【RUSH BALL 2018 クイックレポ】ReN、ギター１本で鮮やかなサウンドスケープを描く

RUSH BALL 2018　ReN（OPENING ACT）

20周年を迎え、初の3days開催となった『RUSH BALL 2018』の記念すべきオープニングアクトを務めるのは、シンガーソングライターReN。台風一過の清々しい空の下、アコースティックギターを抱え、Tシャツにジーンズのラフなスタイルで登場。足元のループマシンを駆使し、ギターの音色の上にパーカッシブなボディタップやコーラスを重ねていく多重演奏で、ステージ上にひとりとは思えない鮮やかな音像を描き出していく。

緊張感がありつつもフォーキーな温かみもあるサウンドとオーラのあるヴォーカルに魅せられ、最初はまばらだったステージ前に続々と人が集まってくる。「ギターと声、マイクを使って今日しか出せない音を出していくんで、それぞれのグルーヴで体を揺らして楽しんでください」と、ダンサブルなナンバー「Life Saver」を披露。リズミカルなギターカッティングが風にそよいで心地よく響いていく。

そして8月15日にリリースした自身初の EP「存在証明」より、「懐かしい想い出を歌った曲です」と「僕のミニ四駆」を。過去の自分を見つめるような優しく包みこむヴォーカルが印象的。そして、「迷ったり悩んだりした時に自分に向けて曲を書くことがあります」とEPタイトルソングでもある「存在証明」を力強く披露。先程とはうってかわって、意思のある歌声で自分や音楽へのひたむきな想いを込めていく……。その天性の表現力に引き込まれる瞬間だった。最後は、「一緒に体を揺らしてください」とアップテンポなナンバー「Shake Your Body」で観客がタオルをまわし、会場には笑顔が溢れた。緩急あるセットリストでしっかり存在感を示したReN。初々しいライブで爽やかな幕開けを飾った。
 

文＝岡田あさみ　撮影＝河上良

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