実写映画『俺物語!!』を原作者が鑑賞!! 果たして感想は……? アルコ先生×河原和音先生インタビュー

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2015.10.25
実写映画『俺物語!!』アルコ先生×河原和音先生インタビュー!

実写映画『俺物語!!』アルコ先生×河原和音先生インタビュー!

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 原作、テレビアニメとそれぞれに大人気となっている『俺物語!!』の実写映画公開間近! 10月31日より、全国ロードショーがはじまります。主人公・剛田猛男役の鈴木亮平さんが、体重を30キロ増量する(!)という役作りで挑んだこの映画。

情報解禁の時点からすでに大きな話題となっていましたが……そんな作品を、原作者はどう見たのでしょうか? 本編鑑賞直後のアルコ先生(作画)と河原和音先生(原作)に直撃。感想などを伺いました♪

▲作画:アルコ先生(左)、原作:河原和音先生(右)

▲作画:アルコ先生(左)、原作:河原和音先生(右)


 
■猛男役・鈴木亮平さんの役作りに「何の不満もないです」(河原先生)

――実写映画をご覧になったばかりということですが、いかがでしたか?

河原和音先生(以下、河原):面白かったです! 役者さんたちのお芝居もすごい良かったですね。

アルコ先生(以下、アルコ):それに、原作の話も入れ込んだストーリーだったので、展開を知らない状態で観たかった!とも思いました。

河原:そうそう! 私たちって原作はもちろん、映画の脚本とかも見せてもらってるから、当然すべての展開を知っているんですよ。何も知らない状態で観ていたら、どんな感じだったのかなーっていうのは気になりますね(笑)。

――まっさらな状態で観たら、新たな驚きや発見もありそうですもんね。

アルコ:ですね。だからこそ、原作を知らない人にも観て欲しいなとも思います!

河原:あと、脚本を読んだだけの状態と仕上がった映像を観るのとでは、やっぱり全然違って、すごく良くなっていました。役者さんたちのお芝居や間のとり方、テンポが入ることで、ニュアンスがすごく変わるんですね。

アルコ:セリフも、こんなふうに入るんだ!って思ったり。

河原:話し方ひとつでこんなに違うんだ!とかね。猛男の歩き方とかポーズもすごい良かったです。ずっと猛男を見ちゃうっていうか(笑)。

――そう、猛男役の鈴木亮平さん、すごくハマっていましたね!

河原:私、実写化するにあたって「猛男が卑屈に見えないようにしてください」ってお願いしたんですよ。猛男ってバランスの難しいキャラクターなので、一歩間違えると感じが悪くなってしまうので。だからそこには気を使いたかったんですけど、鈴木さんはそういう演じ方を一切しない方だった。むしろ、もっともっと任せてもよかったのかなって思うくらいでしたね。

アルコ:そもそも、担当さんに「猛男役は誰がいいですか?」って聞かれたとき、冗談っぽく「鈴木さんがやってくれたらいいですね」って言ってたんですよ。だから本当に決まったときは嬉しかったです。実は、実写化のお話自体は1巻のころからいただいてたんですが、原作がたまってない状態だし、猛男をできる人いないでしょ?ってことになって、そのままだったので……。

河原:あのときって「猛男はCGで」って提案をもらったくらいだもんね(笑)。だからこそ、今回鈴木さんに演じてもらえて、ハマって良かったです。この撮影に入る前、ドラマですごい痩せてたのに。よく受けてくれたなって思います。

――体作りが見事ですよね。

河原:実写だと、肩のあたりとか首のラインとかが目立つから、ああいう体になってくださってすごいありがたかったですね。あと、日焼けもされてたんですよ。たしかに肌の色が白いと、血色が悪く見えてなんか違うので。そこまで気をつけてくださって、もう何の不満もないですね。

――では、そのほかの主要キャストである、永野芽郁さん(大和凛子役)と坂口健太郎さん(砂川誠 役)はどうでしたか?

アルコ:永野さんは99年生まれなんですけど、私99年デビューなんですよ。それにはびっくりしましたね。そっかー!って(笑)。現役高校生の15歳で大和役に決まったということで、すごく嬉しかったです。大和は15歳の方にやってほしいなって思ってたので。

河原:そうそう。現役高校生の、なかでも15歳だからいいんだよね。実際の演技も、初めて恋を知った感じがすごく出ていてよかったです。まわりの子たちとのやりとりや動きを見ても、すごく“高校生”でありがたいなと。あとはもちろん、お芝居も。大和って、言い方ひとつで女子からは嫌な感じにとられる子にもなり得るんですよ。でも、永野さんはそれがなかったです。自然と応援したくなるような雰囲気がありましたね。

アルコ:「うちやっぱり猛男くんが好きだ」って言ったとき、芯の強さがすごい出てましたよね。私はあれが良いなって思いました。

河原:原作そのままってわけではないんだけど、映画は映画ですごく良い大和なんですよね。「ありがとう」っていうセリフもアクセントとかが違うんですよ。アニメとも違う。言い方ひとつで全然違うし、そうしたら印象も全然変わってくるから。そういうところがすごく面白いなって思いますね。そしてどっちも良いなと思います。

アルコ:で、坂口さんは、本当に好きな顔だから嬉しかったっていうのもありますし(笑)、見た目的にもまさに砂川だなっていう印象ですね。たぶん、私のマンガに坂口さんを登場させるとしたら、砂川みたいな顔になるんです。あっさりめのキレイな顔。

河原:それに、醸し出してる雰囲気も良かったですね。本を読んでいる姿が自然とサマになってる感じ。

アルコ:実際に休憩中も本読んでましたもんね。はしゃがないんだけどちゃんと若いっていうところもハマってたなあ。

――結果的に、3人とも満足だったと。

河原:こいういうキャスティングになったのは、それぞれのキャラクターをわかってくれている証拠なのかなって気もしますね!

 
■「連載って言われてたら(猛男のビジュアルは)こうはなっていなかった」(アルコ先生)

――次に、原作についても振り返っていただければと。読み切りからはじまった『俺物語!!』ですが、もうコミックス9巻。4年も経っているんですよね。

アルコ:言われてみれば……。私、最初のころは授乳しながら描いてたんですけど、その子がもう年中さんなってるので。確かに4年ですね。今そう聞いてようやく意識した感じです。

河原:たしかに、そんなに経ってたんだって感じだよね。ただ、4年前も今も何も変わらずネームをやるだけの日々ですね。淡々と仕事をしてます(笑)。

――とはいえ、4年も続いていられるのには、なにかしらの原動力があるのでは?

河原:うーん、勢いですかね?(笑)。アルコさんが描いてくれるなら!ってことで勢いよく読み切りを作りはじめたら、アルコさんもアルコさんで勢いよくやってくれたという感じ。今も、その勢いがなるべく衰えないようにって気持ちでがんばっているような気がします。

アルコ:私は……なんだろう(笑)。最初は、河原さんは別の連載(「青空エール」)もやってるから、「同時に二本連載とかないでしょ」っていうのもあったし、読み切りって話だったので、当然そのつもりでやってたんです。でも、1巻が出たときに「もう1冊」みたく言われて。河原先生がいいんだったら私はやりたいです!って言っていたら、いつのまにか3巻が出たって感じ(笑)。

――それもある種の勢いなのかもしれないですね(笑)。では、物語を作るにあたり、主人公の猛男はどういった経緯で生まれたんでしょう?

河原:そもそものきっかけは、前に別の作品で原作をさせていただいたときに、そのときの作画担当の先生が、男の子の主人公のほうが描きやすそうだなって思ったことですね。それで話を作っていったんですけど、大和を助けるために鉄骨を受け止めたシーン(原作第1巻、アニメ第2話参照)あたりが頭の中で描かれたときに、猛男の人となりがハッキリした気がして。「あ、できる」って思ったんです。

――いわば猛男のキャラを象徴するシーンなんですね。

河原:そうですね。あのシーンで、猛男は鉄骨を受け止めて砂川は大和に駆け寄るんです。そこで猛男が「俺は鉄骨にいくからダメなんだな」って一度は思うんですけど、その後「でも、助かったからいいんだ」って普通に思うんですよ。卑屈にならないんですよね。キャラを決定づけるうえで、この出来事はすごく大きかったなと。おかげで、人となりが定まりました。どのマンガ家さんも経験してることなのかなって思うんですけど、こういう“出会い”みたいな瞬間があるんですよね。猛男に関しては、ここでできたなと思ってます。

――では、外見はどうですか?

アルコ:話を読んで、迷いなく一気に描きあげました。考えて描いたって言うよりは、そこにいた、みたいな感覚ですね。ただ、読み切りならこのくらいやっちゃってもいいだろう!って思って作ったキャラなので、最初から「連載だよ」って言われてたらこうはなっていないと思いますけどね。読者の目を気にして(笑)。

――ともあれ、そんな猛男の魅力もあって大人気作になっています。加えて、9月まで放送されていたアニメもすごい反響でしたが、先生たちからみてアニメが人気になった理由ってどこにあると思いますか?

河原:やっぱり、スタッフさんがこだわって作ってくださったお陰だと思います。声優さんたちもすごい愛情を持ってくださっていましたね。アフレコを見学させていただいたこともあるんですけど、シーンの解釈についてとかまで細かく考えてくださっていて。こんなにていねいにやるものなんだ!ってびっくりしました。私そこまで考えて書いてないなって思っちゃうくらい(笑)。

アルコ:それに、楽しんで作ってくださってるな、っていうのが伝わってくるんですよね。私としてもすごく嬉しいです。DVDパッケージに描かれている猛男も毎回おもしろい! あれ描いてくださってる方すごいノリノリだなあと。新しい巻が届くたび「あ、今度はこんなんなってる!」って笑ってます(笑)。

――映画も、鈴木さんの役作りをはじめこだわりを感じる部分が多いから、観る方がどう感じるか楽しみですね。

河原:アニメとも原作とも違う感じなので、そういうところも楽しんでもらえたらいいなって思いますね。

アルコ:ストーリーを知っている人も知らない人も、あったかい気持ちになれると思います。ぜひ観てもらえたらと思います!

 
■作品概要

【イントロダクション】

 別冊マーガレット2012年1月号から連載開始され、現在コミックス既刊9巻で累計400万部突破の大ヒットコミック『俺物語!!』。全く高校生に見えない超イカツイ顔面と屈強な肉体をもつ男の中の漢(おとこ)が主人公というこの異色の少女漫画は、連載開始と同時に瞬く間に話題となり2013年「このマンガがすごい!」オンナ編第1位に輝き、2013年「講談社漫画賞少女部門」も受賞。女性だけでなく男性読者をも魅了し、世代を問わず受け入れられた本作。2015年4月からはテレビアニメも放送開始され、その人気はさらに拡大。近年実写映画化が続くいわゆる「少女コミック」発の作品群の中でもひときわ異彩を放つ本作は、人気と質において名実ともに現在No1の人気作品といっても過言ではありません! そんな話題作『俺物語!!』が、この度実写映画化されることが決定いたしました!

高校生離れした見た目だが、純情で優しい心根を持つ主人公・剛田猛男(ごうだたけお)を演じるのは、数多くの話題作に出演する人気実力派俳優の鈴木亮平。朝ドラの好青年から狂気のマッチョ役まで変幻自在! 本作では、わずか1か月で30kg増量を果たし心身ともに猛男として生きることを自ら決意。持ち前の身長と鍛え抜かれた肉体に加えて「優しさこそ本当の強さ」という本作のテーマを体現するために全身全霊で取り組みます。

そして、猛男が一途に想い続けるピュアな女子高生・大和凛子(やまとりんこ)役に、新星・永野芽郁。雑誌「ニコラ」のモデルとして活躍する一方で、『るろうに剣心』など映画への出演も重ねている、今年ブレイク間違いなしの逸材。また、イケメンでクールな性格だが実は友達思いな猛男の親友・砂川誠(すなかわまこと)役を、甘いマスクで人気沸騰中の坂口健太郎。雑誌「MEN’S NON-NO」のモデルとして活躍する一方で、映画『娚の一生』『海街dialy』『ヒロイン失格』と今年公開の話題作に立て続けに出演しています!フレッシュにして真摯な3人の共演で、瑞々しさがスクリーンいっぱいに拡がります!さらに、猛男の両親役には、寺脇康文、鈴木砂羽。鈴木亮平に負けじと!?本気の役作りを披露!原作の世界観を愛するバラエティに富んだ豪華俳優陣が集結しました。

“かっこよさ”とはなんなのか?“人を愛する”とはどういうことなのか?
主人公・猛男の“漢気(おとこぎ)”と“優しさ”は、幅広い世代の共感を呼ぶこと間違いなし!
笑って笑って、爽やかで温かい涙が溢れ出す…世代性別を超えて楽しめる、究極にして本気の純情ラブストーリーが2015年10月31日(土)より全国東宝系にて公開。温かな笑顔を日本中にお届けします!!

【ストーリー】

主人公・剛田猛男(鈴木亮平)は高校1年生。全く高校生には見えない顔面と巨体の持ち主 、かつ豪傑・硬派なまさに日本男児。いかつい風貌と不器用さで女子から恐れられているが、情に厚くいつ何時も人助けをする包容力で男子からの信頼はアツい!
これまで好きになった女子はみんな、猛男の隣家に住む 超イケメン・砂川誠(坂口健太郎)を好きになった。猛男も砂川を素晴らしい男だと認めているので、そうなることも仕方のないと思っている。タイプは違えど、猛男と砂川は親友なのだ。

ある朝、猛男と砂川は街中で危機に遭っていた女子高生・大和凛子(永野芽郁)を救い、猛男は大和に一目惚れをしてしまう。
「好きだあああああああ!」
再び3人で会うことになったある日、ふとした大和の仕草で「大和は砂川のことが好きなのだ」と猛男は気づく。落ち込みながらも大和のために一肌脱ぐことを決心し、仲を取り持とうとする切ない猛男だが――。

大好きな大和のために奔走する、猛男の一途な恋の行方は……? 
一方、思い悩む大和は……?砂川は親友・猛男のためにどう動くのか!?
大切な人のことを第一に思うそれぞれの真心が、感動を呼ぶクライマックスへ!

【キャスト・スタッフ】
鈴木亮平 永野芽郁 坂口健太郎 / 鈴木砂羽 寺脇康文

原作:「俺物語!!」(作画・アルコ 原作・河原和音 /集英社「別冊マーガレット」連載)
監督:河合勇人
脚本:野木亜紀子
音楽:岩崎太整
 



■公開日
2015年10月31日

■公開情報
全国東宝系にてロードショー

>>公式サイト

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