名優・加藤武さん、新文芸坐で主演映画大特集

2015.10.18
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「悪魔の手毬唄」 ©1977 TOHO co.,ltd

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いぶし銀のすごみ、スクリーンで。

 気骨ある昔ならではの新劇俳優さん、という感じだった。豪快で、かっこよかった。その実、インテリで、器用。現代の若手作家のコメディにもなんなく溶け込んでいた。文学座代表も務め、7月31日に亡くなった加藤武さんのことだ。

 その加藤さんの追悼特集が、池袋の映画館・新文芸坐で行われる。黒澤明監督作品や「金田一耕助」シリーズの名物警部、「仁義なき戦い」シリーズの組長役など、個性的な名脇役として幅広く活躍した加藤さんの代表作が14 本も日替わり上映される。ラインナップは『悪魔の手毬唄』『獄門島』『用心棒』『悪い奴ほどよく眠る』『仁義なき戦い 頂上作戦』『仁義なき戦い 代理戦争』『果しなき欲望』『月曜日のユカ』など。

 ここ15年くらいかな、演劇出身者がテレビで活躍している。それはうれしい。でもひと昔前に、その先駆けとなったのは加藤さんの世代だ。ただ違うのは、個人の名声よりも劇団を支えるために、という部分も大きかった時代だったように思う。決して大スターではないけれど、これぞという存在感を発揮する名脇役(舞台ではもちろんセンターを張っているけれど)。この時代の役者さんには、いぶし銀としての色気やプライドがあった気がする。

「悪い奴ほどよく眠る」 ©1960 TOHO co.,ltd

イベント情報
名優・加藤武さんを偲んで
■日時:2015年10月17日(土)〜23日(金) <日替り・2 本立> 
会場:新文芸坐(東京都豊島区東池袋 1-43-5-3F)
料金 (2本立):一般1,300円/学生1,200円/シニア・友の会1,050円  
お問合せ:新文芸坐 Tel.03-3971-9422