『BLEACH』佐藤信介監督×下村勇二アクション監督インタビュー 『修羅雪姫』からCGとアクションの融合へ!積み重ねてきた“こだわり”
左から、『BLEACH』下村勇二アクション監督、佐藤信介監督
『BLEACH』は、久保帯人原作で『週刊少年ジャンプ』で2001年から連載を開始し、単行本全74巻で累計発行部数1億2,000万部を誇る漫画。霊が見える高校生・黒崎一護(くろさきいちご)が、ある日突然現れた死神・朽木(くちき)ルキアから、死神の力を与えられ、家族や仲間たちのために悪霊・虚(ホロウ)と戦う物語だ。同作の初の実写映画化作として7月20日(金)に封切られる『BLEACH』では、主人公・黒崎一護を福士蒼汰が演じ、朽木ルキア役で杉咲花が出演。一護と激突する死神・阿散井恋次を早乙女太一が、朽木白哉をMIYAVIが演じている。
メガホンをとった佐藤信介監督と、アクション監督の下村勇二氏は、釈由美子が主演、ドニー・イェン(『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』『イップ・マン』シリーズなど)がアクション監督をつとめた『修羅雪姫』に参加して以来の盟友。その後、『GANTZ』シリーズや『図書館戦争』、『アイアムアヒーロー』、『いぬやしき』といった実写映画化作品をヒットに導いてきた。『BLEACH』ではその経験とノウハウを存分に生かし、高速ソードアクションと、巨大クリーチャーと人間の戦いを、これまでにないクオリティで実現している。SPICEでは二人の出会いから、CGとアクションの融合に必要な“こだわり”まで、実写映画『BLEACH』誕生に至る秘話をじっくりと聞いた。
『修羅雪姫』ドニー・イェンとの出会いから、アクションとCGの融合へ
(C)久保帯人/集英社 (C)2018 映画「BLEACH」製作委員会
――そもそものお二人の馴れ初めから聞かせてください。最初に『修羅雪姫』(2001年)でご一緒されていますが。
下村:ぼくは(アクション監督の)ドニー・イェンの下のスタントコーディネーター兼スタントダブルとして参加していたので、『修羅雪姫』では佐藤監督とそんなにちゃんとお話をする機会はなかったですね。
――その後のゲーム『戦国無双2』(※編注:2006年/佐藤監督はオープニングを演出、下村氏はオープニング・アクション監督を担当)で本格的に組まれたんですか?
佐藤:そうですね。ただ、その前にも別の作品でオファーしたんですけど、下村さんは忙しかったみたいで。ようやく『戦国無双2』でやれることになったんです。
――佐藤監督は、下村さんのどこを気に入られたんでしょう?
佐藤:下村さんが監督された自主映画を観る機会があったんです。ほんのちょっと観ただけなんですけど、組み立て方がいいな、と思いました。その後に、『デビルメイクライ3』(※編注:2005年/下村氏はムービーシーン監督で参加)のオープニングも観たんですが、それもまた「いいな」と。
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――主人公のダンテが食事中に襲われて、最後に舞い上がったピザをキャッチする、という構成の映像ですね。その後、佐藤監督は『修羅雪姫』を始め、アクション映画を沢山撮られることになります。どこかで、アクションに目覚めたんですか?
佐藤:目覚めたというわけではないんです。ぼくはそもそも1990年代の後半まで自主映画を撮っていました。脚本では仕事をいただいていて、商業映画の監督のお話が出るたびに、「何をやりたい?」と聞かれることが多かったんです。ぼくは抽象的に“面白いもの”をやりたかったんですが、その“面白さ”を上手く表現できなかったというか、ピッチ(売り込み)できなかったんです。面白い作品をやりたいから、「面白い作品を書いたんです」と話をしても、「面白いだけじゃ商売にならない」と言われました。
――“面白いもの”の具体性を求められていた、と。
佐藤:「何かパンチのあるものをやりたい」と考えていたのと、以前から何かと何かが戦う“戦いの映画”をやりたいと思いがありました。で、思いついたのが、“アクション”というキーワードだったんです。「戦いの映画を作りたい」と言うとわかりにくいですけど、「アクション映画をやりたい」だと、すごく伝わりやすかったんですよね。1990年代後半、当時あまり日本には本格的なアクション映画がありませんでした。そしてそれが『修羅雪姫』につながりました。ほかにも、日本刀を使いたいとか、紋付き袴じゃなくてパンツルックでとか、どちらかというとSFでとか、やりたいことは色々あったんですが。そして、『修羅雪姫』を撮って、のちのちに『GANTZ』(2011年)をやることになるわけです。『GANTZ』も、近未来のコスチュームで、刀で戦うのを見せたかった、というのが主眼としてあります。
『修羅雪姫』予告
――やはり、『修羅雪姫』がかなり大きなきっかけになったんですね。
佐藤:そうですね。当時は、その後にここまで広がっていくとは思ってはいなかったですけど、次第に日本でもアクションの需要が高まっていったので、自然と次へ次へと作品がつながっていったというか。ぼくは恋愛映画とか、ほかのジャンルももっと撮りたかったんですけど。
――とはいえ、佐藤監督はアクション映画ファンでは知らない人はいない、あのドニー・イェンと邦画で仕事をした唯一の日本人監督なわけですよね。
佐藤:そうですね(笑)。
――すごい経験ですよ。ドニーさんとのお仕事はどうでした?
佐藤:スーパーぶっとんでいる方でした(笑)。
一同:(笑)
佐藤:ぼくは「こういう風にやりたいんだ」と話すんですが、具体的なアクションを考えるのはドニーさんですよね。でも、事前打ち合わせとかがないから、当日まで何をするのかわからない。現場でドニーさんに「こうするんだよ」と言われて、ほとんどの場合、素晴らしいのですが、部分的に、「それはどうなんだろう?」と思ってしまう所も正直ありました。そういう部分を実際に吹き替えのアクションアクターがリハーサルでやってみても、うまくいかない。イマイチなわけです。すると、ドニーさんがとうとう痺れを切らして「違う!こうやるんだよ!」と、自分でやって見せるんです。すると、見たことのないようなスーパー素晴らしい動きになるんです(笑)。「これは一体なんなんだろう?」と思っていました。アクションがありがちにならず、非常に独創的になる瞬間に立ち合ったような気持ちになりました。
下村:ドニーは自分でレンズサイズも指定して、「何mmだったらここだろう。この動きがいいだろう」とか言うんです。で、実際に撮影してみると、フレームの中にバッチリ画が収まるんですよね。
佐藤:ドニーさんは、画で考えることが出来るんです。ああいう風に本当にわかっていて、頭がキレていないと、アクションの中で“ちょっと奇妙な動き”は出来ない。 そういう動きは、奇妙がゆえに脳裏に残るんです。
(C)久保帯人/集英社 (C)2018 映画「BLEACH」製作委員会
――その後、アクションとCGを本格的に使った『GANTZ』と『GANTZ: PERFECT ANSWER』(2011年)を撮り、どちらも興収約30億円のヒット作になります。企画段階で「何かを生み出せる」確信があったのでしょうか?
佐藤:『修羅雪姫』から『GANTZ』の間に、実は『修羅雪姫2』の企画を長らくやっていました。ただ、映画の『修羅雪姫』は近未来の話なので、続編をやるとさらに原作の漫画から離れてしまうんですよね。映画は、(原作の小池一夫氏にも)気に入っていただけたんですけど……もともとの原作は時代もののお話ですから。そこで、別のオリジナル企画でアクションをやろうとしたんです。でも、これは色々あってとん挫してしまって。その頃、同時にゲームの仕事もやっていました。ゲームはドラマもあって、色んなことが自由にできました。インゲームムービー(※編注:ゲーム内のムービーシーンのこと)なんて90分以上ありますから、そこでやりたいことをやっていたんです。そこで『修羅雪姫』から知り合ったアクション部の人たちとも継続して仕事をすることができたんです。
――『戦国無双2』もその一つだったわけですね。
佐藤:ビデオコンテ(※編注:撮影時のアクションを説明・理解するために事前制作するテスト映像)を作って、CGチームに渡して、思い通りCGシーンを作って……みたいなやり方で色々やっていくと、「この延長で映画を作ったら、いいものが出来るんじゃないの?」と思うようになりました。だから、『GANTZ』の企画が始まるときに、「いままで一緒にやってきたスタッフとやりたい」と言って、下村さんをはじめスタッフを指定したんです。
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――『BLEACH』は、その『GANTZ』のCGとソードアクションを進化させたような作品です。特に、人間と巨大なクリーチャーの絡むアクションがより自然になっていて驚きました。
下村:作品を重ねるごとにCGのクオリティが上がってきていて、それに対する佐藤監督の演出的なこだわりも細かくなっていきました。その結果、実写とCGの境界がどんどんシームレスになっているというのは、作品を観ても感じます。『BLEACH』に関しては、後半の街中のロータリーでの戦いが最たるもので。あの流れは、ぼくも観ていて気持ちがよかったです。
――佐藤監督には、「『GANTZ』からさらに発展させたものをやりたい」みたいな考えがあったのでしょうか?
佐藤:『GANTZ PERFECT ANSWER』(シリーズ2作目)では、後半に街中で人間と人間が日常の中で戦うアクションをやりました。1作目の『GANTZ』では、人がいない博物館という非日常の中で、巨大な大仏との戦いをやっています。そこから、今回の『BLEACH』では“日常の中に”“巨大な非日常のもの”が出てきたらどうなるだろう、というのをやっています。原作の森の中でのグランドフィッシャー戦を、映画では駅前ロータリーに変えたのは、そういう理由からです。街中で戦って、街(日常)が崩壊していくというのも、『GANTZ』のときにも模索していたんですが、今は当時よりCGの技術水準も上がっていますし、「さらにこうなればいいな」ということにトライできました。しかも、昼間の、一般人も沢山いる、本当の日常の中での、非日常のアクションですね。今回、最もトライアルな部分でした。
ビデオコンテ撮影にまでこだわる理由
(C)久保帯人/集英社 (C)2018 映画「BLEACH」製作委員会
――下村さんは「アクション監督」の肩書で『BLEACH』に参加されていますが、どこまでをカバーする仕事をされていたのでしょう?
下村:佐藤監督とご一緒するときは、打ち合わせを基にVコンを作るところから、撮影現場ではアクションの演出をやらせてもらいながら、モニターで監督にチェックしてもらい、最終的にアクションシーンの編集までやらせていただいています。
――『映画を進化させる職人たち~日本アクション新時代』(洋泉社/別冊映画秘宝編集部)の下村さんのインタビューによると、『GANTZ』のVコンでは、スタントマンの方々が千手観音の腕の一本一本の動きを棒で再現して、それをそのままCGに起こして本編の映像を作られたそうですね。
下村:『GANTZ』の千手観音は、(手以外は)動かなかったですからね(笑)。
佐藤:やっぱり、技術の発展とともに進化しているわけです。原作の千手観音はウニョウニョと動くんですけど、その恐怖は映画的には出せないと思ったので、いかに動かない恐怖を(観客に)与えるかを追求しました。まあ、動かすと大変だということもあったんですが(笑)。当時は、全部をCGで動かすことが出来ない時代だったんですよ。なので、ただその物体がいるだけなんですけど、「なにか怖い」という演出に振っています。
――『BLEACH』のVコンはどうだったんですか?
佐藤:今回のVコンでも、触手にかわるものを作りましたよね。
下村:やりましたね。棒を触手に見立てて、みんなで「ヨイショ、ヨイショ」って、やりました。それを、一護役のスタントマンが躱しながら進むという(笑)。
――そこはアナログなままなんですね(笑)。
佐藤:Vコンだけ観ると、当時と何も変わってないです(笑)。
下村:ヘキサポダス(※編註:クモのような六本足のホロウ)戦は、ラッシュを観てから合成用にもう一度Vコンを撮り直しましたよね。
佐藤:撮りましたね! 撮影が終わった後に。
下村:監督がグリーンバックの前でカメラを構えて、栗田(※編注:栗田政明氏/『BLEACH』のアクションコーディネーター)の指に段ボールの足をつけて、一緒にやりましたよね。
(C)久保帯人/集英社 (C)2018 映画「BLEACH」製作委員会
――Vコン撮影時にも、佐藤監督が立ち会われるんですか?
下村:Vコンを作るときは、時間があれば監督には絶対に来ていただいています。やっぱり、アクションだけじゃなくて、全体の流れ・構成が関わってくるので。もっと時間があるときは、監督にカメラを持って撮影していただきます。だから、監督バージョンのVコンもありますよ。
佐藤:大きな魔物と戦うであるとか、あるいは『アイアムアヒーロー』のように異常なゾンビと戦うというような未知なるもの、あるいは“流れ”が重要になるものは、自分でVコンも撮ることが多いですね。「ゾンビとこういう風に戦う」とか、そういった未知の部分をどう演出するのか示す上でも、自分のカメラで撮影して、模索し、編集します。で、そこに下村さんのアイデアを加えてもらう。ただ、基本的には、恋次戦とか白哉戦とか、いわゆる“THE 剣戟”なアクションが始まっていくところは、下村さんにカメラを持って編集してもらいます。細かい動きに関しては、下村さんに色々なアイデアを出してもらいたかったので。
――その剣戟シーンについては、具体的に下村さんに対してどんなオーダーされたのでしょう?
佐藤:恋次戦は、人間と人間のフィジカルな戦いを見せたかったので、あまりに超人的なアクションになりすぎないように、とお伝えしました。肉体同士がぶつかって、悔しさとか、憎しみを感じながら、だけどベタベタしすぎない戦いというか。白夜戦では、三隈研次の映画のような“静と動”の戦い、居合というか、いわゆる日本の殺陣の戦いを観たかったんです。だから、こういうシークエンスにしたいというのを伝える意味で、まずはぼくがビデオコンテを撮影編集して作り、細かい技のアイデアを下村さんたちに出してもらって作った、という感じですね。
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――佐藤監督は下村さんとかなりコミュニケーションを密にとりながらアクションを作られているようですね。他の監督も同じようなやり方をするのでしょうか?
下村:作り方はだいたい同じですけど、佐藤監督はこだわりが違いますね。ぼくらがVコンを作って、監督の微調整が入ると、だいたいの現場ではOKが出るんですけど、佐藤監督の場合はVコンを何回も作り直します(笑)。方向性を決めるまでと、決まってからの細かい流れで、「感情を入れたい」「この動きをこうしたい」とか。引いて、足して、引いて、足してを繰り返しているうちに、元に戻っていたりもします(笑)。
――それは、佐藤監督がアクション映画をわかっているからこそできる、試行錯誤ですよね?
下村:アクション映画をわかっているというよりも、アクションとドラマの関係性を重要と思っていて下さるから出来ることですね。たまに、ドラマとアクションが全く別のものに見えてしまう作品って、あるじゃないですか。『GANTZ』の撮影時に、佐藤監督は「『修羅雪姫』のときに、自分の中でひっかかっていたことがある」とおっしゃっていました。ドニーが作ったアクションと、自分のドラマがかみ合っていない、ということだったんです。だからなるべくそうならないように、『GANTZ』から監督と一緒にVコンを作りはじめました。そこから『BLEACH』まで、ずっとこのやり方です。
――Vコンと言えば、アクション部が作ったものを監督が確認するものだと思っていました。
下村:アクション部で勝手に作っちゃうと、ぼくの自己満足になっちゃうので(笑)。やりたいことは詰め込みますが、押しつけになっちゃうといけないから、監督と話し合いながらやるんです。そうすると、自然とドラマとアクションが融合してくるので。佐藤監督が違うのは、そのあたりに強いこだわりを持っていらっしゃるところです。
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――長らく一緒にやってきたからこそ生まれたコンビネーションですね。福士さんには、どんなアクションを求められたのでしょうか?
佐藤:ぼくは、とにかく一護のキャラクターがにじむようなアクションを求めました。主人公のアクションというものは、そういうものなので。大きいところではそういうことですけど、それにプラスして、斬魄刀という巨大な刀……ゲームとかでは、よく登場しますけど、「これを振り回すアクションって、どんな感じだろうね?」と、すごく興味があったので。その長さを活かせるアクションにしてもらいたいな、と思っていました。だから、途中で刀の上を駆けあがられたりとか、ちょっとした動きでいいので、長い刀ならではのアクションになればいいな、と思っていました。
――下村さんは、どう演出されたんですか?
下村:まずは、あの長さのものを扱えるようにならないといけないんですよね。アクション用で軽いものを作ってもらってはいるんですけど、実際に振ってみると、空気抵抗でなかなかに重くなるんです。角度がちょっと変わっただけで、振れなくなってしまうので、それをどうアクションに落とし込んでいくのか、というのが大変でした。福士くんには練習もしてもらいましたし、手数が増えてきたり、お芝居が入って、受けながら下がったりもするので、大変だったと思います。それと同時に、佐藤監督がおっしゃられた“ハイパーすぎないように”というところでは、恋次戦を香港映画をイメージして作りました。恋次戦はグランドフィッシャー戦に見劣りしないように、さらにエスカレートしないといけない。さらに白哉戦もあるから、それも凌駕していかなきゃいけない。あとは、原作ファンが若い方が多いので、そういう人たちが観ても、カッコイイと感じてもらえるようなものも目指しています。
佐藤:恋次戦が始まったときに、「本番はこれからだ!」みたいにシフトアップする。「今まで観たことのないレベルの、すごい戦いが始まるよ!」みたいなものが欲しかったんです。(本編を)観ると、それはちゃんと出ていたと思います。
(C)久保帯人/集英社 (C)2018 映画「BLEACH」製作委員会
――最後に、沢山のコミック実写映画化を手掛けてこられたお二人に聞かせてください。どこまで原作の“再現度”にこだわる必要があると思いますか?
佐藤:ぼくの場合は、「再現しましたね」で終わるようなものにはしたくないです。ファンの方々が「再現してくれている」と満足して帰ってくれるのはいいんですが、理想としてはプラスアルファで「こんなの、思ってもみなかった!」と驚いてもらえると、ぼくらも幸せです。そうすることで、「映画になってよかったな」と、お客さんに思ってもらえるんじゃないかな、と。再現すること自体にも、それはそれで取り組むんですが、どちらかというと“再現を驚きに変えること”に腐心しているところはあります。
――再現する過程で、気を付けていることは?
佐藤:2次元でやっていることをそのまま3次元にすると、上手くいかないこともあるんですよね。だから、キャラクターを作るときとかにも、ずいぶん苦労します。「これはどんな材質で出来ているんだろう?」とか、そういうことから始まって、映画にしっくりくるものにすることには、こだわりを持ってやっています。
――下村さんは、アクションを作る上で気を付けていらっしゃることはありますか?
下村:最近は佐藤監督の作品、しかも漫画原作ものが続いているので、その話になっちゃいますけど。漫画原作だからといって、漫画のようなアクションに振りすぎない。要は、佐藤監督の求める、どこかしらリアリティのあるものにする、そのテイストを守るということですね。『BLEACH』もそうですが、今までやってきた作品でも、あまり誇張しすぎない良い塩梅を求めていらっしゃるので。アクションを作る上でも、そこは大事にしています。
インタビュー・文・撮影=藤本洋輔
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