイトルも『Highway Star』に決めました。

ーー収録曲は全13曲。具体的にはどんな内容に?

NESMITHこれまでジャンルレスな音楽を作り続けてきましたが、今回もよりジャンルレスな部分を掘り下げました。その上で、ライブを想定した要素が欲しいとか、SECONDらしいロックンロールやレゲエにも挑戦してみたいとか、メンバー同士でも知恵やアイデアを出し合って。全13曲を広げてみると、自分たちでも思っていた以上に内容も濃く、バラエティに富んだ仕上がりになったなと思います。「道」というテーマで一本筋も通っているので、自信を持ってリリースさせていただきました。

ーーアルバムの制作過程で、一番大事にしたことは。

NESMITHTHE SECOND from EXILEからEXILE THE SECONDとなり、本格始動してからの一発目シングル曲「YEAH!! YEAH!! YEAH!!」からそうですが、やはりEXILE THE SECONDというのはこういうグループですというのを広く知っていただくために、これまでJ-POPに寄せたものから、ヒップホップ色を強めた自分たちに寄せたもの、さらに「WILD WILD WILD」のようなツアーを意識した楽曲まで、その時々で自分たちで打ち出すテーマをしっかり見据えながら制作してきました。同時にツアーを想定した曲作りというのを、一番に心掛けてきました。

ーーとくにオススメの曲は?

黒木啓司(以下、黒木):9曲目の「日昇る光に~Pray for Now~」は僕がパフォーマーとしてプロデュースさせていただいた曲です。例えば、オープニングのイントロもライブを想定した秒数でカウントしたり、曲の構成もライブパフォーマンスを考えながら組み立てました。僕としてもここまで力を入れて作った楽曲は初めてに近いかも。EXILE SHOKICHIも自分に近いところから歌詞を紡いでくれたのですごく思い入れがありますし、男気溢れる“EXILE魂”を表現した一曲になったと思います。

NESMITH僕は3曲目の「花鳥風月」です。今までのSECONDの曲はラップで韻を踏んだり、日本語と英語がうまく混ざり合った歌詞が多かったのですが、この曲に関してはSHOKICHIが日本語の音の流れの美しさにこだわって書いてくれたもの。今までの経験があったからこそ書ける日本語の歌詞なんだなと思い、感動しました。SECONDの曲の中でも全編日本語歌詞というのは珍しく、独特な異彩を放った楽曲になっていると思います。

■「緊張と緩和の繰り返し、観客も世界観に引き込まれるはず!」(NESMITH)

ーーここからは、『ダイハツ キュリオス』のお話を。いよいよ、2月の東京公演から日本ツアーが開幕しました。

黒木:シルク・ドゥ・ソレイユはこれまでにも国内外で何度も観させていただいています。今回の『キュリオス』は30年の歴史を感じられる集大成であり、同時に今までになかったような新たな演目にビックリさせられるような場面もあり、改めて心踊らされました。同じエンターテインメントに関わるものとして、すごく勉強にもなりました。たくさんの方に観ていただいて、刺激を受けていただきたなと思います。

NESMITH海外公演の場合は常設会場も多く、火や水を使った大がかりな装置も使えますが、日本では特設ステージなので、パフォーマーの体術だけで魅せていく。場面もさまざまに展開してすごいなと。手に汗握るものからお客さんをステージに招いて楽しむものまで、緊張と緩和の繰り返し。観ている方も、どんどん作品世界に引き込まれていくと思います。

ーーとくに印象に残る演目は?

NESMITHやっぱり1回目と2回目観た時では、内容を知っていても感じ方が違います。そこは僕らのライブと一緒かもしれませんが、生ものなので常に違う緊張感や楽しみ方、感じ方ができるんだなと。1回目は「シアター・オブ・ハンズ」の真新しさに目を奪われました。2回目の観劇では、不安定な仕掛けの上でバランスをとる「ローラ・ボーラ」の緊張と緩和や、4メートル上空でアクロバットを繰り広げる「ロシアン・クレードル」に惹かれました。「ロシアン・クレードル」は男女ペアの呼吸が合わないと動きと音楽がズレますし、ひとつ間違えれば大事故に繋がる恐れもあるわけで。お二人の息づかいが聞こえてきそうで、今思い出しても緊張しますし感動的でした。

黒木:難しいですね。力の抜き具合もシルク・ドゥ・ソレイユならではというか。「シアター・オブ・ハンズ」は手の動きだけで表現する演目なんですが、僕らでいうストリート感が入っていたり、本当に人間が動いているように見えたり。「指だけでここまで表現できるんだ!」と、面白い表現でした。音楽、衣装、装置、出演する人数まで、全部が計算されていて、どの角度から観ても楽しめる演出になっているんだなと。アクティングに関しては人間技とは思えないようなアクロバットが続きますし、今回も「すごい!」のひとことです。

ーーバンクーバー公演では、クララを演じる日本人ダンサーの池田一葉さんにお会いしたそうですね。

黒木:池田さんはシルク・ドゥ・ソレイユに入団したいと、7年間オーディションを受け続けられたそうです。大変さもありながら、夢を成し遂げる瞬間のお話を聞いた時には、僕らも同じように強い思いを抱き続ければ「夢は叶うかもしれない!」という熱い気持ちにさせられました。日本人として世界的カンパニーの一員であるというのは、本当にすごいこと。また、バンクーバー公演と東京公演では少し演じ方に違いも感じました。大阪公演では“大阪バージョン”になるのでは、と期待しています。

黒木啓司

黒木啓司

ーーさらに、メインキャラクターのミスター・マイクロコスモスを演じる海外キャストの方ともお話されたとか。

NESMITH限られた時間の中でも、すごく気さくにお話してくださいました。劇中では、ミスター・マイクロコスモスに加え、トランポリンの演目「アクロネット」でも別のキャラクターで出演されているので、そこでの演じ訳も難しいだろうなと。また、バックヤードではキャストやスタッフの方々がすごく仲良くされていたのも印象的です。まるで家族のような雰囲気でもあり、皆さんの絆を感じさせていただきました。

ーーパフォーマーとして、『キュリオス』から参考にしたい部分などありましたか。

NESMITH実際に取り入れられる要素は、なかなかないですけど(笑)。僕らもツアーなどの大きなステージでは曲間を映像で繋いだりしていますが、『キュリオス』では常にストーリーテラーがいて、世界観を保ちながら次のアクトに繋いでいる。常に世界観を途切れさせない演出は、僕らのライブでも活かせるものがあるのかなと思います。一貫したストーリーを描ければ、お客さんにも最後まで心を離さずに楽しんでもらえるのかなと。

NESMITH

NESMITH

黒木:本当に衣装、見せ方、音楽の使い方、間であったり、そういう全てが勉強になるし、パフォーマーとしても学ぶことだらけですね。

ーーEXILE THE SECONDの楽曲「Step into my party」は『キュリオス』のテーマソングでもあります。

NESMITH『キュリオス』のための書き下ろし曲ではなく、もともとは女性を讃えることをテーマにライブで盛り上がることを想定して作った曲でした。今回テーマ曲にというお話をいただき、どうなるのかなと思っていましたが、絵と合わせて聴いた時に、まるで『キュリオス』のために書き下ろしたかのように、ビジュアルとのマッチングが良くて。自分たちも違った角度で「Step into my party」の新たな魅力に気づかせていただきました。本当にありがたい機会をいただけたなと感謝しています。

■「大阪のお客さんは、公演ごとに前日の盛り上がりを更新してくれるはず!」(黒木)

NESMITH、黒木啓司

NESMITH、黒木啓司

ーー日本とバンクーバー公演で観客の反応などに、違いはありましたか。

黒木:バンクーバー公演ではサクラじゃないの?と思うほど、お客さんの表現力にも驚かされました。日本人はやはりシャイなので。でも、大阪のお客さんはそこを超えてくるだろうなと。僕らのライブでも、大阪公演では楽曲中にも関係なく、お客さんが僕らに会話を求めてくる。そこは海外と一緒だなと(笑)。大阪公演期間中は、前日の盛り上がりの噂を聞いて次の日はどんどん盛り上がりが更新されていくんだろうなと。逆にパフォーマーの引き出しがなくなるぐらい、攻めてもらえると面白いと思います。

NESMITH確かに! パフォーマーも各地の違いを感じるかもしれないですね。特にお客さんをステージに上げる演目「コミックアクト」は、大阪公演ではどんな感じになるのか、観ておきたいかも(笑)。

黒木啓司

黒木啓司

ーー『キュリオス』は「あんなことも、こんなこともできる!」という原点に立ち返った集大成の作品。舞台美術は、好奇心に満ち溢れた産業革命時代を彷彿させつつ、近未来の雰囲気も感じさせます。

黒木:設定としては、欧米で願い事が叶うと言われる11時11分の、たった1分間の出来事を2時間で表現している。古き良き時代を感じられる美術や衣装、パフォーマンスからもメッセージが伝わってくるようです。日本にもこういう光景があったな、日本人にもこの感覚は分かるなとか、不思議と思えるんですよね。今までにも同じ技を使った演目はあったかもしれませんが、クオリティは前回を超えてくる。原点回帰とはいえ、一周まわっても同じ場所には戻らないんですよね。

黒木啓司

黒木啓司

ーー原点に立ち返っての進化はEXILEとしても共感する部分があるのでは?

黒木:EXILEとしても前回の「EXILE LIVE TOUR 2015 "AMAZING WORLD"」で行くところまで行ききった実感がありました。そこから充電器間を経て、今年のライブでは改めて原点に戻ろう!と、メンバー同士の間でも盛り上がっています。進化を経た後の原点回帰なので、きっとそこには同じ風景ではなく、新しい光景が広がっているんだろうなと。『キュリオス』でも1回目と2回目ではパフォーマーの動きが違ってみえたり、スキルや意識が上がっていると僕には感じられたので。原点でありつつ進化も感じられると思います。

黒木啓司

黒木啓司

ーー最後に大阪のファンへメッセージを。

NESMITH記念すべき公演にスペシャルサポーターとして関われること、そして僕らの楽曲がテーマ曲として使われていることをとても嬉しく思います。大阪公演では他と違う盛り上がり方ができそうな予感があるので(笑)、何度でも会場に足を運んで楽しんでいただければと思います。

黒木:大阪のお客様に期待しています(笑)!

NESMITH、黒木啓司

NESMITH、黒木啓司

取材・文・撮影=石橋法子

公演情報

シルク・ドゥ・ソレイユ創設30周年記念作品『ダイハツ キュリオス』
<東京公演>
6月4日(月) ~7月8日(日)全49公演
■会場:お台場ビッグトップ
 
<大阪公演>
2018年7月26日(木) ~ 10月29日(月) 全132公演
■会場:中之島ビッグトップ(特設会場)
 
<名古屋公演>
2018年11月22日(木) ~ 2019年1月27日(日) 全93公演
■会場:名古屋ビッグトップ(ナゴヤドーム北)
 
<福岡公演>
2019年2月15日(金) 〜 3月31日(日) 全64公演
■会場:福岡ビッグトップ
 
<仙台公演>
2019年 4月 ~未定
■会場:仙台ビッグトップ

リリース情報

EXILE THE SECOND3rd Album『Highway Star』
●<DISC-1(CD)>
1.Route 66
2.アカシア
3.花鳥風月
4.Summer Lover
5.POW!
6.Sex Me Up feat. DEEP
7.Body
8.HEROES
9.日昇る光に ~Pray for Now~
10.Back 2U / EXILE SHOKICHI
11.Young Forever
12.On My Way
13.Last Goodbye
●<DISC-2(DVD/Blu-ray)>
EXILE THE SECOND 2017 LIVE SELECTION & MEGA MIX
・2017年 LIVE MEGA MIX
・EXILE THE SECOND LIVE TOUR 2017-2018 "ROUTE 6・6”@大阪城ホール(2017.12.24)、a-nation 2017@味の素スタジアム(2017.8.26)、DANCE EARTH FESTIVAL 2017 @幕張海浜公園Gブロック特設会場(2017.10.15)などからセレクトしたライブシーンを収録!
※初回生産限定盤(RZCD-86541/B~D、RZCD-86542/B~D)のみ
●<DISC-3(DVD/Blu-ray)>
The Creation of Highway Star -Documentary-
・EXILE THE SECONDの活動に密着したドキュメンタリー映像。
※初回生産限定盤(RZCD-86541/B~D、RZCD-86542/B~D)のみ
●<DISC-4(DVD/Blu-ray)>
1:Summer Lover(Music Video)
2:Route 66(Music Video)
3:アカシア(Music Video)
※【DISC-4】は、RZCD-86545を除く全5形態共通
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