『"Pretty Guardian Sailor Moon" The Super Live』夢宮加菜枝×古賀なつき×河西智美インタビュー「その瞬間、私たちが戦士になる」
(左から)夢宮加菜枝、古賀なつき、河西智美
月刊誌「なかよし」(講談社刊)にて、1991年から連載を開始した武内直子原作の少女漫画「美少女戦士セーラームーン」(以下、「セーラームーン」)。同作の25周年プロジェクトの3大ステージコンテンツの一つとして発表された『"Pretty Guardian Sailor Moon" The Super Live』は音楽×ダンス×映像でみせる『セーラームーン』のパフォーマンスショーだ。
構成・演出・振付を世界に才能を認められたダンスアーティスト・TAKAHIRO(上野隆博)、脚本を2.5次元ミュージカル中心に演出・脚本を多く手がける児玉明子、音楽を多岐にわたるアーティストの楽曲提供・プロデュースを行い、自身もテレビ・ラジオ番組に出演しているヒャダインという日本屈指のクリエイター陣が揃い、東京プレビュー公演、パリ公演と今までにない新しいパフォーマンスショーとして世界に向けて動き出している。
今回は、本作でセーラームーン/月野うさぎを演じる夢宮加菜枝、古賀なつき、河西智美のトリプルキャストに見どころや役についての思いを聞いた。
(左から)夢宮加菜枝、古賀なつき、河西智美
ーー役が決まった時はどんな思いでしたか?
夢宮:オーディションを受けた時に、実は落ちたと思ったんです。オーディション中も全然自信がなくて、大丈夫かなとずっと思っていて……。終わった瞬間、マネージャーさんに、ごめんなさいの電話をかけちゃいました(笑)。なので、合格したという知らせを受けた時は嬉しすぎて、本当に信じられなかったです。しかも、セーラームーン/月野うさぎちゃん役ということを聞いて夢のような気持ちでした。
古賀:私はものすごく嬉しかったなという気持ちと、ものすごく不安だなという気持ちでした。でも、何より世界中から愛される『セーラームーン』の一員になれることへの誇りと喜びを身に感じました。それと、役が決まった日の夜から、お月様に語りかけるのが日課になりました。
河西:大丈夫?(笑)。
古賀:セーラー戦士たちの前世での故郷なので、お月様に語りかけようかなと思って。「今日は稽古が長かったけど、がんばったよ」みたいに(笑)。
河西:私は『セーラームーン』作品への愛があふれすぎていて、ちょっと逆に心配でした。でも、小さい頃からの夢だし、これはもうラストチャンスだなと思って受けさせていただきました。だけど、こうやってお仕事をいただいたので、死ぬ気でがんばろうと思っています。今回はトリプルキャストなので、3人でいっぱい話し合えるというのは心強くて、見ていても勉強になります。私も何か2人に伝えられるものがあったらいいなと思っています。
河西智美
ーーThe Super Liveとしての見どころはどんなところになりそうですか?
夢宮:やっぱり世界的にも有名なTAKAHIROさんが振付や演出をしてくださるということで、ダンスは1番の見どころになると思います。それと、3チームによってそれぞれの良さが全く違ってくるので、そこも見どころです。
古賀:本当に濃厚なパフォーマンスショーで、隙が無いという感じです。5戦士と敵役にも注目していただきたいですし、アンサンブルの方たちのキレキレなダンスにもぜひ注目して欲しいです。
河西:パフォーマンスショーということでセリフは多くなくて、ミュージカルとも一味違いますし、やっぱり見所は歌って踊るところですね。『セーラームーン』を短い時間の中で音楽とダンスを中心に伝えるのは、すごい熱量がないとできないことなので、スタッフさんも私たちも試行錯誤しています。その時間が5戦士たちやカンパニーの絆を深めているんです。みんなで集まって全力を尽くすその瞬間、私たちが戦士になる瞬間なんだなと思いますね。その一生懸命やっている熱量を感じてもらいたいです。
ーー演出を務めるTAKAHIROさんは印象的な振付をされるイメージがありますが、今回の公演ではどうですか。
河西:“ザ・TAKAHIROさんワールド”という感じです。色々な振付師さんを見てきましたが、その中でも独創的というか、TAKAHIROさんがやった動きをやろうとすると同じことがすぐにはできないんですよ。
古賀:できないですよね。
古賀なつき
河西:でも、すごく素敵だと思ったのは、それぞれの長所を活かして振りを作ってくださるところ。例えば、すごく脚が上がる人には「ここで脚を上げてごらん」とか、ほかにも「そこは違うポーズでいいよ」「そこは踊らなくてもいいよ」とか、それぞれの個性をちゃんと見ながら、大事にしてくれるのがすごく魅力ですね。加菜枝ちゃんがバレリーナのようにクルクルと回る動きとかすごく素敵なんですよ。
夢宮:えーそうですか(笑)。
河西:自分で出すものを出して、それで良かったらオーケーという感じで、決めすぎないところはやりやすいですね。
ーーそれぞれの役者が持っている個性がさらにプラスされた振り付けになっているんですね。
古賀:TAKAHIROさんの振付で、私がすごく魅力的だなと感じているのは、手の振りなんです。欅坂46さんとかのPVを見ても、手の振りをすごく魅力的に感じるんですよ。今回の公演でも、手の動きに注目していただきたいなと思います。
夢宮:私はずっとバレエしかやったことがなかったので、今回はジャンルが全然違う点に苦戦しています。でも、TAKAHIROさんはバレエの良さも振付に取り込んでくださるので、必死に食らいついています。それに、セーラームーンだけでなく、5戦士の中でもそれぞれの個性をすごく出してくださっていて、3チームでも違いがありますね。
夢宮加菜枝
古賀:それに、音を見逃さないんですよ。小さい音も見逃さずに、そこに振付をしていくので、踊っていてもハマるから気持ちいい瞬間があるんです。
河西:TAKAHIROさん自身がパフォーマーという感じで、そこに私たちが必死についていく状態です。TAKAHIROさんがやってほしいと思っていることを、まだ自分はできてないんだろうな、ともどかしい気持ちになりながら自分と戦っていますね。
ーーどんなセーラームーン/月野うさぎにしたいと思いますか?
夢宮:テレビや舞台で活躍されている河西さんや、高校や大学もミュージカル系のなつきちゃんとは違って、私は何も知らないポンコツですが(笑)、それが逆に新鮮さを持ったうさぎちゃんを作り上げる鍵になるのではないでしょうか。
古賀:うさぎちゃんは愛すべきドジっ子みたいな一面もありつつ、仲間を想って凜として戦うセーラームーンであり、そしてタキシード仮面様への繊細な乙女心を持つ少女でもあるという多面性がありますよね。そこをクリアに出すことができるように、いろんな顔を持つうさぎちゃんでいたいなと思います。
河西:『セーラームーン』をあまり知らない方は、可愛くてキャピキャピしている作品というイメージがあると思うんです。だけど、セーラームーンたちが宿命の戦士として、女の子が命をかけて戦って世界を守っていくという覚悟を決めてそこにいる瞬間というのは、誰よりも格好良くて強くて凛々しい瞬間なんです。そういう戦士としての顔や覚悟をしっかり見せられたらと思っています。しっかりと芯のあるものだというのを伝えたいので、そこは絶対に大事にしたいんです。
河西智美
ーービジュアル撮影で、初めてセーラームーンになった瞬間はどんな気持ちでしたか?
夢宮:私は髪を染めたことがなかったので金髪になった自分が全然想像できなくて、カツラをかぶって金髪になったら「こんな感じなんだ……」と(笑)。
古賀:分かる!
河西:イケてるなとか思ったりね(笑)。
夢宮:自分が変身していくような感じですごく嬉しかったです。
古賀:私は衣裳を着た時のことを正直に言うと、痩せないといけないなと思いました(笑)。
古賀なつき
河西:分かるよ(笑)。
古賀:「初めまして、うさぎちゃん、セーラームーン。これからよろしくお願いします」という気持ちで着させていただきました。すごく立派な衣裳なんです。しっかりした作りなので、その衣裳からもパワーをもらった気がします。
河西:以前、自分のバースデーイベントで、全戦士のコスチュームを着て「ムーライト伝説」の歌に合わせてOPを1人で再現するという映像を作ったのですが、今回の衣裳を実際に着てみると「これがホンモノなんだ」と感慨深かったです。それと、メイクさんが私の見ていたバンダイ版のセーラームーンミュージカルのメイクもやったことがある方だったんですよ。色々と感慨深くて、泣きそうになっちゃいました。
ーーそれでは最後に、お客様にむけてメッセージをお願いします。
夢宮:今回の公演は3チームあるので、ぜひ3チーム全てを見ていただきたい気持ちがあります。『セーラームーン』を知っている方にも、知らない方にも、そして世界の方たちにも本当にたくさんの方に見ていただきたいです。よろしくお願いします。
夢宮加菜枝
古賀:誰も見たことがない新しいパフォーマンスショーが生まれようとしています。皆様の応援が私たちの背中を押してくれるので、素敵なこのThe Super Liveを劇場にぜひ見に来てください。
河西:がむしゃらに女の子たちが汗を流してボロボロになりながら戦って稽古をしている熱量を感じてもらえたら嬉しいです。お子さんが見てもすごく楽しい作品だと思うし、大人が見ても本当に泣けるし、キュンとできるものがたくさん詰まっています。年齢関係なく、男女関係なく、楽しんでもらえるのが『セーラームーン』。少しでも興味があったら1回でもいいので、見に来てもらえたら嬉しいなと思います。そうしたら絶対に『セーラームーン』が好きになると思いますし、そうなれるように私たちもがんばります。
(左から)夢宮加菜枝、古賀なつき、河西智美
取材・文=櫻井宏充 撮影=山本 れお
公演情報
<原作> 武内直子(講談社刊)
<構成・演出・振付> TAKAHIRO(上野隆博)
<演出補> 三浦 香、元吉庸泰
<脚本> 児玉明子
<音楽> ヒャダイン
【東京プレビュー公演】
<公演日程>
2018 年 8 月 31 日(金)~9 月 9 日(日) AiiA 2.5 Theater Tokyo
<出演>
※出演者は変更となる場合がございます。
セーラームーン/月野うさぎ:夢宮加菜枝【❤キャスト】 古賀なつき【◆キャスト】 河西智美【♪キャスト】
セーラーマーキュリー/水野亜美:ココナ【❤キャスト】 川村海乃【◆キャスト】 替地桃子【♪キャスト】
セーラーマーズ/火野レイ:平井琴望【❤キャスト】 二宮響子【◆キャスト】 長谷川 唯【♪キャスト】
セーラージュピター/木野まこと:尾花貴絵【❤キャスト】 松崎カンナ【◆キャスト】 山崎紫生【♪キャスト】
セーラーヴィーナス/愛野美奈子:星波【❤キャスト】 中西裕胡【◆キャスト】 後藤紗亜弥【♪キャスト】
クイン・ベリル:京香【❤キャスト】 京香【◆キャスト】 哀川まこと【♪キャスト】
クンツァイト:真田怜臣【❤キャスト】 真田怜臣【◆キャスト】 真田怜臣【♪キャスト】
松林篤美【❤キャスト】 松林篤美【◆キャスト】 小泉もえこ【♪キャスト】
新橋 和【❤キャスト】 榎本愛子【◆キャスト】 新橋 和【♪キャスト】
土定美月【❤キャスト】 東川歩未【◆キャスト】 土定美月【♪キャスト】
大澤涼風【❤キャスト】 小泉もえこ【◆キャスト】 大澤涼風【♪キャスト】
大橋美優【❤キャスト】 相川日菜子【◆キャスト】 大橋美優【♪キャスト】
タキシード仮面/地場 衛:立道梨緒奈【❤キャスト】 立道梨緒奈【◆キャスト】 立道梨緒奈【♪キャスト】
<料金> 5,800 円 (前売・当日共/全席指定/税込)
【パリ公演】
ジャポニスム 2018 公式企画
<公演日程>
2018 年 11 月 3 日(土)~4 日(日) パレ・デ・コングレ・ド・パリ 大劇場
<公式サイト> http://sailormoon-official.com/stage/superlive/
<スポット映像> https://youtu.be/e-Mm_KYlLcA
<主催> "Pretty Guardian Sailor Moon" The Super Live製作委員会