【RUSH BALL 2018 クイックレポ】クリープハイプの「新しい出逢い・新しいチャレンジ2018夏」

2018.8.25
レポート
音楽

クリープハイプ

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RUSH BALL 2018 クリープハイプ

現在、バンドにとって夏フェスは大事なスケジュールのひとつ。いくつ出て、どのステージで、どれだけ動員して、どんなに盛り上げたか……、それがリアルすぎるくらいにバロメーターになる。そこに対して、クリープハイプは同世代バンドの中でズバ抜けて意識的であり、敏感でもある。今年、彼らは関西の夏フェスとして、残念ながら雨天中止にはなってしまったが『京都大作戦』、そして『RUSH BALL』に出演する事になった。両方初出場のフェス、つまり新しい出逢いを求めて、新しいチャレンジに挑む。

クリープハイプ

新しさに対して緊張感を持ち過ぎるのではと勝手に危惧していたが、ステージに上がる前の尾崎世界観は笑顔で、リハーサルでも心から新しさを楽しんでいる事が伝わってきた。声だけで持っていける感じ。絶好調である。いざ本番。「初めてが一番ドキドキして気持ち良いと想うので、よろしくお願いします。『RUSH BALL』童貞をもらってください!」。尾崎らしい言葉でスタート。何の心配も無いが、敢えて観客エリアをぐるりと歩いてみる。後方でのんびりご飯を食べながら観ている観客たちも口ずさんでいた。あぁ~、ちゃんと元から彼らの歌が浸透していて、みんなに馴染んでいる事がわかる。やはり、何の心配も無い。

クリープハイプ


クリープハイプ

「当たり前だけど、夏だから夏の曲を歌います!」と尾崎が「夏のせい」と歌い出す。で、タイトルは「ラブホテル」って相変わらず凄いタイトルだなって呑気に思いながら、観客エリアを観ると、いわゆるフェスキッズたちが嬉しそうに「夏のせい」と歌っている。このエエ感じのままで終わらせないのが、尾崎の(いい意味で)天邪鬼なところ。演奏を途中で止め、「昨日ツィッターに「岡崎世界観むっちゃ好き!#クリープハイプ」と呟かれてました。もっと頑張ろうと想いました」と、もはや十八番とも言えるエゴサーチについて語る。充分頑張っているし、別に悪気あって呟いた訳じゃないんだから、気にしなくていいよと思うも、一度このモードに入ると(いい意味で)止まらない。「「イケるかー!」、「イエー!」みたいなの羨ましいなと思うけど、やったらやったで似合わないので、囁き声でコール&レスポンスをしていいですか?!」と敢行するも、本人いわく「全然盛り上がらない(笑)」。だからって別に盛り下がった訳じゃないし、人と違う事を常に意識しまくって生きてるから、このバンドは常に新鮮さを保っているんだなと思わずニヤついてしまった。

クリープハイプ

基本フェスキッズたちは速いテンポの楽曲で騒ぐ事に馴れている。が、ここまで丁寧に確実にライブを進めてきたからこそ、ミドルテンポの「二十九、三十」でもフェスキッズたちは胸騒ぎしている。ラストはFM802春のキャンペーンソング「栞」セルフバージョン。大阪の為に作った大阪の歌は、大阪のフェスで確実に鳴り響く。最後、ステージ中央で観客に対して、長い時間頭を下げる尾崎が素敵だった。新しい出逢い、新しいチャレンジは見事に成功である。
 

文=鈴木淳史 撮影=渡邉一生

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セットリスト

RUSH BALL 2018 クリープハイプ
1. HE IS MINE
2. 鬼
3. 火まつり
4. ラブホテル
5. イト
6. 二十九、三十
7. 栞
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